2019/09/15 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にクレス・ローベルクさんが現れました。
■クレス・ローベルク > 「もう、夕方か」
空を仰ぎながら、通りを歩く闘牛士服の男。
両手には、買い物袋を提げている。
今日は、休暇を使って平民地区に来ている。
とはいえ、遊びというよりは、仕事が中心だった。
「薬の調合に使う錬金術用の薬品とか、此処じゃないと揃わないんだよなあ」
ダイラスでも手に入るが、得体のしれない物や質の悪いものが混じっている事があって少し危ない。
だから、今日一日使って、ずっと買い込みをしていたのだ。
薬だけでなく、本や、ちょっとした道具も買ったので、両手の袋はかなり膨らんでいる。
「んー、流石に重いか。でもまあ、宿は直ぐそこだし」
そう言いつつ、男は歩いていく
■クレス・ローベルク > 「帰ったら何するかなあ……」
一旦荷物を降ろして食事にでも行こうか。
それとも、娼館だろうか……
顔見知りの所に行くのもいいかと考えを巡らせる。
すると、
「うぉ、っと」
前方に衝撃。どうやら、誰かにぶつかったらしい。
考えに集中していて、前を見ていなかった。
こちらは普通に堪えきれたが、相手はどうだろうかと前を見てみる。
■クレス・ローベルク > ――ぶつかったのは、普通の商人のおじさんだった。
お互いの無事を確認すると、すれ違って別れた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からクレス・ローベルクさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にヴァイスさんが現れました。
■ヴァイス > 冒険者ギルドはいつも盛況だ。
中にいる人は老若男女様々である。
なんでも依頼として出て、何でも引き受けるやつがいる。そんな雑然とした空間である。
そんななか、男は一人テーブルでボーっとしていた。
懐具合は悪くないので依頼をすぐに受ける必要はない。
ただ、面白いやつと面白い依頼に行くぐらいはしたい、そんなことを思いながら、行き交う人間を品定めしていた。
■ヴァイス > なじみの受付嬢にアイコンタクトを送る。
こうしておけばめんどくさいやつが来たり、世話が焼けそうなやつが来たら紹介をしてくれるだろう。
めんどくさいやつはパワーで黙らせればいいし、世話が焼けそうなのはそれこそ世話を焼いてやる。こうやって今まで人の世話を焼くことが多かったが、悪いことばかりではない。
仲間も増えるし、評判も上がる。それで恋人でもできたら最高だったが、残念ながら仲介ばかりで自分の前で止まるものは今までいなかった。
「まあ、一人のほうが気楽だがね」
ミルクを飲みながらのんびり待つ。ミルクはいい、筋肉を作るためのたんぱく質が多い。脂肪や糖も多いが、それは動いて消化するだけであった。
■ヴァイス > 若い男女四人のパーティが会釈しながら前を通っていく。
今は立派な一流冒険者な彼らも随分世話を焼かされたパーティだった。
痴情のもつれから人傷騒ぎまで起こしたときはかなり苦労させられた記憶がある。
そんな彼らが立派にやっているのだからなんとなく感慨深いものがあった。
■ヴァイス > のんびりと人が行き来するのを見ている。
今日もにぎやかだが、トラブルが起きている気配はなかった。
こういう平和な日が一番安心できる。
そんな感想を抱きながらのんびりとしていた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にハーティリアさんが現れました。
■ハーティリア > ドアを開ける音を共に、ふわりと…甘い香りがギルドの中に香り…その匂いを引き連れた、美女めいた風貌はくぁ…と欠伸を零しながらもひらりと受付の女性に軽く手を振り…手を振り返した女性がチラリとヴァイスに目配せするだろう。
つまり…めんどくさいか、世話が焼けそうか…もしくはその両方か、といった評価らしい。
「……ゴブリン…は流石につまらんから却下…オーガ…ん~、微妙。いっそドラゴンねぇかなぁ、心臓欲しいんだけど。」
討伐系の依頼が貼られた掲示板を見上げ、ぼそりと何やら物騒なことを顎に指を添えて呟く体から漂う香りに…男が何人か釣られそうになっては、はたと我にかえっているような状態で。
■ヴァイス > その見かけない人は、果たして男か女か、浮世離れをした見た目をしていた。
「やあ、何かお困りかい?」
その隙のない物腰に若干驚きながらも、一切外に出さずに声をかける。
受付の子はさらに目配せをしてくる。追い出すような相手ではないようだが、とてつもなく面倒な相手のようだ。
しかし、そう言った相手程世話の焼きがいがある。謎の使命感に狩られながら声をかけた。
ふわっと香る甘い香りが脳を直撃する。薬か、香か、魔法か、なにかはわからないが厄介そうな香りだった。
■ハーティリア > 「…お?あぁごめん、俺か…いや、いい感じの依頼がないなぁ、と。」
自分が話しかけられたと気付くのに数秒の間…くるりと見回して…口を開かなければ、絶世の美女…とよんでもまあ、過言ではなかったのだろうが、涼やかな声音でざっくばらんな男口調を紡ぎ出す様は、果てしない違和感を与えるかもしれない。
「最近暇なもんでねぇ、何か依頼を受けようかと思ったんだけど…どうせなら、調合に材料になりそうなのが採れる奴を受けたいな、と…。」
