2019/04/22 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──くーわわわ……」

夜。
大欠伸を漏らしながら、日が落ちても人で賑わう大通りを一人ブラブラと闊歩する金髪の男が一人。
周囲を軽く見渡しては、顎に手を当てふむぅ、と小さく唸り。

「……最近シェンヤン系の出店が目立つようになったのぅ。なんだっけ? 向こうから公主(おひめさま)とかが
コッチに差し出されたとかどうとか……なんだか物凄くアヤしいが……まあそれはいいや」

カシカシと頭を掻きながらそんな風に独りごちる。
何かしらの陰謀の香りはするものの、それについて考えるのは今は自分ではないとさっさと思考を放棄。
そもそも人づてに少々聞きかじった程度なので、深く考え込むにも材料が不足しているというのもある。
兎にも角にも、日常の景色が変わるのは退屈しないので、男としてはとりあえず歓迎である。

そんな感じで、何か興味を惹くものでもないものかと、視線を適当に彷徨わせながらマイペースに歩を進め続け。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にハーティリアさんが現れました。
ハーティリア > 「あ、これ懐かしい。おじさん、これくださいな。」

そんなシェンヤンの屋台の一つを覗いて、何やら目についたらしい温かい饅頭のようなものを買う一見美女めいた風貌が一人。

「あちち……肉まんとか、見るのどんだけぶりだろうな。いただきまーす、っと……ん?」

上機嫌に肉まんにかぶりつくその後ろで、ふわりと……ただよう魅了の匂いに当てられた店主が鼻の下を伸ばしているのはまあ、許してほしい。出るものは仕方ない。
ただ、一見ただの買い食いしている美女めいた風体のそれは、看破の力を持つ男が少し観察すれば、傍迷惑な災害が人の形をしたような……いわゆる「魔王」としれるだろう。それも、齢数千年モノの。

エレイ > 「うーむ、何もなさそうなので適当になんか買って帰るかなあ……んんん?」

眉下げていい加減宿に帰るかと思いかけた男の鼻に、ふと届く香り。
男はその香りに覚えがある。淫魔と呼ばれる魔族の放つ魅了の香りだ。
だが──何か、知っているものと比べて、鼻につく。直感的にそう感じた。
そちらの方へ視線を遣ってみれば、屋台で買い食いをしている人影を見つけた。
むぅ、と少し眉を寄せて思案した後、その屋台へ近づいていって。

「……オヤジ、肉まん一つ頼むんだが。オラ、美女っぽいのに見とれてんじゃないだよ」

男は、その美女?の隣までやってくると、そう言いながら鼻の下を伸ばしている店主の頭をペン、と軽く引っ叩いた。
その際、叩いた箇所からちょっぴり黄色い光の粒が漏れたのが見えたかもしれない。
ともかく正気に戻った店主は、不承不承と言った感じで商品を出し始める。

それを横目に、男は隣の人物に目を向けて。

「──キミもよ、変なニオイダダ漏れにしてんじゃないよ。どーにかならんのかソレ」

眉寄せた顔を向けながら、おもむろに肩に手を置こうとする。
もしそのまま触れることに成功したなら、男の表情は露骨にうわあ……とでも言いたげなものへと変化するだろう。
とても初対面の相手に対する態度ではなかった。

ハーティリア > もごもごと頬張り、肉汁滴る生地を咀嚼し、ゴクン、と飲み下す動きに、店主もゴクリと生唾を飲んだときだった。

「んむぉ?……ぉお。」

やってきた男がペシンと頭を叩いて「正気に戻す」姿。不承不承といった感じで商品を出し始める彼を横目にするのは、ほぼ同時か。

「ん?あぁ……わかる奴か。いや、これでも抑えてるんだけどねぃ。完全にとなると、汗をかくなとか、血の流れを自力でせき止めろってレベルの話になる、正直めんどくさい。」

