2020/05/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からマコさんが去りました。
ご案内:「エステ店「オブシーン」」にモールドさんが現れました。
■モールド > 今日も何も知らぬ客を食い物としている、エステ店。
背後関係にある貴族へとその行為の映像を流す事で利益と庇護を得ているのだが、偶にはそういった仕事を忘れて欲のままに動きたくなる事もある。
誰それの貴族の好みのプレイが、とか。どういった女の映像を、だとか。
そういった要望は一時忘れ、次に訪れる客は思うが儘に犯す事にした。
何と雌臭い性器だと品評し、詰るのも良いだろう。
美容に良いからとザーメンをぶちまけたデザートを振舞うのも良いだろう。
玩具を次々と捩じり込み卑猥なオブジェの様に飾り付けるのも想像するだけで最高だ。
予約の客が訪れる時間が来るのが先か、それとも飛び込みの哀れな客が訪れるのが先か。
何時にもまして醜悪に一人ほくそ笑みながら、魔導具の出力をほんの少しだけ弱めておいた。
常であれば余程抵抗力のある者で無ければその全てをエステの内容だと信じ込んでしまうような効果がある。
それが今では、不思議に思いながらも否定までは出来ない、程度の効果にまで薄まっている筈。
要は、とことんまで女を辱める腹積もりだ。
少しばかり趣味に走る時間があっても構うまいと、客が訪れるその時を待っていた。
ご案内:「エステ店「オブシーン」」にシルフィエッタさんが現れました。
■シルフィエッタ > きっかけは、とある貴族からの個人的な依頼だった。
曰く、自分の妻の様子がどこかおかしい。特に夜の営みの反応が変わったとのことで。
愛妻家を自負する貴族は、心配する妻の素行を確認して、安心したいのだという。
――とどのつまりは、妻の足取りを調べ、報告してほしいという浮気調査のようなものだ。
当初は面倒な話だから避けるべきか、とも考えていたのだが、ちらつかされた報酬は結構な額面。
少し悩んで、結局は首を縦に振り、聞き取り調査をチラホラとしたのが先日のこと。
そして、今日の少女は貴族の妻から直接伺った、エステ店の前に居た。
女であるならば一度は施術を受けるべき、などと、貴族の妻はべた褒めで。
その旨を貴族に伝えたなら、代金は出すから受けてきてほしい、とまで言われる始末。
依頼主が願うのならば、やむをえまい。エステなど受けたこともないから、柄にもなく緊張しつつ。
「ごめんください。やっておられますでしょうか?」
予約などは特にしてこなかったが、大丈夫だろうか。
そんな考えがよぎる中、少女は店の者の反応を待つことになる。
■モールド > どのように凌辱してやろうかと頭の中で考えを巡らせていれば、結構な時間が経っていた。
もうそろそろ予約の客が来る時間の筈であるが…と頭を切り替えていた所で、扉を開く音が聞こえ。
「いらっしゃいませ―――あぁ、申し訳ない。実はこれから予約が入っておりましてな。」
訪れたのは予約の客では無かった。
努めて営業スマイルを浮かべながら、頭を下げて。
丁重にお引き取りを願い、もうすぐやって来るだろう予約の客を犯す事に思いを馳せるのだった―――。
ご案内:「エステ店「オブシーン」」からモールドさんが去りました。
■シルフィエッタ > 中から現れた店主からは、断りの一言。
調査で訪れたのだから、事を荒立てるのもよろしくない。
「おや、そうなのですね。これは残念です。それでは」
笑みを浮かべ、一礼すると少女は店を後にする。
調査結果は、残念ながらと正直に返すこととしよう――。
ご案内:「エステ店「オブシーン」」からシルフィエッタさんが去りました。
ご案内:「聖バルバロ騎士団 拠点前 平民地区」にネメシスさんが現れました。
■ネメシス > 聖バルバロ騎士団の拠点は王国内各地で設けられている。
街の中でも外でもそれは変わりがない。
