2020/10/02 のログ
シゲン > ついでを言えば学者なんてのは皆一応に厳しい顔をしているイメージもあったが、
ニコニコと柔らかな印象の彼を見ているとどうやら皆が皆そう言うわけでもないらしいという気がしてくる

「そこが判らんのですよね…机に向かって厳しい顔をしてるくらいならたまにゃ、
 外に出て新鮮な空気でも吸えば新たな閃きもありそうなもんなのに…
 剣術家だって体動かしてるばっかじゃなくて、偶には秘伝書なんかを読んだりしますよー…?」

彼の話は判りやすく教養のない自分にも理解できるのがありがたい
その辺りが彼の賢さなのだろうという事はなんとなく判る
話に耳を傾けていれば、胸を張った彼が精一杯に偉ぶって見せてくれる
その様子にくすり、と笑い声を零して、しまったと思いつつもクツクツと喉を鳴らし

「いやいや、先生はそんな風に偉ぶらないほうがよろしいですよ
 なんだか返って頼りなく見えますから…普通にしていたほうが余程、よろしい」

彼が小柄なせいも合ってかなんだか滑稽に見えてしまって、つい笑い声が溢れてしまった
初対面にも関わらず申し訳ないと思うのだが、堪えることが出来なかった

「確かに冒険者登録しちまえば、色々と融通効かせてもらえますしね…
 こーんな下っ端でも色々と面倒見てもらえますし…何なら冒険者は綺麗所が多いのも良い
 …治癒術、とでも書いておけば重宝されるみたいですよ?」

やはり、アドバイスは役にはたたずじまいで、真面目に書き込む様子に小首を傾げつつ
術にも色々ありますねえ、なんてぽろりと一言

「…大丈夫です?先生は見た所、人が良さそうだから騙されてたりしそうで心配ですが…
 ま、学問のことはよく判らんのでそっちの助けにゃなれそうにないですけど護衛はばっちりしますんで」

護衛の方は任せて欲しい、とポンと胸元を叩いてみせる
なんだか、ピコピコと動く彼の耳に愛着みたいなものが沸いてきてしまった

ランディ > 「ははは…研究の息抜きに別の研究する、なんていう先生もいるからね、そこはまあ人それぞれってことで。」
まあ、寝食を忘れて没頭されると、それはそれで周りも困るよね、などと困ったように笑いながらも…秘伝書と聞くと気になったのか、ピクンと耳が軽く揺れて。

「へぇ、どんな本なんだろう…それとも、マキモノっていう東の国のスクロールなのかな…?
 秘伝ってきくと、門外不出みたいなイメージがあるよね。」
すこしばかりわくわくと、胸を躍らせて秘伝書について少し聴き込んでみたくなる…形は?内容は?やっぱり専門用語も多いのかな?なぞと、興味は尽きない。

「うぐ…ひどいなぁ、ぼくだってこう…迫力みたいなのは欲しいんだよ?だからこうやって…ほら、ひげ。」
ちょいちょいと、顎を指差せば…良く見ればちょろりと、それこそよく見てようやく分かる程度に髭が少しばかり。無精髭、というにもなんだか、足りない。

「ぼく、半分エルフなせいか、こう…髭とか全然なんだよね、まあ50なんて若造だけどさ。」
ぐぬぬ…と悔しげにうなりつつも…カリカリと手は書き込みを勧めている、彼の零した言葉になるほど、と書き足していこう。

「そうだね、正統派の魔術に神聖祈祷、呪術に精霊術、きみたちの国ではオンミョー術とかもあるんだっけ。
 系統毎に力源や下地にしている伝承のソースとかもあって、興味が尽きないよね。
 今回行く遺跡も、なんだか既存の魔術式とズレがあるらしくて……。」
彼に零したつぶやきに食いつくように、ツラツラと数分間、たっぷり魔術について語ってしまったところで…ハッと我に帰って顔を赤くして縮こまり。

「ご、ごめんね?…えっと、そんなことないよ、大丈夫だよ。みんな良い人だし……ほら、シゲンくんも、初対面のぼくの依頼受けてくれたじゃないか。」
ね?と恥ずかしげな表情から一転して、穏やかに微笑みながら…手が届くならぽふりと、教え子を褒めるような手付きで、彼の頭を撫でようと手をのばすか。

