2020/11/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にジェイクさんが現れました。
■ジェイク > 王都マグメールの平民地区。
富裕層でも、貧民層でもない、文字通り、平民の多くが生活する街は、
王都の中でも最も面積も広く、人口も多い賑やかな場所である。
上下の身分、多種多様な種族が往来する街並みは貧民街に比べれば、
一見すれば治安が良く、住みやすさを感じさせる事だろう。
衛兵の詰め所が存在する平民地区では必然的に街中を警邏する兵士の数も多く、
行き交う人々に彼等が目を光らせている。
だが、それが必ずしも治安維持のために輝いているとは限らない訳で。
「――――其処のアンタ、少し良いか?」
なめし革の胸甲を身に纏い、腰に剣を佩いた警邏中の兵士風の男が
道を行き交う女の後ろ姿へと声を掛ける。
ちらりと覗いた横顔が好みであったのか、或いは、顔見知りだったのか。
口端に滲んだ嗤みは、この後、彼女に降り掛かる災厄を象徴しているかのようであった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からジェイクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にグライドさんが現れました。
■グライド > (ここの所、ごろつきが店先で悪さをしやがって適わない――
なぞと言う話を知己の店主から聞き及んだのは今朝の事
飲み屋で荒事なぞ日常茶飯事では有るが、最近出入りする連中がどうにも
備品や皿、グラスを壊したり他の客としょっちゅう乱闘するやらで
如何にも困って居るらしかった
其処で――良い酒を寄こせと言う条件付きで、ちょっとした用心棒を買って出る事にした
他の客で、己も顔を知る連中には、何か在れば、気にせず見て置く様に話を通し
其の連中が現れると言う時間になって、己もふらり、酒場の中へと足を踏み入れた
如何やら、其の連中は今の所、まだ現れては居ないようだったが
店主と視線を交わし、至って事務的な挨拶を受けては、一番奥の席へと座った)。
■グライド > 「―――摘みと、強めの奴だ。
前に仕入れてたのがあったろ? ダイラスの店の何だって奴、アレで良い。」
(席に着けば、注文をする。
店主が、「オマエ今飲むのかよ」と言う視線を一瞬向けたが
心配するなと軽く手を振って返して置いた。
モノが届くまでの間、軽く店内を見回してみる
以前までと、然程雰囲気が変わった様子は見当たらないが
成程、多少内装が変わったり、装飾やらが無くなって居るのは
荒らされた結果か、と、言われて漸く納得する
多少なりとお灸をすえて遣れば、暫くは寄り付かなくなるだろうと言う目算は有るが
何はともあれ、どんな連中が着て居るのかは、実際にこの目で見ない事には、だ
以前、酒場で喧嘩を「仲裁」したうちの片方が、実は何処ぞの貴族のドラ息子で在った…なぞと言う事も
まぁ、無くは無いのだ。)
「―――――おう、やっぱり肉焼いてくれ、腹減ったぜ。」
(――――『オマエ普通に食う心算かよ…?』と、今度は実際に台詞が返って来たが
何時来るか判らない以上、寧ろ早目にありついて置いた方が
喰いそびれずに済むと言う物だ)。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシャルロッテさんが現れました。
■シャルロッテ > (カランっ)
とベルの音を立てて、入ってくるのは、黒づくめでフードで顔を隠し、性別も判らないような風体で…辛うじて魔道士ってことくらいはわかるかもしれない。
「おじゃましますね~」
なんて陽気な声を出しているところ、場違いな酒場に来ている事からして、相当酔ってる様な…
声からして女性とわかる程度か…
適当にカウンター席の真ん中あたりに座り込むと、
「マスター…キツイエールっぽいのを…1杯頼みますよ・・・っと」
と、少し舌の回らない声で度数高いお酒を頼みたいようだが…あまりお酒の種類を知らないのかいい加減な注文をする…
店長が少し悩んだ挙句、グラスに注いだお酒…
「ありがとう…」
知ってる者からすれば、少し高額なお酒、くいっと半分程飲み干す…
――――――。
またカランと音をたてて、入ってきたのはいつもの暴れているメンバーだ。店長の顔も引き攣る…
しかし、いつもの乱闘を見ている人には一種の違和感をおぼえたかもしれない…
確かに陽気に笑いながら入ってはきているが…全員、その両目に覇気を感じないからかもしれず…
■グライド > (程無くして、肉も摘みも酒も、渋々顔の店主が持ってくる
其れに手を付け、極々普通に食事としながら待つ事、暫し
其の間に何人かの客が出入りしたが、問題の荒くれ者達では無い