街の中でも外でも、最低限立て籠れるような広い建物を中心に部隊が展開されているのが特徴である。
そして、本日のネメシスは入り口につまれた大きな木箱の上に陣取り、
退屈そうにアップルジュースを飲んでいた。
「はぁ~、今日は退屈よね。」
先日はアスピダを支配している一団の数名と交戦し、勝利を収める。
が、噂の騎士クラスとの戦闘はまだ経験していない。
そして、今は別の戦地で始まる戦の準備で騎士団は大忙し。
ネメシス一人が退屈そうにだらけていた。
ご案内:「聖バルバロ騎士団 拠点前 平民地区」からネメシスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 大通りのカフェ」にセルフィアさんが現れました。
■セルフィア > 初夏の王都は、青く澄み渡る空の下にあった。
吹く風は穏やかで涼しく、日差しはうっすら汗ばむ程度に温かい。
日陰で一日過ごしていたなら、心地よく転寝すら出来そうな陽気だ。
――そんな一日の昼飯時を、少女は通りのカフェで過ごしていた。
目の前の机上には、座学用の教科書と楽しみの娯楽小説が一冊ずつ。
その横には、十数行程の文字列が書き込まれた羊皮紙と皮のホルダーに納められた羽ペンがあった。
様子を見るに、ちょうど一仕事を終えた、という頃合いなのだろう。仕事、と言っても少女の場合は勉学だが――。
「はふ……これで、書き物の課題は一通り、と言った所でしょうか?」
ぽつり。呟く独り言は自問自答を兼ねていて。
うむ、と小さく頷いた途端、腹が小さく、くぅ、と鳴く。
誰かに聞かれていやしないか。杞憂の心配を胸に秘め、メニューの冊子を開く。
そこから注文を決めるまでが長いのは、いつものことだ。
■セルフィア > 少女にとって、昼食のメニュー選びは学校の課題よりも難しい。
何せ、どれも素敵で美味しそうに見えて、正解がないのである。
川魚の燻製を挟んだサンドイッチはどうだろうか。羊肉のローストを挟んだのも捨てがたい。
あるいは、パンに初夏の冷製スープを合わせるとか、冷たいパスタにするのも素敵だ。
どれにしようかな。少女の平和な悩みは、時間にしておよそ十分程続く。
「……そうですね、こっちは今度にして、今日はお肉な気分、ということでー!」
ちりりん、と各机に備え付けられた、店員を呼ぶベルを鳴らす。
ついでやってきた女性に、頼むのは羊肉のサンドイッチ。
追加で冷たいスープ、二杯目の紅茶も注文すれば、豪華なランチの出来上がり。
後は料理がやってくるまで、甘やかな花の香りを乗せたそよ風を楽しむことにする。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 大通りのカフェ」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > 吹き抜ける風は冷たさよりも清涼感を感じる。そんな昼下がり。
だというのに、フード付きのマントと言った暑苦しい格好をした冒険者の姿。
このあたりは学院の生徒も多く、小洒落たカフェも並んでたり…
正直場違いな感は否めない。
しかし天下の往来、立ち入りを禁止されるいわれもない。
平民地区の大通り、何を悪く思う必要があるのか。
…もちろん、居心地の悪さはあるが。
「がくせーってのは気楽なもんだ…」
ふと、カフェテラスに視線を移す。
洒落た感じが鼻につくが…そう言えば食事もまだだったか。
席に座る少女、あれも学生だろうか。上等な服に整った容姿。
ああいう客のための店だというのなら、恥をかくだけだが…
■セルフィア > 注文してからしばらくすると、店員が料理を持って現れる。
羊肉のローストを挟んだサンドイッチに紅茶に冷製スープ。
三品揃って机に並べば、なんとも満足感溢れるリッチな気分だ。
「ふふ、ではでは、いただきます……!」
神を信じる身ではないから、お祈りの言葉は述べない。
ただ、自然の恵みへの感謝を一言だけ呟くと、サンドイッチを摘み上げた。
