2022/10/07 のログ
■ジャック >
しばらく経てば、小屋から肉の塊のような触手がずるずると這い出てくる。
女性の身体を全て触手で覆い隠し、そのまま路地へと消えて行った。
あとに残るのは無人の小屋だけであった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 空地」からジャックさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にコノハさんが現れました。
■コノハ > 平民地区の一角にある雑貨店の倉庫。
色々な商品が積まれているその場所で大き目の箱を持ち上げては別の場所に運び。
それが終わればその場所に違う荷物を運んで整理を行う。
荷物は丈夫なものから割れ物まであるので気を付けて運んでは大きく息を吐き。
「この仕事も結構慣れましたね。本当に割りがいいです」
最初は常連だった店だが依頼がない時に入り浸り愚痴を話したりする間に荷物整理のバイトに雇われ。
最初こそ不慣れであったが回数を繰り返せば慣れてしまい、今ではそれなりに慣れ、こうして整理もはかどるようになり。
「本業とは違いますけど、まあいいですか」
剣を振るう冒険者なのですけどと苦笑をしながら荷物をまた持ち上げ。
別の場所に荷物を運んでは仕事を続ける。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からコノハさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にパッツィさんが現れました。
■パッツィ > 平民地区の一角にある魔導具店。
決まった日に開けているという事はなく、むしろ開いている時に当たれば運が良いと言える店。
そんな店の中、商品が並ぶ棚の奥にある受付でぼんやりと本を読む店主の少女。
先ほど見送ったお客以降にやってくる人はなく、商品の簡単な整理などは手が足りなければ臨時のバイトを雇い終わらせてしまったので文字通り手空き。
「今日は修理も持ち込みもないので平和ですね。こう…出張修理でも増やすべきかも…」
お客がこずとも店の経営に問題はないが退屈な時間はそれなりに苦痛。
一思いに店を閉めて学院にとも考えたがそれでは店を開ける時間がという悩み。
結局はこうして入手した教科書を読みながらの暇な店番に近い事。
ページをめくる音を静かな店内に響かせ、もし扉が開けば直ぐに接客を出来るようにだけはしつつ時間を潰して。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 店主が暇を持て余すそんな魔導具店の入口を開いたのは中年冒険者。
何処ぞの迷宮にて探索を終えた帰りなのであろうか、
草臥れた風体を更に泥や埃で見すぼらしく汚して、
肩にズタ袋を抱えながら、店内に足を踏み入れると中をぐるり、と見廻す。
「……ん?
此処はアーランド魔道具店で合っているよな。店主は不在かい?」
商品が陳列された棚の間を潜り抜けて、奥の受付にいる少女に声を掛ける。
自分の知っている店主である老人とは異なる彼女の容姿に小首を傾げるも、
何処か既視感めいたものを感じられるのは、彼が冒険者の副業として、
王立コクマー・ラジエル学院で臨時講師の教鞭と執っているからかも知れず。
■パッツィ > 扉が開く音に顔を上げるとそこには中年と言える見た目の男。
見た感じは冒険者等風貌でズタ袋を抱えている姿から、これから依頼に向かうか戻ってきたか。
兎も角お客と言う事で本を仕舞って。
「いらっしゃいませ。アーランド魔道具店であってますよ。
今は私が店主ですけど」
棚の間を抜けてきた男の言葉に自分が店主と言葉を返し。
もしかして祖父の頃のお客なのか、そういうお客は時々に来るのでさほど気にせず。
笑顔を向けてご用件はと問いかけて。
■トーラス > 「……君が店主だって?
なんだ、あの爺さん、結構な歳だと思っていたが、遂に往生したのか」
予想外の返答に双眸を瞬かせると、口端を歪めながら悪態を吐く。
少なくとも、斯様な不謹慎な冗談を飛ばせる程度には、
彼女の先代が営んでいた際の魔道具店に足を運んでいたのは事実であり。
笑顔で用件を尋ねる少女の貌から、容姿を一瞥すると肩に背負ったズタ袋を降ろして。
「アンタみたいな別嬪さんが継いだならば、爺さんも本望だろうな。
用件なんだが、迷宮で見付けた魔道具の鑑定、というか、動かせるように修理は頼めるか?」
以前、先代店主の時には引き受けられていた仕事。
年若い彼女に同様の仕事が行なえるのか、とやや訝しむような視線と共に問い掛ける。
■パッツィ > 「私が店主ですよ。
まだ生きてますよ、私に引き継いで今は隠居しています」
悪態をつく男に生きていますと言葉を返し。
どうやら知り合いのようだが何処までの関係なのかはさっぱり。
ただお客はお客と考えを切り替えて接客に入り。
「半ば押しつけですよ。両親がやる気がないからって言って。
魔道具の鑑定と修理ですね、修理は破損状態になりますけど大丈夫ですよ」
用件を聞けば先代の頃から鑑定と修理を引き受けていた人と考え。
祖父程ではないが鑑定も修理も、物次第と言ってはそれでよければ見ますよと笑顔で告げて。
■トーラス > 「ははっ、楽隠居だったのか。早々簡単にくたばりそうにないもんな。
両親が継がなかったというと、アンタは爺さんの孫娘ってところか?
