2020/05/03 のログ
■影時 > 「居ねェ、か。……まぁ是非もないわな」
請けるとすれば、それこそ命知らずの物好きの類だろう。
誰だって生命が惜しい。生死を賭ける程スリルに酔うものは大概長生きしない。
少なからず腕に覚えがあるだろう者たちの反応の渋さは、「だよなァ」という仕草で肩を竦める。
予想通りだ。そういうものに限って、大概お鉢が回ってくるのである。
「此れと、後ついでに此れも処理しておいてくれ。遣る奴居ねェんだろ?」
もう一つ、目に着いた依頼の張り紙を引き剥がし、カウンターに持ってゆこう。
一先ず請けるだけ請けておかねば、事を為した後に報酬が入らない。
依頼内容を改めて確かめ、必要な条件を整えて事を為す。
難易度に関係なく、冒険者が為すことに変わりはない。今の生業に手を染める前からも変わりはない。
取り敢えず、直ぐに行動を移せる類のものについては、今からでも片しに行くのが丁度良いだろう。
徒党を組まず、単独で事を成しているからこその身軽さだ。
人手を欲するのみであれば、どうにかする方法は幾らでもある。
多少重くなった懐の資金で取り敢えずの装備を整え、『仕事』に赴こう――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」から影時さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にイルルゥさんが現れました。
■イルルゥ > 【お約束】
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にアレフさんが現れました。
■イルルゥ > 「………」
のんびりと、賑わう通りに一人、佇むフード姿の少女。
今日はとある少年と、装備を新調する約束をしているため、待ち合わせをしているのだ。。
この辺りは冒険者ギルドの周辺と言うこともあり、それらをターゲットに安価なものから高価なものまで装備品や道具を販売している店が多い。
依頼料などから…現在の少年のお財布事情をぼんやりと考えつつ。
どの店がいいかな、などと相変わらず俯き気味に思案している
■アレフ > とっとっとっと、。軽快な足音が街路に響いて、少年が息せき切って現れた。
「いるるぅさーん!」
まだ、姿が見えたところで。ぶんぶんぶんぶん、少年は少女を見かけて手を振った。
背に負った剣と盾がもう、ガッチャガッチャいってて、ヤカマシイ。
今日は装備の新調だ。
だから一応、古いものも持ってきた。
比べないといけないし、下取りだって、してもらえるかもしれないし。
「…待った?ごめんねっ」
そう、少年は上目に少女を見つめて問うて…。
■イルルゥ > ぴく、と少年の足音に、フードの内で虎耳が揺れる。
緩やかに手を振り返してから、くすりと笑い声を上げて。
「ううん。私もついさっき、来たところ
今日は、剣と盾でいいかな…?、鎧は…まだ重そうだし」
少年の筋力を考えると、少なくとも金属鎧は時期尚早だろう。
行こうか、とまずは剣を扱う武器屋さんの方へと向かっていく。
選んだのは…安い品から少し手が出にくい中堅どころまで揃っている武器屋。
お手伝いらしき店員と、店の奥からは鍛造している音が聞こえる。
■アレフ > 鎧、と聞かれて。少年はそれはもう、ぶんぶんと首を振った。
「い、いいですっ!今はいいですっ!」
無駄になっちゃうから、と妙に力を入れて少年はいう。
どうやら筋力とか、そういうコトではないらしい。
…育ち盛りの身体に鎧なんて作ったら、すぐムダになる、と言いたいらしいのだ。
今でこそこんなチビだけど。今にもっと大きくたくましくなってやる!どうやら、そんなコンプレックスの裏返し…。