そのまま、はぷっ、と齧りつくと、濃い目の塩味に脂身の甘みが目一杯に広がって。
ついでシャッキリとした野菜――特に、トマトの酸味と瑞々しさが爽やかに際立つ。
それらを纏める、白っぽいソース(マヨネーズっぽい?)もこっくりしながら、仄かな酸味が快い。
「ふふ、おいふい、です……んぐっ、食べながらお話してたら怒られちゃいますね」
美味な料理に自然と口角が緩んで、少女はニコニコ笑顔で食事を満喫中。
気楽なものだ――そんな意見も至極当然。何せ、この通りマイペースなのだから。
■ブレイド > 遠目から見ていると、少女はサンドイッチを手に取り頬張る。
とても嬉しそうで、美味しそうに。
未だ昼食にありつけていない自分には目の毒だと言える。
みたところ、貴族か何かにも見えるが、食べっぷりにはあまり気品を感じない。
むしろ、親しみを覚える。
そんな少女の無意識のマーケティングにより、ふらふらと店へと引き寄せられてしまった。
内装をみてみれば、更に深まる場違い感。
明らかな異物ともいえる。
冒険者の男一人でくるような店ではない。店員もそれはわかっているだろうが客は客。
とくに、入店の制限をしているわけではないのだから通さないわけにも行くまい。
席に通されると、先程外から見ていた少女の傍。
近くで見ると、やはり美味そうに食べ続けているものだから…
「あー…あの子と同じやつで…」
なんか、主体性に欠ける注文をしてしまう。
■セルフィア > 生まれは貴族、育ちは庶民。そんな来歴を持つ少女は、周りの目など気にしない。
幼い頃から母と二人で暮らし、のびのびと自由に育った結果とも言える奔放さである。
容姿には幾分かのそれっぽさこそあれど、教えられた礼儀作法は少女にとって窮屈なのだ。
そして、ここは平民地区のカフェ。王侯貴族の集うサロンではない。
郷に入らば郷に従え、などと言ったか。件の諺に従っておくことにする。
「ん、んむっ――はむっ。ん、く……手についちゃいましたね」
ちょっぴり着いてしまった白いソースを見るなり、ぺろりと小さな舌を出して。
そのまま指先を拭う様に赤い粘膜を動かすと、ちゅ、と最後に吸い付いて。
微かなリップノイズを立てながら、美味しい汚れを舐め取り、満足げに相好を崩す。
お高く止まった貴族とあらば、まずやらない行儀の悪さだが、こういう場ならば見咎められない筈。
そんなこんなで、ニコニコと食事を続けていた少女だが、ふと近くの席に座る青年と目が合って。
瞬間、見られていたかしら、と頬を朱に染めながら、慌ててそっぽを向いたりしていた。
■ブレイド > 注文はしたものの、それが席に届くまでは暇で…。
ついつい先程の少女に目がいってしまう。
長い金髪に翠の瞳…お嬢様と言った雰囲気がよく似合いそうではある。
食事中でさえなければ、そう思われても不思議はない。
食事風景は気品を感じないを通り越して、やや豪快とまで言えそうだ。
よくよくみてみれば、サンドイッチもなかなかにボリュームのある品。
白いソースが手についても、お構いなしに舐め取る。
舌でそれを拭い取るようになめる姿は、少しばかり艶めかしさすら感じる。
「……発想がそこらのスケベなおっさんと変わらねーじゃねぇか…」
目先の少女でけしからん妄想をしてしまったことにバツの悪さを感じる。
しかも、ふとした拍子に目があってしまうのだからよけいに。
彼女もなんか頬を染めて目をそらすし、考えを見透かされてしまったようで居心地の悪さが増してしまう。
そんな中、彼女と同じメニューが運ばれてきた。
■セルフィア > 見た目以上に健啖家な少女は、サンドイッチをそこそこな勢いで平らげる。
はぷ、はぷ、と一口は大きくないものの、それを回数でカバーする形で既に皿の上は半分が空だ。
時折、冷製スープに手をのばすと、これまたとろりとしたジャガイモのそれをこく、こく、と飲み込んで。
唇についたスープをちろりと舐め取れば、またサンドイッチに取り掛かって、という循環だ。
