2015/10/17 のログ
■ロザリー > 香るのは王城に近い、富裕層の辺りからか
元々、人間に化けた魔王軍の魔族も入り込んでいる…とは聞いていたが
それらは匂いは隠しているはず、となれば……
「魔を駆る者達も、そろそろ動き始めるのではないか?」
小さく笑みを浮かべる
たかだか砦一つの攻防戦で矮小な魔物達と遊んでいる間に、
知恵ある魔族は人間の街へと入り込み始めている、ということだ
ふわりと広場にあるベンチにかける
「勢力図が一転するのは、時間の問題かもしれんな」
■ロザリー > 人間の国に訪れる魔族が増えたということは、
自身を含めて旧神アイオーンの加護を恐れない魔族がそれだけ増えたということだ
それは人間が脅威と感じる強力な魔族に他ならない
「(指を咥えて見ているだけ、ということもあるまいが)」
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にキスカさんが現れました。
■キスカ > 昼間とは打って変わって、静けさに包まれた広場に一陣の風が吹き込む。
舞い躍る髪は天心にかがやく月よりも白く、その身を覆うローブは月光をまとって闇に浮かぶ。
表情は目深に被ったフードに隠され、身体つきからかろうじて少女と知れる。
細い身体を疾風怒濤の影へと変えて音もなく駆ける不審者。
その背後からはけたたましい警笛の音と夜のしじまに不似合いな怒声が迫る。
広場に突き当たると、開けた視界の片隅に不思議な少女の姿を見つけた。
「………こんばんは! こんな時間に何してるのさ?」
今は追いかけっこの真っ最中で、非現実的な光景に目を奪われている暇はない。
というのに勝手に足が向いて、興味本位で問いかけてしまった。
■ロザリー > なにやら騒がしい、声のかかった方に目をやれば…
その宵闇のなかの白い姿に目を奪われた
「月夜の散歩…と言ったところだ」
ミレー族らしき特徴が伺える相手、
しかしどうにも追われている風情のようだが…
「そちらこそ、静かな夜には似つかわしくない喧騒を連れて来てくれたようだな?」
小さく苦笑する
■キスカ > 「へえ、お散歩。風流ですなー」
納得するかどうかは別として、答えが返ってきたことで幾分か現実味が増してくる。
「深夜の徘徊は私も大好き。あっちの人たちもたぶんそう」
重たそうな鎧を着込んだ衛兵たちの一隊が雪崩を打って駆け込んでくる。
ご丁寧に制式装備の長モノをしっかりかついで、涼しい夜なのに汗みどろになって肩で息をしている人ばかり。
『なっ……おい見ろ、仲間がいたぞ!!!』
『ええい小癪な! 応援を待つまでもない。ここで捕えてくれる!!』
『――――回りこめ、出口を塞げ!』
わらわらと、後から後から追手の人数が増えていく。
「えっ違っ―――この子は違うよ!? 違うんだってば」
「やっば…ごめん、ごめんね。なんか巻き込んじゃったみたいで」
この子を見捨てて一人で行っちゃう? それはダメ。心が痛すぎるから。
右手を差しのべて。フードを少しだけ上げて、灰色の瞳を向ける。
「―――逃げよう!! 君もおいでよ!」
■ロザリー > 「…向こうの者共は月夜の散歩、などという穏やかなものではなさそうだな」
雪崩れ込んだ一団を一瞥して重々しい息を吐く
「ふむ…まぁ、追われている事情は知らないが…、
逃げを打つ……というのはどうにも好かないのでな」
嫋やかにそう口にするとゆっくりとした動作で立ち上がり、蒼碧の瞳を集団へと向ける
差し伸べられた手はそのままに、一団に向けて視線に魔力を込める
凝視───、高位の魔族に詳しい者がいれば被害は免れるだろうが、
吸血鬼の魔眼によるそれは強力な麻痺効果を齎す
■キスカ > 刹那。私の瞳は風を切って飛来する一条の影を捉える。
左腕の手甲を合わせ、短く切り詰めた矢のようなものを斬り落とす。
衛兵のおなじみの装備のひとつ。クロスボウ。
射撃の精度は劣るものの、当たり所が悪ければ致命の一撃になるかもしれない。
機械弓から放たれる一撃を甘んじて受けようという人はいない。
追撃を覚悟した矢先、フル装備の兵士たちがばたばたと倒れ始める。
『……うがああああああ!!!』
『おいどうした! 気をつけろ…あの娘、魔術を……!』
『クソッ、魔術師はいないのか!? 退避っ! 退避ーー!!』
運悪く突出してしまった犠牲者たちを置き去りにして、兵たちが算を乱して退いていく。
これで時間が稼げたけれど、この子は一体何なんだろう?