雄を擽る淫魔の香りを最小限に抑える程度には、常識を知っているが…良識とつながるかは別問題。
「そちらは…俺に何か用かい? 誰か仲間の腕が千切れたとか…?」
首を傾げて問いかけるのは…医者のせいか、種族のせいか、とことん血生臭い問いかけで。
■ヴァイス > 「いや、困ってそうだから声をかけた、単なるおせっかいさ」
そう言って手を振る。頭一つ分は背が高いのを、威圧感を与えないように、近くまで椅子を持ってきてそこに座った。
「そういうあんたは、薬師かなにかかい? 調合するなんて」
美女の外見なのだが、あらゆるところが違和感しか生まない、そんな存在だった。物腰、体格、口調、すべてが若干ずれている感じが、違和感の元なのだろうか。
「ドラゴン討伐の依頼なんてめったに来ないぜ。薬関係なんて、薬草とか、そういうのばかりだ。」
そういいながらひらひらといくつかの依頼を見繕う、どれも初心者向け、といった感じのものだった。
「どんな薬を作りたいんだ? まあ本職に比べたら俺の知識なんて大したことないだろうが」
冒険者として、薬草などの薬効のある物のの知識はそれなりに持っている。とても本職にはかなわないが、こういうのが欲しいといわれたら何かアドバイスができるかもしれない。
■ハーティリア > 「薬師というか、錬金術師だぁね。まあ、呪療医(ウィッチドクター)って言うのが一番的確だろうけど。
なるほど…おせっかいを焼かれる側ってのは案外久しぶりな気がするなぁ。」
クツクツと、喉を鳴らすように笑みを零してわざわざ椅子に座った彼に目を細め…雑な口調で喋るくせに、挨拶は「ごきげんよう」と軽やかに。
「まあ、そりゃそうだよなぁ。竜がその辺闊歩してるわけでもねぇし……ん?いや別に…何か作りたい薬があるわけじゃねぇけど…ほら、希少素材って手元にストック作っときたくならねぇ?」
はっは、と笑いながら同意を求めるコレクター気質である。
ただ、若干ずれているような違和感が…曖昧な雰囲気と柔らかな肢体と相まって…アンバランスな魅力に見えなくも、ない。
■ヴァイス > 「レアものを求めるのはわからんでもないな」
苦笑しながらそう答える。冒険者なんて基本山師連中だ。そしてお宝というものにめっぽう弱い。
希少なものをコレクターしたいというのは理解できるものではあった。
「しかし、なかなか見つからないからレアだからなぁ」
そういいながら、こいつを満足させられる依頼がないかを探す。
周りの男どもが徐々にこいつにやられつつある気配がある。受付嬢からのアイコンタクトもさっきからうっとおしいレベルになってきている。
ひとまず何かの言い訳をして外に連れ出さないと。
女性相手なら、デートに誘うという選択肢もあるが……なんとなく嫌な予感がしてそれも口に出しにくかった。
「うーん、九頭竜山脈の方にでも足を延ばしてみるか? 新種の薬草が今でもよく見つかるとは聞くが……」
世の中が平和なのは良いことだがこういう時に困ってしまう。ろくな依頼がなかった。苦し紛れの提案をしてみる。
■ハーティリア > 「まあ、それを使って作るもんなんて、大抵あんまり良いもんでもねぇけどな…若返りの薬とか。」
ポソッと呟いた言葉に、目配せしていた受付嬢の耳が一瞬ピクリと反応した気がしたが…きっと気の所為だろう、そうに違いない。
最小限に抑えてはいるものの、0になっているわけではないせいか、長居をすれば香りの影響は少なからず受けるものが出始めている…それに気づいたのか、外に出ようと提案した男に合わせる程度の協調性は、持ち合わせていたらしい。
「九頭龍山か…そういえば最近行ってなかったな、よし。……あれ、その口ぶりだと、ついてきてくれるのかい?」
ふと、気になった口調、まるで自分も一緒に来るかのようなそれに、首を傾げて…問いかけを。
■ヴァイス > 「断られなければ、ついていくつもりだ」
どことなく強者の雰囲気があるにもかかわらず、どことなく危なっかしくて見てられない、そんな気持ちもあり、同行を願う。
「適当な依頼も見繕ったし、依頼を受けながらのんびり行くとしよう。一泊二日かな」
手に持つのは薬草収集系の依頼がいくつか。量はそれなりにあるが、集めるのに苦戦するものではない。
そのまま立ち上がり、カバンと武器、今回は片手剣だけのようだ、を持つ。出発準備は完了しているようである。
■ハーティリア > 「まあ、来てくれる分にはありがたいけど…一人ってのもつまらねぇし…。」
申し出は嬉しい、流石に一人で山道を行くのは流石に退屈すぎるので……となれば、それは快く受け入れるだろう。
……食べてもいいかなぁ、なんてチラリと脳裏をよぎる悪巧みは、そっと今は伏せておき。
「ほうほう…そうだな、薬草摘みなら歩きながら行ったほうが良いだろうし……食料とかは大丈夫なのかい?」
俺は問題ないけど、と肩掛けカバンをポンと軽く叩きながら…どうやら、出発準備は元からお互いできているようだ。
■ヴァイス > 「ふふふ、これでも料理はうまいんだ。楽しみにしてろ」
にやっと笑いながら、自分の持つ背負いカバンをポンポンとたたく。常在戦場、いつでも出発は可能な準備をしている。
冒険者の名だたる連中を飯でてなづけてきた実績を今見せるときと無駄に張り切っている。
料理がうますぎるから女性にもてない、という面があるのに気づいている受付嬢は、そっと目をそらした。
こうして二人は、そのまま九頭竜山脈へと向かうのであった。