ふんす、と鼻息荒く少年は、案内されるままに武具の店へと。
「う、わぁ…」
眼をキラキラとさせて少年は、店に入る前にもう、表に向けて飾られた、いくつもの刀剣にもう、夢中…。
■イルルゥ > 「?、うん…」
コンプレックスまでは深読みできず、少し首を傾げるも。
先導して、武具の店へと。
あくまで、この辺りの冒険者たちのニーズに合わせただけであるため…
魔剣や宝剣などは流石に売ってはいないが。
鋼の質によって値段が違っており。
使い捨てともいえる量産品から、良い鋼を使った短剣、長剣まで。
「ん……、えっと…確か…」
少女も、徒手が主な攻撃手段だ。
刀剣に詳しいというわけでもなく。
いらっしゃーい、などと店番の気軽な声を受けながら、冒険者仲間に聞いた情報を元に…
「これとか、どう…?長さも丁度いい、かな?」
がちゃ、とラックから引き抜くのは、グレードとしては中程度の剣。
長剣としては短めで、少年でも扱えそうで値段もどちらかというと手ごろ寄りの剣だ。
ただ、やはり現実的なセレクトであり、少年の憧れなどは加味されていないけれど。
■アレフ > やはり、オトコノコというものは、武器とかそういうものが大好きなのである。
少年が、きらっきらと瞳輝かせてみていたのは…。
いわゆる、グレートソードとか。バトルアックスとか。
もう、筋肉ムキムキのマッチョなバーバリアンあたりが、ぶんぶん振り回してそうな武器ばかり。
…間違いなく、憧れはそのあたりか。人間、自分にないものが欲しいのか。
もう、そういうところがありありとわかる始末。
けれど、少年もまた、おバカではないので。
少女に声をかけられれば、はーい、と声をあげて移動する。
「…これ、ちょっと振ってみていいですか?」
そう、店の者に声をかけると。裏庭、使うといいと答えられて。少年は少女と共に裏庭に。
武具の材料や、炉もそちらにあるのだろう。熱気が伝わるその庭で、少年は勧められた剣を振りかぶり、振り下ろしと、身体に合うかを試すよう…。
■イルルゥ > もしそういった…大きな武器を扱えるようになれば。
ゴブリンや大抵の魔物は薙ぎ払えそうだけれど。
今はまだ、少女が選んだ剣くらいが言動だろう。
素直についてきてくれる少年にほっとしつつ。
「ん。……どう…?」
店員に案内されて、武器の試し振りができる場所へと。
少女の眼から見ると、振り方に問題は無さそうだ。
しかし…やはり、少年の手になじみやすいかが問題だ。
使い手に合わなければ、どんな剣も意味がない。
だからこそ、少女は自分の眼ではなく、剣を振るった少年の感覚を尋ねて。
■アレフ > 「…もうちょっと重くても、いいかもしれないですねぇ」
武器が重ければ、それはそのまま威力になる。
特に、技量などに関わらず叩きつけるような武器ならば。
少年は、見かけによらずしっかりと技量を積んでいるけれど。
それでも、無理はないことを自分で確認して、少年はその剣を一度保留にしておいて、今度はとことこ、自分で剣を探しに出た。
長さは、あまり変わらぬもので。
もっとしっかりとした鋼を使っていて。
多少お値段は張ってもいいから。
なんて、店員さんと話している姿は、けっこう一人前の冒険者している、かもしれない。
そして…。
「よぉし♪」
幾振りか支度した剣。
それを、いよいよ試すぞと腕まくり…。
■イルルゥ > 「ふふ……」
自分で、自分の力量をしっかりと把握している少年の姿は素直にすごいと思う。
無茶な武器を買って、依頼に失敗した冒険者もよく居るから。
緩い雰囲気の店員は、ふむ、ふむ、と話を聞いて。
できるだけ少年の意向に沿う剣を持ってくる。
冒険者も様々であるから、バリエーションはそこそこにある。
「あ。…アレフ君は…盾も持つから、そこも気を付けて」