「すごいすごい!! 今の何?? 魔法みたいだね!」
「逃げるのは嫌。いいよ。しょーがないなぁ…じゃあ私に攫われてみよっか?」
モノは言いようなのだ。攫われちゃったら仕方ないよね。
ずいぶん重たそうなものつけてるけど、この子一人くらいなら抱えていけるかも?
■ロザリー > 矢を切り落としたその動きに感嘆の息をあげる
なかなかの動体視力である、実力のある者だなと感心する
「街に魔族の侵入を許しているというのに、
アンチマジックの一つも携行していないとは、平民の街とはいえ些か平和に呆けすぎだな」
為す術もなく凝視によって倒れたものを見やり、小さな笑みを浮かべた
「…まぁ、そのようなものだ。
攫われる?お前に?」
追われているようではあるが、あの程度の者がどれだけ来ようと物の数ではないのだが
ただ、その物言いに何か興味が湧いたらしく
「ふむ…それも面白いかもしれん」
あっさりと承諾するのだった
■キスカ > まれびとの嗅覚では感じられないほどの、ごくかすかな血の匂いがする。
今しがた流されたものでもなくて、自分の手に染み付いたものとも違う匂い。
その源はすぐ隣にいた。
「まれびとの匂いがしないね。かといって子猫ちゃんでもない」
「じゃあ何か別の存在………うん、今魔族って言ったね。思いっきり言ってたね!」
平和呆けは同感。苦言を呈する彼女にうむうむと頷いて。
広場から抜ける路地にじわじわと封鎖線が築かれ、もはや蟻の子一匹通さない勢いだ。
放射状に八方に広がる道のどこを向いても昼間みたいなかがり火が集まっている。
「行きがけの駄賃だよ。攫ったあとはどうしよっか。イタズラしてもいい?」
広場に面したお店の木箱を足がかりに、大きな猫科の獣みたいに瞬く間に屋根の上まで上っていく。
ふつうの身体能力でもついて来れるように手を差しのべて引き上げたりもして。
「私はキスカ。通りすがりの悪いミレーだ! 君はどこの子かな」
吹き抜ける夜風にあおられてフードが翻り、丸みがかった獣の耳が露わになる。もう隠す気もないらしく。
■ロザリー > 「そう、魔族。…悪戯?ふふ、面白いヤツだ」
尖った耳、笑みを浮かべれば口の端から覗く牙、人間とは違うという雰囲気を醸し出している
「吾はロザリア…通りすがりの良い吸血鬼だ」
そう言って差し伸べられた手をとる
その体はまるで羽毛のように軽いだろうか
強い力を込めずともふわりと持ち上がる
■キスカ > 眼下の広場では治安部隊が一斉に突入をはじめて、ひしめく鎧が明かりを受けて鈍く輝く。
獲物を見失って殺気だった衛兵たちが近隣の住民を叩き起こして家捜しをはじめた。
「吸血鬼ってほんとにいたんだ?」
「血を吸ったりコウモリになったり、霧にもなったり…あとなんだっけ」
「ベッドが棺桶で、知らない家には入れない?」
なるべく高低差のない屋根を選んで飛び移り、ときどき煙突の天辺にのぼってコースを修正する。
夢見る都の屋根から屋根へ、窓辺から窓辺へ。月光の下、手と手をつなぐ白と黒の影が往く。
ものの数分で喧騒は遠くはなれて、追手の気配もすっかり途絶えてしまった。
「ざっとこんなもんです。ちゃんと着いて来れたね。さっすが!!」
屋根から屋根へと渡されたロープの真ん中、空中歩行の奇術みたいに両手を開く。
そのまま背中から落ちて、真下の藁山に勢いよく突っこむ。すぐに藁まみれの顔を出して手招きする。
「ここなら誰も来ないから、朝までいたってぜんぜん平気」
「おいでよロザリア。さっきの迷惑料、ちょっとくらいなら噛んでってもいいからさー」
■ロザリー > ミレーの少女の語る文献上の吸血鬼の特徴に思わずふっと笑みを浮かべる
あたっている部分もあれば、そうでない部分もあるものだ
「追う方は息も絶え絶えだったようだが、お前は随分と楽しそうだな、慣れているのか?」
