2018/02/11 のログ
火棘 > 火の粉を振り払うよう、ミレーを引きずってた綱は離されたのが見えたので、唇だけ動かし、ミレー族の耳元だけに届く声で

『、、、東に向かい逃げよ』

驚きはしたようだけど、理解したのか
小柄なミレー族が、走り出した。

それを見届けると、テラスから立ち上がり自分もその場をあとにする。

貴族の服が燃えただけ火傷もしていない、焼き殺してもよかったけど、、、小言が頭に浮かんだので、止めておいた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」から火棘さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/表通り」にリンさんが現れました。
リン > 路地からちょこちょこと鼠が這い出してきたかと思えば、
表通りの片隅に置かれた木箱の上に陣取り、日向ぼっこをし始めた。
夜行性のはずの鼠がこうして昼間に外に出ているのは少し不自然だ。
というのもこれは鼠ではなく小人が化けた姿だからだ。

「もし猫に化けられたら女の子が寄ってきてカワイーとか言って
 撫でに来てくれるのかもしれないけど、鼠じゃな……」

嫌な知り合いや借金取りなどの面倒な相手をかわすのにこの姿はいいが、
一度こうなると自力ではなかなか戻れないのが問題だ。
ぼんやりと往来を行き交う人々を眺める。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2/表通り」にエスタさんが現れました。
エスタ > めずらしく昼間にやってきたエスタ。いつものように楽師として演奏を始める。木箱の近くに「錬金」で椅子を用意して座り、同じく「錬金」でシタールのような楽器を作り出す。

「なにに、しましょうか……」

何を演奏しようかと迷って、ふいにある曲を思い出す。

「ああ、呪われた楽器。それは魔性の歌声。酔わせ、狂わせ、惑わせる……奏者にすら呪いを運ぶ青い旋律」

なんとなくどこかで聞いて覚えた曲を奏で始める

リン > 鼠のなりで陽光に微睡んでいたが、近くに楽師の女が座り、
何か音楽を奏で始めるとぱちりと瞼を開ける。

「この曲。まさかね……偶然かな?」

眠気に滲む意識の中、どことなく聞き覚えのある旋律。
無視することはできなくて、木箱のフチから身を乗り出して

「あっとっとっ」

バランスを崩して地べたに落ちてしまう。
鼠の頭部がその拍子に外れて、藍色の頭が見えてしまうかもしれない。

エスタ > 「魂を食らい、人々を魅了する音。しかし、ああ呪いは追いつき
彼を食らう。彼は小さくなった。彼の歌に魅了された女は微笑み言ったこれでもうどこにもいくことはないと。ああ、青い楽器、青い目、青い髪……いまはもうない」

一通り演奏してふと見ると青い人の頭をしたネズミが。
その視線の差3m。しかし見えてしまった。
ふといたずら心が刺激されてアレンジを。

「そんな些細な事、されど偶然とはいえ私は見てしまった♪」

片手で演奏しつつ、片手でゆらりとやさしく下からネズミのような何かに向かって手を伸ばす。

「……こんにちは。小人の方ですか?なんと奇遇な。
私は、みてのとおり、体が大きなだけの、端女です。
どうぞ、お気を楽に……」

優しい口調と声色で手を伸ばしてみる。

リン > 自分の背丈が縮んでいるとは言え、
相手の背丈が明らかに尋常の人間とは違うということぐらいはわかる。
伸ばされた手に僅かに躊躇しながらも、その身を乗せるだろう。
毛皮でふっくらとした輪郭は、愛らしくも映るだろう。

「でかいな。君みたいなのが堂々と町中を歩いているとは知らなかった」

それを言えば自分のような小さな者だって珍しい。
両者そろうとなればなおさらだ。

「《アクリス》を知っているの?」

毛皮の中から、小人サイズになっている青い提琴を取り出して示す。
その筋の者なら知っていてもおかしくないが、実際にそれに対面したことはあまりない。

エスタ > 手のひらにあたたかな小さな姿。糸目がわずかに開き、適度な距離で目線を合わせて。

「はい、よく言われます。ですが、このくらい(彼を乗せてない方の手で2mくらいを示す)の殿方も、おられました。こっそりと、入らせて、いただいています。ないしょ、ですよ?」

ふふ、と笑う。

「アクリス……」

おそらく例の楽器だと思い出し、自分がどこでその歌を知ったか思い出す。ジャハンナムの森(アザーリスト94番)の書庫の跡で知ったのだ。
呪われた神々の知識の中にあったのだと思い出す。

「ええ、ジャハンナムの森に、そのような本が、おちていました
。書かれたのは、もうずっと昔の事のようですが……まあ、それが本物、ですか?すばらしい……」

ミニチュアのようなそれの細密さに目がくらむ思いだ。
とくに自分が大きいこともあって。

リン > 「そんなに昔からあるんだ? ふぅん」

リンとてこの呪物に詳しいわけではないので、実際のところは不明だ。
しばらく見つめ合っていたが、やがて緊張を問いて、手の上でラクな姿勢を取る。

「すばらしい? まあ、気まぐれにぼくの大きさをこんな風にしてくれる
 すばらしい代物であることには間違いないな」

皮肉交じりに応える。
とはいえ芸術品として見てもアクリスの細工はすばらしいものであるのは確かだ。
それもまた、魅了の呪いのひとつなのかもしれないが。

「君はその背丈で不便してないの?」

こうして街で人に混じろうとすると困難もあるのではないだろうか。
そんな風に考えて質問する。

エスタ > 「あるいは、同じ種類の、別のものかも、しれませんね」

そっと手を膝の上にのせて。

「失礼、いたしました。本当に、歌の通り、なのですね……」

気の毒そうに困り眉で。本当に制御不能な呪いなのか……と思う。
てっきり生まれたときからそうとか、制御可能だと思っていた。

「わたし、ですか?不便なことも、あります。ですが、便利な時も。補う術は、父より習いましたから……よろしければ、お教え、いたしましょうか?」

こういう時はお互い様、サイズの違いでの悩みなら自分と共通するかも、と。