そもそも、自分にとっては実害ゼロなので、「気を使う」以上の事は面倒臭いと顔に書いたような苦笑いで。
触れた肩は、人形か死人のように薄い布越しだからひどく冷たく感じるだろう。

「……で、お兄さん。どっかで会ったことあるかい?なんかこう、嫌な知り合い見付けたみたいな顔してるけども。」

ゆるりと、肉まん片手に小首を傾げて問いかける。

エレイ > 「コレで抑えてるのか……まああそれなら仕方がないという顔になる」

実際、離れていて気づいたのはこの男ぐらいで、目の前の店主の他にこの香りにあてられている
人間はいない様子だから、その発言は確かなのだろう。
苦笑する相手に、フンス、と鼻を鳴らしながら、冷たい肩に置いた手をすっと離して。

「いや無い。見事な初対面だと感心するがどこもおかしくはないな。
が、まあ……俺は触れたヤツのオーラが視えるっていう特殊なアビリティを持ち手でな。
今ので色々視えてうへぇってなっただけ」

大げさに肩をすくめながら、眉を下げてそう答え。やがて差し出された肉まんを代金と引き換えに受け取れば、
はむりと一口。そして──

「──オヤジ、コイツ男だからな。うっかり騙されんじゃないぞ」

とりあえず、今人前でバラしても大きな問題のない情報だけはバラしておくことにした。

ハーティリア > 「多分、ダダ漏れにすると……この辺り一体が乱交場みたいになるからなぁ。」

流石にそれは、ねぇ?と苦笑いのまま言葉を続け、鼻を鳴らす彼に目を細めると。

「オーラ……あれか、東の奴らがたまに使うアレか、精霊とかが見てる奴かねぇ。えー、それはちょっと、勝手に見るのはひどくないかい?」

どうやら魔力とは別のようだが、当てずっぽうで雑な表現になってしまうが。
淫魔とアンデットが入り混じった奇妙なものが見えるだろう。「淫魔の肉体を保持したまま転化に成功したサキュバスリッチ」なぞ、そりゃ滅多に居ないだろうから。
そして、男だぞと言われた店主は目をひん剥いてこっちを見るのでニコリと笑みを浮かべ。

「いやまあ、女だと言った覚えはねぇしなぁ?……『今は』男なだけだが。」

ぼそ、と店主に聞こえぬように呟けば、納得いかなそうな店主を見てクツクツとイタズラに成功した悪ガキのように喉を鳴らして笑う。

エレイ > 「そんな事になったらキミを張り倒さないといけなくなるので勘弁」

うぇー、とウンザリ顔をしながらなんでもない事のようにそんな発言を漏らして。

「んーまああ大体そんなもん。……あやしげなヤツがいたらチェックしておかないとでしょう?
まあ、不躾だったのは確かなのでその辺はすまにいと謝っておくのだが……」

細かく説明するのは男も面倒なので、返答も適当であった。
彼の正体を視た男としては、淫魔で死体で男なんて色々盛り過ぎだろう、と色々文句をつけたくはあるのだが、
別段実害がない以上は只のクレームにしかならないので飲み込み、とりあえず不躾であったことは雑だが謝罪しておく。

「……今は、ねぇ。まああとりあえず買うもの買ったのだからココからは離れようず。商売の邪魔をするのは良くない」

こちらにだけ聞こえた呟きに眉を寄せて。
ともかく、屋台の前からは離れようと提案する。

ハーティリア > 「俺としては其れも嫌じゃねぇんだけど……それはそれとしてまぁ、流石にここですることじゃねぇか。」

ふと、それも面白そうだと思考が傾きかけて、ぽつりと呟くが…ここでやったらおそらくお互いの術技で周囲が焦土になるので、止めたほうが良いだろうと思う程度の良識はあるようで。