広場へ追ってきた連中は可哀想に息も上がっていた
きっとこのように翻弄されていたのだろう
「別に迷惑とは思っておらぬが…それは魅力的な提案だな?」
ドレスをふわりとさせて、キスカの横へと舞い降りる
■キスカ > 「あっ今の、今の愚かな人間どもめって言うときの顔だ! なんかヘンだったかなー?」
自分の身に当てはめてみると先入観があてにならないことも納得感がある気がして。
ミレー族??ってほら猫っぽくて?アニモーなスメルがするアレ??ぐらいの認識が普通なのだ。
「そう言わないでさ、今日のはけっこう頑張ってた方なんだ。むしろ大金星と言っていいくらい」
「いつもはそう簡単に見つかったりしないんだから」
何か仕事に手違いがあったことを仄めかしつつ、特に誇りが傷ついた様子もなく。
ふるふると藁を振り落として白いローブをはためかせる。
「結果的には君と会えたことだし……けっこう食いつくね!! 今日から君ははらぺこロザリーだ!」
勝手な二つ名をぶん投げながらセーフハウスの中へと案内する暗殺者。
夜の帳は幾重にも重なって、深まっていく―――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からロザリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からキスカさんが去りました。
ご案内:「冒険者の店「踊る雌馬亭」」にダン・ジェスさんが現れました。
■ダン・ジェス > (店がいつ開いているかは、店主の気分次第だ。昼過ぎのこの時間、あくびを漏らしながら店の奥から這い出てくると、髪を軽く整え、ヒゲを直しつつ店の窓を開き、入り口の鍵を開けた)……しまったな、もうちょっと早く起きたほうがよかったか。(昼飯時には少し遅すぎる。まあ、夜中までのんびり営業していればいいだろう……なんて風に考えつつ、自分のための飲み物を準備しはじめる……)
ご案内:「冒険者の店「踊る雌馬亭」」からダン・ジェスさんが去りました。
ご案内:「平民地区 奴隷市場周辺」にマルテさんが現れました。
■マルテ > 空腹を堪えつつ、どうにか己の得物の場所を見つけ出す。
奴隷市場、そこに保管されているらしく近寄るに連れて内部の血がざわめく感覚があった。
勿論、空腹やら人の目から隠れて行動し続けていたせいで精神的にも身体的にも疲労が限界に達していた。
(このまま、じゃ……。でも、盗みとか…したくない、し…。)
かといって。
この姿のまま無防備に奴隷市なんかに足を踏み入れたら即刻捕まるか、殺される恐れもあった。
自分がやったわけではないにしろ逃亡奴隷に違いないのだ、捕まらずとも見つけられた時点で拘束されてもおかしくはない。
ただ、奴隷市自体が彼女を逃亡奴隷として手配しているかと言えばそういうわけでもなく、実際のところ主人もわからない、価値の付けようもない事から逃げ出したところで痛手にはならず、認識した程度で確保しようと躍起になっているわけでもないのだが――マルテはそれを知らず。
「……人、多い…なぁ。」
路地裏の影に潜みながら、時折顔を覗かせては奴隷市のある建物に侵入しようと目論むのだが、入っても取り返せる保障はない。
手配されてないにしても銀槌は自分の持ち物だし、職員に頼もうものなら即刻捕まるのは間違いない。
とすれば、盗み出すしかないのだが、今の劣化した体力では無謀に近かった。
――しかし、しなければ己は餓死するだろう、というのもわかっていた。食事を摂らず既に何日か経過しているが盗みを働く事だけは自制していた。取り返す事さえできれば冒険者ギルドに登録でもしてどうにか吸血鬼関係の依頼を請ける事が出来れば、持ち直せる。
