2021/05/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にベルナデッタさんが現れました。
■ベルナデッタ > 平民地区にある、比較的洒落た家屋のドアの前。
面する通りは人通りもまばらで静かなものだが、
そこに場には不釣り合いな異端審問官の正装をした女が立っていた。
この家屋が王都に潜伏する魔族のアジトになっている可能性がある、
情報を掴んだベルナデッタは、ついには直接調査に赴くことにしたのだ。
「できれば、魔族の国に繋がる大物かその情報でもあれば良いのですが…」
ベルナデッタは静かに、ドアを開く…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にスピカ=キャスタルさんが現れました。
■スピカ=キャスタル > 今朝方彼女に舞い込んだ依頼。
依頼主は平民地区の中規模ギルドからのものだった。
曰く、平民地区の一角に魔族が出入りしていると目撃情報のあった家屋が存在していると。
であれば一介の冒険者には荷が重い、そんな経緯でギルド職員から彼女に話が回ってきた。
面倒事の気配しかしいなかったのだが個人で依頼を受けている手前ギルドとの軋轢を避けるためにはこういったきな臭い仕事もガス抜きのためには必要。
そんなわけで調査に赴いていたのだが。
「地上階は一見平凡。地下に如何にもと言った具合の監禁牢、コレは確定のようだね。しかし見事にもぬけの殻…どうしたものか。」
とりあえずは書棚をひっくり返しなにか出ないかと書物や書類を漁り簡素な食卓に腰掛け読み耽っていたのだが…
「おやおや、教会まで絡むとあってはいよいよこの件の信憑性も馬鹿にはならないってことだね。」
ドアが開かれ姿を見せたのは教会直属の異端審問会と思わしき女性。
彼女からしてみれば件の家屋に踏み入ってみればオッドアイを称えたミレー族(に見える)女がテーブルに腰掛け書物を漁る奇妙な構図だっただろう。
■ベルナデッタ > 屋内に入ってみれば、出会ったのはどう見ても魔族には見えない、
どちらかと言うとミレー族のような女が本を読む珍妙な光景。
この家の住人ならそういう情報が入るはずの個性的な見た目だ。
「…ええと、どなたですか?」
何か物知り顔で言っているがベルナデッタは初対面だ。
姿を変えている魔族というわけでも無さそうで、対応に迷う。
■スピカ=キャスタル > 自分が一方的に納得していると相手は困惑したように声を掛けてくる。
それもそうか、自分達は初対面であり所属の明白な相手と違い自分は正体のしれぬ所謂不審人物。
無用な行き違いを避ける為に自分の素性は明かしてしまうに限る。
「おっとこれは失礼。ボクはスピカ=キャスタル。この町でなんでも屋をしているよ。
ここに居る理由はキミと変わらない理由だと思うよ、教会のお嬢さん。」
書を閉じ立ち上がり向き直る。ベルナデッタより僅かに低いだろうか、といった背丈のスピカはその左右非対称な双眸を真っ直ぐに向けてとりあえずと言った形で友好の握手を求めその手を差し出した。
■ベルナデッタ > 「最近のなんでも屋が魔族退治までしているとは思っていませんでしたが…。
私はノーシス主教異端審問官のベルナデッタ・マルケッティと申します」
彼女はぺこりとお辞儀をする。
手を取らないのは未だに警戒していることの表れだろうか。
「私と同じ目的で、そんなに寛いでいるということはつまりここには魔族がいなかったわけですか。
いつものことながら中々尻尾を見せませんね…」
周囲を見渡す。それとわかって集中してみれば、微かに感じる魔族の残滓。
棚の本も、一般的な魔術書に混じって冒涜的なものが散見される。
ここに魔族がいたのは間違い無いようだ。
「教会以外の人間も調査をしていたとあればそれに勘づかれ逃げられるのもあり得ること。
もっと慎重に捜査を進めるべきでしたか…」
■スピカ=キャスタル > 「あくまで名目は調査だよ。まぁ、好きでも得意でもないが荒事も多少はこなせるけどね。」
逆の立場であれば自分も警戒するので特になんとも思わず宙ぶらりんの手を引っ込め相手の自己紹介を聞く。
「姿は確かに無かったね、地下に牢があったけどここ最近は使われた形跡も無かった。でも、全くの徒労かと言われると案外そうでも無いみたいさ。」
