2023/06/25 のログ
エリノア > もしもこの男が、あの頃、もっと紳士的に誘いかけていたら―――――?

否。
考えるだけ無駄なことだ、あの頃、女の心はもう決まっていた。
もう二度と、男に金で抱かれたりはすまい、気持ちの伴わぬ行為はすまいと、
かたく心に決めていたのだ。
だから結局、この男が諦めない限り、同じ結末を迎えた筈。
けれど、やはり、10年以上の時を経ても、未だ―――――

「あんたの眼も、あの頃とまるで変わらないね。
 女と見れば誰でも、頭の中で裸に剥いてみてるんだろう、
 虫唾が走るよ、もう片方も潰れた方が良いんじゃないかい?」

店の常連でも通りかかったなら、きっとぎょっとした顔になるだろう。
今の女を、普段、店に立つ女と同一人物とは、どうにも思えないかもしれない。
肩にかかる手を振り解き、ついでにささやかに距離を取り、周囲の様子に気を配る。
長いこと使っていない類の神経を、急遽、研ぎ澄ませようとしながらに、
―――――武器らしいものを持ち歩いていない、我が身の日和り加減に内心で舌を打った。

「デカい声、出すんじゃないよ、恥ずかしい男だね……!
 何度も言わせないどくれ、アタシとあんたは、――――――― っっ、っ!」

こちらは辛うじて低く低く、声を落として振り絞る。
しかし、いよいよとなったら大声で、助けを呼ぶ方が良いのだろうか、と、
大きく息を吸い込むよりも、男が踏み出す方が早かった。
年単位のブランクは、女の想像していたよりもずっと、影響するものであったらしい。
あ、と気づいたときには、銀色に光る鋭い刃が、女の細首を射程に捉えていた。
荷物をぶちまけ、犠牲にして逃げ切るにも、この距離、この体勢ではもう、遅い。
出来ることと言えば、ますます剣呑にぎらつく瞳で、男を睨むことと、それから。

「……こんな所で得物なんか出して、あんた、正気かい?
 アタシがここで大声出したら、そこらじゅうの店から、用心棒がすっ飛んでくるよ」

それは、半分以上虚勢だ。
本当のところ、このあたりの住人とはそれほど親しくもない。
悲鳴を上げて助けを呼んだところで―――――誰かが駆けつけてくるよりも、
この男が本気でこの首に、刃を突き立てる方が早そうだった。

こうなっては、下手に刺激し過ぎるのもいけない、と理解している。
だから、とにかく、男の油断を誘うため。
渋々と同行する態度を示しておくが、果たして、その顛末やいかに―――――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエリノアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からヴァーゲストさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 ギルド内併設酒場」にユリアナさんが現れました。
ユリアナ > 「そういう時は利き手で持った方を買うといい。
 選べないのはどちらも差はないが、それでも僅かに貴様に馴染む武器が欲しくば、
 店員の説明より自分の体を信じるといい。」

 冒険者として名を馳せることはなくとも着実な実績を積み重ねたかつての女傑。
 冒険者ギルドに併設された酒場で普段は働いているが、
 客が少ない時間帯に居つく常連……、駆け出しで他に行く当てもない後続達の
 相談に乗り、
 パーティであれば連携のミーティングの仕方などを手ほどきする。

 前衛の戦士が新調する武器を見に行ったが決めかねているという相談に向けて、
 そろそろ新人を脱する頃であろうと見定めてアドバイスをしながら。

「生傷が耐えんのならいっそ盾はバックラーに変えるのも考えて見ろ。
 前に踏み込むのがスタイルならいっそそれをかじっても観たらいい。

 最小限の傷、被害を自分で制御しながら立ち回りを行えるようになれば、
 傷も無駄とは言わんよ」

 駆け出し卒業間際から礼を受けて手で挨拶を返しながら、またオーダーを受けて給仕に戻っていく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 ギルド内併設酒場」にグライドさんが現れました。
グライド > (昼から、水浴びをした様に髪を湿らせた男が
泊まっていたのだろう宿の方から歩いてくる
給仕役となった女とすれ違いざま、よう、と声をかけては
どこかの席に着くでもなく、カウンターの側、邪魔にならぬ位置で佇み。)

「あー、悪い、取り敢えずエールを一杯頼めるかい。」

(普段、特にここ最近は毎日の様に食べに来ていた男だが
ここ数日は、何処に出ていたのか、寄りついていなかったのを
普段店に出ている女なら、気づいていたやも知れぬ
昼からエールを頼むということはつまり、用事から戻ってきた、と言う事であり