「妖しげだなんて、ちょっと照れるわぁ。はっは……まあ、別に必死こいて隠してるわけでもないから良いけどなぁ。」

クレームをつけられたらこう、色々あったのだ、前の世界で色々と……なぞと弁解するかもしれないが、そんなことも起こらず。謝罪は鷹揚に受け取って。

「そ、今は。む……確かに、それはそうだな。」

屋台の前から離れようと言う提案に小さくうなずけば、ひらりと店主に手を振ってとりあえず屋台の前から離れよう。せっかくの魅了も解けてしまったので、あわよくばつまみぐいーなんて事も起こらないのだから。
しかし……なんともまあ平然とされると、少しばかり淫魔としてはこっそり傷つく。最近俺の魅了、レジストされすぎじゃね?と。

エレイ > 「そういうトコは男ですね。──ウム、さしあたり今はそういう状況ではないのでやめておくべきだろうな」

イヤじゃない、と呟くのが聞こえれば肩をすくめて小さく笑い。敵対するもその逆も、その時々の状況次第だろう、と。

「照れる事言ってないんですがねぇ……まあいいべ。正体隠してなにか企んでる、とかでも無いようなので
俺も別に詰問するとかはしない」

他者の悪意も感知するこの男だが、目の前の人物からはそういったモノは見えなかったので、
あれこれと言う理由もなかった。
とりあえず、提案が受け入れられれば共に屋台から離れて、互いに肉まん片手にふらりと歩き出す。
相手が内心何やら傷ついていることなど、気づいた様子もなく。

「──さて。まああこうして会ったのも何かの縁だと思うので名乗っておくが俺は
旅人で冒険者のエレイというんだが謙虚だから呼ぶときはさん付けでいいぞ」

そして、多少人もまばらになったところまで来たところで、唐突に笑顔で自己紹介を繰り出してみた。

ハーティリア > 「男かどうかって関係あるかい?別に女でもヤりたい奴はヤりたいと思うけども。」

ヤる、の時が「犯る」か「闘る」かはまあ、はぐらかすように笑みを浮かべて。

「妖しげなお兄さんとかお姉さんって、なんか魅力的じゃねぇ? 別に暇つぶしに企んでもいいけど、俺がいちいち企まなくてもこの国企みごとだらけだから、俺の出る幕ねぇかなぁって。」

こっちは魔王も英雄も忙しないねぇ、とケラケラ笑い。
肉まんをかじりながらぶらぶらと適当にあるき、人がまばらになった頃。

「ほうほう……じゃあ親しみを込めてエレイちゃんと呼んであげよう。俺はハーティリア、しがない花売り兼冒険者さね。ハーティさんでも、ハティ先生でも良いぞ、うん。でもなんていうか……旅人ってわりには……まあいいか、別に害があるわけでなし。」

笑顔で名乗りを挙げられると、こちらも自然と笑みを浮かべて名乗り返し。こちらはこちらで、陽光に似たエネルギーをビシビシ感じて、訝しげにするけど、結局は自分は陽光にはなんの苦手もないのでさておいて。

エレイ > 「確かに好戦的な女もいるにはいるけどな。吹っかけられてノッちゃうのは思考が男のコってヤツだと思うぜよ」

性別関係なくな、とケラリと笑って。

「ミステリアスな魅力ってか? その意見は『確かにな』と認めてはいるが……
あもりにもミステリーすぎるのも如何なものかとは思っちゃうんだけど。
──あー……それもそうだと言う顔になる。今更魔族がどうたらこうたらもうあんま関係ないというか、
なんならそれも利用してすらいるまであるからなあ……」

企みごとだらけ、という意見には違いねぇ、とまた肩をすくめてくっくと笑い。

「ハーティリアね……ハの字で。いや嘘だが。……はっは、何者でもどんな力を持っていても誰だって旅してりゃ旅人だべ」

名乗りを返され、提案に少し思案してから笑顔でしょうもないことをのたまい、即座に自ら否定したり。
訝しげにしながらも言葉を濁した彼に、ケタケタと笑いながらそんな事を言って。