雑に(おそらく彼女以外にはそうは見えないが)整理してあった書類を差し出す。
「一見ただの買い付け記録に偽装されているけどコレはタナールへの物資運搬記録みたいだよ。確かあの辺には取った取られたを繰り返してる砦があっただろう?」
暗号化された文面にスピカが走り書きで読み解いた注釈、元の文面からは分かりづらいが確かにそれは武具や兵糧といった物資運搬の記録であるようだ。
「無警戒でこんなものが置いてあるくらいだからブラフの可能性はあるけどここが魔族の根城だったことは間違いないだろうね。」
そう言って再び開いた書物は明らかな禁術書で一般人が堂々と読み漁るには適さないものだ。
■ベルナデッタ > 「調査も討伐も、我々に任せればいいものを…」
自分が目の前の女のことを知らないということは、国や主教に知らせずに独自に魔族の調査を依頼した誰かがいたという事。
自分達に断りもなく職分を侵すようなことをされて、ベルナデッタは不満気だった。
ベルナデッタはそう言いつつも、スピカから差し出された書類を受け取る。
ここを拠点にしていた魔族はあまり情報面に気を遣わなかったのかそれともブラフなのか、自分でもすぐ解けそうな暗号だった。
「ふむ…確かに。ここの書類を精査すれば滞在していた魔族がどこに向かったのか目星も付くかもしれませんね」
まさかタナールの最前線に繋がる情報が出てくるとは。
魔族の国から直接派遣された魔族でも住んでいたのかもしれない。
そんなことを考えているとふと、スピカの読んでいる書物に目がいく。
「…よくもまぁ聖職者の前で禁書とか読めますね?」
■スピカ=キャスタル > 「まぁ、そう言ってやるなって。ボクに依頼をくれた某所のギルマスだって最後まで王国師団に報告すべきか悩んでいる体だったよ?それでもボクに依頼を寄越したってことは腰の重いお上の採決を待つ時間が無かったんだろうさ。」
そんな事を平然と言ってしまう彼女は見方によれば立派な不穏因子ではあるのだがそんなことはどこ吹く風、他者の介在も国の意向も、ともすれば教会の立場だって些末な問題なのだろう。
「あるいは、調査の手が引いたことを確認すればひっそりと此処に戻ってくる、キッチンに食料は残ってるしありえない話じゃあ無いね。」
そして手に持った書物について問いただされれば。
「用法や手段に目を瞑れば知識の塊でしか無いからね。流石に持ち出すのは憚られるし本格的に此処に手が入れば全て焚書さ、厄介な依頼のささやかな報酬ってことで見逃してくれるとボクとしてはありがたいんだけど?」
彼女が言うにはその書には人を洗脳する魔法だとか禁忌指定級の魔物の召喚術式だとかが記載されているらしい。
■ベルナデッタ > 「採決も何も我々異端審問庁が既に動いてるからこそ私が派遣されてきたんですけどね。
全く、それで逃がしたんじゃあ意味が無いでしょう…」
ベルナデッタは呆れた様子でため息をついた。
逃げられてしまえば、ほぼほぼ調査は振り出しに戻るのだ。
「食料なんて魔族は平気で捨てますよ。ここにはしばらく監視が付きますし、それは向こうがよほど間抜けでない限り織り込み済みでしょう」
なので戻ってくる可能性は低いとベルナデッタは見ていた。
発見された拠点を惜しむような潜伏魔族はとっくの昔に淘汰されている。
「私は報酬を出す立場ではないし、本を焼くことも仕事なので。見逃す理由が無いですね」
見逃せと言われれば、すげなくそれを断るベルナデッタ。
勿論今ここで焼く手段は無いが、彼女が連絡すれば主教会が人員を派遣してくれるだろう。
■スピカ=キャスタル > 「一応ボクの沽券に関わるから訂正しておくけど。追跡や調査が勘づかれるようなヘマはしないさ。情報の漏れた先は既に洗ってあるからそれの処理は本職に任せるとするよ。」
終始変わらぬ気だるげな雰囲気の彼女が取り出すのは紐で括られた紙束。
曰く裏で魔族との接点を持つ厄介な貴族をリストアップしたものらしい。
「仮に魔族を捕らえたとして奴らを吐かせる労力を考えれば扱いやすい人間相手の方が捗るんじゃ無いかい?仕事の邪魔をした詫びと言っちゃあなんだが情報の上納って奴さ。」
スピカからすれば市井に紛れた魔族の拠点なんて危険地帯はさっさと破棄されてくれた方がありがたいのだが。目の前の彼女はそうも言ってられないのだろう、難儀なもんだ。