剣だけで戦うわけではないことを知っているからこそ。
盾の重量も加味するようにと一言添えて。
また少年の感想を纏う。
■アレフ > 「はーぃ」
少年の返事はいつだって素直だ。
盾だって、もしかしたら重くなるかもしれない。
鎧を変えない以上、盾を大きくすることは選択肢の一つ。
そうすれば、間違いなく重量は増すのだから。
ふんふん、なんて言いながら。
少年は今持っている盾と合わせて、これを貯めそう、あれを貯めそうと、それはそれは熱心だ。
やがて…少年が選び出したのは。
今のものよりちょっとだけ長く、ちょっとだけ重くなった、一振りの剣。
材質も、よい鋼が使われている。
切れ味もしっかりと増した。
馴染みの剣は、おじーちゃんが送ってくれたものだけれど…愛着はちょっとガマンして、安くても下取りにだすことにした。
…ちょっと、お値段が張ったのだ。
■イルルゥ > どうやら、気に入ったものが見つかったようだ。
少女が見る限りでも粗悪品ではなく、鋼の輝きは切れ味を湛えているようで頼もしい。
ただ、それ以外に気になるのは…
「…アレフ君、その剣…」
新たな剣を買おうとして、下取りに出そうとする少年がもともと持っていた剣だ。
少し寂しそうな、迷うような少年の表情を見て。
普通、馴染みがあるとはいえ思い入れが無い武器にはそんな顔はしないだろうと。
「…すみません。下取りは、無しで。私が差額を支払います」
とん、と軽く。
下取りに出そうとする少年の手を押しとどめて。
少しだけ口元を笑みの形に。
こう見えて、少年よりは様々な依頼で稼いでいるし、これくらいは問題ない。
――大事なモノなんでしょ
そう言って、ささ、と自分の皮袋から硬貨を出して差額を支払っていく。
■アレフ > 「え、あの、その…っ!」
だ、だだだ、だいじょうぶですよイルルゥさんっ、なんて言葉はきっと、聞き入れてもらえない。
こういう時の少女は、きちんとおねーさんなのだ。
あうあう、と少年がおたおたしている間に、お支払いはきちんと済まされてしまった。
「…あの、ちゃんと蓄えはあって…」
けど、宿のお金とか。防具のこととか。考えないといけなかったから、下取りに出そうと思っただけで…。
なんて、もじもじと言いかけていた少年だったのだけれど。
手放さずに済んだその剣を見て。
なんとも嬉しそうに、ふわぁ、と少年は微笑んだ。
そして…。
「…ありがとうっ!!」
それはそれは嬉しそうに笑うと。
店員さんの前だというのに、むぎゅぅぅぅぅ、と感謝のハグを熱烈にして、フードの奥にちゅ、とキスまで捧げてしまう。
これはもう、相当に嬉しかったものらしい。
■イルルゥ > 店としてはどのような形であろうと値段分が回収できればそれでいい。
少女の出した硬貨を受け取り、店員はありがとうございますー、と
「わかってるよ。アレフ君は、しっかりしてるもんね」
蓄えをしていないとは思っていない。
けれどこれは、ちょっとしたプレゼントだ。
これから、順当に育てば。
少年は強く…恐らく自分よりも強くなって。
もっといい装備も自分で買えるようになるのは想像できる。
その手助けを、少しでもしたいと思ったのだ。
喜んでくれるところまでは予想通りだったのだけれど。
「っ、もう…、だめだよ、アレフ君。…次は、盾、選ぼ」
いくら何でも、ここで発情を誘われるのは色々と不味い。
少しだけびく、と身体を震わせてから、少年を慌てて引き離しつつ。
ただ、嫌と言うわけではなく、世間体を気にしての事。
フードの内を真っ赤に染めながら、次は武器屋の隣にある防具のお店へと向かおう。
■アレフ > 「…ごめんなさい」
ありありと、少年はしゅん、としおたれた。
叱られた、と思ったものか。
スキンシップを拒まれた、と思ったものか。
