2021/08/23 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 冒険者ギルド」にロイスさんが現れました。
■ロイス > 酒場のテーブルを使って、書類を書いている男。
冒険者にしては珍しい光景だが、その内容はと言えば……
「……まさか、俺が奴隷なんて持つことになるなんてなあ」
苦笑いする男。
とはいえもちろん、奴隷を"使う"為に書類を作っているわけではない。
これは、ギルドの職員から頼まれた事なのだ。
ミレー族とは、数少ない例外を除けば、その全てが奴隷階級である。
故に本来であれば、"ミレー族の冒険者"というものは矛盾した存在になる。
しかし、逃亡奴隷や主人が死んだミレーが、冒険者として潜伏するという事は珍しいことではない。
そしてまた、冒険者ギルドの方も、身体能力の高いミレー族の冒険者に、ある種依存してきた節がある。
だが、本来奴隷階級であるミレーが、主人を持たずに冒険者をする事は認められていないし、それを見過ごせばギルド自体に塁が及ぶこともある。
かといって、ギルドという組織単位で彼らと主従関係を結ぶのは、新しく来たミレー族との軋轢の原因になりかねない
そこで、ギルドが取ったのが、"ギルドとミレー族双方が信頼できる人間に書類だけの主従関係を結ばせる"という方策である。
そして、その信頼できる人間として白羽の矢が立ったのが、男というわけで。
「いや、まあ。別に書類だけなんだから、良いんだけどさ。
多いなあ、ミレー族の冒険者……」
書類上だけなら、奴隷商が開けるぐらい契約することになるんじゃないのか、と思いつつ、万年筆を走らせる男。
名前、住所、職業、職場の場所、年齢etc。一枚でも結構面倒なのに、それを何枚も書いている訳で。
「あー、肩凝りそう……冒険者になってから、こんな書類仕事する事になるとは……」
ご案内:「王都マグメール 平民地区2 冒険者ギルド」からロイスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にロイスさんが現れました。
■ロイス > 「あー、終わった終わった。久々の書物仕事で肩が凝ったなあ」
酒場のテーブル席で、ぐるぐると肩を回す男。
冒険者には珍しく、今日は一日書類仕事をして疲れていた。
肉体的にはこれぐらいで凝る肩ではないのだが、精神的に疲れている。
「今日はちょっと多めに飲もうかなあ」
大変な仕事の後ぐらい、と普段から書類仕事をしている商人などが聞いたら失笑ものの台詞を言いつつ、安めのビールを頼む男。
慣れない仕事の後の開放感で、少々財布の紐も緩いようだった。
■ロイス > 「(それにしても、ミレー族、か……)」
書類仕事の内容は、ミレー族に関することだった。
解りやすく言うと、『冒険者のミレー族が捕まらないように、書類上の主としてロイスが奴隷主になる』というもの。
もちろん、対象のミレーにも同意を取った上での事だが、それでも奴隷主になるという事の重みは感じてしまう。
だからといって養うつもりまではないが、一定の責任はあるだろう。
少なくとも、ミレー族という存在について、見て見ぬ振りをしない程度の責任は。
「まあ、だからといってなあ……できることないんだよなあ……」
といって、はぁとため息をつく。
軽い気持ちで引き受けたが、それなりに気疲れはするのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にジーゴさんが現れました。
■ジーゴ > 「ドブさらいはくさいし…薬草は『外』だしなぁ…」
ギルド併設の酒場の壁にも貼られた依頼を食い入るように見つめて読み上げている少年が一人。
難易度が自分に合っているものを探すだけでも随分と時間がかかる。
それでも、ギルドを通した依頼はぼったくられることがないからかなり長い間、壁と向かい合ってぶつぶつと呟いていたけれど
一旦諦めた少年が、振り返った先に見つけたのは、見知った相手だった。ギルドですれ違うことくらいはあっても最近は話す機会もなかなかなかったからか、
獣の耳をぴこりと立てて、無遠慮に相手が座るテーブルにぱたぱたと駆け寄る。
「ロイス!」
尻尾があれば左右にぶんぶんとふっているであろう、うきうきとしたテンションで話しかける。
相手の許可を待つまもなく、空いている向かいの席に腰をかけて。
■ロイス > 「ん?おお、ジーゴ!久しぶりだね」
話しかけられて、そちらの方に視線をやる男。
対面の席に腰掛けられても特に気にした風もない。
彼は、最近知り合ったミレーの少年である。
見かける度にタイミングが悪かったので、話す機会はなかったが、それでもギルドの職員と話したり、依頼を確認しているのは見ていた。
「元気してたかい?飲み物ぐらいは奢るから、好きに頼むと良い」
言いつつ、男の方も酒の追加を頼むことにする。
既に何杯か開けた後なので、アルコールが少ないカクテルなどを頼もうと。
■ジーゴ > 「やった!オレ、げんき。ちゃんとギルドのしごともしてるよ」
飲み物をおごってもらえるという申し出に、素直に顔をほころばせて笑う。
尖った犬歯が口の端から顔を覗かせる。
「あ!おねがいします!ええと、エールと…あとはポテトとソーセージのもりあわせおねがいします」
通りかかった給仕を呼び止めると、とりあえずの飲み物と
以前はメニューの文字も読めなかったけれど、最近は簡単な料理名くらいは読めるから、メニューに目を落としてなるべく早く食べ物を選んで。
「ね。ロイス…あ、ロイスさん、さいきんいそがしかった?
なんか、ぜんぜん話しかける暇なかった。
オレはねー、街のそとには行ってないから、やっぱりあんまりできるしごとないよ。今日もロイスさんしごとだった?」
飲み物と食べ物を頼んでしまうと、久々に話しかけるチャンスがあった相手に人懐っこくにっこりして。