2020/04/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨店」にピングさんが現れました。
ピング > 相変わらず閑古鳥の無く某所にある雑貨屋。
時折思い出したように罠めいた品揃えを致す日が、本日。

「試供品」とタグをつけた一欠片ずつの小さなチョコと温かなお茶を保温瓶に詰め込みカウンターの上に設置。
次いで、貼り紙を店内にある男女共用の方のトイレの扉へ取り貼り付ける。

「故障中の為使用できません」の文字と共にノブには針金を巻き付ける徹底っぷり。
試供品は媚薬と利尿剤の入ったチョコとお茶――つまりは碌でもない準備は万端に。
最後の仕上げとばかりに、トイレに行く場合は一択となる一室――男用、とでかでかと表示されている――へと足を踏み入れ。

その室内には便器の類は無く、壁の下の床に沿って排水用の溝が掘ってあるという簡素極まるトイレ風景。
しかも男子のみを想定している為か、仕切りの類は一切なく、並んで致せば隣の排泄事情が丸見えの状態だった。
芳香剤の代わりとでも言うように、たっぷりと焚かれた甘ったるい匂いのするお香は思考を緩くさせる効果を持つという念の入りようで。

ピング >  
・客が来る
・試供品を食べて催す
・一つしかないトイレに入る
・媚薬で悶々としながら仕方なく立ちション(※願望)
・満を持してオイラの登場!
・連れション アンド 流れでしっぽり

と言う、自分としては完璧なプランを立てて実行しているつもり。
そもそも試供品に手を出さない可能性もあるし、逃げられる可能性だって非常に高い。
けれども期待するのはタダだし、何よりこういった馬鹿な悪巧みは準備段階だって楽しいのだ。

一人満足そうに頷くと、カウンターへと戻り常の如く店番を。
啜る茶は、当たり前だが媚薬入りでは無く普通のお茶だ。

ピング > こうして今日も暇な店の一日が過ぎて行くのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/雑貨店」からピングさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 噴水広場」にアルヴィンさんが現れました。
アルヴィン > 宵の口と、そう言ってよいこの広場には、まだまだ人手が絶えていない。
騎士もまた、愛馬の口をとり、市に向かう途次にて広場へと至ったところであった。

この騎士は、あまり強くもないくせに酒が好き、というところがある。
春闌けて、どうにも気がそぞろと、そいう宵もまた、あるものだ。

そのような心持に任せたままに、騎士はぶらりと宵の口の散歩に出た、という風情。
かっぽ、かっぽと、長閑な蹄の愛馬従え、騎士は広場の噴水へと、誘われるように視線を馳せた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 噴水広場」にメグさんが現れました。
メグ > 「こんな遅い時間に出歩くのは少し勇気が要るのですよね」

履き慣れない、と言うほど履いてないわけではないが、普段使いしないハイヒールで石畳をこつこつと鳴らしつつ少女は歩を進める。今日は珍しく手荷物はなく、いや、ごく小さいファッションハンドバッグだけは一応小脇に抱えている。
見たことのある姿に気づくと背後に近寄る。別に気配を消す能力があるわけでもないし、そもそも前述の台詞を吐きながらなので、彼にはすぐ気づかれる事だろう。