あぁ、名乗ってなかったな。俺はトーラス。見ての通り、この街で冒険者をやっている」
笑顔の少女と、先代店主の顔を交互に過ぎらせながら、余り似ていないだろうかと首を傾げ。
少女が己の申し出に是との返答を返すと袋の中から円筒形の魔道具を取り出す。
丁度、手に握れるような太さの筒の先に、球体の頭のような先端部が付いた形状。
筒部分には起動ボタンと思しき物が付いてはいるものの、押し込んでもうんともすんとも言いはしない。
それでも、これがただの筒ではなく、れっきとした魔道具である事は、
魔力を見る事が可能な彼女の目を通せば、明らかであるに違いない。
「見て欲しいというのはこいつなんだ。
動かせるように修理と、可能ならば用途を鑑定してもらえるか?」
その魔道具を相手に手渡すと共に前金として銀貨を数枚、取り出して相手に尋ね。
■パッツィ > 「今は温泉巡りをして気楽にやってますよ、時々顔も見せますし。
そうですよ、孫になります」
名前を聞けば軽く頭を下げ、首を傾げる様子に似てないですよねと。
そしてどんな魔道具なのかと男が取りだすのを待ち、そして取り出せば目を向けて。
その魔道具は握れる程度の大きさ、先端に球体という不思議な形。
ボタンを押すのを見るが動かないので壊れているのは見て取れ。
これと同じようなのは何処かで見たと思い出すように見つめて。
「確かに魔動機ですね、時々と見るタイプですよ。
これなら直せますし。用途はボタンを押すとこの球が振動しますね」
受け取った魔導具をもう一度見てはボタンを押し、次には先端の球体を動かすようにして。
そしてこれはと心当たりがあるので修理が出来、説明も知っている範囲で口にして。
■トーラス > 「良いねぇ。可愛いお孫さんに店を継がせて、自分は悠々温泉巡りか。
何て言うか、最高の老後じゃないか?」
袋から出した魔道具を少し見ただけで、見覚えがあると告げる少女。
しかも、修理も可能であると太鼓判を押す辺り、中々どうして適性があるのかも知れない。
似ていない、と同意したものの、知識や腕は確かに自身が知っている
先代店主の老人の血から脈々と受け継いでいる事に感心したように相槌を打ち。
「成る程、成る程。確かに先端と筒の接続部が動くもんな。
しかし、この球が振動するのか……、ふむ、で。
こいつは一体、何の用途で利用される魔道具なんだ?」
先端が振動して、強固な岩でも粉砕するのだろうか、と
彼女の説明にやや物騒な思考を過ぎらせながら、重ねて問うて。
■パッツィ > 「本当にそうなんですよ。私はまだ店を継ぐつもりはなかったのに。
祖父にはそうみたいですけど…」
自分にはついてないですよ、そう言ってため息。
男が持ち込んだ魔道具は過去に何度か扱った事もあり直ぐにわかり。
これなら直せると太鼓判を押せるもので安心して。
「ここの部分が動いて振動する仕組みなんですよ。
ボタンを押すと普通は動く訳ですけど…中で部品が壊れたのかもしれないですね。
これですか?えっとですね、硬くなった肩に押し当てて使う道具です」
どういう用途かと問われればコリ取りの道具ですと告げ。
温泉などで偶に居るマッサージをしてくれる人の代わりのもの、武器でも何でもないと告げて。
■トーラス > 「そうだよなぁ。流石に、まだ若いんで最初に店主と言われて少し驚いたぜ。
これまでが爺さんだったから、猶更だ」
溜息を吐き洩らす相手の年齢が幾つなのかは明確ではないが、
不老長寿のエルフなどではなく外見通りの人間であるならば十代後半という所。
彼が教鞭を執る学院に通っている生徒達と同年代と考えるならば、
独り立ちは不思議ではないが、店舗を構えるには些か年若いと思わざるを得ず。
「ほうほう、詳しい事は分からないが直せるならば有り難い。
動かないガラクタでは売買にするのにも値が付かないからな。
肩に押し当てて振動する、……凝り取りの道具? それは岩を粉砕できたりとか、他の利用法は?」
彼女の告げる魔道具の使用方法に相槌を打つも、最後に告げられた残念な返答に眉根を顰め。
現代よりも発展した古代文明の遺産である魔道具が、
四方や、肩凝りを解す為だけに利用される事はないだろう、と縋るような往生際の悪さを見せる。
■パッツィ > 「昔からのお客さんはみんなそう言いますよ。
本当はもっと先に次ぐ予定だったんですけど」
急に継がされたと本当に困りますという風に口にし。
学院にも通う予定も結局は流れてしまい。
しかしそのお陰で趣味に費やす時間が出来たと思えば悪い気もなく。
後の問題は店主と信じて貰えない時が多いだけで。
「これなら部品もあるので直ぐにですよ。
これは動いてもそんなに値はつかないんですよね…。
これで岩を砕くなんてできませんよ、茹でた芋を潰せるぐらいですね」
眉を顰めて往生際の悪い姿を見せる男。
