2020/04/30 のログ
ご案内:「「聖バルバロ騎士団 拠点前」 平民地区」からネメシスさんが去りました。
ご案内:「薬屋のテント」にタン・フィールさんが現れました。
■タン・フィール > 少し風が強くなってきた春先の平民地区の一角、
住宅街と商店街をつなぐ路地に、ぽつんと開けた空き地が一つ。
すっかり工事で慣らされて草一本生えていない殺風景なそこに、一生懸命にテントを張る準備をする小さな影がひとつ。
このテントを普段の住まいとし、薬屋の店舗ともしている少年薬師が、
強風と格闘しながらなんとかテントの骨組みを仕上げ、
ペグを地面に打ち込み、ロープを張ろうとしていて…
「わわっ!っく、 ぅう~~~っ! このっ…!
あとちょっと、あとちょっと~~~っ!」
手付きそのものは不慣れではないが、いかんせん強風を布地が受け、手も疲労と冷風でかじかんでうまくいかない。
日頃は1分ですむ作業に10分かかってしまうペースに悪戦苦闘しながら、
テントが雨風をしのげる状態までもう一息…。
ひとまず、テントの形だけでもできあがったら、中で火をおこし、温かいものをこしらえて一休みしようと、
目前の安息のために小さな体を奮い立たせて、ぎりぎりとロープを引き、テントがもちあがっていく。
■タン・フィール > 「ふう、っふ… ふーっ…」
そうして、なんとかテントが、いつもの6畳間ほどの広さと形になるまで更に数十分。
ようやくテントが外界の強風にも冷気にもビクともしない、住まいとしての体裁が整ってくれば、
外に出していた荷物を順番にテントの中にひとまず押し込んで自分もテントの中に避難する。
「ふう、つかれたぁ…! ちゃんとしたお店にするのは、明日からでもいいかな… なんか、あったかいもの、飲もう!」
と、様々な薬品をしまい込んだ袋から、薬用だけでなく、調味料や飲料にもなる薬草や甘味料を選別して、
手際よくテントの中に焚き火と、暖かな明かりのランプを設置し、鍋に火をかけ、お湯とミルクを混ぜてそこに粉末を投入する。
その香りはテントの外へと、湯気と甘い香気をまとって流れていくだろう。
「んーーーっ、いい香り……ふふ、めいっぱい甘くして飲んじゃお。」
冷えた身体を温めて疲労を取り去らう、ココアに似た甘い香りのお茶。
それが煮えるのを楽しみにしながら、ひとまず売っション類やシーツ類を無造作に取り出し、敷き詰める。
遊牧民族の寝床かくつろぎ場のような、だらりと寝転んで甘味を貪り、温かい茶を飲める空間にしたてていく。
ご案内:「薬屋のテント」にジラさんが現れました。
■ジラ > 「ええと……ここかな」
買い物メモを片手に、空き地のテントを訪れたのは、メイドの扮装をした小さな少女。
『主人』から与えられた命令は、評判の薬屋に赴いておつかいをしてこいというものだった。
今回は随分と楽だなぁ……と思いながら、テントをのぞく。
「ごめんください…… あっ」
店主らしき少年と目が合えば、そのまま固まってしまう。
以前別の場所であった時、よく覚えていないが、何かとんでもないことになった気がする。
■タン・フィール > 「―――んぁ?…ぁ、いらっしゃいま、せっ…!」
一通りくつろいだことで、へとへとの体が癒やされ始めた頃に、
テントの天幕の開く気配と来客者の声に、なかば条件反射的に返事をして、出迎える。
「あれ?…ええと、キミは… じら! ジラだ。
まえに、洞窟で会った、よね?」
まじまじと相手の顔を見て、思い当たったように、ぱん!と手を叩いて。
その節は、彼女の主からの理不尽な要求とそれが引き起こしたやり取りで、随分な行為に及んだ記憶がうっすらと。
しかし、あっけらかんと今は薬屋の店主として相手を出迎えて。
「こんどは、お薬やさんに、おつかい?…ほしい薬があったら言ってね。
―――もし無かったら、この場でつくってあげるっ。」
■ジラ > 「あ、うん……ジラだよ。……」
スカートの前で手を硬く結んでうつむく。
覚えていてくれてうれしい、などとは流石に言えない。
相手がからっとした態度なもので逆に恥ずかしい。
「うん、そう、お使い。
このメモにあるものを買ってこいって言われて……」
見せられたメモにはさまざまな注文が記されている。
ごくふつうの傷薬や解毒剤と言ったものから、
惚れ薬、媚薬、利尿剤、人体縮小薬など珍妙なものまで並んでいる。
「……というか。きみが『評判の薬師』なんだ。弟子とかじゃなくて。
こんなに小さいのに」
見た目も振る舞いも幼い子どもといった彼をしげしげと眺める。
■タン・フィール > 「ふふ、はぁい♪ ええと、どれどれー… うん、これと、これ、これも在庫、ありますよー」
にこにこ微笑みながら、差し出されたメモを手に取って、
一つ二つと手際よく棚から取り出し、
自分よりもほんの一回り小さな客人の前の小テーブルに並べていく。
「ぅん、あの日、あの時の洞窟にも、お薬の材料をとりにいってたんだよ?