「まぁ、そうなるよね。お上に弓を引く事も無いし諦めろと言われれば素直に従うさ。」
禁術書をぽいと適当に投げ捨てぐっと伸びをする。ぱきぱきと小気味いい音を関節が鳴らせる様を見るに相当な時間を此処で費やしたのだろう。
■ベルナデッタ > 渡された紙の束を紐解き、しばし眺めるベルナデッタ。
表情は半信半疑といったところだろうか。
「……まぁ、これ次第であなたをこれから信頼するか決めましょう。
それと、別に魔族に他の魔族の情報を吐かせることなんて目的じゃありませんよ。目的は滅ぼすことです」
それはそれとして、必要ならば吐かせるだろうが。
勿論、魔族に協力する貴族も同じ事だ。
そして拠点を無くして動き回られるよりは、拠点に籠って慢心していてくれたほうが滅ぼしやすいのだ。
「善い行いですね。神々はご覧になられていることでしょう」
投げ捨てられた禁書を見て、ベルナデッタは微笑む。
■スピカ=キャスタル > 「滅ぼす…ね。それについてボクはどうとも思わないけど流石に大言壮語じゃないかな。人間は魔族を滅ぼしたい、魔族は人間を滅ぼしたい。実に堂々巡りだとは思わないかい?互いに自分の国があるのだから大人しく条約でも結んで小康状態を保てば余計な血は流れないというのに…。」
加えて王国には北方帝国とのいざこざもある。
争うのは性とはいえスピカにしてみれば心底くだらない事だ、と口に出すでは無いが呆れているようだ。
「まぁ、信頼されるというのは悪いことじゃないね。教会に少なからずコネがあった方が色々動きやすいのは確かだし。」
少なくとも目の前の女は王都に蔓延る邪な輩の掃討程度はこなすといった意志を感じる。であればどこまで行こうと一民間人の自分としては手を貸しこそすれ邪魔をする意味は無い。ましてや情報を精査した上で成果があれば此方に信を置いてくれると言うのだ。
友好的で悪いことはないだろう、それはそれとして。
「カミサマ…ね。果たしてこの地の神は何を思って不安定に輪をかけたようなこの国を見ているやら。見守るだけじゃ歯痒いだろうね。」
良くも悪くもこの国に来てから色々見てきた。欲望が渦巻く歪な情勢も。煌びやかで豪奢な裏で蠢く悪意の坩堝も。
そしてそれに疑問を抱かなくなりつつある居心地の良さも…。
好奇心は猫をも殺すとは言うが、当たり障りない程度には探りを入れる自分は果たして神に愛されているだろうか?疎まれているだろうか?
■ベルナデッタ > 「別に全てを滅ぼすとは言っていませんよ。信仰を脅かす魔族だけです。
例え魔族の国と言えど国と国の関係は俗世の領分。我々の関知するところでは無いですね」
別に魔族だろうがシェンヤンだろうが自国に籠って大人しくしてくれるならそれはそれで良いのだ。
手を出したのはこちらの先代国王だというのはさておきとして。
「場合によってはこちらから何か依頼することもあるかもしれません。
なんでも屋、でしょう?」
ベルナデッタが怒っているのはスピカに依頼したギルドであり、スピカ自身に対しては評価するようだった。
異端審問官は使えるものは何でも使うのだ。
「確かに、この世には数多の試練がありますが、神々は我々自らの手でこれを乗り越えられるかを見ておられるのです。
我々はその期待に応え、善き生き方を模索するだけです」
ベルナデッタはふと懐中時計を取り出し、見る。
そろそろ報告と人員招集の為に一旦ここを離れるべきか。
「さて、では私は本格的な調査の為に一旦準備に帰らせていただきます。
そちらもご自由に。何かあれば後ほど連絡しますよ」
■スピカ=キャスタル > 「うんうん。実に敬虔な信徒だね。成すべきことは成すべきこと、他は全て市井の役割。嫌いじゃないよその割り切った考え。」
此方を見透かしたかのような返答に満足気な表情を見せ頷く。
どうやら彼女は相手に対し幾ばくかの興味を持ったらしい。
「依頼はご自由に、店を構えているわけじゃないけど協力出来ることなら惜しまないよ。迷子のペット探しから用心警護に傭兵の真似事、事と次第によっちゃ暗殺なんかも。文字通りなんでもやってるよ。コレ名刺ね。」
と言い自宅の番地と自身の名前、そしてなんでも屋【蒼月花】と判を押された名刺を手渡す。
「試練…。ね。精々カミサマのお気に召すように心掛けるさ。っと。ボクもそろそろ報告に戻らなきゃね。それではベルナデッタ史女。この偶然の出会いに感謝を。次に会う時があれば宜しくね。」