その様子は正しく一心不乱。だからこそ、青年に見られていたことに、後から気づくこととなって。
「うぅ、私としたことが、はしたない姿を……」
ポツリと漏れる呟きは、改めて自省を促すもの。少女とて女の子、まじまじと食事中の姿を見られたくはない。
とは言え、つい視線を逸らしてしまったが、もしかして失礼だったかしら、などと思い直した少女は、再びそーっと視線を戻す。
その先では、少女が頼んだものと同じメニューを受け取る青年の姿。その様子に、くすりと笑みを浮かべると。
『それ、とっても美味しいですよ!』
落書き用に使い潰した羊皮紙の裏側に、空いた聞き手でサラリとペン先を滑らせて。
そっと、先程視線があった彼に見えるように、摘んで翻して見せた。
■ブレイド > やってきた品を目の前で見てみれば…軽食と言うにはやはり少し重ためか。
冷製スープなどもついてきており、メニューだけ見れば夏の装い。
まぁ、それなりに暑さを感じる季節だ。
季節が変わったことを食事に匂わせたくなる気持ちもわかる。
彼女の方に視線を戻してみると…メモ書きをこちらに見せてくる。
なんでも、とっても美味しいらしい。
見ず知らずの…しかも店の雰囲気から浮いてる明らかに怪しいフードの男に対して。
「気楽っつーかなんつーか…」
人がいいというか人懐っこいというか。
彼女へと手を振って控えめな返事とすれば、サンドイッチにかぶりつく。
昼食には丁度いいかもしれない。自分からすれば少しだけ物足りないくらいだが…
…そして、なるほど。少し食べづらいかもしれない。
彼女がそうなったように、指先にソースが付いてしまった。
彼女がみているのであれば、先の少女と同じように舐め取って笑ってみせる。
■セルフィア > 少女とて、一応警戒心のようなものはある。だから、夜の路地裏とかは必要なければ近寄らない。
だが、この国の実情からすると大分隙だらけな上に、美味しい食事などで心満たされれば更に緩んでしまう。
さらに言えば、こちらを見てバツが悪そうな表情をしていた彼のことだ、怪しい気もするが、悪い人じゃない気もする。
そんな自分の直感を信じて、ちょっとばかり関わってみたくなった次第である。
サラリと書いたメモにも反応があると、目に見えて表情が明るくなる。主を見つけた犬の様に、だ。
「んふふ、さぁさぁ、齧って美味しさに驚くが良いです」
自分が作った料理でもないのに、何故かドヤ顔な少女である。
かぷり。目の前の青年がサンドイッチに齧り付いて、同じ様に指先にソースが付いて。
指先は布で拭ったりするのかしら、と注目すれば、自分と同じ様に舐め取る姿。
次いでこちらに笑みを向けてくるならば、にこやかな笑みと共に、こくりと頷いてみせた。
■ブレイド > 食べづらさはある…いや、食べ方が悪いのかもしれないが。
それはそれとして、なるほど美味い。
彼女が夢中になってかぶりついてしまうのもわからないでもない。
じゃがいもの冷製スープも喉越しがよく、ついつい食が進んでしまう。
見知らぬ少女に惹かれて寄ってしまった店だが、なるほど。穴場だ。
学生に知れ渡っていたとして、少なくとも冒険者には縁のない店であることは違いはない。
ドヤ顔をしている少女にむかって軽くうなずく。
「おう、驚いた」
ミレー故に彼女の言葉は少しはなれた席であっても耳に届き
微笑みを返してくる少女に向かって、返事を投げる。
言葉少なであるが、彼女の言葉を肯定するもので、そして彼女と同じく出されたものはあっという間に平らげてしまった。
■セルフィア > 元々は同学年の貴族子女に教わった店だが、今では一人で足繁く通うお気に入りの一つ。
だから、いつもメニューとにらめっこしては、店員達にまたかと苦笑される。
今の時期や秋口は外のテラスで、夏や冬の盛りの頃には、店の中の暖かな席で。
彼の言葉を借りるならば、『気楽』に過ごせる場所。それが、このカフェなのである。
それ故、青年の短くとも嬉しい返答を聞くと、こくこく、と首肯して。