ハーティリア > 「そんなもんかねぃ。……男のコっていうか、思考が冒険者とも言うかもしれねぇけど。」

それならほら、性別関係ない、と主張してみる。

「ほら、俺はアダルト(実年齢4桁)でセクシー(淫魔)でミステリアス(魔術師)だから、魅力3倍?
 それに俺、企みごとは色事以外は得意じゃねぇしなぁ。なんかこそこそやるなら、城ごと吹き飛ばした方が早い気もする。できるかはさておき。
 信仰も一部を除いてなんつぅか、ガッタガタだしなぁ。教会に俺が入れた時びっくりしたもんよ。」

この国、何時まで続くかねぇ……意外とずっと続いたりするかもなぁ、と笑い。適度に濁ってた方が、国って長く続くしなぁ、なぞと。

「ん?別に良いけども。……あはは、そりゃそうだ。それで旅人のお兄さん、これからどうするね。また別の屋台でも冷やかすかい?」

話してて気分がいい、馬が合う、というより会話のテンポが合うのだろうか、クスクスと愉しげな笑みが途切れずに。

エレイ > 「冒険者もちっと違う気が……まあなんだ、いかつい言い方になるが、武闘派なところもある、という事にしておこうと思った」

ふむ、と少し悩んだ後、適当な結論づけをしておくことにした。
正しいのかどうかは不明だが。

「それで男じゃなきゃあな。……ちなみに変身しても無駄だからな。
なるほどねえ。……まああできたとしてもやる意味はないなあ、ンなもん。
アンデッド跳ね除ける結界レベルの教会とかこの国にはないんじゃないかな……
信仰も何やらだいたい暗黒系のなんかに染まってるっぽいし」

続いた言葉には、適度なら良いが、適度なら、と妙に強調した言い回しで返答して。

「良いんですかい。──ン、そうだなあ……じゃあ次はあすこの麺料理の屋台にでも行くとしまひょ。
たかだか肉まん一個では俺の腹にたまるわけもない」

ふと問われれば、少し思案してから少し離れた場所にある、湯気の漏れ出ている『麺』と書かれた暖簾を下げている
屋台を指さしながらそう言って、半分ほどになっていた肉まんを一口で食い切って。

男としても、彼と話している時間は不快ではなく。……香りはやっぱり少々鼻につくものの、耐えられないというほどでもない。
ともかく彼が提案に乗ったなら、一緒に屋台で麺料理に舌鼓を打ちつつ駄弁って男同士の時間をダラダラと過ごしてゆくのだろう。
──性的な誘いなんかを示唆されたりしたら、そこら辺はきっと全力で拒否しただろう。

ハーティリア > 「なるほど、じゃあそれで。」

適当な結論づけに頷いて同意する。おそらく面倒になった模様。
正しいかどうかは問題じゃない、納得するかどうかが問題だ、と偉い人は言っていた。

「え?……あぁ、そだなー、変身しても無駄ならしゃあないなぁ。男も女も食えねぇとか、勿体ねぇなぁ。」

実は肉体のベースでいうと女性体の方が本体なのだが、勘違いしてるなら黙っておくことにしよう。多分その方が面白いのと、精神には男性ベースなのは間違っていないので。
まあ、言ってる自分も男相手がほとんどなので、人のことを言える義理ではないのだが、まあ言うだけならタダだし嘘ではない。

「ん~、ほら、俺一応聖域には弾かれる体質だからなぁ。俺が入れる教会って、もう信仰の地として機能してないっていうか……ほんとヤバいな!この国!」

末期じゃね?なぞと他人事のように言ってケラケラ笑い。

「ん、なんなら驕っちゃうぞ?俺今気分良いから。お、良いねぇ、麺類とかパスタしかこの国無いと思ってたわ、行こう行こう。」

そんなこんなで、肩を組んだり小突きあったりしながら、男同士で飯の時間と洒落込んでいく。多分、お誘いは……全力で拒否するのを面白がってからかうように繰り返したかもしれない。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からハーティリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 練習場」にスバルさんが現れました。
スバル > お約束の待機です
ご案内:「王都マグメール 平民地区 練習場」にパンドラさんが現れました。
パンドラ > (お待たせしました、よろしくお願いいたします。)
スバル > 「そっか……ぁ、そっか……。」