と、去ろうとする彼女を見送るのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からベルナデッタさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からスピカ=キャスタルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリーアンさんが現れました。
■リーアン > 二、三日前から其の広場には、禍々しい告知が貼り出されていた。
曰く、公主を名乗り帝国から潜り込んだ女間諜が、遂に縄打たれた、と。
じりじりと照り付ける陽射しの下、仰々しい身形の衛兵たちによって、
今、正に観衆の前へ、一人の女が引き摺り出されていた。
恐らくは美しかったろう黒髪はざんばらに切られ、
白い顔にも、襤褸布を辛うじて纏わされた肢体にも、幾つもの傷や痣があり、
細い腕を後ろ手に捻り上げられ、乳房の上下に縄を食い込ませる形で戒められた、
彼女の顔は俯いていて、見知った相手なのか、そうでないのかも解らない。
ただ、ひとつ解るのは―――――彼女の姿が、未来の己であるかも知れない、という、
漠とした不安ばかりだった。
嘘か真かも知れない罪状を読み上げられる間にも、磔台へ括りつけられる女に、
早くも、下卑た囃し声が数多浴びせられている。
其の広場の片隅で人込みに紛れ、己は知らず、己が身を両腕で抱き締めていた。
そうしていなければ、唇を、きつく噛み締めていなければ。
怒りではなく恐怖に、見っとも無く震えてしまいそうだったからだ。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアダンさんが現れました。
■アダン > 王都の平民地区の広場では、数日前の告知通り公主と偽り潜入していた女間諜への公開刑が行われようとしていた。
罪人にふさわしい姿となった女は縛り上げられ、その乳房を卑猥に強調していた。
襤褸をまとわされている故に、このまま磔刑に処されれば様々な恥部が現れるのは明らかだ。
王国の民に向けた一種の娯楽と化した晒し刑であり、群衆の熱気は高まるばかりだった。
読み上げられる罪状の多くの実不実などは実際のところ問題ではない。
帝国から送られてきた公主やその護衛達が、本当に親善のための存在などと思っているものはそう多くはないだろう。
彼女たちは王国への生贄であり、場合によっては今回のように切り捨てられることも少なくない。
民衆も、罪人となった女に真に怒りを抱いている者が多いわけではないはずだ。
皆、縛り上げられ磔にされる女がこれからどうなるのか、それを楽しみにし、野次を飛ばしているのである。
そんな有様を広場の片隅で眺める男がいた。
腐敗貴族のアダンである。今回の罪人の特定や刑罰の執行にこの男も一枚噛んでいた。
アダンは満足げにその様子を眺めながら、磔刑の様子を眺めるシェンヤン出身と思われる女のもとへと足を進めた。
「全くひどいものだ。間諜などということが発覚すれば、あのように処されるわけだが……無理もなかろうな」
女のそばに寄り、アダンはそのように囁き薄笑いを浮かべた。女の臀部に手を這わせながら、あざ笑うようにして。
■リーアン > 罪の概念について、論じることはきっと虚しい。
そもそもが対立し合う二国間であればこそ、白黒は容易に入れ替わり、
今日、正しいとされる側に立っている者が、明日、あの磔台に晒されることもあるだろう。
けれど、其れをより生々しい危惧として胸をざわつかせてしまうのは、
己自身が今、危ない橋を渡る身であるから、ということよりも―――、
「――――――― っ、」
びくん、と目に見えて、小柄な身体が震える。
弾かれたように振り返り、己の臀部へ我が物顔に触れる者の顔を認めると、
刹那、大きく見開いた瞳がゆらりと泳いだ。
振り払うのも、身をもぎ離すのも容易い筈だが、凍りついたように動けない。
震える唇をぎこちなく動かし、其の男の名を口にしようと。
「………フェリサ、卿。
どうか、…――――此処では、人目が、御座います、から」
いっそ露見してしまった方が、晒し者にされた方が、ずっと気楽かも知れない、とさえ。
そう思うと同じだけ強く、暴かれたくないとも思うのだ。