「ごきげんよう、騎士様。お迎えに来て下さるものだと思ってましたのに」

くす、と、桃色の口紅が塗られた唇から笑うような呼気を零した。スカートの片端をつまんで小さく会釈を。

アルヴィン > 「…あ」

広場の噴水を、見るともなく眺めていた騎士は、珍しくその背へと届けられた言葉にそんなマヌケな声を上げた。

気づかなかったのだ。
愛馬の方は、とっくに気づいて、少女へと、フンフンと鼻を鳴らしつつ鼻面を寄せていたというのに。

「…すまぬ。つい、考え事を…」

故国にも、このような噴水があったな、と。つい、そんな想念が騎士の胸に過っていたのだ。
そして、そう、声をかけて振り向いて。
騎士はぱちくりと瞳瞬かせたのだった。

「これは…また」

随分と、印象が違う。
おめかし、とはこういうことを言うのだろうと、むしろ騎士は純粋に感心したほどだ。

そして…まじまじと我が身を見下ろせば…そこにあるのは、無粋なること極まりない、常の軍装…それも実用一辺倒の革鎧、ではないか。

困ったように騎士は、そんな己にぽりぽりと口許を掻いたのだった…。

メグ > 「ゼフィ、あなたもごきげんよう。今日は怒らないで乗せて下さいますか?」

片手を彼の愛馬の横面に寄せながら、屈託なくにっこり微笑んだ。謝る言葉を耳にするとゆっくりと左右に首を振って、彼の愛馬を撫でながらも視線を向けた。

「お気になさらず。あっ、今日は生地は持ってきていませんからね。そも採寸もまだ―――― …ん?」

何だかこの前とは違う視線に気づくと、自分の足元から腰までくらいを見下ろして、ああ、と頷いて諸手を打った。
彼の苦笑を見遣ると、違う意味に取ったようだ。こちらも少々眉を寄せつつ、後ろ手に組み、目を細めた。

「馬子にも衣装、ですか?」

なんて、やや皮肉な一言を。肩を竦めて呟いた。

アルヴィン > ブルルル、と。軍馬はさも機嫌がよさそうに鼻を鳴らす。
いいだろう、仕方もない、などと。まるで少女の言葉がわかるかのよう。

そんな当意即妙の愛馬に比べて、主の方はやはり、朴念仁であったのだ。
まじまじと、少女の装いを見つめる不躾を働いた後、問われた言葉にそれはもう、ぶんぶんと首を振る。

「と、とんでもないぞ、メグナリ…ああ、メ、グ…殿」

これは、我が身の無粋をだな、などと。夜道と、そして万一に備えて、こうして身を固めてしまうのはもう、習い性なのだなどと。
騎士はやはり困ったように告げるのだった。

「と、ともあれ、だ。…このような時刻ではあるが…いかがしょう?」

本当に、ゼフィにお乗りになりたいか、と。
騎士は戸惑うようにそう、問うて。

メグ > 「嗚呼ゼフィ、私をそんな風に誉めて下さるのは貴方だけ。ええ、ええ、ありがとう、大好きよゼフィ」

少女の方はといえば馬の心は流石に分からない。彼の主に対する当てつけのような言葉を差し向けて、その首筋に頬を寄せた。片目を開けてちらと見遣ると、なんだかどぎまぎとしたその様子が見えてしまって、今度は屈託なく笑いを零した。

「はい、メグで結構です、アルヴィン様。冗談ですよ。
 夜に連れて歩く女がいつもの子供じみた無粋な恰好では、貴方の名誉に傷がつきましょう。目一杯背伸びしてみましたが、それだけの事ですので、貴方様はお気遣いなく」

と告げて、ゆるゆると首を振る。それが本心か否かは兎も角として。
提案を耳にすれば、一度、二度と頷いて、月影を照り返す唇をぐっと笑みの形に。おすまし気味に顎を上げながら。

「こんな時間でなければ、その後でディナーを奢って頂けないでしょう?」

まあ図々しい。
『もちろん、是です』と、さらに言葉を付け足した。

アルヴィン > 「…なんともな」

これほどに、己の無粋を思い知らされたのは久方ぶりだと騎士は、それはそれは大きく大きく吐息を零した。
そして、ようやくのことにその口の端に、柔い笑みを刷いたのだった。

「承った…。ならば…」

そう、告げると。騎士は、「ご無礼の段、ご容赦を」と。一言告げて、少女を抱き上げ、軍馬の鞍上へ、と…。
まだここは、街中だ。自らも共に跨ったとて、軍馬を駆けさせることは叶わない。
まずはその口をとり、ゆっくりと軍馬をいざない、進みゆくのは…街の出口たる、城門へと…。

「夜ならば夜とて…遠乗りにて赴きたいところは、いくつかあるのだ、メグ殿」

そう、のんびりと騎士は、肩越し馬上を仰ぎ見て、少女へと片眼を閉じる。
どうやら、装いこそ無粋極まりないものの、騎士は騎士にて、遠乗りの、あてくらいはきちんとつけているようで…。