けれど、そうしていてはまた、少女に心配と気遣いをさせると思ったか、空元気を出すかのように少年は、いそいそと手にしたばかりの剣を左の腰に。
そして…防具の店へと向かう前。
ふたつの店の前でふと、少年は脚を停めた。
なにやら、ごそごそとし始める。
見れば、盾の位置やら剣の位置やら、何やらいじり始めたのだ…。
■イルルゥ > 「あぅ。……その、ここでは、ね?嬉しいのは、嬉しいから…」
落ち込む姿に…またあわあわと少し慌ててフォローを入れる。
明らかに空元気であることが分かったから。
そうして、何かごそごそとし始めた少年と共に、中途半端な位置で止まり。
「?、どうしたの?何か、あった…?」
不思議そうな声で、少年の様子を見よう。
■アレフ > 「…うん。また、あとでね♪」
そう、はにかんで囁いた後。
少年はやはり、ああでもない、こうでもないと、何やら武具を調えている様子。
そして…ようやく納得がいったのだろう。にぱー、と表情が明るくなった。
見れば…右にこれまでの剣を提げて。左に新しい剣を提げている。
そして左腕の盾は…腕へと止めていた留め具を少し、調え直して。
そして、少年は少女へと、えへへ、と言いつつ両腕を広げてみせた。
「…わかります?」
どうかなあ、なんて聞くのだけれど。
普段素手で闘う少女がピンとこないかもしれない。
■イルルゥ > 「ぅ……」
また軽率に、少年を刺激してしまったかもしれないと。
少しだけ後悔するも、それはそれで…少女もやはり、嫌と言うわけでもなく。
何事か、ごそごそと装備を整えるのを見ていて。
「…?、アレフ君、ええと…予備、とかそういうこと?」
使っても、投げナイフくらいの少女としてはやはりピンとは来ない。
もし武器が奪われたりなどした際の備えだろうか、と予想するけれど。
■アレフ > 「えへへー♪」
少年は、微笑んでからこんなことをしてみせた。
もちろん、周囲に人がいないことを確かめて。
まずは、剣と盾。そういう構えだ。
そして、軽く左の腕を振るい、盾を取り落として…そして。左腕でこれまでの剣をすらりと抜く。
「この盾は、もともとおじーちゃんが、すぐに外せるようにって、調えてくれたんです」
まだまだ幼い孫は、もしかしたら両手で剣を握ることになるかもしれない。そんな、状況に応じて使えるように。
けれど、おじーちゃんの心配を超えて成長して、むしろ…二刀流の選択肢があると、少年は思いついたのだ。
「うん…。これ、いいかもです」
なんて。
さすがに振り回せはしないけれど、手にした感触は悪くないと微笑んで。
■イルルゥ > 「…なる、ほど…」
こく、と頷く。
けれどすぐには賛成しにくい。
剣を2本振るというのは難しいと昔に聞いたことがあるから。
「ん。……じゃあ、それを振り回せるように、頑張らないとね」
けれどこの少年なら…すぐにできるようになる。
そんな気がして、優しく微笑む。
何せ、パーティを組んでいるのだから…少女が、少年が二刀流に慣れるまではフォローすればいいのだ。
盾を持たない躱し方なら、自分もある程度は教えられる、と。
柔らかに、そのほほえましい光景を見ていて。
■アレフ > 「もともとね、左腕でも剣を振れるようにって、おじーちゃんが言ってたから」
それは練習してるんです、と少年は告げる。装備をもとに戻しつつ、少年は接近戦は盾代わりにもできるけど、矢は防ぎにくいなあ、とか。
もういろいろと考えているらしい。
そして、ふと眼を上げると、にこやかにこちらを見ている視線に気づいて。えへへー、と少年は照れ笑い。
「ええと…そしたら…」
次は防具の店だけれど…。と、言いかけて。少年はじー、と今の盾を見る。
小さくて、ちょっと頼りなくなったと感じたけれど。