その雰囲気から、余り、用事の結果が芳しくなかった事も、汲み取れるだろう)。

ユリアナ > 言うや否やすぐに出てくるエールを片手にカウンターにどんと置く。
先日までは上客として金を落としていたが、仕事か否か、寄り付くことはなかった。

女から見れば後続、同業者とは言い難いがそれでも信頼できる芯の通った男が、
浮かぬ顔をしているのを珍しく一瞥しながら。

「景気の悪い顔だな。貴様らしくもない。
 頭を冷やすにはまだ井戸水がぬるかったと見えるな」

何か食べるか、などと付け足しながら腕組みをしながらカウンターにもたれかかり。

グライド > 「やれやれ、そうらしい。
どうにも、気持ちの良い寝覚とは行かなくてよう」

(食べるかと問われれば、エールだけで良いと、緩く首を横に振った
すぐにカウンターへと置かれる器を受け取り、其の儘の勢いで流し込めば
酒精の力で強引に頭を起こす様、深く吐息を溢した。)

「なぁに、ちょいと依頼で出向いてな。
其の後味が、それほど良いもんじゃあ無かったってだけだ。」

(何、とは口にしないが。 それ自体は、良くある事だ。
引き受けはしたが、もう其の時点でどうしようもない結果が決まって居た
或いは、結果が決まっていて、実質は其の事後処理である、と
そんな依頼であることも、決して少なくはない

詰まる所、そう言う何か、があったのだとだけ伝えれば
食べないと言った癖に、カウンターに置かれていた粒菓子は口に放り込んで。)

「気にすんな、飲んでりゃ忘れる様なもんだ。
俺様が、そう言うのは引き摺らんってのは、知ってるだろうよ。」

(カウンターに凭れた女に、一言付け足せば
エールで少しは目覚めた気分で、いつもの様に笑って見せよう
相変わらず良い色気してやがるな、なんて軽口も交えつつに)。

ユリアナ > 「知ってるが端から見れば顔に出すのも珍しいのも、な。
 そうならん見込みは、依頼を受けた段階ではあったのか?」

 酒で憂いを洗い流す。そして気持ちを切り替える。
 体が資本の稼業にあって気持ちを切り替えられるか否かは生存率に大きく繋がる。

 それが出来ずに酒に溺れるか死ぬ手合を腐るほど見てきた。
 だからこそ必要以上の同情はなく、目が向くのは依頼人が無理難題を言ってきたか否かに向いて。

「それに、何を隠そう今はわたしは暇なんだ。
 割り切れるなら話し相手ぐらいには付き合ってもばちは当たるまいよ」

 普段からサービスしてやってるだろう、などと、色気のことを言えば食い気に置き換えてのらりくらりと。

グライド > 「……五分だろうな。 助かるか、助からんか、二つに一つ。
其の時点じゃあまだ、充分に目はあるだろうって事だったが…
……結果、依頼を受けた時点で、どうにも手遅れではあったらしい。」

(其の依頼が、救助の類であった事は、何となく知れようか
本来なら、余り其の手の話も気を使う様な相手ではない、が
僅かぼやかした言い回しをするのは、其の内容が、過日、女の身に起きた事件と
当たらずとも遠からぬ内容、であったせいでも有る

今回、依頼人の側に何かしらの瑕疵があった訳ではない
誰が悪いのか、と言う話になれば、誰も悪くはなかったと言えよう。
エールをまた、少し早いペースで飲み下しながら、肩を竦め。)

「……まだ若い冒険者連中が、遺跡で遭難してな。
連中は、其の後に駆り出された捜索隊が無事に連れ出せたんだがよ。
……其の、捜索に出たうちの一人が、階層の崩落に巻き込まれてやがった。」

(告げて、少しばかり視線を落とす。
其の崩落に巻き込まれた冒険者を、引き上げたのが、己だ。
同じ様な状況で、こうして帰って来れた目の前の女に対して
戻って来れなかった者が出て仕舞ったのだと、教えながら

女の方を見やり、それから、ふ、と口端を釣り上げて見せ。)

「……改めて、あんたが無事で何よりだ。
……見送るのには慣れちゃ居るが、見た顔が消えてくなんてのは、少ない方が良い。」

(だから……顔を見に来たのだ、と、そう告げた。
酒に溺れたくても、溺れられる様な性質ではない
切り替える術は、傭兵である以上、当然ながら携えている、が
感傷的に、全くならない、と言う訳では無いのだから)。