 強くなれる、魔王の目から見ても言えるのであれば、強くなること自体に希望が湧くのだ。
 母を、姉を、守るために、僕は強くなるんだと、幼い心にさらなる決意が燃えるのだった。

「ん、ボクは……強くなる、よ。」

 別に英雄とか、そういうものでなくてもいい、ただ、母親と姉を守ることができればいいのだ。

「だって、貴女は、自分の言っていることをちゃんと守っている。
 初めて出会って、よく解らないし。
 だから、貴女を今見て、それを信じていることにしたんだ。
 強いとか、弱いとか、それを判断もできないんだし。」

 そう、それは彼女自身の行動を信じた結果である。
 彼女のことを知らないからこそ、今の彼女の言動に信を置いているのだ。

 それに……。
 今から肌を重ねようとする相手を信じられないとか、おかしいと思うから。
 それを口にすることはできないのだけれども。

「ぁ……。」

 少しずつ濡れて解れて行く彼女の秘所、指を這わせていくたびにぬるりとした感触を感じ始めるのだ。
 彼女の様子をちら、と見ても痛そうにも見えなくて、少し我慢しているようにも、思えた。

「じゃあ、いく、よ。」

 両手と、両足を開いて、招き入れてくれる彼女。
 少年は硬くなった先端を彼女の入口に押し当てて、つぷ、と差し込んでいく。
 ぶるり、と身を震わせながら、彼女の中に少年は自分の肉棒を送まで、ずぶ、ずぶ、と、入り込ませていく。

パンドラ > 「……。大丈夫。何なら、わたしが手解きをしてもいい。わたしはあなたを、個人的に気に入っているから。」

強くなる、という決意に対して。
魔族にとってそれは敵を増やすような行為でしかない、が。

「……。今日、会ったばかりのわたしを?……。それは嬉しい、けれど。スバルは、少しお人よしかも、しれない。」

自分の言葉に何も証拠はなく、ただ信じて貰う他ない。
そんな状況でも、少年は信じると言い切った。
少し、胸がチクチクする気がした。
言いようのない感覚に、尻尾をもたげさせる。

「……ん、ぅ!はぁっ……ふ、ぅっ……」

少年の雄は年齢相応の大きさだろうが、それはこちらの雌も同じこと。
きゅう、と収縮する肉壁は、無数の襞で少年に快楽を与えていくことだろう。

「……。ん。気持ち、いい?」

ふぅ、と一息つきながら、少年に問いかける。
彼女はと言えば相変わらず表情は薄いものの、少し息が荒くなり、顔が紅潮している様を見れば、快楽を得ていることは一目でわかるか。

スバル > 「………」

 彼女の言葉、手ほどきという言葉に、心が惹かれる。
 強くなりたいし、魔王ほどの存在から教えられればきっと……。

「ううん、でもだめ。……だって、貴女も、僕も危険になるから。」

 考えて、悩んで出した結果は、首を横に振ることであった。
 なぜなら、魔王と度々出逢えば、いつか誰かの目に触れてしまうこともある。
 その時、彼女にも、自分にも危険が及ぶのだ。
 後ろ髪引かれてしまうぐらいに、素敵な提案なのに、と、少年は目を伏せる。

「でも、貴女は……僕を騙すつもりはないのでしょう?
 それに……どんな相手初めでは、人となりがわからない、なら信じて。
 裏切る人だったら、その時に今後の付き合いを考えればいいんだと思う。」