彼が食事を平らげる様を見ながら、少女もまた、はぷ、とサンドイッチに齧りつく。
「んむ、ん、ふ――あむっ、んくっ……」
徐々に小さくなっていくサンドイッチ。とは言え彼ほど早くは食べられない。
ふと、視線の先、彼の机に紅茶のカップがあるのを見て取ると、再び右手を動かして。
『もしよろしければ、こちらに来ませんか?』
などと誘ってみる。無論、このお気楽な少女に他意等は全く無い。一緒にお茶を飲みたいだけだ。
或いは、彼がもし仮に、少女に対して邪な考えを抱き、実行に移すならばお誂え向きかもしれない。
■ブレイド > サンドイッチと格闘する少女の姿は微笑ましく
紅茶を飲みつつその姿をみていれば、また何やら書いている。
少し不思議そうに見ていれば、そこに書かれた文字はお誘いの文言。
まぁ、邪気を感じぬ少女のこと。他意はないのだろうが…
自分が彼女に邪な欲望をいだいていたらどうするつもりなのか。
自分もそういう視線を送ってしまいはしたのだが…
真意はともあれ、彼女の誘いには乗る。
人の良さそうな少女だ。
誘いを断れば、それはそれで気落ちしそうだ。楽しげな様子に水を指すのも悪い。
紅茶のソーサーを持ち上げれば、彼女の席へと歩み寄る。
「お嬢さんからのお誘いとは驚いた」
すこしばかりおどけた様子で声をかければ
彼女のテーブルにソーサーを置く。
■セルフィア > 目の前、彼に動く気配があるなら、少女は楽しげに足をブラブラさせながら、サンドイッチの残りを齧る。
彼がテーブルに来るまでに食べ終わってしまおう、という魂胆なのだが、最後の欠片は少しばかり大きめで。
はぷ、と口に入れたは良いのだが、ほっぺたが若干膨れてしまい、どこか栗鼠の様な風体に。
もぐもぐ、ごっくん。最後の一口を嚥下すると、はふ、と小さく息が漏れた。
「ん、丁度退屈していたので、つい、です。お嫌でしたか?」
ちらり、と彼を見上げる様な上目遣い。碧の眼が彼を見る。
元々人懐っこく、他者を疑うことを是としない少女は、常日頃からこんな感じだ。
お陰で毒気を抜かれてくれる相手も居るから、なんだかんだこんな国でも存外真っ当に暮らせている。
ともあれ、彼が座ってくれるなら、少女は満足げに微笑むことだろう。
■ブレイド > 警戒する様子もまるでなく、朗らかな笑顔は邪な考えを霧散させそうで。
この国でわりと平和に生きているというのであれば、彼女はそういう人柄なのだろう。
もっとも、見た目の雰囲気に手を出しづらいという印象もあるのかもしれないが。
それだというのにこういう無意識なうごきには少しばかりの艶めかしさ。
気安さと危うさを内包している…実に少女らしい少女と言える。
「イヤってわけでもねぇさ。可愛いお嬢さんのお誘いってならな」
椅子に腰掛けると、少し遠目ではわからなかった顔立ちや、体の線などがはっきりと分かる。
全体的なラインは細身であると言えるか。
少女から女に移り変わる…発展途上と言った風。
こういった頃合いの少女を好むものも多いだろうに。警戒心という言葉が遠くに感じる。
■セルフィア > 一応これでも貴族の子女であるから、高嶺の花なのかもしれない。
それは同時に、権謀術数の的であったり、破落戸達の劣情を煽るのかもしれないが。
何れにせよ、今の所は平和を享受しており、色事の主だった経験もない。
強いて言えば、何故か寝る前になると体が火照って、自分で慰めなきゃいけなくなる位だ。
それを不思議にも思わず、そういう物なのだと受け入れている辺り、ポンコツなのかもしれない。
「それなら良かったです――か、可愛いとか言われると、照れちゃいますよ!?」
褒められると、それだけでぽわぽわと頬を朱に染める。
無防備な上に初心な少女は、褒められてないが故に、彼の言葉を持て余していて。
少しばかりオロオロとした後に、冷製スープの残りをぐぅっと飲み干して。
「……こほん、お恥ずかしい所をお見せしましたね
そう言えば、お兄さんはこのお店、初めてですか?