つい先刻入って来た客は、既に酔っぱらって居る様子で
もう何軒目だろうか、と言った気配では有ったが、流石にアレも違うだろう
さて、もう少し遅い時間になって仕舞うのなら
もう一品位、追加で頼んで置こうか、なぞと考えている最中
漸く、物音立てて這入り込んできた、幾人かの集団
話に聞いて居た風貌の連中だなと、其れは直に見て取れた訳だが
――如何にも、様子がおかしい。)
「―――――……おい、あれで間違いねぇのか?」
(――一旦、注文のふりして店主を呼び寄せれば、確認を
間違いなく奴らだ、と店主が言うものだから、確かにそうなのだろうが
――寄って居るのか、其れとも。 ――いや、兎も角。
暴れ出す気配が在るなら直ぐに向かえる様、少し様子を伺う事にした)。
■シャルロッテ > 「…♥」
カウンター席に座る少女は、酔いを楽しんでるのか…暑苦しいフードを後ろに下げて…
このお店に出入りする輩が飲むエールとはまた違った、色こそ薄茶色ではあるが、場違いこの上ない
透明なグラスに注がれてるからして、お高そうなお酒をちびちびと呑む…
場違いな酒場に場違いなお酒…グラスに浮かぶ氷を指で転がすと…いつもの荒くれ者が動き出す…
ずかずかといつもその荒くれ者たちが座るテーブル…そこには既に先客がいて…楽しそうに仲間で
呑んでるそこに割り込み…荒くれ者の一人が席に並べてあった数々の料理を床に撒き散らかすと
その荒くれ者の仲間の一人、荒くれのボスではなさそうだが…
「こらぁ!ここの席は、お・れ・た・ち・の席だ!どっかいきな!」
問答無用に腰からダガーを出して、先客を威嚇する荒くれ者の一人、ボスらしき輩とその他数名は
ケタケタ笑っている…先客もその態度にキレたようだ…先客四名は次々に剣を出し、これは乱闘騒
ぎどころか流血死亡沙汰にまで発展しそうな勢いであったが…
そんな騒ぎを横目に…楽しそうに呑む少女…分かる者なら分かるか
…少女から荒くれ者たちに向かってなんらかの黒い波動が伝わっているのがわかるだろう…
■グライド > (――確かに、酔いが回って気分が良くなり、と言う事は在るだろう
幸いなのは、素面で以て暴れる様な連中では無かったという事だが
だが、それにしても――何処か拭えぬ違和感は、何か
――其の儘酔っぱらって何事も無く帰りそうな雰囲気と
ただ事では無い雰囲気とが同居する妙な印象
暫しの間、連中の行動が如何にも読めずに居た、が。
酒場の中で、余りにも躊躇無くダガーを抜き放つ様相に
漸く、其の違和感が――危険を知らせる類の『虫の知らせ』だと思い至る。)
「―――――まちな。 ……よう、頼むから其の剣下げてくれねぇか。
さっき話した通りだ、騒ぎを大きくしたくねぇ。」
(席を立ち上がり、今にも斬りかかりそうな席の集団へ制止を掛ければ
荒くれ者達と、元居た席の先客達とを分ける様に、近付いて行く
まぁまぁ、と宥める其の間に、店主が周辺の客達を、離れた席へと誘導し
――其の間も、気にも留めずに酒を飲み続ける一人
其の背中をちらり、横目で見遣ってから。)
「――――よう、帰んな。 此処はンなもん振り回して暴れて良い場所じゃねぇぜ。」
(―――何故、逃げないのか。
店主が、娘を席から一度待避させようとするが
其れに気づいて、軽く手で、近付くなと制止する
―警戒対象は、娘も含まれていた)。
■シャルロッテ > (慌てて、カウンター席にいる少女を避難させようとする店長…その手を払い…店長にボソッとその少女はいう)
「ん~折角、お・さ・け・を楽しんでるんだから、このままがいいのっ…ねっ?」
剣でやり合おうとする先客と荒くれ者…その間に割り込む男を見れば、
(ああ、用心棒ねぇ…?)
と少し落胆のため息をだす少女…男の声と威圧感にテーブルに居た先客は剣を収めるだろうが…
「あー…だれだてめぇ…ここの用心棒様ってかぁ?」
ダガーを出した荒くれ者はわざと当てない様に男の首筋にダガーを突き刺しにいこうとするが…
言ってる事はそこらの荒くれ者とかわらないし、行動もよく似ているが…荒くれ者としてのなんだか悪役イメージが物足りなく感じる
かもしれない…ダガーを持つ輩以外の輩は、笑う事には笑っているが、そこにすったってるだけだし、
悪役…という表情というよりは、なんだか覇気のぬけた…心ここに在らずといった表情だ。瞳もなんだか虚ろなのもおかしいと感じる
かもしれず…気付く事ができれば、肩を落としてちょっと残念そうな顔をしながら乱闘がおきそうだった現場を横目で
見ている少女に気付くかもしれない…
■グライド > (荒くれ者達に、殺気は無い――見えない。
まるで何かに操られて居る様な気配は、恐らく。
とは言え、己に魔術的な対処は出来ぬ。
それに、確証を持って居るのは、この場には他に誰も居ないのだろう。)
「……知り合いでなぁ、店のモン壊されると話にならねぇだろ?