 少年は、小さく笑って言葉を放つ。
 疑うほうが疲れるし、辛いから、最初は信じるところから始める。
 裏切るなら、裏切ったあとに考えればいいんだ、と。

「ぁ……く……ぅ、あ……っ」

 彼女の膣は、年相応には狭いのだろう。
 少年のそれも年相応の大きさなのである、ちょっと大きいかも。
 ただ、経験の数が違う。

 彼女は、その長い生の間、何度も交わったことがあるのだろう。
 少年は、その短い性の間、交わりは……ない。
 その差は、如実に現れる。

「ぁ……!!」

 びくん、と少年の肉棒が、体が震えた。
 快楽を感じ始めている彼女の質問には、言葉ではなく射精が答えた。
 我慢とかそういったもののない、子供のそれ。
 精通は終わっているので、子供を孕ませることのできる液体を。
 彼女の中にどろりと吐き出してしまったのだ。
 
 少年は、耳元どころか、首筋まで真っ赤になっていた。

パンドラ > 「……。わたしも、危険に。……。あなた、は。」

人類種の天敵たる自分の気遣いまでするなんて、どこまでお人よしなのだろう。
だが、この感覚は、かつて溢れる程に得ていたある感情に似ていた。
人々からの『無償の愛(アガペー)』に。

「……。何も考えていないようで、しっかりと考えているの。」

しかも、ただ無謀なわけではない。
考えて考えて考えて、その結果得た答えがこれなのだ。
少年は、やりたいようにやっているだけ。
自分の流儀と同じように。

「……。んっ……中で、膨らんでる。」

そのことから、射精を確信しつつ身を起こす。
少年に抱き着くような姿勢になって、ぎゅっと膣を収縮させ、最後の一滴まで搾り取ろうと。
それと同時に、少年と唇を重ねようとするが。

「……。い、え。唇を重ねるのは、人間にとって特別な信頼の証……だった、はず。わたしにその資格は、ない。」

そう言って、彼女は少し顔を離して──笑った。
いや、厳密には笑顔とは言い難い表情だ。
まるで、色とりどりの絵の具を全てぶちまけて作った、灰色のような悲しい顔だった。

スバル > 「………?」

 彼女の言葉、途中で途切れたので何を言いたいのだろうと首をかしいだ。
 思考の形が良くわからないので、だから、不思議そうにきょとんとしてしまう。

「……ひどいなー。」

 何も考えてないようでという言葉、ちょっとばかりすごく傷ついた。
 しょもんと、してしまうのは、幼いからこその直接的な表現でもある。

「ぁ……え?」

 起き上がる彼女、抱きついてくる動き、それと同時にさらに吸い付くように絡みつく膣の刺激に少年は息を吐き出した。
 たった今吐き出したばかりで敏感なので彼女の膣の刺激がわかるものの、そう直ぐに二発目は出ない。
 それよりも近づいて来る顔、抱きついている彼女の赤い目がすぐ近くにあって。

「……っ。
 アハハハっ!」

 彼女の笑い顔と、言葉に少年は軽く笑ってみせた。

「御免ね、パンドラさん。
 確かに、キスは好きだという感情とか、いろいろな表現になるよ。
 でも、今している事、セックスの方が、もっと深い信頼―――愛情の証なんだよ?

 だって、相手と、子供を作る行為、だもの。
 本来は、愛し合う男女でしか、しちゃいけないことでもあるんだよ。」

 キスは、その前段階だよ。
 少年はそう言って、両手を伸ばし、彼女の頬に手を添える。
 そして、少年の方から、その柔らかそうな唇に、己の唇を重ねた。

パンドラ > 「……。少し、昔を思い出しただけ。」

そう言って、少し俯いた。

「……。これでも褒めてるの。私は、深く考えるのは苦手だから。」

知識があることと、抒情的であることはあまり関係がない。
その一方、少年は無知かもしれないが、理知的な人物だと感じていた。

「…………?」

今度は、こちらがきょとんとしてしまう。
今のやり取りに、笑う要素なんてあったのか、と。

「……。そう。わたしにとって、交わる行為は豊穣と繁殖、そして生命そのものを称える、一種の儀式という面が強かったから。……。っ!!?」

重ねられる唇に、目を真ん丸に開いて、驚愕した。
肩と翼と尾を震わせ、やがては目を閉じて。
少年の言う通り、先ほどからこれよりずっと恥ずかしい行為をしているというのに、こちらの方がずっと衝撃的そうで。

