2021/02/11 のログ
■タマモ > この道が帰路だったのか、それとも、何らかの理由でここを通ったか。
その相手は、この王都の住人だろう一人の男だった。
頭上から、降り注ぐようにばら撒かれた、昆虫を模した紙人形。
一瞬、何が起こったか理解をしておらず、きょとん、とするのだが。
それ等が這い回る、かさかさと言う音に反応したかのように、叫び声を上げる。
必死に振り払い、足元を蠢くそれ等を目にすれば、恐怖に引き攣った表情を浮かべ。
言葉にならぬ叫びを上げたまま、その場から、駆け去って行くのだ。
そんな男の後姿を見詰めながら、ゆらり、物陰から姿を現す少女。
すっ、と手を地面に落ちた包みへと伸ばせば、散らばった紙人形は、そこへと集まって。
包みの紐を締め直し、うむ、と一つ頷く。
「ふ…ふふ…そうそう、これが良い。
やはり、ああして誰か驚く姿を見るのは、何とも言い難いものを感じるのぅ」
そんな言葉を漏らす少女、その表情は、これ以上なく満足したようなものだった。
■タマモ > 「さて、次じゃ次。
まだ、夜は始まったばかり、じゃからな」
包みを懐へと戻せば、少女は再び、物陰へと移動する。
人気がない場所は、何も裏通りだけではない。
公園とて似たようなものだし、下水付近もあれば、通りにだってそうしたところもある。
そうした場所を狙い、少女は移動を繰り返すのだ。
次は何を使おうか、そんな事を考えながら。
新たな犠牲者を、探し続ける。
■タマモ > 小道具は、まだまだ幾つもある。
…が、その数の出会い、それがあるかどうか。
もっとも、出会う相手が相手ならば、それを使い切る前に、終わりを迎える訳だが。
それは、まぁ、その時はその時だ。
愉しむ事に、変化は付きものである。
そんな感じに、少女は、誰かを探し、場所を変え続ける。
それによって、犠牲者が増えたかどうかは…
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「──~♪」
雨がしとしとと降り注ぎ、普段に輪をかけて人気のない住宅街の路地を、
下手くそな口笛を奏でながら、傘布の部分に赤いラインが入っている以外は全てが銀色の蛇の目傘という
奇妙な物体を担いでのんびり歩く、金髪の男が一人。
そんな奇っ怪な傘を差している代わり、普段羽織っているジャケットの姿はなく。
食事を終えた後、暇つぶしを求めてブラブラと大通り、路地裏と歩いてきたが、特に何か特筆するものと遭遇するでもなく、
気がつけばこの場所まで辿り着いていた。
先の二箇所に比べると、余計に事件性の少なさそうなロケーションではあるが──
「……まああ人生ドコでナニが起こるか判らんもんだからな」
なんて、眉下げて笑いながら独りごち。
適当に視線を彷徨わせて住宅街の景色を眺めがてら、なにか面白いモノでも出現しないか、などと
雑な期待をしながら、ぱしゃ、ぱしゃとマイペースに歩を進め続け。
■エレイ > やがて男の姿は、何処かへと──
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシャルレさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシャルレさんが去りました。