メグ > 「とと、ありがとうございます。よしなに―――は、もういいですね、ふふふ」

すっとまるで抵抗なく彼の導きのまま身体を馬上へ。動き出すと、今度はバランスを崩すまいと、たてがみに指を絡ませながら、じっと進む方向を見つめる。
そもそも城門から外に出る事すらほとんど無い少女からすると、その進む先というのは一瞬、緊張がよぎった。

「なる、ほど……結構遠くでしょうか?お任せ致しますけれど、私……門の外はほとんど初めてで何も分からないかも…」

何だか失礼ながら似合わぬと感じてしまうウインクを眺める少女の顔は、ちょっとだけおっかなびっくりとして見える事だろう。
これ言葉通りで遠乗りのやつだったのか、と、普段から言葉遊びばかりしている少女は自らの悪い癖のせいで思い違いをする事となったようだ。

アルヴィン > 騎士はと言えば、これはもう、文字通りの遠乗りのつもりであったのだ。
であるから、少女のその姿には、見目の麗しさに驚くよりも、「そのお姿で遠乗りか」と…いかにも無粋者らしい驚きが先に立ったのだった。

「なに、ゼフィの脚なら瞬く間だ。…風に、おなりになりたいのであろう?」

そのご用命には、街の中では狭すぎると、それはそれは楽しそうに騎士は告げる。

さすがに、この時刻街の外へと向かう人の流れは多くない。そして、門の近くになどへと至れば、それこそ人の姿は多くない。

一度だけ、騎士は困ったようにと、もう一度馬上の少女を振り仰ぐ…。

「…もし、怖くあらせられるなら…」

今宵はそれこそ、食事だけといたそうか、と。騎士は真情、気遣って口にしてみるのだけれど。
この、好奇心のかたまりのような少女には、果たしてそれはどう響こう?

メグ > 「ならいでか。騎士ばかりが馬上の愉悦を知る時代は終わりを告げようとしています」

少女は或るいは、一般にいうところの女性らしい精神性であったらば、彼の後半の提案に頷いていたのかもしれないが。
もう一度外に出ると決まれば、仰る通りの好奇心の塊ぶりで、瞳を輝かせてぐっと拳を握るのであった。
そも、護衛つきで外に出られる機会などそうそうない。これは滅多にできない体験だろう。

「さあ参りましょうアルヴィン様、食欲は失せて参りました!冒険が胸を満たす頃合いです!」

現金な事であった。彼の足に片手を添えて、身体をしっかりと固定すると、いよいよ門の外にかかることに身構え、のどを一つ鳴らす。

アルヴィン > 「…お見事なお覚悟だ。ならば…」

風に、なっていただこう、と。騎士は楽し気に笑うのだ。
やがて、城門を二人と一頭とはくぐる。
それだけで、外の空気は街とは異なることを、少女は初めて知るのだろう。

空が、明るい。
街の中の方が、街の灯を受けて空は暗く沈んでしまう。
けれど、街の外の夜空は…明るいのだ。頭上、文字通りの満天の星。
その瞬きが、『降るような』と言われる所以は、こうして街を離れて夜空を見上げねばわかるまい。

そして初めて、騎士は鞍上の人となる。
まだ、疾駆させるには早かろう。
もう少し、街道を進まねばならぬ。
それでも、少女が先日揺られた緩歩ではない。並足から、速歩へと至る途上、この悍馬が最も逸る速度へと、騎士は次第に手綱を緩めてゆく…。

メグ > 「―――…わあ…!アルヴィン様、これは額のない剥き身の名画ですよ…!」

門をくぐり外へ、出た、瞬間。少女の瞳が照り返す輝きは満天の星空。やや潤み気味のまなこにたっぷりと降り注ぐ。

いつでも少女の空には、枠が存在した。それがないだけでこんなにも美しい天蓋となるとは。
しばし、感嘆を上げながら、上ばかりを見つめていたかと思うと、不意に今度は真横の貴方へと視線を向けた。
さっきまでのやや不安そうな面持ちはどこへやら、心は既に春の天体に溶け込んで舞い上がっている。

