2020/11/15 のログ
クレス・ローベルク > 大事な事なんだよ!と声を大にして言いたくなるが、此処で声を大にしたら話は進まないし、そもそも何のためにこんな事をしているのか解らないので話を先に進める。
剣闘士の社会的信用は、色々と大事なのである。特に、ご近所のオバサンに「あんたいい加減もっときちんとした仕事見つけなさいよ」とか言われないために。

「てっきりエールとかが出ると思ったからさあ……。
ワインは割とこだわりあるんだよ。実家で良いの呑んでたし……」

と言って、フォークでサラミを突っついて食べる男。
ツマミの方は流石に美味しかった。サービスのサラダにかかってるチーズで救われている部分もあるが。

「……さては君、普段から割と俺の事上から目線で見てるな?
もし闘技場に出ることがあったら覚えてろよ……まあ、何とも言いにくいイメチェンなのは認めるけどさ」

実際、平民の服装としても、かなりだらしのないものだ。
シャツはともかく、ズボンはダボダボ。バックパックは背負っているものの、中身は何日か分の着替えぐらいしか無い。
とても、ダイラスで名を馳せた剣闘士とは言い難かろう。

「うん、ヤバイんだよ。でもダサイと言った事は一生忘れないから……え?」

てっきり、このまま「じゃあ頑張ってね」ぐらいで仕事に戻るかと思っていたので、呆気に取られた目をして。
しかし、先程一生忘れないとまで言った後だけに、ぐ、ぬと悔しそうに呻いて。

「一生忘れない……忘れないが、忘れないがしかし……っ、……カクマッテクダサイオネガイシマス……っ!」

割と人生の大ピンチなのも事実で。
ぷるぷると震えつつ頭を下げる男。
どうやら、また一段階、男の地位が少女より下がった様だった。

ティアフェル >  別にバカにしているつもりも、そこまでヤクザな仕事だとも思ってないが――まあ、この人のプレイスタイルからしても、とても堅実と云えない商売なのはそれこそ公の事実でもあろう。

「残念、これが一等安いのよ。クレスさんみたいなグルメ以外はまあ、こんなもんだろって飲んでるわよ」

 文句ばっか云わないの、と人差し指をぴっと立てて。それから上目線という難癖をつけられて首を捻る。そうでもないけどね、と云う女はなんせ口が悪い。

「いや、出ないでしょ。わたしが闘技場なんてまず出ないでしょ。だから速やかに忘れとくね。普段のコスプレみたいな恰好を見慣れてるとむしろ今の方がコスプレに見えるねえ」

 しみじみと眺めて零す。隙のないタイプだと思っていたが……今の姿は隙だらけである。これでナンパなんてできないだろーなと明後日なことを考えて。

「そんなに気にするってことは自分でもダサいって分かってるってことでしょ?
 ――おっけ。いーよいーよ、任せといて。
 困った時はお互い様。クレスさんに貸しを作っておくに越したことはないわ」

 ほらほら頭上げて、と殊勝なんだかそうでもないんだか良く分からない言動と行動に微苦笑気味に口元を崩し、ぽんぽんと肩を叩くと。

「ちょーどここは宿屋だからね。ここのご主人に頼んでわたしの友達としてしばらく泊めてもらえるようにするわ。――もちろん、訳ありとしてね」

 だから、変装にしてももうちょっとマシな方向に修正しよーねーと目線を合わせ覗き込むようにして改めて眺め。似合わな……とぼそり、呟いた

クレス・ローベルク > ヤクザな仕事をしていると思っているのは、寧ろ男の方で。被害妄想感があるというか、劣等感を感じがちな男なのである。
尤も、それを表に出さないだけの理性はあるが、偶にこうしてぽろっと口をついて出ることがある。

「いやまあ、多分出ないだろうから言ったというのはあるけど。実際に会ったら、勝っても敗けても嫌な気分だろうし
コスプレ……。一応、これ私服なんだけども……」

髭か?髭のせいか?と首を捻る男。
私服のセンスが無いというか、私服は別にこだわらなくても良いという質なのだろう。
なまじ、普段から仕事着で通しているせいで、私服を選ぶという学習機会自体が少ないのもあるが。

「いや、そんなにダサくは……あ、うん。それはマジで助かる。
多分、三日ぐらいで諦めるだろうから……うん。それまでのお金なら、何とかあるし」

一応、こういう時の事を見越してお金は多めに持ってきている男。
今回、この様な変装に頼る事になったのはバレてから実家が兵を回すまでの時間が早かったので、変装や身を潜む時間が無かったからで。
はぁ、とため息を付くが、しかし「いつまでも若い子の前で気落ちしてられないな」と男は気を取り直して

「いつか、この埋め合わせは必ず。
困り事があったら、何時でも力になるよ」

と、最後だけはキリッとした表情でいうのだった。

ティアフェル > 「闘技場になんてエントリーしないけど……そうねぇ、万が一出さされたら……分かってるよね?
 いや、今のかっこのがフツーっちゃフツーなんですけどね。なかなかもっさりしてるけど……」

 含みのある目が笑ってない顔でにっこりと笑って釘を刺す。絶対ない事態だがもしも起こった場合他の出場者と同等に扱ったらどうなるかと。
 
「三日坊主とは、根性ないね。念のため四日泊って行きなよ。
 一応従業員割してもらうからゆっくりしてって。わたしもちょいちょい顔出すし」

 表の様子などは報告する、と告げて。貸しだとは云ったものの別にさほど恩に着せるつもりはない。むしろ今まで結構借りていた立場なのだから少しは借金返済、というようなもので。