なもんで、ちょいとお灸をってとこなんだが…。
―――――とんだ茶番だな。」
(差し向けられるナイフを、払い落とすでも無くひょいと避ける。
そうして、軽く脚を引っ掛けて、床へと一人を転がせば
―――やれやれ、と、ちいさく肩を竦めてから。
荒くれたちには目もくれず、くるりと後ろを振り返って。)
「――――……おい、其処の娘っ子。
毎回こんな事して遊んでやがるのか、いい迷惑だぜ。」
(――一言、周りの物には無関係にしか見えて居なかったろう娘へと声を掛ければ
其方へと向けて歩いて行き、其の肩を、ぐいと掴んで其の貌を確かめ様とするだろう)。
■シャルロッテ > 今の一撃を避けられるのは予想済みではあったが、転ばされるとは思っていなかった少女…
転ばされた拍子にテーブルの角で頭でも打ったか…反応がないようで…筋書き通りにいかない少女は少し焦り額に汗を流す…
(ん~私が犯人…ってこと、バレちゃったかぁ…)
と悲しそうに氷をくるくる回す…そしてぐびっと残ったお酒を煽り…
荒くれ者は「ちょっとまて!」「お前は俺が相手だ!」というも、その場から動こうとはしない…できないのだ。
少女が操る術は、事前にある程度の仕込みが必要で、ある程度の状況変化には対応できるが、全く違ったシーンには対応不可能…
男が此方に声をかけ、近づいて歩み始める頃には、術が解け、ドタッドタッと急に意識をなくしたゴロツキ達が、倒れてゆく音がする…
突然声をかけられ、肩を掴まれると、ビクッと震える躰…無意識にフードを深々と被り、対面する少女と男。
「ん…?あなたは…? それに――。私は偶然起こった客同士の喧嘩を楽しんでいただけですから…」
「ほんとに…私はただ…【樂しんで】いただけですよぉ?」
表情が全く見えないフードの奥でも、その含み笑いと、笑顔が見えてきそうな声色をしていて…
■グライド > (――そう、己は魔術に対する素養が乏しい。
源光には、其の特殊な体質による物では有るが――兎も角
此れは勘であり、推測であり、根拠が在っての追求では無い
だが――背中を向けた筈の荒くれたちが、一向に襲い掛かって来ないのなら
其れがおかしな話であり、推測を確信に至らせるには充分でも在った
フードの奥、聞こえて来るのは女の声だが――あくまでも惚けた風なら
僅かに肩を竦め、其れから、少しばかり考えた後で。)
「――――なら、他所で愉しんでくれ。
此処でんな事されちまったら、商売あがったりだ。
……其れこそ、闘技場にでも行ってみたら如何だ?」
(――この責任を取らせる、と言うよりも其れは
厄介払いに近い話では有るが
こと、開き直られてしまうと此方が不利なのは確かなのだ)
■シャルロッテ > 少女は、少し惚けて見たけれども、男の確信に満ちた瞳をフードを少し上げて見上げて…
「確かに…そうですねぇ…今日はたまたま、このお店だっただけです…」
と悪びれる事もなく、そう答えたのであった。
荒くれ者は一度言うことを聞く店をみつけると、そこに我が物顔で居座る性質があるが、あの輩たちは他でもやってたようで…
小耳に挟んだ少女は、時々、操ってみては、それを肴にお酒を呑む、とても悪い癖があった…
「さて、犯人ってのもバレてることだし? 衛兵に突き出される前に、帰るとしましょうか…
私は戦うっていうのはあまり得意ではありませんので…闘技場はちょっとむりかなぁ…」
と、天井を見上げながらそういうと、少々多めの酒代をマスターに支払い
トコトコと軽い足取りで、店を出ていこうとするだろうが…
■グライド > 「成程、って事ぁ、毎日じゃあねぇってか。
……よう、暴れに来てんのは、全部が全部嬢ちゃんのせいって訳じゃないんだな?」
(――娘の言葉を信用するなら、この荒くれ者達も普段から店を荒らしているらしい
娘が今操って居なくても、事と次第でこの店に迷惑をかけて居たのなら
連中も結局同罪で在ろうと、僅かに肩を竦めて、店主に連中をふんじばって置く様促そう
必要なら、巡回の騎士にでも押し付ければ多少はこの辺りもマシになる筈だ。)
「あのな…良い趣味してやがるぜ、全く
今回は怪我人も出なかったからいいがよ、あんまり変な飲み方しやがると
ここいらの連中に煙たがられるぜ。」
