2017/07/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエインセルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からアシュトンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にマティアスさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にエアルナさんが現れました。
マティアス > ――どこもかしこも騒がしいものだ。

否、表通りで騒がしくない場所を探すのが、寧ろ難しいのかもしれない。
このご時世の、この時期だからこそ、人は不安を押し隠すように笑うのだろうか。

ローブの裾を揺らしつつ、詮無き思考を過ぎさせながら街中を闊歩する。
歩むここは王都に張り巡らせた道の中で、言うなれば大通りに分類されるもの。
道の左右を挟む店の数々には、溜め込んだ不用品を掃き出すのも見込んだのか、様々な店が並ぶ。

よく目立つのは食べ物の店だが、中にはやや時期外れではあるが、様々な雑貨を並べるものもある。

「……――ん、これはまた色々と吐き出したものだね」

だから、足を止めずにはいられない。荷物は増やし過ぎないのが信条だが、物入りになるのが魔法使いというものだ。
ちょっとした蚤の市といった風情の夜の露店に並べられた雑貨を足を止め、しゃがみ込みながら見遣ろう。
瓶入りの薬草らしい枯草や信憑性の怪しい古文書、等々。買うものが居るのかも怪しいが、この手の雑多さは嫌いではない。

エアルナ > 「お祭りですから、財布のひもも緩いのを期待してるんじゃないですか?」

師匠でもある青年の、ぽつりと聞こえた感想に。くすっと笑みをこぼすのは、いつものように白狼を連れた娘。
魔法使いの帽子はないけれど、ローブと杖を手にした格好は魔法使いとやはりわかるもので。
何が目を引いたのかと、おなじように露店の雑貨を見やり。

「でも、仕入れ先も怪しいところみたいですよ。魔力を感じるのはーーあれと、その古文書くらいです」

いつの時代かもよくわからない、古代文字の並ぶくたびれた本と。
もう一つ、おそらく魔獣の牙でできた小さな彫刻…たぶんどこかの紋章を指して。
それから…魔力は感じないが、銀の小さな丸い鏡にふと目を落とし。

「あら?これは…珍しいかも。巫女が神に祈りを捧げたときに使った、銀鏡に似てますーー」

本物なら。光を反射させると、なにか像が映るんですけど、と。
気まぐれに指さしてみる。

マティアス > 「君も君で辛辣だねぇ。一応、ここは店先だよ?」

左腰、肩に引っ掛けた長衣の下に帯びた長剣の柄を邪魔にならないように抑えつつ、響く言葉に口元を枉げる。
装束だけで言えば、己もまた一般的な魔法使いらしい風情がある。
杖らしい杖を持たず、その代わりに剣を帯びるのは酔狂か、それとも別種の術の使い手であるからか。
だが、腕前についてはそれなり以上はあると、自負している。
そうでなければ、わざわざ普通ではない剣等を恥ずかしげもなく帯びたりはしない。

「……――ふむ。どれどれ、と」

そして、連れ添う相手が示す先にある品々を見遣ろう。
微かに意識を集中させれば、それらしい気配はある。首を傾げつつ、問題の小さな鏡の試しにかかろう。
呪文は唱えない。右手の中指に嵌めた発動体でもある指輪を親指の爪先で弾き、鳴らせばいい。
鈴が鳴るような響きと共に、指先ほどの微かな光の珠が生まれる。
持続時間は少ないが、大気に溶けて消えるまで十分な光を放つ。件の鏡はさて、どうだろうか?