シゲン > 「妙な所に食いつきますな…流石は学者先生って所なんでしょうか…そうですねえ…」

秘伝書という単語に食いつく彼。質問にそうですなあと腕を組み小首を傾げて
学問三日坊主の無い知恵を絞り、言葉を選んでなんとか彼に説明しようとする

「まあ、形式は色々ありますがね…うちンとこの流派ですと基本的な型や心構えみたいなもんが纏められてる
 心得本みたいなもんがありまして…奥義や真髄みたいなもんになると口伝であったりする事もありますかねえ?」

大抵の場合は門外不出ですがね、と彼の言葉に頷きつつ、言葉を選びなんとか上手いこと伝えようとして
それが彼の好奇心を満たすにたるかは判らなかったけれども

「ははは、先生…そう言ったもんは剣術も学問も同じでしてね
 長いこと一つ事に打ち込んでいれば、自ずと身に付くもんですよ…ま、これは剣術の師の言葉ですがね
 だから、先生も見てくれなんか気にせず、堂々とご自分の道を邁進すれば良いんですよ」

あはは、と緩い調子で語る自分自身にも1つの流派を収めたにしては威厳や迫力みたいなものは皆無であった
何なら頼りなく見えるほどであったかもしれない

「五十路で若造、てのは未だになれませんけど、毎朝、髭を剃る必要がなくて便利じゃありませんか
 なぁに、これから、これから…僕なんかよりずっと長生きされるでしょうし、のんびり行きましょうや」

酷く気楽な様子であるが、一応は励ましているつもりである
終始、お気楽というかそんな様子で受け答えし、彼がアドバイスに従ったのか書き足すのを見れば、
ついでに医術なんてのも良いかもしれないですよ、それっぽいですし、とか相変わらずの様子で付け加え

うんうん、と突然始まる彼の魔術論というか、魔術学の講義に耳を傾けていたが、
3日で学問を投げ出した男は伊達ではなく、かなり早い段階でうつらうつらと船を漕ぎだす始末
なにかのタイミングで目を覚ますと、んおぅ!?っと伸びてきた手に頭を撫でられ

「…ありゃ、魔術の話は…?
 ……いや、そう言うとこが人が良いでしょうね、先生は
 いやー僕なんかは今日の昼飯にも困る始末だったんで、そんなに褒められるとどうも擽ったいなあ」

わしゃり、と頭を撫でられている
彼の人の良さになんとも言えぬ罪悪感が湧き上がってきて、実を縮こまらせてしまう
彼が手を引っ込めて、書類への記入が済めば立ち上がり

「そこまで褒めてくれるんでしたら、どうです?一杯奢ってくださいよ
 その分、報酬から差っ引いて構いませんから、お近づきの印、というやつで」

折を見て昼飯をたかろうとするのである

ランディ > 「いや、ほら…書物って聞くとつい…あはは。
 なるほど…やっぱり、武術にも入門書みたいなものがあるんだね。まあ、本ってのは定型化した知識を多人数に広めるためのものだし…ふむふむ。
 口伝かぁ…記憶だよりだと薄れそうで怖いけど、どうなんだろう。」
自分だと、教わってから時間が経っているとすっぽ抜けたりしてしまいそうで、首をかしげる。

「むぅ…やっぱりそういうもんかなぁ。
 でもこう、見た目から入るってのも大事な気が…まあ、別に今すぐ困ってるわけでも、ないけども。」
彼の言うことも一理ある、が…微妙にこう、釈然としないと言いたげな顔をしながらも、結局は解決法が見つからなければ話題はお流れになるわけで。

「まあ、ぼくはハーフエルフだから、500~1000年くらいは生きるんじゃないかな?多分…だから、人間でいうと、それこそ10歳くらいらしいよ?
 森のエルフ達からはそれこそ子供扱いだもん、こまっちゃうよねぇ。そうだね、のんびり行こうか、のんびり…。」
ふふ、と笑みを零しながら彼の言葉にうなずき、そういう考えは好きだよ、と口にする。
のんびりまったり…急くこともなく、焦りは禁物。そういう心構えは良いものだ。
そうして己の解説に船を漕いでいたらしい彼の頭を撫でれば、クスクスと笑い。
そうこう言っている間に、書類も書き終わっていた。医学は…あいにく門外漢なので書かなかったらしい。

「ふふ、仕方ないなぁ…お酒は一杯だけだよ?」
そしてしれっと集られると、人のいい笑みを浮かべて安請け合いするのだ。
ただし、食事はおかわりしてもいいがお酒は一杯だけ…というところだけは、譲らずに。

