2019/06/09 のログ
ルビィ・ガレット > 「……ギャンブルで命を賭けることがあるの?
 ――頭おかしいのね、あなたって。……それはどうも」

軽蔑して、非難するような言葉。しかし、それに反して女の顔は笑っており。
「いい」と表情を指摘されれば、そっけなく礼を言った。

「……じゃあ、あなたのことはこの後、すぐ忘れておくわ」

すぐさま、相手の意に反するようなことを愉しげに言って。
彼の反応を見たくてわざと言っている節がある。

「もう少し取り乱せよ、動じろよ――つまんないなあ。
 ……遊び? 道具を使った賭け事のこと? それなら、あまり詳しくないけど」

少し低いトーン。若干、乱暴な物言い。それでも顔は笑っていた。
彼が思いのほか落ち着いているのは残念だが、それはそれで愉快で。
不意に問われれば、小さく首を傾げ。ありていに応える。

フィズル > 「ああ、そういうのこそヒリヒリするだろ。
よく言われる。異常だってな。でも仕方ねーだろ、それが俺だ」

笑顔を返しつつ、表情と言葉を乖離させる相手に興味を強め

「そりゃ悲しいね。ならこの夜を刺激的にして忘れられないようにしないとな。」

椅子を後ろに揺らしながら笑い続ける
無表情であることがポーカーフェイスだと思われがちだが
常ににやにやと笑っているのも、またそれの一種だ。

「別にあんたを楽しませるために生きてるわけじゃないからなあ
いきなり魔法陣突きつけられたり刃物とか棍棒構えられるよりはマシだ。」

飄々と挑発する。お前の凄みは刃物や棍棒以下だ、と。
相手が様子を見てくるならこちらも様子を見よう。

「そうそう。まあわからん相手には簡単なもので仕掛けるのが俺の流儀だ
難しいルールをべちゃくちゃ喋って、ルールの隙を突いて勝ち、なんてそんなもんつまらねーからな。
コイントスかカードの数字比べとかなら誰でもできるだろ?」

ルビィ・ガレット > 「正直、よくわかんない。……命なんて、奪いたければ勝手に盗るから。
 ――頭おかしい人って好きよ。……鏡で自分を見ているようで、落ち着かないけどね」

日常会話みたいな顔つきで、彼以外には聞こえないような声量で……だが、
物騒なことを平然と抜かす。別に威圧や強がりではない。彼とは価値観が違うだけ。

女の場合、通常なら悪口になるような言葉が褒め言葉であることが多いらしく。
自分なりに彼を「肯定」している最中、思わず舌で上唇を舐め上げる。
……自分で言ってて、少し昂揚したらしく。女のパーソナリティーも相当だ。

「……やりにくいなあ、あなた」

明らかな挑発には苦笑いを浮かべ。簡潔な言葉でやり過ごす。
「刺激的にする」と彼は言っていたが、これもそれに含まれているのだろうか。

「――要するに。私と賭け事がしたい、と。……そういうこと?」

要約して確認する。

フィズル > 喧騒は去ったものの、酒場ということもあり音はそれなりにある
普通に話しているなら特に聞かれることもないだろう。

「ほほー…。…自信…じゃないな。これぁ当然と思ってるヤツか。
ってことはお前さん、名うての魔術師か、それかバケモンか?」

世を偲び、誰でも殺せるような力を得た魔術師は確かにいる
相手の容姿からして、直接的な腕力があるとはあまり思えない。
となれば後は人外の可能性を考える。

「ああ、俺も『やりにくい』。言葉と表情がばらばらだし
マゾってわけじゃなさそうだが罵った方が反応が良いときやがる。それにこっちのことまで探ってくるしな」

ただそれこそが楽しいのだと。こういったやり取りを…
賭けを挟まずにやれることは貴重だった

「そうだ。賭け金はお前さんと俺が納得できるものならなんでも。
ゲームの内容は、できるだけ簡単なもの、だな。」

先ほどの言葉を繰り返し、もし勝負するならその内容は至極簡単なものにするつもり。

ルビィ・ガレット > 「――人間にだって。命を奪うことに、躊躇いが無いやつもいるでしょう?
 ……そもそも躊躇いが無いのなら、慎重に自分より弱いやつを。探して見つけて選んで。
 殺ればいいだけでしょうが。――子どもは食指が動かないから。殺さないけどね」