スバル > 「……そう。」

 昔を思い出したらしい、しかし、聞いてはいけなさそうな雰囲気なので、少年は相槌だけにした。

「僕も、あまり考えるのは得意じゃないかな……うん。」

 彼女の言葉に、少年は同意する。
 考えるよりも、感じるままに動けばイイのだから。

「人間だからなのかも、ね。
 交わる事に、意味を付けるの。
 好きな相手と、結婚して、子供を産むための、行為。
 キスしたあとに、交わる行為になるんだよ。」

 目を丸くして。そして、目を閉じる彼女。
 説明をしたあと、動かなくなった彼女に抱きついて。少年は彼女の反応を待つ。
 今は動かないほうがいい、そんな気がしたから。

パンドラ > 「……。やっぱり、わたしたち、気が合うと思う。でも……。」

目が泳ぐ。
今までと違って、明らかに動揺している。

「……。そ、それを説明した上で、わ、わたしに、口づけ、を……それは。それ、は。あなたは、スバルは、私を……?」

つい先ほどまで、あれほど初めて見る魔族に驚いていた少年が、一日と経たずに。
そのことに信じられない、といった風に体を震わせて。

スバル > 「そうだね……。
 こんなことをしておいて、言うのも変だと思うけれど。
 キスをしてもいいくらいには、好きだと思うよ。
 でも、いきなり、恋人、とかは……ちょっとわからないし、お友達から始めてもいいかなって思うんだ。」

 あちらこちらを見る彼女。
 魔王だ、と頭の隅では分かっていても、可愛らしいなという感情が浮かぶのだ。
 自分を見ないで、体を震わせているのをみて。

「でも、好きか嫌いかで言えば……好きだよ。」

 少年は、耳まで顔を赤くしながら、笑ってみせる。

パンドラ > 「……。あなた、は。……。本当に……バカな子……。」

そう言って、体を震わせる。
同時に、彼女の体から、どういうわけか黒い痣が少しずつ、少しずつ消えていく。

「……。わたしに、情愛を持って交わってくれる人が、まだいたなんて……思っても、いなかった。だから……わたしも、バカになるの。あの。……。もっと……抱いて、欲しい。」

一度出して萎びたであろう雄を、抜いて、顔を近づける。
自身の愛液と精液で汚れたそれを、ちろ、れろと舌を這わせて、綺麗にしていく。
亀頭やカリの裏、筋などに刺激を与え、次の勃起を促しつつ。

スバル > 「……え?」

 彼女の体が、先ほど、やけどのようになっていた腕が、肌が。
 急激な変化に、髪の毛の下の目を瞬かせて。

「うぁっ!?」

 驚いている間に、にゅぽん、と音がして肉棒が引き抜かれる。
 少年の肉棒は確かに力が抜けていたのだけれども。
 彼女の顔が近づいて、そして、その美しい少女が自分の肉棒に奉仕を始める。
 舐められて、啜られて、すぐに少年の肉棒がそそり立っていく。

「だって、パンドラさん、いいの……?」

 情愛を持って、という意味がまだよくわからなかった。
 それでも、彼女が求めるのだから、と彼女をもう一度、だくことにする。
 美少女が求めてくる、それを断れる男は、なかなかいないというのもあるのだ。