シゲン > 「口伝を纏めたものが受け継がれている…みたいな噂はありましたけどねえ…
 そう言うものがあったならば師の家に秘して家宝みたいにしていたんじゃないですかねえ?」

自分は流派を収めはしたが流派宗家の一族では無かったから実際の所はよく判らない
首を傾げる彼にあまりお力になれませんで、と苦笑を浮かべながら謝って

「今すぐにとはいきませんでしょうけどね…何、あと、100年も200年もすれば、
 威厳も迫力も後から付いてきますってー
 人間の自分からすりゃ羨ましい話ですがね…10かそこいらで人間の50倍は学べるんですから」

人間でしたら既に達人ですよ、これは、と軽い調子で言いつつ、のんびり、と彼の口から聞こえれば、
それがよろしいかと思いますねえ、とうんうん、と頷いていて

「いやー昼間っから飲めるだけでもありがたい話ですよ、先生…
 先生はどうです?いける口ですか?僕はどちらかといえば食い道楽でしてね、良い店があるんですよー」

諸々の手続きが終わったのを見計らい、ポンッと立ち上がる
冒険者登録の手続きを提出した彼を待つ間、刀をベルトの剣帯に括り付ければ、
店を案内しますと何やら上機嫌な様子でギルドを後にし、美味い料理を安価に食わせる酒場へと向かうのであった―――

ランディ > 「あぁ、そうだよねぇ…魔術書みたいに、周りに安々と見せられないよねぇ。」
ううん、興味深い話をありがとう、と謝る彼に笑顔で首を振り。

「そんなもんかなぁ…どうなんだろうね、その代わり、人間さんより時間間隔が大雑把だとか、よく言われてるけど。」
1年2年姿を見かけなった程度では、それこそ一週間ほど家出していたような感覚と変わらぬエルフの時間間隔では、さして学びに差が出ないような気がしないでもない。
ハーフだと、その辺の感覚は微妙なのだが。

「ぼくは、あんまりお酒は得意じゃなくて…へぇ、美味しいお店だったら嬉しいな。」
そうして書類の提出を終えて、戻ってくれば…彼と共に、美味しい料理を食べに行くとしよう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区・冒険者ギルド」からシゲンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区・冒険者ギルド」からランディさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアルブムさんが現れました。
アルブム > 王都、平民向けの宿屋街にほど近い位置取りにある小さな公園。
いまは早朝も早朝、まだ日の出から10分も経たない頃。青に染まりゆく東の空に、明けの明星がきらきらと輝いている。
空色のタイツに白のポンチョ風ローブを纏った少年は、閑散とした公園の広場へとやってきた。

「おはようございます、《かみさま》。おかげさまで昨日もよく眠れました。
 今日も一日いろいろ頑張りますので、どうか見守っていてください!」

ぐいぐいと上体を大きくひねりながら、アルブムを見守る《かみさま》に向けて気さくな朝の礼拝。
朝の体操にやってきたようである。
定宿からの道すがらに準備運動は済ませた。1人で運動するには十分な広さの広場の真ん中で、すぅ、と深呼吸をして。

「………………………はぁぁ……………」

息を吐きながら、前に出した右脚を曲げ、左脚をぴんと伸ばし。腕を頭上にあげて、背を反らす。
ヨガで言うところの【英雄のポーズ】もしくは【戦士のポーズ】と呼ばれる姿勢。
ゆったりとした動きで、確実に全身の筋肉を伸ばしていく。

「………………………すぅぅ…………………はぁぁ………………」

最初の姿勢のまま、1分近くの時間をかけて、大きく3回深呼吸。
その後は、ゆっくり腕を両サイドに広げ、曲げた右脚に力を込めて伸ばしていく。左脚が持ち上がる。
上体をじんわりと前に下ろせば、右脚の付け根を支点として、上半身と左脚がT字を描く姿勢でぴたりと止まる。

「………………すぅぅ…………………はぁぁ………………」

ここまで来ると、バランス感覚に乏しかったり不慣れな人であれば軸足がよろけ始めてしまう頃。
しかしアルブムは全身に硬い芯が通ったように、片足立ちのままで姿勢を保っている。
ちなみに彼を後ろから見れば、タイツの股間に浮かんだ男の子特有の丸い膨らみが丸見えだ。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にルキオラさんが現れました。
ルキオラ > 朝日の光のもと、ぱたぱたと鳥……もとい、ぜんまいじかけの錬金術の鳥のゴーレムが、小人を乗せて飛んでいる。
錬金術に使える適当な『素材』はないかと王都上空を飛んでいたが……
公園に、見覚えのある子供が何やら体操をしているのが目に留まる。