だからこそ、己はか細い声で訴える。
せめて、人目の無い所で、と―――――――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアダンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリーアンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にトーラスさんが現れました。
■トーラス > 王都に幾つか存在する冒険者ギルドの支部の一つ。
とは言うものの、その実態は冒険者が客として集まる酒場兼宿屋であり、
申し訳ない程度に店内の掲示板に日銭を稼ぐための依頼文が貼られているに過ぎない。
それでも、1階の酒場では冒険者を始めとした荒くれ者や、彼らを相手に春を鬻ぐ娼婦、
その他にも飲食の為に訪れた一般客達にて相応の賑わいを見せていた。
その賑わいの中心、客達がそれぞれの卓にて同席の身内や仲間と思い思いの
時間や食事を愉しんでいる中で、独り、周囲の卓の客にちょっかいを掛ける中年男の影が一つ。
本来であれば、嫌われそうな行為であるが、誰も文句を言わず、また、店主も黙認する理由は至極単純で。
「いやぁ、運が良かったぜぇ。冒険の最中にコカトリスの卵を見付けてよぉ。
貴族の美食家が高値で買ってくれたぜ。アレは鶏と蛇のどっちの卵なんだろうな?
と、んん?グラスが空じゃないか? マスター、こっちの人に俺の奢りで同じのもう一杯。ほら、乾~杯~♪」
等と、傍迷惑ながらも、明快にて、周囲の客達に見境なくも奢りを振る舞う故。
奢られた方は多少困惑するも、ただで酒が飲めるとあって強く文句を口にする事もできず、
店主も彼のお陰で儲かる上に支払い許容額も抑えている為に、この行為を見て見ぬ振りをする始末。
■トーラス > 酒場の喧騒は暫しの間、止む事はなく――――
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からトーラスさんが去りました。
ご案内:「酒場 平民地区」にアダガさんが現れました。
■アダガ > ギルドでの仕事を終え、貰った報酬を手に今日も酒場に向かった。
別に酒に強いわけでもないのだが、ここは気楽に入れる店だった。
何より出てくる料理が安い。
『お待たせしました~。』
店員がアツアツのポテトや丸いパンを持ってくる。
こっちでの食事も最近では慣れてきた。
まずはパンを両手で摘まみ、縦に割る。
匂いを嗅ぐだけで食欲がます。
食欲の赴くまま、俺は被りついた。
うん、人間の国での生活は意外と快適だ。
周りの席では既に出来上がった冒険者達がやたらでかい声で盛り上がっている。
彼らはパーティーを組んでいるのだろうか。
ソロでの活動がメインの俺からすると少し楽しそうに見えた。
■アダガ > なんだか微妙な気持ちになりながら食事を済ませ店の外へ。
ご案内:「酒場 平民地区」からアダガさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にリーティアさんが現れました。
■リーティア > 王都にある大通り。
行き交う人の少なくなり始めた時間帯、一軒の店の前で商品を眺める。
その店は冒険者などが利用をする武具店の一つでそれなりに品のいい商品が置かれているとギルドで確認をした場所。
今は武器が必要と言う訳ではないがどういう物があるんかという興味のもとに脚を運んでいて。
「確かに話になるだけあって良い物です。値段もですけども…」
店頭に並んでいた剣の一つを手にし、鞘から少し抜いて刀身を見れば完成度の高さが伺える一品。
何時かはこういう物を持ちたいと思う反面、故郷から持ち出してきた愛剣もあるので購入するとは言い切れず。
今だけはこの剣をしっかりと見ておこうと店先で眺め続けて。
■リーティア > 「もう少し…後は剣をなくしたときに考えるのがいいですね」
これ以上見ていれば欲しくなってしまう。
まだ貯えがない中での出費は出来れば避けたいもの。
なので仕方がないと剣を戻せばその場を離れて去っていく事に…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からリーティアさんが去りました。