パンドラ > 「……。わたしは、魔族の侵攻で力を失った小さな神。そして人々からの信仰を失って、忘れられた。わたしは嘆き、憤り、ならばあなたたちが畏れていた、荒ぶる自然となり果ててやろうと、魂を魔性に売ったの。」

それが、彼女が異形に蝕まれていた理由ならば。

「……。交わるという行為ほどに、豊穣や生殖をダイナミックに伝える行為はない。人が人ならざる者と交わることは、それ自体が一種の儀式。……。わたしに、敬愛を以って交わってくれるあなたと行為を重ねることは、わたしが少しずつかつての姿を取り戻し、闇を、そして力を失うことを意味する。」

とん、と少年の胸を押すようにして寝かせる。
問いかけに関しては、今度は自分から抱くことによって答えとしよう。

「あなたは、魔族と友達になってもいい、なんて思える大バカ者。だから、私も……人間のために力を捨て去る大バカ者に、なるの。」

ぬぷ、と騎乗位の姿勢で、肉棒に向けて腰を落とした。

「……ん、はっ……さっきより深、い……!」

スバル > 「えーと、つまり、僕が、信じたから、魔王の力が小さくなったの?」

 彼女の言葉は10歳にはちょっとばかり難しかった。
 ただ、話を全部聞いた結果を、自分の中で噛み砕いて、理解できる言葉に直してみた。

「わ……っ。」

 今度は、自分が下になった、草むらの上に寝かされて、自分の上に彼女の綺麗な顔が見える。
 彼女は自分の肉棒をつかみ、その上に跨ろうとしているのが、見えた。

「でも、パンドラさんが力を捨てても、まぞくだ、って石を投げる人は……っ!」

 言葉は最後まで紡げなかった。
 彼女の肉壺の中に、自分の肉棒が入り込み、その快楽に顎が大きくそらされて。
 びくっびくっと、肉棒が膨らんでいく、奥に入り込もうとするそれは、もっと強く、深くと求めているようで。

「ぁ、ああ……っく、きもち、い……!」

 は、は、と、熱く荒い吐息を吐き出しながら、少年は彼女を見る。
 髪の毛がめくれ上がり三白眼がじっと、彼女を見据えるのだ。

パンドラ > 「……。大体、その通り。わたしは、まだ完全には魔に堕ちきってはいなかった、から。スバルが言ってくれた『綺麗な姿』を、ずっと残したいって、未練ができてしまった。」

こちらからも、何とかわかりやすいように、説明を試みる。

「……。今すぐには、元には戻らない。けれど、スバルがわたしを想ったまま、何度も交わってくれれば、やがて私は、魔族から精霊に戻る……と、思う。」

ぐちゅ、とか、ぬぷ、といった生々しい水音が響く。
肉同士のぶつかり合う淫靡な響きも、誰もいない練習場の片隅で奏でられて。

「……。ね、ぇ……わた、しを……んっ……これからも、わたしを……もっと、もっと……ん、ぅ……求めてくれる……?」

息も絶え絶えに、そう問いかける。
少年の胸に手を当てて、腰を上下させる姿が、月光に映える。

スバル > 「……パンドラさん。」

 彼女の説明に理解の色が、少年の三白眼に映る。
 なるほど、という首肯もついての事で。

「もう………ずるいなぁ。」

 少年は、顔を赤くしながら言葉を放つ。
 ずるいと言いつつも、その口調は柔らかくて、嫌だという色もなくて。
 友達と、冗談交じりに笑いながら言う、そんな口調であった。

「こんなふうにしてくれてる、可愛い女の子のお願い、嫌だ、なんて言えないじゃないか。」

 問いかける彼女、自分の上でみだらに腰を振る姿。
 月明かりと、彼女の後輪が、美しくて。
 最初に見た彼女への恐怖は、どこかに行ってしまった模様。
 少年は、彼女へと腕を伸ばして、その腰を掴んだ。
 少年の方から、下から突き上げるのだ。