全て上手く行く事はないだろうけれど、それでもまずは、命と同列である銀槌を手に入れなければならなかった。
■マルテ > 暫くそのまま、動けない時間が続いた。
やはり捨て身覚悟で中へ足を踏み入れるしかないのだろうか。
(奴隷に、戻される……それじゃあ多分、意味、ない。)
また良いように扱われるだけで、再び他人の不幸への手伝いをしてしまいかねない。
流されやすい自分が招いた事だから、あのような事はもうあってはいけない。
自分だけが酷い目に遭うなら構わないが、それで他人が巻き込まれるのはマルテにとって一番の苦痛であった。
後がない事を理解しているから、焦りが募って行く。
どちらにせよ時間がないのだから、今は手段を選んでいる場合ではないんじゃないか。
そう思って、再び視線を奴隷市の建物へと向けた。
――ふと、そこで何か荷車のような物を押して出てくる男性らしい二人組が目に付いた。
白い布が被されているので中身はわからないが、人ごみの中微かに聞こえてきた言葉に、空腹で淀んでいた意識が一気に引き戻される。
『不用品の破棄』や、『奴隷の持ち物を処分』という言葉、つまりあれには捕まった奴隷の持ち物なども含まれているのではないか。
■マルテ > 身を少し乗り出して、荷車に意識を向けた。
――何となくだが、布を押し上げるようにして出っ張っている柄のようなものから、懐かしい感覚を読み取った。
どうやら銀槌の持ち主が逃げた事で保管する必要性を失ったということなのか、理由は不明だが。
少なくとも他者には何の価値もない、ただ重いだけの銀槌なので処分するということなのだろう。
(駄目だ、あれを処分されてしまったら、私は…。)
もう、何もする事が出来なくなってしまう。
外に出て来たというなら、奪い去って逃れる事も出来るかもしれない――この近くに吸血鬼が居ればの話だが。
(迷ってる場合じゃない…あれがないと、私の唯一の価値さえ失ってしまう…。)
路地裏の地面を蹴って飛び出した。疲労している体ではあったが、目の前に己の力を引き起こす為の存在があるからだろうか。
それとも、先程から血が何かを求めているようにざわめいているからだろうか。
普段では出せない程の脚力、身体能力を共に、人ごみを走り抜け、一気に荷車の隣まで走り込む。
遅れて荷車を運ぶ男達が反応して視線を向けたが、そこには何もない。
再度地を蹴って飛び上がり、荷車の真上を飛び越す、そのタイミングで出っ張った柄を握りしめた。
――直後、血が激しく体中を循環する感覚と同時に体が軽くなり、柄を力に任せて片手で振り上げ、正面の地面へと布に包まれた槌を叩き付けた。
衝撃を受けた地面は罅割れ、凹み、痕跡を残し、その音に気付いて男達は振り向くが、驚きのあまり行動に移る事はなかった。
(取り戻した…!)
着地すると同時に布を引きはがして銀槌を両手に持つと、その重量を持っているとは思えない速度で路地裏に入り込み走り去って行く。
――幸い近くに吸血鬼でも居たのだろう。力は逃げ去る迄衰える事はなく、人気のない場所まで至って漸く力を失い、銀槌の重さに動きを止められる事となったが。
漸く、生き残る為の第一歩を踏み出せたマルテだった。
ご案内:「平民地区 奴隷市場周辺」からマルテさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にフォーティアさんが現れました。
■フォーティア > 人通りの多い繁華街、夕食を前にした時間帯だからか、主婦らしき女性が多く行き交っている。
少女もそれを目的としてきた一人、買い込むべき夕食の材料を詰め込む手提げを片手にゆっくりとした足取りで歩いている。
(うーん…父さんが昨日作った料理はお肉が多めだったし、今日は野菜を多めにした方が良いのかな…?)