(酒代、にしては多めの代金は、けれど修繕費としては少々足りぬ
其の分、転がっている連中からふんだくれば良いと言えば良いのだが。
―――相手が出て行く其の前に、店主と一度目を見合わせてから。)
「――――嬢ちゃん、何もんだ?」
■シャルロッテ > 「うん、たまーに…かな。月に2~3回ってとこ。あとの騒ぎは私の預かり知らぬ所ですよ…?」
店を出ようと、歩みを進めていた足を止め、くるっと振り向くと、そう呟くように答える少女、
「はい、肝に銘じておきますよ…一度やってみたら面白かったので…つい…ね?」
と、再び、店のドアに近づいて…開けようとした瞬間に、後ろから聞こえる声…
「ん~、私は…ただのしがない黒魔道士ですよ? 傀儡魔法は黒魔法にはありませんが、
友人のネクロマンサーとの合作魔法…ってとこかなぁ…普段は裏通りの寂れた雑貨屋で
働いています…そんな店でも希に忙しかった日があって…そういう時は飲みにきては
隣同士になってる冒険者とか暴れさせたり…今日みたいに普段から荒くれ者で有名な
人たちを使ってまた、ご迷惑をおかけしてたりしてます…」
一応、迷惑をかけているという自覚はあるようで…
傀儡魔法は一般的には知られてない。国内でも禁呪扱いで国立図書館の地下深くに封印
してあるような代物で…だから、独自開発した傀儡魔法を使った…ってだけでは罪に問
われることはないが…それを使って悪さしたなら別かもしれない…
「今、私を捕まえるのはとても簡単です…黒魔法は詠唱に時間かかりますから、こんなに
近くてはとても詠唱が間に合いません。傀儡魔法も自分に意識が向いてる状態では効きませんから…」
扉を背に振り向いて…参りましたとばかりに両手を上げる少女。
見逃すのも…捕まえるのも…目の前の、男と店主次第となったわけではあるが…
■グライド > 「其れでも多いわ、もっと真っ当な飲み方ってもんを覚えた方が幸せだぜ?」
(月3回、何処かでこんな騒ぎが起こされると言うなら、はっきり言って厄介この上ない
褒められた楽しみ方じゃあねぇな、と一言零してから
僅か、呆れた様な声音で首を傾け、此方を振り返った娘に向けて、ひらりと掌を振る。)
「―――――詳しくは知らねぇが、碌でもねぇって事は判った。
……別に、ひっ捕らえて如何しようって訳でもねぇ
よう嬢ちゃん、せめて操るなら、変に血が流れねぇようにしてやんな
でなきゃ、ここいらから酒場が消えて、酒も飲めなくなっちまうぜ。」
(捕える心算は――無い
故に、せめて願う事が在るとすれば、被害をデカくするな、だ。
もし娘が扉に向き直り、外へと出て行くならば、其れを止めはしないだろう
捕まえた所で、其の罪状を証明できる人間が、この場に誰も居ないのでは話にならぬ
故に――この場は見逃す、と言う選択と、為るのだろう)。
■シャルロッテ > 「あうっ…多いですかっ…」
男の声に、躰をびくっと震わせて、
「ごめんなさい、ごめんなさい、もうしません」
フードを後ろに下げて、何度も頭を下げる少女…
男と店長の言葉を聞くこともなく、
そのまま振り返り…大きな足音を立てて、急いで逃げてく少女なのでした…
■グライド > 「……よう、如何思うよ、あの嬢ちゃん。」
(結局――その場を立ち去って行く後姿を眺めながら
店主と共に腕組みをして、渋い表情を浮かべるのだ
酒癖が悪くてああなのか、素面でも嗚呼なのかは判らない所だが
何となくまた、何処かでやりそうだな、と言う所は結論
荒くれたちの所業が、別に彼女が関わっての物で無い以上
其処まで危険視する程とは思えなかったが、兎も角
店内で縛られた荒くれたちを憲兵に引き渡すまでは
まだ、もう少しだけ店の中へと拘束される事に為るだろう
肝が据わって居るかの所業、その割に、怯えるように去って行った姿を
暫しの間、思い返しながら、小さく溜息を零し。
――きっと、夜は更けて行くのだろう)。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からグライドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシャルロッテさんが去りました。