ここ、お気に入りなのですけど、お兄さん初めて見るなー、とか」
彼を呼んだものの、そこから先はノープラン。何の考えもない。
それ故、んー、と少し考えてから、世間話の一つでも、と振ってみることにした。
■ブレイド > このような無防備さを見せつけられると
何者かに騙され、いいようにされていたりしないかと心配にはなる。
そのような技術に長けたものもいるくらいなのだし。
とはいえ、自分にそういったスキルはなく
今話に乗ったのも単純な興味から。
それに、可愛らしい少女からの誘いを断る理由などない。
「そうか?あんたみたいな娘は言われなれてるんじゃないかと思ってたけどな」
軽く口にした言葉は思いの外に相手を動揺させたようで。
こういった初心さは微笑ましくある。
笑みを浮かべその様子をしばらく眺めていると、咳を一つ。
なんとか落ち着きを取り戻したようだ。
「そうだな、はじめて来た。オレが通っちゃ場違いもいいとこだしな。
でも、あんたが美味そうにサンドイッチ食ってたから…つい、な」
彼女の振ってきた世間話。話の切り出しとしては定番化した質問だが
その話に乗り、店の外からみてたことも自白する。
■セルフィア > 今の所は誰かに騙されたり、付け込まれたりしたことはない。
今後も全く無いとは言い切れないが――それは少女の辿る運命次第。
性善説を信じる少女は、彼に心配させてしまうのも当然、という程度にポワポワとしていた。
「そんな事ないですよ?こう、あんまり男の人と過ごすことないですし。
家族や友人のかわいいを信じるほど子供じゃないですからね!
あれは、親ばかとか社交辞令ってやつですから、信じると痛い目を見るのです」
えっへん、分かってますとも、と胸を張る素振りは、年齢以上に幼く見えるもの。
それでいて、口を閉ざせば年相応の色香位はあるはず、多分、きっと。
店の外から見られていた――そんな事実を告げられると、頬の朱を濃くしつつ。
「そ、そうなのですね。んー、確かに、フードを被ってると場違いかもです。
あ、外さなくても良いですよ?私はそういうの、気にしない子なので!」
色々事情もあるだろうし、という所は分かってますよと大人アピール。表情がコロコロ忙しなく変わる。
なお、この少女はミレー族は獣の耳と尻尾が可愛い、という程度にしか思っていなかったりする。
■ブレイド > この国にいる以上、永劫無事で一生を終える…などとは思えない。
早いうちに良き伴侶に恵まれれば、その庇護のもと平和でいられるだろうが…
現実というのはそれほど甘くはない。
綺麗な花は手折られるのもまたはやいものだ。
「そういうもんか?あんたあれだろ…なんか、学院の学生ってやつ。
ああいうところでよく言われねぇのか?かわいいとか綺麗とかよ」
机上の教科書に視線をやれば、内容はわからずとも彼女が何であるかはわかる。
どう考えても教える側ではないはずだ。
確かに口を開けば幼気な雰囲気はあるものの、整った顔立ちや美しい曲線は
今の時期特有の魅力にあふれている。
学院にも男はいるだろうに、ほうっておかれていると言うならばもったいない話だ。
「そうそう、あんま美味そうに食ってるもんだから、つい同じもんたのんじまったよ。
まぁ…気にしねーってならそりゃよかった。
でも、オレみてーな怪しいやつと話してたら、友達からなんか言われねーか?」
どことなく子どもっぽいが、それが逆にとっつきやすく、漬けこまれそうなポイントだ。
彼女が気にしないというのならばフードはかぶったままだが、どちらにせよ往来から見える
客のはいっている店の中ではこれを外すわけにはいかない。
■セルフィア > 表通りは平和でも、一つ路地を入れば危うい。
そんな世界の表面を、綱渡りの様に歩く日々。
いつか足を踏み外して、奈落に落ちていくかもしれない。
その時に、なんだかんだで幸せであれば良いのが――。
「ん、ご明察ですね。王立学院の学生ですよ。
ふむ、あまり言われたことは、ないかも……?」
閑話休題。青年の言葉には素直に答えを返すと、次いで首を傾げる。
案外、近くにいる男子からもアプローチがあるのかもしれないが、この少女の場合、気づいてない可能性がある。