二刀を使うことを考えに入れたら、もう少しこれで慣れておいた方がいいかもしれない。
なんてことを、どうやら考え始めたらしい。そして…。
「イルルゥさん。あの…」
防具を新調する前に。
この装備のまま、難しくない依頼に挑んでみるのはどうだろうか、と。少年は少女に問いかけた。
■イルルゥ > 「そっか…。色々教えてもらってるね…」
そのおじいさんは冒険者か、傭兵か。
そういった戦いに身を置く人だったのだろうとぼんやり考えながら。
最初に知識があるというのは、良いことだ。
装備だけ豪華絢爛でも、知識や経験がなければ宝の持ち腐れだから。
「?…、うん。いいよ。それじゃあ…簡単な討伐依頼でも受けてみようか」
少年の提案には…こく、と頷いた。
結局は、少年の希望次第なのだ。
少年が今の装備に慣れたいのなら、少女に否は無く。
「じゃあ、ギルドに行って…丁度良いのがあるか、見てみよう」
そこでくるりと方向転換。
最早家のように感じられる冒険者ギルドへと向かっていこうと。
■アレフ > 「はーぃ」
そして少年はやっぱり素直なのだった。
とことこと、少女に喜んでついてゆく。
簡単な討伐依頼…。また、スライムかなあ、なんて少年は考えていた。
なんといっても、まだまだ初心者冒険者。討伐依頼なんて、スライムしか受けたことはない。
そしてスライムならもう、慣れているし。
少女がフォローしてくれるなら、なんの問題もないだろうと、軽い気持ちでいたのだけれど。
まさか、少女があんな依頼を受けようなんて言い出すとは、さすがの少年も予想外…。
■イルルゥ > ギルドにたどり着けば。
早速依頼掲示板へと進んでいき。
んー、と悩んで依頼を探す。
二人であることはプラスだが、少年は慣れないことをしようとしている。
となると、危険度が高いものは受けられない。
ただ…スライム、となると少年も慣れているだろうし、ゴブリンなどと戦った今では…少年の経験にならないかもしれない。
「これとか、どうかな。身を躱す訓練にも、なると思うけど…」
ぴら、と取ったのは。
オークと呼ばれる豚獣人の討伐だ。
しかし、群れと言うわけではなく…街道近くに出てきた群れはぐれを狩る依頼。
棍棒を扱う程度の知能はあり、タフではあるが。
動きは遅く、少女も近くに居ればこれもまたフォローできる範囲だと判断して。
少年にその依頼書を見せ、反応を見ていて。
■アレフ > 「おおーっ!」
少女に見せられたその依頼に、少年はそれもう、明らかに興奮した。
オークというと、少年の住んでいた村でも時折、被害が出た。
ゴブリンなどよりよほどに厄介で、そうなると被害も深刻だ。
村の娘も隠さなければならないと、それこそ大騒ぎだったものだ。
「や、やりましょう!」
オークを倒せたら、立派な冒険者と名乗っていい気がする!
おじーちゃんおばーちゃんに、報告の手紙くらい書ける気がする、と。
少年はどんぐりまなこを、きらっきらと輝かせて頷いた!
■イルルゥ > 「…注意事項は、前と同じ、ね?私から離れないように。」
どんどん経験を積んでいるとはいえ、討伐依頼に油断は禁物。
いつでもフォローできるようにしてほしいと。
「後は、中型から大型の魔物との戦い方も、知っておいた方がいいから」
これは、経験の問題。
知っているのと知らないのでは、大きな差がある。
小型ばかり相手にしていると…少年が目標としている立派な冒険者には遠いだろうという判断だ。
「どう、する?また一日準備の時間を取ってもいいけど…」
はぐれは街道近くの森で目撃されているようだ。
そこを根城に、活動しているのだろう。
そのまま放置すると、付近の村などが危険に晒される可能性もあると記載されているが。
しかし、自分たちの身も大事だ。
■アレフ > はぐれが、村を襲う。