(おやおや……)

むくむくといたずらごころが湧いてくる。
あと、『素材』の収集にもひょっとすれば協力してもらえるかもしれない。
鳥ゴーレムを少年のすぐ上の低空まで高度を下げると……ひょいと、
二股帽子の小人がお尻の上に飛び降りる。
そうして、かわいい膨らみを見下ろしながらタイツの上からすりすりとお尻や腿を撫で始める。
子供は姿勢を保てるだろうか。

アルブム > 深まる秋の朝、清冽な大気を肺いっぱいに吸い込んでは吐き出し、ヨガを続けるアルブム。

「………………ふぅ………………っく……………」

とはいえ、片足だけで全体重を支えつつバランスも維持するのは、続ければ続けるだけ負荷もかかる。
1分も維持し続ければ、ゆったりした呼吸は保てなくなり、嗚咽まじりの吐息を見せ始める。
ぐらり、僅かに右膝が折れ、上体がゆらぐ。そろそろ1回目のポージングは限界に近いか。
姿勢を取るときと同じくらいのゆっくりな速度で、左脚を下ろし始めようとするが。

「…………………んひっ!? な、なんですか!?」

その時。お尻のあたりに何かが触れる感触が走る。
飛び回る虫……にしては大きく重い。しかしセミの時期はとうに過ぎている。
大きめのコオロギやその近縁、おそらくカマドウマあたりでも飛びかかって来たのか?
アルブムは急いでポーズを解き、その異物感の正体を探ろうとする……が。

「…………えっ、えっ!? な、なんで……『休まず続けろ』だなんてっ!
 ………わ、わかりましたっ……《かみさま》がそうおっしゃるのなら………!」

崩れかけたフォームがぴたりと止まる。
《かみさま》と呼ばれる何者かと交信している様子のアルブム。暫定カマドウマを無視し、ヨガを続けろと言われたのだ。
当然、このままではお尻にひっついた何者かを確認することもできない。
だが《かみさま》の命令は絶対である。アルブムはこそばゆい感触を気にしながらも、体操を続けるしかない。

「……………ふっ…………………くぅ……っ!」

掻痒感と疲労感に苦しげな声を上げながら、アルブムが次のフォームを取り始める。
右脚を軸としたまま、上体を横に捻る。そして左脚にはこれまで以上に力を込め、上へと持ち上げて……。
……やがて、左つま先がまっすぐ天頂を向く。股間が180度に開ききり、右脚と左脚が垂直に立つ直線を描く。
いわゆる【I字バランス】である。こんな体勢を取れるのは若いアルブムの柔軟性ゆえである。

「……………はふっ、はふっ……………う、ううっ。一体何がくっついてるんですか……」

さらに上体を持ち上げ、腕を左脚に絡めて支える。
ポールダンサーめいた姿勢だが、維持するには並外れたバランス感覚が必要だ。
そしてこの体勢になれば、股間に何かくっついていれば視認することもできる。お尻に回られると見えないけれど。

ルキオラ > (あれあれ?)

すぐにバレるであろう軽いいたずらであったつもりが《かみさま》はことのほか協力的な模様。
であれば続ける以外に選択肢はないだろう。
アルブムがポーズを変えても小人はずり落ちたりはしない。これぐらいは慣れっこだ。
タイツの繊維越しにぴったりと指をくっつけながら、虫さながらに体表を這い回る。
薄着では少々肌寒い気温になってきたが、幼い少年の代謝は極上の暖かさだ。
ポーズを維持する筋肉がプルプルと震えるのも、小さな身体に敏感に伝わってきて得も言われず心地よい。

高く掲げられた左足、その太ももの裏へと回り込んでセミのようにしがみつきながら頬ずりする。
自身の眼に内蔵された写真機で、しっかりと股間の絶景を撮影しておくのも忘れない。あとで現像しよう。

尻同様、この位置も少年からは自分の体の陰……死角となってしまう。
とはいえ、《かみさま》か少年のどちらかの気分が変わればすぐに正体はわかってしまうだろうが……

アルブム > 全身を覆うタイツは保温性が高い。その上に羽織るのはゆったりとしたローブ1枚。
おのずと、I字バランスの姿勢を取れば下半身はまるまる露出することとなる。
タイツの中、ぷっくりと球状に膨れた股間はことさらに強調されて衆目に晒され、年相応の小突起すらも顕わになる。
とはいえ早朝という時間であれば他に見る者はいないけれど。太ももにしっかりしがみついているルキオラ以外には。