だとすると、好きになった子達が何とも気の毒な話になるのだが、はてさて、真偽は定かではない。
「美味しかったのなら良かったです――ふむ、なにか言われた所で、誰と付き合うかは私の自由です。
ですから気にする必要などないのです。私が話したいと思ったから、ちょっとお付き合い頂いただけですし」
ふふり、と笑みを浮かべると、喉が渇いたのか、紅茶を一口。
香りと味を楽しんで、それからこくりと嚥下して。
「まぁ、そんな訳なので、ちょっと物好きな娘に呼び止められたと思ってくださいな。
――えーと、所でなのですが、お名前、お伺いしてもよろしい感じです?」
どことなく訳ありな彼だ。名前を明かさないほうが良いこともあるだろう。
そんな気遣いから、先に一つ問いかけてみる。或いは少女の名を、教えたほうが良いかどうかも。
"知り合いになっていなければ、良いこともある"というのは理解しているから、訳のある彼に、任せることにした。
■ブレイド > この危うさ綱渡りの少女の花を、自身が手折る…
などと言ったことはあまり想像できない。
少女の挙動は時折危うく、ころりと自分も引き込まれてしまいそうではあるが…
泣き叫ぶ少女をムリヤリなどというのは好みではない。
「ふーん、そりゃ勿体ねぇ。そんなにベンキョーってやつに夢中なのか?
街歩いてても声かけられそうなもんだがな。オレみてーなやつとかよ」
貴族っぽいから気がひけるというのは一般的な感性。
冒険者やチンピラの中にはそういう見た目だからこそという連中もいる。
今までナンパもされなかった、気づかなかったというのならば…
まぁ、ご愁傷さまだ。
「そうか。お優しいこった。
あんたみてーな子にそうおもわれるってこたぁ、オレもなかなか捨てたもんじゃねぇな」
冗談めかして笑みを返し、同じように紅茶を一口。
香りを楽しむ…といったような嗜み方ではないが。
あと、一口飲んだ後に砂糖を二杯追加した。
「確かに、こんなやつの名前を聞きてぇなんて物好きもいいところだ。
オレはブレイド。アンタは?」
訳あり…であることは確か。だが、それはフードに隠されたミレーであることくらい。
冒険者としては比較的まともな部類だ。だからこそ、名乗ることに抵抗はなかった。
■セルフィア > この国の闇の深さを鑑みるならば、彼に手折られるのはかなり幸運な部類だろう。
そうなる未来もあるのだろうが、それは少女と彼の巡り合わせ次第。
一天地六の賽の目を振り、運が良ければ、といったところだろう。
「んー、そんなにお勉強に夢中って訳でもなさそうですねー。
効率よくサボろうとする人とか、お金で評価を買う人とかいますし。
私はお勉強嫌いじゃないので、素直にお勉強する良い子な訳ですが」
色恋沙汰には非常に疎く、好意を寄せられても気付かない。
鈍感の極みな少女は、恐らくこれ迄のナンパなども、気付かずに毒気を抜いてきたのだろう。
或いは、話が通じなくて相手が諦めたとか、そういう事もあったかもしれない。
つまり、ポンコツであるがゆえの鉄壁の守り――それこそが少女の、無自覚で最大の防御なのだろう。
「んー、優しいんですかね?会いたい人と会って、話したい人と話す。
わりかし普通なことかなーとか思ってたのですけれど……どうなのでしょう?」
少女にとっての普通は、当然周りにとっての普通とは合致しきらない。
もしかしたら、今の時勢には合わない、開けた考え方なのかもしれない。
とは言え、少女としてはそんな自分を曲げる気はないし、誰かに強いるつもりもない。
ただ、少女の中でかくあるべしと定まっている、というだけのことで。
「ん、ブレイドさんですか。私はセルフィアと申します。
ふふ、これでお名前も知りましたから、どこかで出会った時に呼べますねー?」
彼の名を唱えながら、にへら、と笑う少女は、心底嬉しそうな雰囲気で。
そうして話に花を咲かせていたならば、ごぉん、と鐘楼の鐘がなる。
時を告げる音が、数回。街に響くそれが収まると、少女は紅茶をくいと飲み干して。
「っとと、もうこんな時間ですか。そろそろ学校に戻らねば、です。