そんなことを言われたら、少年はうずうずと逸ってしまうことだろう。
けれど、準備だってやっぱり大事なのだ。
うぅ~、と少年は依頼書を見ながら唸っているけれど。
ようやく、落ち着くことができたらしく。
少しばかりしおたれて、準備、しましょう、と告げたのだった。
二刀を下げた今の装備に合わせて、革のベルトや装具の具合だって調節しないといけないし。
腰のポーチやバックパックの位置だって改めておかないと、いざという時に必要な道具を取り出せない。
何かを変える時というのは、大事な時なのだと、少年はまたおじーちゃんの言葉を思い出して。
何かをガマンするかのように、一日だけ、準備しましょう、とそう告げて。
■イルルゥ > これも、一種の見極めではあった。
少年が、こういった時にどう反応するか。
それを確かめるための言葉だったけれど。
逸りすぎることなく、自分の状況をしっかり考えられている少年に、一つ頷いて。
「じゃあ、しっかり準備して出発、だね。
薬はできるだけ持って行った方がいいよ。何があるかわからないから」
優しい声でそう言って。
ほんの少し。短い時間ではあるけれど…ぽふ、と少年の頭に手を置いて撫でるようにし。
「…今日は食堂でご飯を食べて、解散にしようか。
またいっぱい食べて、体を元気にしておかないとね」
くすり。
笑みを見せて…食事をとることで、英気を養っていこう。
■アレフ > 「はーぃ」
と、また素直に少年は頷く。
回復魔法も使えるけれど、他で代用が効く物があるなら、そしてそれが用意できるなら用意するに越したことはない。
そんなことを考えていると。
ぐぎゅるるるぅぅぅ~、と。
それはそれは盛大に少年の腹の虫が鳴いた。
ほっぺを真っ赤にしつつも少年は、そのまま少女と、ギルドの食堂へと。
出逢った時の油焼き、あれが食べたい、なんて。
育ち盛りの旺盛な食欲を発揮したに違いない。
…だって、大きくたくましく、少年はムキムキマッチョになりたいのだから…!
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からイルルゥさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアレフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にキュリオさんが現れました。
■キュリオ > 市井の調査は非常に重要な仕事の一つだ。
納めるべき税を隠している可能性等幾らでもあるのだから、叩けるだけ叩くのが正しいに決まっている。
態度が良ければ目溢しするのも吝かではない――そんな態度を明け透けにして、今日訪れたのはとある大衆食堂だった。
混んでいる時間帯等、不快なだけなので僅かに時間をずらしてやってきたその店は、まだ歳若い夫婦が切り盛りする穏やかな雰囲気の店だった。
しかし今、そんな店の雰囲気は、微塵も存在していない。
いつも歓談交じりに美味でお手軽価格な食事を楽しむ席に今座るのは、でっぷりと太った貴族の男。
是非ご賞味を、と出された食事の数々には一切手を付けず、目下の所確認しているのは、店主の妻の味だった。
「残念だが、この食事は高貴な儂の舌には合いそうにない。
食事で楽しませられぬなら税を更に納めて貢献せよ、と言いたいところだが。
……まぁそこは儂の気分次第だなぁ。」
ちらと視線を下肢へと落とせば、そこには服を脱ぎ、男の股間に顔を埋める、店主の妻の姿が。
カウンターでは店主が青褪めた顔を伏せ、何も答えられずにその体を震わせている。
その様相と、中々に器量の良い若妻の奉仕に気を良くし、くははっ、と笑うと酒に手を伸ばし喉を湿らせ。
「まぁ酒は我慢できるレベルだがな!