「あ、ぅ…………ううっ、見えない……。脚の裏にくっついてるからっ………。
 ………や、やめっ………くすぐったい、ですっ……!」

踵を頭よりも高い位置に持ち上げ、左腕で左脚を抱える姿勢。
自由に使えるのは右腕だけだが、乱暴に動かせばそれだけでバランスが崩れる。
倒れないように慎重に、しかし脚に走るこそばゆさに耐えかねたようにせわしなく、右手を股間に持っていって。

「………………う、うあぁ…………ど、どこにっ……!」

しかし、無理な姿勢がたたって、右手もルキオラには数センチ届かない。手指がもどかしげにタイツを掻く。
体勢を維持しようとする全身の緊張と、タイツ越しに伝わる異物の蠢く感触に、アルブムの体温はどんどん上がっていき。
頑丈なタイツ生地の向こうからムワッとした湿気が立ち上り始める。寺社を思わせる白檀の香りとともに。
熱も湿気も香りも、丸く膨れた股間に向かうほどに濃くなる。

ルキオラ > 「おっとと……」

丸っこい指から気持ち身体をずらして逃れるが、結局それが届くことはなかった。
巨大なみずみずしい太ももという楽園に浸っていたルキオラだが流石に疲れてきた。
この小人の身体は男の子の脚にしがみつくのにはそれほど向いているわけではないのだ。セミではないので。
力尽きて手を離して落下するか、アルブムが体勢を崩して尻もちをつくかどっちが早いかという感じだ。
うちなる冷静な自分が、何をやっているんだろうなとしきりにツッコミを入れてくるがいまさらどうしようもない。

(あ、ヤバ……)

太ももにひっついている自分のところにまで、股ぐらからの芳香が漂ってくる。
疲労から判断力の鈍った脳にそれはすっと染み込んで、思考を麻痺させる。
……腿の陰から小人が這って姿を現すまでに、そう時間はかからない。
丸い隆起にだきついて、顔をうずめてダイレクトにその香りを吸い始める。
餌に誘われる虫のごとき愚かな行為だが、小人は脳が小さいので仕方ないのかも。

(あーすき……ずっと吸ってたい……)

アルブムの感覚が鋭敏ならば、小人のパンツの下のものが甘く勃ちはじめていることさえもわかるかもしれない。

アルブム > ほぼ垂直を保ってそびえ立つ、アルブムの空色の脚線。
虫のように鋭い鉤爪がなければ、そこにしがみつく者にとっては足がかりのない磨かれた壁も同然である。
おのずと異物感は下へと降りていき、そして唯一のとっかかりと言える股間の膨らみに重みがかかる。
そうすればようやく、謎の飛来物の正体を直接視認できるようになって……。

「………………っ!? こ、小人さん……。
 ……というか、ルキオラさん!? ルキオラさんですよね!?」

タイツ越しにアルブムの股間に顔を埋める小さな影。
それは、かなり昔に会ったことのある、小人の男性だった。

「お、お久しぶりですっ! お元気だったようでなにより…………じゃ、なくてっ!
 なにやってるんですかっ!? そ、そんなところで………うぁ……あっ……!!」

I字バランスを懸命に保ったまま、180度に割り開かれた己の股間の支点をぐっと覗き込むアルブム。
アルブムとほぼ変わらない年頃の少年が、汗ばみ始めた恥部に顔を埋めている。
必死にしがみつくルキオラの重量や体温、その一部で針のように尖り始めた突起の感触。
そして、布越しにかすかに吹きかかる吐息や鼻息すらも鮮明に感じ取ってしまい、ぞわ、と全身が粟立つ。

「やっ………あ、だ、だめです、ルキオラさんっ……♥ そ、そんなとこ、今くすぐられたらっ……!
 倒れちゃいますっ……! ルキオラさんも怪我しますよっ……! お願い、離れて……っ!」

うかつに掴みかかったら取り落してしまうかもしれない。そんな恐れから、伸ばした手を離してしまうアルブム。
対処に困ったまま、ルキオラに離れるよう懇願する。
一方股間では、直接敏感な部位に触れ始めた異物感に反応し、むく、とおちんちんが硬く張りつつある。
それにつれて体温もさらに上がり、全身から発せられる少年の香気もどんどんと色濃くなる。