――今度どこか出会った時に、無視したりしたらしょんぼりしちゃいますからね?」
残念ながら、もうそろそろタイムリミット。
それ故、少女は席を立つと、彼に冗談めかした別れの挨拶を。
その答えを聞いたなら、意気揚々とした足取りで、少女は街に消えていく。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 大通りのカフェ」からセルフィアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 大通りのカフェ」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にカーレルさんが現れました。
■カーレル > 自宅に戻り泥のように眠った後に目を覚ますとすっかり日はくれており、
目覚めの一服をとコートから煙草を取り出すと残りが心もとなく一服を済ませてから街に出ることにした
平民地区は既にすっかり夜も盛りといった時刻で昼間とはまた趣の異なる活気に満ちている
酒場からは盛り上がる声が漏れ聞こえてくるし、娼館の傍までくれば薄っすらと香水の香りが漂い
眼のやり場に困る娼婦たちがニッコリと男受けの良さそうな笑顔を浮かべていた
そんな中を煙草を求めて馴染みの雑貨屋に向かって歩いていく
曲がり角から飛び出してきた男にぶつかりそうになるのを寸前で交わし、
その背中をなんだ?と見送っていると刃物片手に奇声を上げながら娼婦らしき女も飛び出してきて、
これまた寸前の所でぶつかりそうになるのを交わし辺りを歩いていた人々と何事であるかと眼を丸くし
2人の消えていった方へと視線を向けた
とまあ、トラブルはこれくらいなもんで
平民地区とは言え人々の営みが息づく場所であるからこれくらいのトラブルは日常茶飯事
自分も通りを行き交う人々も消えていった2人が見えなくなり、一歩か二歩も歩きだせば、
そんな事あったろうか?と忘れてしまうだろう
店じまいをする寸前の雑貨屋に滑り込み煙草を買えば追い出されるように雑貨屋を後にした
一先ず目的を達成した所で煙草を一本咥えれば、火をともして…真っ直ぐ帰るか、食事でもしていくか、
はたまた馴染みの娼婦の顔でも拝んでいくか…そんな事を考えつつ通りの隅を歩き出した
■カーレル > 街を行き交う人間に心做しか傭兵や騎士崩れのような連中が多い気がする
アスピダでは内乱勃発、その他にも他国の大規模な攻勢が噂されているのもさもありなんといった具合
傭兵も騎士崩れもこれから一稼ぎしてやるぜとか、仕える貴族をといった気迫が歩調に滲み出ている気がする
酒場や宿屋辺りはシェンヤンブームに続く、好景気なのかもしれない
逆に、騎士団や王国師団あたりが食料品や日用品を市井で買い漁るようなことになれば、
物資不足でそれらの値が上がって市民の日々の生活は困窮するやもしれない
どちらにせよ、困るのは市民なのであろう…また税金も上がりそうな気がする
かと言って自分できることは精々、日持ちのする食料品や日用品を買いだめて置くこと位なもんであろうけど
足を止め短くなった煙草を石畳の地面に落とすと踏みつけて火を消す
街の様子やそこを歩く顔ぶれに意識が向きすぎていたか、結局、この先、寄り道をするかどうするかが
頭から抜け落ちていた
腹が減っていると言えば減っているような気もするし、女を抱きたいようなそうでもないような気もしている
こういう時は一先ず、酒だな、と酔えもしない身でありながら、スパッと決めれば
傍に店を出していた立ち飲みの屋台で酒をジョッキ一杯注文すると、
他の客の邪魔にならぬよう隅の方でぐい、と盃を傾ける
起きてから何も口にしていなかったから、じわりと酒精が喉に染み込むような感覚があった
それでも、ちっとも酔うことは出来ないから面白くもなんとも無いのだけど
■カーレル > 喉を潤せば短く息をついて
ジョッキに入った酒を残らず飲み干せば今夜の予定を決めたようで
街行く人々の雑踏の中に姿を消すのであった
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からカーレルさんが去りました。