ユリアナ > 話を、じっと聞く。
ヘタな相槌を打たず、ただ耳を傾ける。

その合間、酒がなくなればハンドサインで新しいエールを店の奥に訴えて。

運ばれてくる酒は二つ。女もまた酒に手を付けて。
必要なのは酒の宛てではなく飲み相手だろうと。
……その程度で酔いつぶれることもない、仕事に支障が出るようなへまはしないのは貴女も知っているだろう。

だが、話を聞いてから、何かを考えるように女はやや視線を落とす。

「腹を括れない者もいる。冒険者が一攫千金の華々しい職業などでなく、
 他に仕事も出来ようもない崩れ者が最終的に行きつく先だったことを知るまで、
 生き残れる奴も思ったより少ないものだ。」

 笑いあっている、先ほどアドバイスしていた新人予備軍達に視線を送りながら独り言のように呟いて。

「私も、生き残ってしまったからな。失った分、守れなかった分、
 次が育つ手助けをする。贖罪と言えば大仰しいがな。

 知らぬものの避難や罵声も甘んじて受けて、ちゃんと明日もここにいるさ。」

 それでも、と言いながら顔を下から覗き込むようにして見上げてくる。
 ……ふと、隠しきれぬほどの豊かな谷間が垣間見えるだろうか。

「お前のように良かったと言葉で伝えてくれるのは嬉しいし救われるものだよ。
 お前は良い奴だ、お前も死んではならん側だと忘れるなよ、グライド。」

 立ち直れぬのは情があるから。
 割り切れぬのは人として正しいから。
 傭兵という稼業に本当の意味で向いている。
 傭兵はどこまでも人に寄る仕事なのだから。

 だからこそ、また戻って来いと暗に告げて。

 内心で良い雄だと思う。
 旦那様には及ばないが、人間にしては知己のこの男は優れた個体だ。
 男が知らぬところで人ならぬものになった女は、内心薄暗い感情が沸き立ちながら。

「貴様の余裕ぶった面は貴様も知らんところでここに来る奴等に貢献しているのだ。
 プロなら悩んでもいいが背筋だけは伸ばせよ」

 大きく乳房が弾みながら身を起こすと共に貴女の背中を女傑の平手が打ち据えて小気味よい音を響かせるだろう。

グライド > (女は、聞き上手だ
下手に口を挟まず、こうして零れ落ちる言葉をただ、受け止めてくれる
それ故に他の荒くれどもからも人気があるのだろう、ただ、色気だけが理由ではあるまい
だからこそ、だからこそ、告げて良いものかを僅かに逡巡したのだ
決して、背負った物の重さに潰れて仕舞う様な女ではないとわかっていても
悪戯に、傷、であろう記憶を引っ張り出してしまう事は。)

「自分の欲に従って、冒険の最中に死んでった連中なら自業自得と割り切りやすいがよう
関係のねぇ連中の為に、わざわざ自分の命を張って遺跡に入った様な奴だ
……そんな、“良い奴”が死んじまうのは、勿体ねぇからよう。」

(救助に行くことを嫌った連中もいる、それもまた当然だ
他人よりも自分の命、と言う価値観は、何も間違ってはいない
だが……だからこそ、そんな中で、他人の為に命をかけられる連中を、己は惜しむ

目の前の女もそうだ、同じ様な状況に遭遇したら、きっと又この女も
同じ事をして、自らの命を賭けるのだろう
其れを知らず、理解もせず、罵声や罵倒を浴びせる物たちの愚かさすら甘んじて受け止め

凛として、女は此処に居る。)

「……本当に、良い女だぜ、姉御はよう。
俺様も、しょげてばかりじゃあ笑われちまいそうだ。
だが、まぁ今くらいは。 ……一杯目の間くらいは、悼ませてくれ。」

(覗き込む様にして、己を見上げる瞳に
普段、さんざに口説き、戯言を伝える口が、其の時は
向けられた色気よりも、向けられた言葉こそを尚び、感謝した。
己もまた、戻ってこいと伝えて貰える事が如何に、救われるものかを身を以て知る

一寸置いて、ばしんと軽快に叩かれる背中に
大仰に、相変わらずの馬鹿力め、だなんて言いながら痛がって見せたなら
……また、エールの最後の一口を、飲み切るか、飲み切るまいか、寸前で。)

