2016/01/24 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/裏路地」にサフィールさんが現れました。
■サフィール > (其れは世間知らずのこの娘にとって、ひどく珍しいものに見えた。
いつものように気侭な漫ろ歩きを一人きりで、然しばあやの言いつけを守って、表通りを歩くようにはしていたのだが。
ふ、と足許を横切り、数歩の距離で立ち止まって此方を振り返った、銀色に輝く毛並みの仔猫。
じ、と此方を見上げてきた瞳の、蕩けるような蜂蜜色が、まるで己を誘っているように思えて。
―――追いかけて、追いかけて。気がつけばすっかり、見たことも無い細い路地に迷い込んでいた。しかも)
……猫ちゃん、どこ……?
(辺りを見回してそう呟く声が、心細げに掠れてしまう。
肝心の仔猫の姿さえ、いまや見失ってしまっていた。
―――此れはもしかしなくとも、とても拙い状況なのでは、と、流石の呑気な箱入り娘も、そろそろ感じ始めており)
■サフィール > (―――にゃあ、う。
不意に路地の奥から、か細い鳴き声が聞こえた。
振り返った先に見えたのは、先刻、すっかり見失ってしまった筈の仔猫の姿。
蜂蜜色の瞳が物問いたげに此方を見遣り、ついて来ないのか、と言いたげに小首を傾げる仕草。
―――ほ、と安堵の吐息を洩らした己は、再び、仔猫の揺れる長い尾を追いかけて走り出す。
仔猫の向かう先が表通りとは限らない、もしかしたらもっと深く、迷わされてしまうだけかも知れない。
そんな、ごく当たり前のことにさえ思い至らぬ侭、黒衣の娘は銀色の仔猫に連れられて、―――何処かへと、消えた。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区/裏路地」からサフィールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にヴィクトールさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセラさんが現れました。
■セラ > 「ふむ、どちらも母親の血筋が現れたという事か」
文官肌と武官肌の違いは、親の血筋の違いという事かと理解して納得したように頷き。母親の死を語らせたところに、少し悪い事を訊いてしまったかとばかりに小さく眉を寄せる。
抱き寄せられるままに、肩を寄せて男の顔を見上げ。
「いやいや、心のこもらぬ言葉を並べたてられるよりはよっぽど、口説く文句になっているさ」
こういう不器用な口説き方をされるのも、悪い気はしないさと薄く楽し気な笑みを口元に浮かべ。
体を伝う手の動きをそのままに受け入れながら、相手の耳元へと口を寄せて己の名を囁く。
「わたしの名はセラだ」
■ヴィクトール > 「まぁ、そんなところだろうな。…気にすんなよ、仇討ちはしたしよ。過ぎたことだ」
気にかかった様子が見えれば、気にしていないといわんばかりに笑い飛ばしてみせる。
寧ろ今は、傍らにいる淑女の方が気になるところで、さわさわと脇腹を擽るように触り続けていく。
「そんなもんか…言葉ってのは難しいもんだ」
なかなか理解しきれないといった、悩ましい表情を浮かべるも、隣で微笑む彼女が満たされるのであればそれでよかった。
名前を聞き止めれば、分かったと小さく頷いていく。
「セラな、んじゃあ…飯食ったら、今度はセラを愉しませてもらうとっすか」
まずは腹拵えだと、運ばれてきた肉料理へと貪りついた。
かなりがっついていく割には、そこらの呑んだくれ達よりは綺麗な食べ方をしていく。
それでも早食いな方で、結構な量が盛られていただろうそれを、あっという間に食い尽くしてしまうと、ごちそうさんとお代を置き、大きな手が彼女の細い手を包み込んでいく。
壊さぬ程度、それでいて力強い感触。
ガサツと自覚しているせいか、そうならないようにと気を配っているのだろう。
後は彼女を連れて…ちょうど良さそうな宿で一部屋を取る。
小奇麗にされた、ここらでは珍しいだろうマシな宿。
室内へ誘うやいなや、ぎゅっと華奢な体を抱きしめようとしていく。
「さぁて…遠慮無くやらせてもらうぜ…?」
先程より少しだけ上がっていく体温は、雄らしく盛の乗った体だからか。
指先に銀糸を絡めるようにして撫でながら、その瞳を見つめる。
■セラ > 「そうか、終わった事とけりがついているのならいいのだが」
笑い飛ばす姿に、本人の中ですでに決着がついているのだろうと見て取り安心し。脇腹をくすぐってくる指先から逃げるように身を捩り、軽くたしなめるように手を叩き。
「政治が絡んだりしてると、言質を取られずにやりとりしようとしたりするから、本当に難しくなるぞ」
恋の駆け引きでの言葉のやりとりは、まだ甘さがあるが。あっちの世界での言葉のやりとりはひたすら黒くて神経を使うと、肩をすくめ。
そのまま、気持ちいいくらいにがっつりと結構な量があったはずの料理を食べつくしていく様を見つめ。食べ散らかすという事もなく、意外と品のある食べ方をするのだなと感想を抱き。
手を握り、部屋へと連れていくその手つきに気を使ってるのだなとくすりと小さく笑みをこぼして、こちらのほうもがっつくことなく紳士らしいじゃないかと表情を緩め。
「あぁ、どうぞ遠慮なく召し上がれ」
抱きしめられて、自分からも応えるように身を寄せて抱きつき。その体につく筋肉を確かめるようにゆるりと手を這わせ。
相手の顔を見上げ、見つめてくる瞳を見つめ返しながら、求める言葉に誘うように甘く囁き、頷く。