「いーっていーって。
 実際今まで困った時に立ち会ってた場合は助けてもらってるしね。
 友達だったらとーぜんでしょ。何か要る物あったらゆって。買い出しくらいはするから」

 最後だけ締まった顔をする様子に少しくすくすと肩を揺らしつつ、ひらひらと手を振って。お気になさらずと意思表示。
 これまでしてもらったことを考えると多少の力にはなろう。大したことはできないが、役に立てばそれでいい。
 に、と気楽そうに笑って、空になった皿を下げてがてらに主人に話を通し。彼の方へ大きく手で丸を作ると、「おっけーだって」と明るく告げた。

クレス・ローベルク > 「いやあ、仕事に手は抜けないから……。仕事じゃなくて、趣味として大会に出てるなら別なんだけどねえ」

と、言葉を濁す男。勿論、出ることはまずない。仮に運営が無理矢理出すにしても、理由が思い当たらない。確かに美人だが、対戦相手が去勢される可能性を考えれば、とても出場などさせられないだろう。

だから、心配するに及ばないのだが、そこで嘘でも「君のことは俺が守るよ」と言えないのが駄目なところなのだった。

「まあ、あっちも街のごろつきとかに長く関わって家名を落としたくはないだろうし。
っていうか、そのプランだと、つまり俺、時折ティアとお喋りしながら部屋でぬくぬくお休み出来るわけか……。
――アリだな……」

と、しみじみ言う男。
今まで、何となくついていないと思っていたが、この状況を冷静に整理するとつまりそういうことだった。
外に出れないのは不便だが、元々ワーカーホリックなのだ。多少休みが長引いても、金の問題はない。流石に、闘技場には何らかの手段で連絡を取る必要があるだろうが。

「ありゃ下心アリの人助けだから、別に遠慮しなくて良いんだけど。でも、そういう事ならこっちも遠慮なく。
取り敢えず、後で闘技場に手紙を書くから、それを出してもらう事にして――」

こうなると、一度店の店主とも話をする必要はあるだろう。
そう考え、男は取り敢えずワインを飲み干し、サラミとサラダを平らげると、

「取り敢えず、お店の人にもお礼とか色々言って、お部屋見せてもらうよ。
君には暫く迷惑をかけるけれど――まあ、何だ。友達として、頼らせてもらうよ」

と、最後は少し照れくさそうに言って、男は店主と話をしに行くのだった。

ティアフェル >  まあ、どっちにせよ闘技場関連でなんかあったら主催ともども対戦相手を闇に葬る計画立てちゃうだろうな。――そんなどす黒い計画はにこにこと一見屈託ないが非常に含みのある笑みに隠しておいて。
 現実問題まずなさそうなのでそんなあり得ない妄想も浮かぶのかも知れない。

「名家なのにゴロツキを使うってのが、また……。
 暢気ねー。ま、そのくらいでいいと思うけど。たまにはゆっくりなされ」

 多分何もしないでゴロゴロするばかりの休日なんてあまり過ごさないだろう。人生時にはそんな時間も必要、と仕事人間を見て思うのである。

「下心だろうが魚心だろうが水心だろーが助かったのは事実だからね。
 分かったわ。それじゃ、二階のお部屋支度しとくから、後で案内するね。
 
 ――別に迷惑だと思ったらやんないわよ。仕事でもあるし、気ぃ遣わないでのんびりしてくださいな」

 水臭いこと云いっこなし、と至ってあっけらかんとした態度で、店主が手が空いた所で話をつけて、それから用意した部屋に案内し、従業員として風呂や食事の手配をしてその日もぱたぱた終わっていくのだった――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2 とある宿屋兼食堂」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 とある宿屋兼食堂」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にゴッツさんが現れました。
ゴッツ > 「ふぃー。…いや、やっぱこの辺はよくわからんなァ」

賑わう平民地区で巨漢の男が荷物を持ってきょろきょろと辺りを見回している。
今日は配達の依頼を受けたのだが…自分が住んでいる貧民地区と違い、平民地区には慣れていないため中々道を覚えるのが難しい。
荷物の届け先が…書いていた人が急いでいたためか酷く乱雑でわかりにくく書かれているのも原因

性根が優しい男は、ぜひ早くこの荷物を届けてやりたいと思うのだけれど。
道がわからないことにはどうしようもない。

「あーえっと、すいません。道を教えてくれないかな。」

しばらく、そこでうろうろとしていたが。
怖がられるのを覚悟で…目についた誰かに、声をかける。
けれど、想像通りというか。
うろうろしているだけなら遠巻きに避けるだけだが、話しかけられるとその巨漢で威圧してしまう。
すぐに、ひっ、と声を上げられて…曖昧な笑みで逃げられてしまう
何度か繰り返すも、ひどいときには近づいただけで恐怖に顔を引きつらせ、逃げられる始末だ。

「はぁ―――……」

男の身体は非常に大きく、筋骨隆々だ。
それが威圧感を与えてしまうのは仕方ないのだけれど、何も逃げることはないじゃないか。
だが、せっかくの荷物…仕事をこのまま放りだすわけにもいかない。
気落ちしつつも、次の誰かに声をかけ続けていく。

「あのー、すいません…」

ゴッツ > そのまま、困った男は道を聞き続け…しかし、特に情報は得られず。
結局荷物は届けられずに…依頼主にこっぴどく怒られたそうだ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からゴッツさんが去りました。