「……ありがとうよ。
ったく、俺様もまぁ、つくづく女運てのが巡って来ねえもんだ。
姉御みたいに良い女だったら、いっそ愛人だって鎌わねぇってのによう?」

(くつくつと、そんな風に笑いながら、いつもの調子の戯言を紡ぐのだ
無論、半ばはあくまで戯言。 あくまで、半分は、だが)。

ユリアナ >  己を律する。だが余程羽目を外さなければ、明らかに弱い者に横暴をしなければ人にそれを強いることはない。
 人の苦悩、選択。それ等と向き合い、共感し、道を模索する。

 いつまでたっても自分が先達だと、偉大だと思っていない、努力を怠らぬように常に務めて。

 目線は真っ直ぐでも、いつまでも高みに行こうとしない女は、
 過去の傷があっても背筋を伸ばしたままで。

 ……その要因が、元凶たる魔物の伴侶となったが故に落ち込むいとまが生まれなかった事実は誰にも知られることなく。

「……誰かの為に飛び込める者がこれから先育ったとして、
 それかお前と同じ時代に生きたとして、もし並び立ったとするか。

 お前のような気風の良い男が自分のせいで下を向いてると知れば、
 私のように背中を叩くさ。

 話位は聞いてやるし、まあ貴様なら泣き言の一つも聞いてやるさ。
 いつまで経っても嫁を捕まえんしょうがないところもあるしな。」

 この腐った国にあって稀有な人種を失ったこと。それに引きずられては、
 それほどに悼む相手に申し訳が立たないと。
 幾多の喪失を乗り越えてきた者同士、今この瞬間は恥じるべき感情ではないのだと。

 喪失と共に受け取った者も、己の血肉となっている者が、そう容易く無知な罵声で倒れることはないのだから。

「ああ、振り切れるまで煽れ。だが酒だけでは腹に響く。
 だからつまみのひとつもやろうかと言っていたのだが、まあ貴様は大丈夫か」

 腕組みをする。わずかに、胸を持ち上げている。
 普段であればその爆乳を圧し潰すほどの引き締まった両腕を組んだ堂々と佇まいが、
 僅かに、その女なりの仕草にも思えて。

「お前に女運はなくとも掴めるよ。ただ何のかんのと理由をつけて自分で手を伸ばさなかった。
 それだけのことだ。
 貴様が孕むでもあるまいに。

 それとも、女一人と繋がりを持つのがそんなに難しいか?」

 半分。もう半分を、戯言に含まれたそれを知ってか知らずか、
 男を一人の大きな器を認めた人間として知る女は、僅かに歯を覗かせ、
 どこか獰猛な笑みを浮かべて。

グライド > (誰かに、発破をかけられる事はそう多くはない
年齢的にも、どちらかと言えばもう、大抵は誰かに発破を掛ける側だ
そんな己の背を叩ける人間なんて物は、この王国でも、もう、そう多くはあるまい

最後の酒を器の中で揺らしながら、悼む若い命
女の言葉が沁みるのは、己もまだまだ、不動の心を得られるほど老いてはいない証かも知れず。)

「……嫁は別に、捕まえるってもんでもねぇだろうよ…。
第一よう、そんなこと言い始めちまったら、酒の勢いで何言われてもしらねぇぞ?」

(また、明日を迎えれば、常と変わらぬ1日が己を待っている
明日を迎えられなかった者達に囚われ、生きる己が、過去を引きずり過ぎてはならない
女から向けられる言葉は全て、判っていることながら、改めての戒めだ
だから、今は笑おう。 死を悼み、そして生きている事を笑うのだ。

だから……そのついでに、少しばかり、普段言わぬ言葉を滑らせよう
明け透けな物言いの女に、くつくつと喉を鳴らしながら
此方に向く、何処か獣めいた瞳を覗く様に、向き合いながら。)

「……ならよう、本気で俺様が、姉御を抱きたいって言ったら。
……孕ませてやりたいって言ったら、どうするつもりだ?」

(女の耳元に、女にだけ伝う様な声音で、そう告げる。
戯言だと、そう思われたとて致し方あるまい、それが、普段からの己の物言いだ
だが、もし女が、其の言葉を一蹴せずに僅かでも気配を汲むなら
其れが、決して普段の戯言ではない、と。 そう、気取れるか。

掴めと言ったのは、女自身だ。 手を伸ばさないだけだと言ったのもまた。
ならば……手を伸ばした所で、今は、文句なぞ言われはすまい
己もまた、雄であるのだ、と。 そう、女へと主張する様に)。