遺跡で見つけたものが凝り取り程度にしか使えないと聞けばそれも当然だというのはわかる。
しかしきっぱりと武器には使えない使い道しかない事を説明をしていく。
■トーラス > 「だろうなぁ。……でも、まぁ、何れ継ぐ予定ならば早いか遅いかだろう。」
もしも、継ぐのが本当に嫌だったならば、彼女の両親然り、彼然り、
無責任にもほったらかして逃げてしまえば良いだけの話。
そうしなかったは彼女に彼等に身に付いていない責任感というものがあったのか、
或いは、適性はあるようなので、継いでも良いという意志があったのかの何れかと思われて。
「芋が潰せるぐらい……、
一体全体、古代人は何を考えて肩の凝り取りと茹でた芋を潰す為だけの道具を作ったんだろうな。
――――まぁ、それでも、修理代はカバーできるだろう。修理も頼む」
古代遺跡に潜り、巣食った魔物を退治して、危険な罠を乗り越えて、
漸く辿り着いた深奥にて入手した魔道具の正体が武器にも使えず、大した値も付かず。
下手をすると使用したポーション類や遠征の旅費食費を考えれば赤字の状況に肩をがっくりと落として見せて。
■パッツィ > 「継がないと店を閉めるって脅してきたんですよ」
まだ継ぐつもりはなかったが店は好きなので何れは。
それを閉めると脅されては継ぐしかなかったと今更ですけどと言う笑みを見せ。
最初こそは文句もあったが今は重実しているので良いかなと思っていて。
「本当にその程度の振動しか起きないですね。
日常品として作ったのかもしれないですよ。
修理もこれで大丈夫ですよ、ではちょっと待ってください」
男の肩を落とす姿に同情もあるが嘘を言う事も出来ずに。
実際に売るとなれば店によっては違うが自分の店では安い分類。
きっと大赤字になりそうと思いながらもカウンター裏から道具を取り出して修理をはじめて。
■トーラス > 「全く可愛い孫娘を脅すとは質の悪い爺さんだな」
彼女の言葉に肩を竦めると苦々しく笑いを滲ませる。
利用客としては本当に店を潰されなくて助かったと思う部分はあるものの、
自分が当事者だったならばとんでもないと憤慨したであろう状況。
多少なりとも、彼女に憐憫の情を抱きながら双眸を細めて。
「日常品、ねぇ……。
古代人は日常的に肩が凝る種族だったという事か」
落胆しつつも、彼女が魔道具の修理を始めれば、カウンター越しにその動作を眺める。
普段、彼が使う事もないであろう修理道具に感心したような頷きながら、
見下ろした相手の発育の良い身体付きを眺めれば、確かに肩が凝りそうだ、と呟きを洩らして。
■パッツィ > 「本当に性質が悪いですよ。でも出先のお土産はくれますから」
そこで良いか悪いか悩んでしまい、少なくとも子供の頃は良い祖父のイメージしかなく。
無理に継がされたとはいえお客さんが潰れていなくてと喜んでくれている事は嬉しく。
「そういう使い道しかないですし。
誰でも肩は凝りますよ」
筒状の部位のそこのパーツをはずして中を覗き込み。
そして中の部品を取り出して色々と弄っては、別パーツを取り出して付け替えていき。
そんな作業の最中に聞こえた声に顔をあげては赤く顔を染め、商品でも見ててくださいと文句を言って。
■トーラス > 「せめてもの罪滅ぼしなんだろうな。
……いや、単純に誤魔化されているだけか?」
調子の良い祖父に良いように宥められる人の好い孫娘。
この店を継がされる経緯を考えるとそのように捉えられて失笑する。
修理の作業中、彼女の事を凝視しているのがバレたのか、
ついつい呟いてしまった言葉の裏を読まれたのか、
顔を赤らめる相手の抗議の言葉に苦笑を滲ませると己の身形を見下ろして。
「あぁ、こいつは済まないな。
少し時間が掛かるならば一旦出直させてもらうとするか。
荷物を降ろして、ついでに汚れも落としたいんでね。後からまた寄るんで宜しく頼む」
手付けの前金は既に支払い済なので、引き取りに来なければ彼の丸々損になる。
故に後程、再訪する事を約して、一度、店から出ると宿へと足取りを進め――――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からトーラスさんが去りました。
■パッツィ > 男の言葉に誤魔化されているという方が強いと思ってしまい。
今度祖父が来れば問い詰めようと心に決めて。
修理をしていれば集中をするが視線にはやはり気が付き。
恥かしいという気持ちにそう言ってしまい。
「時間は少し掛かりますよ。
わかりました、それまでに直しておきますね」
一度で直すと言われればわかりましたと頷き。
店を出ていく男を見送れば再び修理に掛かって…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からパッツィさんが去りました。