日替わりで料理を作る父子、今日は自分の担当だからこうして買出しに出てはいるのだが…正直、こんな事をしている時間も研究とかに当てたいな、とは思っている。
とはいえ、人間であるが故に食事を抜けばどうなるかは理解している。こればかりはちゃんとやらないといけないだろう。
目的地へと向かう足取りは少々重い。
■フォーティア > そうしている間にも目的地である場所は目の前に迫ってくる、その場所とは…夕食の買出しにきた女性が群がる食品売り場である。
どうしても人と接するのが苦手な少女にとって、いつも悩まされる光景だ。
売り場が見える離れた場所で足を止め、適当な壁を背にして自分が入り込めそうなスペースが空くのを待つ事に決めた。
暇潰しにと懐から分厚くも小さな手帳を取り出し、ぱらぱらとページを捲り…栞の挟んであるページを開けば視線を落とす。
その中身は誰かが見たところで大体の者は理解出来ない内容だろう。
ある遺跡で発見された壁に綴られた文章の写し、その文字は魔法を扱う者にしか理解出来ないものだからだ。
■フォーティア > (遺跡を作った人物の名前…は、多分この部分。まだひとつひとつの単語として分かっただけで意味までは辿り着けないなぁ…一日でここまで調べてくれれば十分な進展とは言ってたけど、うーん…)
とんとんと指先で開いたページを小突き考え込んでいる少女、そんな事をしている内に売り場に集まっていた主婦達はその数を減らしているも…集中し始めてしまっているか気付かない。
目の前にして買おうとしていた材料は次第に減っていく、そろそろ気付かなければ作る予定である料理の材料が切れてしまいそうだ。
■フォーティア > ふわりと微風が起こりページを止めていた栞がひらりと飛ばされる、さすがに視界の中で起こる変化には反応が出来たか反射的に手をそちらへと伸ばす…が、動きが遅かったらしい、栞はひらひらと舞っていき目的地だった売り場の近くへと流されていった。
「あっ…待、待って…!」
手帳を閉じる訳にもいかない、それを気を付けるようにすればただでさえ鈍い動きはゆるやかに流されていく栞の動きにさえまともに追いつけない。
そんな調子で知らず知らずの内に売り場の方へと少女は向かわされる形となってしまって。
■フォーティア > やっと追いついた、微風も収まり地面に落ちた栞をゆっくりとした動作で拾う少女。
ほっと胸を撫で下ろし安心しながら顔を上げると、目の前には売り場が広がっている…自分が立っているのは丁度探していた空いているスペースだった。
いつもこんな調子なんだろう、店の店員らしき男性が呆れ顔でこちらを見詰めていた。
ばつの悪そうな表情を(とはいえ眼鏡のせいでそれらしい雰囲気だと分かるくらいだろうが)浮かべる少女は求めていた材料に目を配ると、その意を察した店員は必要だろう量を手渡し、少女は料金を払う。
それが終わるとそそくさと店を後にして帰路に移るのであった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からフォーティアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にスカルペルさんが現れました。
■スカルペル > 「へぇー、中々良い所あるじゃん。
ご飯も美味しいし、給仕のあのコも可愛かったし。
いいねぇ。ポニーテール。」
夜の酒場を後にし、路へと出る童顔の青年。
あの店は給仕が好みだった、内心でニヤつきながら感想を零し、満足げに歩く。
「でも、いかがしいお店が中々見つからないなぁ。
もうちょっと奥に行かなきゃダメかな?」
少々不満気に口を尖らせ、不満を零す。
道行く女子をちらりと見れば、そそそと視線で追う。
気付かれたらそっと外す。
■スカルペル >
「……んー。親父に金をせびった甲斐はあったかな。」
"王都マグメールに行きたいから小遣い頂戴。"
齢二十代にもなって小遣いをせびる彼も彼だが、了承する父も父か。
店一つ立ちそうな金を寄越され、王都マグメールへと足を運んだ。
そして今、そのお金をちびちび使って遊び歩いていると云う訳だ。
しょうもない事の発端を思い出しつつ、食べ物の屋台でもないかと視界を巡らす。
■スカルペル > 「……うーん。」
見つからない。
少々気を落とすものの、夜ともなれば仕方ないかなと思う事にする。
酒場に関してはちらほら見える為、いっそ"はしご"と称してもう一軒にでも入ろうかと思い悩む。
「……だけど、それなら色っぽいお姉さんとかが居る所が良いなぁ。」
"出来ればいかがわしいお店がいいな"、なんてボヤきながら路を歩む。
道に詳しい訳でもなく、ただ適当に歩いているだけだ。
■スカルペル > 「どうしようかなぁ……」
中々足を踏み入れたい所が見つからない。
どうせ時間はある、もうちょっと探してみようかな。
「……ま、どうせ暇だもんね。」
まだまだ適当に歩くことにしよう。
軽い足取りて、道なりに歩んで行った。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からスカルペルさんが去りました。
ご案内:「酒場『金色の葡萄亭』」にアンゼリカさんが現れました。
■アンゼリカ > (今夜はこの酒場に呼ばれた。扉を開けて店主に挨拶すると店の奥へ。店内はいつものように酔客で賑わっている。歩くたびに鈴の音が小さく聞こえ、好色めいた男の視線が体中に纏わりつくのを感じる。でも慣れてる。平然と店の奥へ行くと、既に小さな楽団は待っていて、賑やかな音楽を奏で始めた。客たちに向かって一礼すると、リズムに合わせてタンと脚を鳴らし、薄いベールを使って踊り始める。身体のあちこちに点けられた小さな鈴が踊るたびに小さく音を立てる)