ユリアナ > 自分でなくともいい。ただ今はたまたま自分だっただけ。
発破をかけるのもただ旧来の知己の中がそうすべき状態だったから。

何も特別なことはない。ただ月日が経って先に立っているだけで、
いつまでもお互いの立ち位置が変わらぬ故の言葉。

一人ではないことを思い出させる為の言葉。

……それは、女からは夫を失ってからは口に出すことのないもので。

「貴様のように奥ゆかしい武人がそう思っているだけだ。
 女は好ましい男に捕まえてほしいものだよ。

 無作法と言いながら今もあること、それで良好な夫婦が実在すること。
 それが何よりの証左というものだよ。」

 掴もうとすれば掴み返して地に沈めかねない……、
 一生”人間”には捕まえられそうにない女傑は冗談交じりという体で笑って見せる。

「それに奥手な男から何を言われても構うものか。
 わたしのかつての夫を思い返してみろ。あれは少なくとも前に踏み込む気概があったぞ?」

 女傑と二人の子を成した魔術師の男。若くして逝去した男。
 四の五の言うなと、その意図に対して言わんばかりに。

「本気で、か。ククッ。貴様に孕ませられると思えんがな?」

 端から見れば縁の深い者同士の他愛もないやり取りに見える中で、
 女は伏すようにそう告げてから。

「それより貴様、そうして悶々としているなら手伝え。

 夕方からの出勤の引継ぎが終わったら店とギルドの倉庫整理をしないといけないんだ。
 力仕事だからな、私以外の女手に任せられんだろう?」

 掴む。捕まえる。本気か否か。孕ませるか。

 男であれば表に出来ぬ”作法”が出来るのかと言わんばかりに、
 ギルドの、建物から離れた、普段は厳重な魔術防御が、防音も含めた隔絶された場所での”手伝い”を持ちかけてくる。

 他愛もないやり取りの中で、女は刹那の間だけ獰猛な笑みを浮かべて嗤う。

 それはまさに、捕食者のそれ。
 貴方という歴戦の勇士をして”獲物”とみている笑みを浮かべて。

グライド > (逆の立場であれば、己も同じ事をしただろう
とは言え、この女傑に、己からの発破や助け舟が必要かは判らないが
己よりも、余程“判っている”女に、戯言の最中は笑いながら

……されど、其の後。 紡がれた言葉には。
そうだな、と一言同意しながら、器に残った最後の酒精を、喉へと流し込んだ。)

「……あの男と、俺様との差ってやつだ。
だがよ、俺様もこの歳になりゃ、少しは変わるってもんだ。
……誰かが、甲斐甲斐しく背中を叩くからよう。」

(なら、挑まずにはいられない。 手を伸ばさずにはいられない。
己には出来ないと、鷹を括っているのか、あるいは侮っているのか
やって見せろと言わんばかりに嗤う、其の様を眺めれば
カウンターに小銭を置き、ゆっくりとその場から立ち上がる。

……獣を、或いは敵兵を、いかなる強者を前にしたとて、臆する筈もない
獣であれば、屈服させ、“判らせて”見せれば良い。)

「……よう、都合良く暇人なんでな。
力仕事ってなら都合が良い、俺様が一番役立てそうだ。

折角だ、俺様が居るうちに、確り時間掛けて手伝わねぇとな。」

(……其の誘いを、或いは、挑発を。
受けぬ筈がない、悩む間も無く了承し、同意すれば。
女が示した其の場所へ、案内しろと促すのだろう。
それが、女の望む作法であると言うのなら。 ……其の余裕を、奪い去ってやる、為に)。

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テレサ > 平民地区の冒険者ギルド。
様々な依頼が舞い込み、それを求める冒険者で混雑をする場所。
新人や中堅、ベテランに交じり依頼を眺めるのは冒険者というには相応しくない格好の少女。
先日の依頼でそれなりに儲けはしたがそれでは安心できないと次の依頼を探しい来て。

「今回はパッとしません。私では受けれないのが多いですか」

依頼はあるのだが新人では受けれない、一人では無理という物が多い。
一人で受けれるものと言えば簡単な採取やいかにも怪しいという物ばかり。
そういう物は受けたくないので自然と依頼を見るのは複数のものになるのは仕方なく。

「こう…募集でもしていれば」

そこに参加するのもいいかも、そう考えては依頼と臨時のパーティーの募集。
その両方に目を向けて。

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