ルキオラ > 「あっはい、ルキオラですよぉ~ どぉもどぉも」

つい反射的に挨拶を返して、いや礼儀正しすぎるでしょう、と内心でツッコむ。
理性が戻ったのはその一瞬のことだけ。
目の前で膨らんだ少年の隆起が、しがみつく自分の頭を文字通り突いて揺さぶる。
子供のものながらに、小さな己を圧倒するかのように膨張する布越しの性器に呼応する自分の昂りを抑えられない。
自分の身体を上にずらして、膨らんだそれの先端に、腰かけるような姿勢になると
パンツをずり下ろして、露出したお尻とペニスをごしごしと押し付けて気持ちよくなっていく。
擦れ合い、小さな水音を立て、汚れのなかった空色の巨壁に先走りを延ばす。
臀部と性器の小人なりの硬さと熱さが、押し付けられてピンポイントに伝わるだろう。

懇願などは聞くわけもない。力尽きれば普通に落下するだろうし、倒れれば下敷きになって潰れるだろうし、
《かみさま》の命令が変わった場合でも危ういことになるだろう。
けれどもそのスリルはルキオラの発情を高める以外の効果はもたらさない。
アルブムの恐れや昂奮からの筋肉のわずかな律動でさえ、小虫には快楽となって伝わるだろう。
無垢で巨きな少年を蝕むことの征服欲、巨体の不随意運動だけで達してしまいそうな被征服欲、
その両方の官能を、同時に味わっているのだ。

アルブム > 「ど、どうもですっ!! でも、そんなところに居たら危ないですから! ていうかなんでそんなとこに!
 ………………わっ!? あ、ああああっ………な、なんでズボン脱いでるんですか!?」

アルブムがほんの少し身じろぎしたりバランスを崩しただけで、つるりと落ちてしまいそうな小さな人影。
ほんの2フィート強の高さだが、彼のような小ささであれば大怪我に繋がりかねない。
焦りと戸惑いの色を浮かべるアルブムだが、ルキオラがおもむろに下半身露出を始めれば一層焦り始めて。
朝日に照らされ浮かび上がる小人少年の恥ずかしい部位に視線を奪われつつも、彼の身を案ずる方に意識を奪われてしまい。

「と、とにかく。いまポーズを解きますから、落ちないようにしっかり掴まっていてくださいね、ねっ!?」

アルブムは再三にわたりルキオラに対し警句を発しつつ、懸命に維持していたI字バランスの姿勢を解こうとする。
………が。

「…………ん、んんんっ!? な、なん、でっ……! 腕、左腕、離れない……っ!?」

180度開いて真上を向くアルブムの左脚と、それを支える左腕。ぴったり絡みついて、離すことができないのだ。
それどころか、左脚に寄り添う上半身も、全体重を支える右脚すらも硬直しきって動かせない。
自由に動かせるのは首から上と右腕だけだ。無理に動かしてしまえばバランスを崩しかねない。
……しかし、焦った拍子にぐらりと全身が傾きかけると、不可思議な外力が働いて重心を元に戻してしまう。

「ひっ! う、うああっ……と、解けないです、この姿勢……なんでっ!?
 た、助けてください、《かみさま》っ!!」

焦燥と危機感、全身を襲う疲労感と緊張、そして股間に蠢く小人のこそばゆい刺激。
混乱の極みに至り、《かみさま》に助けを乞うアルブム。しかしなおも全身の硬直は解けず、倒れることすらできない。
さもありなん、アルブムを無茶なI字バランスの姿勢に固めてるのは《かみさま》の意思なのだ。
今の彼は、股間を180度に割り開いた恥ずかしい姿勢のまま、小人におちんちんを弄ばれるしかないのだ。

「あっ♥ うあ、あわっ、わああっ♥ らめ、らめ、そこっ!! る、ルキオラさんっ♥
 そんなとこ、いま、こりこりしちゃ、だめ、らからっ!! っく! うううっ♥」

びくっ、びくんっ。緊張しきった全身に波のように戦慄が走る。背骨から骨盤を通し、爪先に至って残響する。
ひとつ波が走るごとにタイツの裏の皮膚から脂汗がにじみ、そして勃起した男性器の突端からも澄んだ汁があふれる。
ルキオラが股間を押し付ける動きと合わさって、タイツの縫合部付近にはじっとりと染みが浮かんでいる。
性臭とは思えないほど甘くスモーキーなサンダルウッド香がムワムワと陰嚢付近を包んでいる。