んん?どうした。もそっと熱心にしゃぶれ。
音が良く聞こえるようになぁ。客を歓待する気が無いのか?んん?」
更なる奉仕を命じる声は、実に実に、傲慢だった。
■キュリオ > 薬でも盛られているのか、妻の様子は明らかに可笑しい。
酩酊した様に目を蕩かせ、口でペニスを頬張る事に幸せを感じているかのようで。
ふぅ♥ ふぅ♥ と陰毛に埋めた鼻を鳴らし雄の匂いを堪能しながら、声に応える様にじゅっぽじゅっぱと下品な音を立ててのご奉仕。
奉仕に夢中になっている妻の尻からは酒瓶が生え、それを支える様にメイドが背後に。
ごぷ、ごぷん、と酒精の強いそれが腸内へと注がれる度、甘さ孕む呻き声が漏れていた。
「くははっ。安酒もそうして飲めば美味かろう。
儂のアイディアに感謝すると良いぞ…!」
薬で判断力が鈍っているのか、はたまた生来の性質なのか。
若妻はされるがままに酒を尻から注がれ、ペニスにむしゃぶりついている。
外からはその光景は見えぬ訳で、新たに訪れる客は、さて。どんな反応をするのやら。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にミコトさんが現れました。
■キュリオ > こうして今日も、貴族の悪辣な日々が過ぎて行くのだった―――
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からキュリオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からミコトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨店」にピングさんが現れました。
■ピング > 少しばかり昼の日差しが力を増してきた今日この頃。
じりじりと地面から照り返す熱を緩和させるべく、建屋の前の道へと打ち水をする人がちらほらと。
この雑貨屋の店主もその一人。
柄杓で桶から水を掬い、軽く振るって道を濡らし、繰り返しその動作を続けていた。
その内に、
―――ぱしゃんっ、と。
偶然通りかかった人に柄杓の水を思いっきりかけてしまった。
視界の端に映った際に、あぁこりゃ女性だと思った瞬間に手が滑ってしまった訳ではないのである。
今、顔を上げて相手の姿を見れば、そこにはきっと素敵な濡れ鼠な光景が見れるはず、等とは決して思っていない。
あぁこりゃすまない!と大げさな程に吃驚した様相で謝罪を向け、濡らしてしまった相手のお姿を、顔を上げてご確認。
知り合いか、はたまた見知らぬ人であるかは、さて。
■ピング > 濡れたままじゃあ申し訳ないと、濡らしてしまった相手を店の中へと引っ張り込む。
服が乾くまでの時間、暫くしてから店の中より甘い声が時折漏れ聞こえて来た。
どうやら”良い思い”をすることに成功したらしい店主の日常は、今日も今日とていつも通りなのであった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨店」からピングさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にスミデーさんが現れました。
■スミデー > (安い、量が多い、味はそこそこ、が売りの酒場。
このうたい文句は酒場と言うより食堂ではないんだろうかと、首をひねりつつもうたい文句どうりに安く、量は多め、味はそこそこなツマミを肴に弱めの酒を飲んでいて。
薄汚れた旅装に少し嫌そうな顔をされたものの、そこはチップを弾むことで許して貰い、カウンターの端っこに陣取っている)
「んー、本当に安くて多くて味はなかなか美味いな。
これなら流行るのも分かる気がする……結構な賑わいだし、なんていうか肉体労働者って感じのが多いし。
ただ、これなら本当に昼間に食堂やった方が儲かりそうな気がするんだけどな……まぁ、酒場っていうところに拘りがあるんだろうな、きっと」
(酒もそんなに高い訳ではないものの、味は良く、この酒が出て料理が中の上くらい、値段設定が低くボリュームがある。
流行るのも分かるなぁ、と思いつつもやはりこれは食堂ではないんだろうかと。
店主に何か拘りがあるから酒場、を名乗っているのだろうけれど)
■スミデー > (焼き鳥、餃子、山芋の鉄板焼き、鶏の唐揚、フライドポテト、そしてエール。
アツアツの肴をあてに良く冷えたエールを味わい、次に頼んだのは枝豆と野菜サラダ。
一人前でも結構なボリュームのあるそれらを食べ、酒を飲み、それでも酔った様子もなく平然と味わっていて)
「肉類ばっかりじゃなくてきちんと野菜も食べるようにって師匠も言ってたしな、ちゃんと野菜も食べないと……お、このドレッシングなかなか美味いな。
野菜なのに食が進むというか、幾らでも食べられそうだ。
こっちの餃子って言うのも中身が一個ずつで微妙に違うのか、店主の工夫が分かるってもんだな」
(見た目は変わらないのに食べることで分かる中身の違い、こっちは豚肉、こっちは魚、これはなんだろうかとじっくり味わい、鶏かな?と結論づけて。
メニューを見るも中身についての記載はなく、多分鳥だったんだろうと納得することにする)