「アルヴィン様、素敵、ほら、素敵ですよ…!御覧になってますか!?
 建物が何にも無いし真っ暗!月明りがこんなに頼もしいだなんてご存じでしたか?」

少しずつ風音に遮られていく声を強めに張らせながら、城外を知る彼にとっては当然の事に真剣に驚いてみせた。頬は香気立つほどに桃色を漂わせている。

アルヴィン > 「そうか、剥き身の名画…か」

遍歴の、草臥の騎士にとってそれは、その夜の宿りとなる緑の天蓋…伸ばされた枝葉越しに見ることの多いものだ。
そして、満天のその星々は、春から夏であれば雨の無い一夜を保証する、安心をもたらすものである。
そして、秋から冬にかけては、雨と雪こそないものの、天が大地を容赦なく凍てつかせる、そういう夜の証でもある。

けれど…如何な無粋なこの騎士も、少女にそれは伝えなかった。

「月影が…青いということを、おれもな…こうして星々を頭上に戴いて眠る時に、初めて知った…」

月明かりを、騎士は古風に月影と言う。
やはり、まだまだこの国の言葉に慣れぬのだろうけれど。
それがむしろ、今この時この騎士ならでは風情となっていてくれれば、幸い…。

「さ、メグ殿…?」

軍馬の逸りに苦笑を漏らし、騎士は腕の中に緩く支える少女へと、短く問いかけを届けゆく。

「街道を外れたら…いよいよゼフィに走ることを許そうと思う。口を閉じて、しっかりとおれの腕を掴んでおられるがよい。何かおっしゃりたい時は、腕を叩いてくれるがいい。ゼフィが止まってから仰せあれ…?」

おわかりだろうか、と。そう騎士は少女に笑みと共に確かめる…。

メグ > 「星を頭上に………なんだか言葉にすればとても優雅な一時に聞こえますが、きっと、あまり……」

『歓迎出来ない時間なのでしょうね』とまでは、口にしなかった。彼の感情までは読み取る事が出来ない。人の気持ちを決めつけるような言葉を少女は好まない傾向にある。
自分なら、と言っておけばよかった。

彼からの示しを受けて素直に小さく頷くと、先ほど足に添えていた手を少し上げて今度は彼の右腕へ。
言葉を発しても聞こえないほどの疾走とは如何様なものなのだろう、想像もつかない少女は、そもそも声をあげられる自信が無かった。なんだか笑みなのか何なのかよく分からない複雑な表情を彼に向けながら、小さく、くいくいと頷くばかり。手のひらには力が篭もっているため、彼には身構えていることだけは伝わるだろうか。

アルヴィン > 「そう…固くなられるな。間違っても落としなどせぬさ。おれも…それに、ゼフィもな?」

当然だ、とばかりに。黒鹿毛の悍馬は小さく短く嘶いた。まったくこの馬は、人の言葉がわかるかのように、時折妙にひとくさい。

そして、騎士は愛馬の馬首を街道の外へと。
緑萌え始めた牧草地は、馬を走らせるには絶好の場所だ。その牧草地の果てに、こんもりと、そして黒々とあるのは森であろう。

「さあ、参ろうか…?」

そう、楽し気に騎士は告げる。
それが…少女が風になる合図…。

一気に、風景が走り去る。
耳元を、風がただただ鳴ってゆく。
自らが跨る悍馬の全身から、走るために生まれてきた生き物が、その全霊を挙げて走る歓喜に打ち震えるのが、伝わろう…。

西風の名は、伊達ではない。
悍馬はまさに、風となる…。

アルヴィン > 【継続中断】
ご案内:「王都マグメール 平民地区 噴水広場」からアルヴィンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 噴水広場」からメグさんが去りました。
ご案内:「「聖バルバロ騎士団 拠点前」 平民地区」にネメシスさんが現れました。
ネメシス > 聖バルバロ騎士団の拠点は王国内各地で設けられている。
街の中でも外でもそれは変わりがない。

街の中でも外でも、最低限立て籠れるような広い建物を中心に部隊が展開されているのが特徴である。

今はそんな建物の前で退屈そうにお茶を楽しんでいるネメシス。

果たして、今日はどのような人物が現れるだろうか?

団員達に連れてこられた哀れな犠牲者。
ネメシスの知り合い。
はては、騎士団に恨みを持つもの。
または義憤に駆られた正義の味方。

はてさて…。