ふふー、もぉ、ジラのほうがちっちゃいのに、へんなの。」
ぽむ、ぽむ、と、肉体や精神年齢的には年上であろう相手の頭を撫でながら、
小さい扱いされればわずかに膨れつつ、お返しとばかりに小さい子扱いをして。
「それで…後半の、惚れ薬とか利尿剤とか、縮小薬なんていうのは…どんなコトにつかうの?
使いようによってはアブないお薬だから…ちゃあんと、使用用途を聞かないと、王都の法で売っちゃいけないことになっているの。」
と、もっともらしい事を言ってはみるが、この店にはそのような制約は課されてはいない。
ただ単に、ちょっぴりからかってみたくなった、方便の一種で反応を伺って。
■ジラ > 「え、全部用意あるんだ。すごいな……。あるの? ニーズ。
わ、わたしだって元はもっと背の高い美人だったんだよ」
驚きの品揃えの良さに目を丸くする。
頭をぽんぽんと撫でられればばつがわるそうに目を逸らすが、そう悪い気もしていないようだ。
「えっ……言わなきゃだめ?」
思わぬ質問に慌てた表情を見せる。
ここで売ってもらわないと務めが果たせない。それが何を意味するか考えるだけでも恐ろしい。
うんうん、と少しの間悩み……
「わ、わたしが飲む用、です……
誰かの前で飲んで、遊んでもらえ……、って……」
顔を真赤にし、ぎゅっとスカートの裾をつかんで、羞恥に耐えながら、律儀に答える。
■タン・フィール > 「あるよ~?…王都には、いろんなコトをして遊びたいってヒトが、たっくさんいるから…♪
―――ふふ、ほんとうに? 今のちっちゃくって、可愛らしい姿からはちょっと想像できないかも…♪」
視線をそらす様子に、すねるなすねるな、と言いたげに笑いつつ、
続いて律儀に、意地悪な質問に対して返答されれば、
幼い表情と目つきを、くすり、と妖しく緩めて微笑ませて
「―――へぇ、っふふ、そうなんじゃないかなって思ってたけど…やっぱり。
…それじゃあ、お題はまけといてあげるから…ボクと、あそぶ?
…そこにあるお薬も…まだ、見せたこと無いお薬も、イロイロ使って…いろーんな遊び、できるよ?」
と、いつぞやの洞窟の逢瀬を思い出させる言葉。
ふりふり、と、彼女が言いつけられた薬瓶を、釣り上げる餌のように相手の目線の前で左右に振りながら、
その相手を自分に、と誘って。
■ジラ > 「……う」
無邪気そうな彼の、妖艶な本性がちらりと覗いて、心臓が掴まれたような思いになる。
あまり考えたくないことだけれど、自分の『主人』のような相手に、惹かれてしまうのかもしれない。
「……え、でも…………。
そんな…………。
……わ、わかった。しよう、か」
ここで固辞しても、いつかは『主人』にそれを強要されるだろう。
誰とも知らぬ相手にやらされるぐらいなら、自分で選びたいだけで、
親しい仲とも言えない、年端も行かぬ男の子に、おもちゃにされたい……
なんてことでは、決してない、と自分に言い聞かせながら
彼の揺らす薬瓶を、食い入るように見つめる。
■タン・フィール > 「ふふ、うれしっ♪
―――それじゃあ、もしここから、ご主人さまのところにちゃんと戻れた時は…
いーっぱい、いろんなお薬もサービスでつけてあげるよ♪」
と、子どもながら商売人魂あふれるコメントで出迎えつつ、
店を貸切状態にするために、天幕の紐を縛り、表の看板を「仕込み中」に取り替える。
…なによりも気にすべき部分は「ちゃんと戻れたときは…」という部分なのだが。
少女の戻る道も逃げ場も塞いだ少年は、
察してか、あるいは天然か、お気に入りの玩具を手に入れたかのような、
興味津々な笑みを浮かべてゆっくりと少女の方に向き直り、
机の上の瓶を、どれからでもいいやとラベルを確かめもせずにランダムにつまんで、
ぽん、と開栓し、少女にの口内に向けて一滴、ゆっくりと垂らしていく。
「はい♪ それじゃあ最初は、てきとーに選んだお薬から…♪
あーんして、あーん♪…っふふ、どんな効果がでるかなぁ?
えっちになっちゃう?
おもらししたくなる?もっと、もーっと、ちぢんじゃう…? っふふ♪」
それは、お気に入りのおもちゃを手に入れて愛玩するような眼差しでも有り、
活発な子が裏庭で拾った虫や動植物に、適当な菓子を与えるような仕草でもある。