倫理観や罪の意識さえ乗り越えれば、殺人の質を問わなければ。
……「殺人自体は難しくない」とつまり。女は言いたいわけで。
彼の問いかけに対しては。……会話の中で、遠まわしに。自らを人外と示し。

「私の表情と言葉が一致する時は、大概、ロクでもない時よ。
 ……マゾはそっちでしょう? 私はいじめるほうが好き。弱い者いじめが好き。
 ――気になる人のことを探るのは当然じゃない? ……ふふっ」

先ほどは「子どもは狙わない」と言っていたのに、弱者を虐げるのを好むと抜かす。
女の言葉はどこまで本気かよくわからない。本人が面白がって、虚実を入り混ぜている節がある。

「暇つぶしに、やってもいいけど。――肝心の、賭けの内容が思いつかない。
 あなたの命にも財産にも、私は興味がないし……」

薄い、苦笑いを浮かべ。

フィズル > 「あー……なるほどなあ。そういうヤツか…。
別に正義気取るわけでもないが、ガキを狙わないのはいいな。」

どうにも性質が悪い
この相手は、理由があれば問題なく相手を殺す
魔術師のような陰気な気配は感じない…となれば、バケモノなのだろう。

子供は殺さない、と言った相手に…一応の最後の理性くらいはあるのだろうと。

「覚えておこう。
いい趣味だ、ってな。…そういうこと言うと中々いじらしいが…やれやれ。
俺も虐められるのは趣味じゃない。どちらかというとイイ関係ってやつが好きでね。」

賭博を生業としているのにイイ関係と言うのも変だが
まるで宝探ししてるみてーだな…とか、相手との会話で思っている
相手の真実は、嘘の中にあり。本性を現してからは、その真実もなかなかわかりにくくなっている

「そりゃ残念だ。…俺としてはバケモノの財産とか、身体には興味があったんだがな…
命に興味がないなら身体の一部、なんかも興味ないだろうしなあ…?
ふぅーむ、こりゃ難しい。大抵は金か、俺の持つ何か…例えば貴族の力なんかをかけ金に上げる奴が多いからな。」

男自身は魔術など便利なものは使えないし
何か特別な品を所持しているわけでもなく、本当に困り顔だ。
ただ唯一、相手の言葉と表情が一致していることから、嫌な予感はしているが。

ルビィ・ガレット > 子どもを狙わないのは、彼女に慈悲の精神があるからと言うよりも、
ただ"趣味の"範囲外だから。……自分でもあまり考えたくは無いが、
もし小児性愛を持っているのなら、躊躇わなかったかも知れない。

「――じゃあ、あなたを狙うのはいいの? 
 ……大人だし。男だし」

ニコニコ。愉しげに笑いながら問うてくる女。
性質の悪いことを聞いたり言ったりする時に、機嫌が良くなる傾向がある。

「――私も虐められて喜ぶ男は嫌いだ。
 ……気持ち悪いし、嫌悪感だけで殺したくなる」

笑みが一切消え、際立って低い声音が出る。
軽く歯を噛み締めているらしく、上唇が僅かに持ち上がって、女の白い歯が少し見える。
……笑顔以外で歯を見せる時も、女はロクでもない。

瞬時に湧かせた殺意は、架空の「好みではない誰か」に向けられたものだろうに。
想像の誰かにさえ、こんな風に感情的になってしまう。気性が荒いと、相手に伝わるだろう。

「……あぁ、ごめん」

見た目の、年相応の声、表情を取り戻せば。
穏やかな声で彼に謝罪した。ばつが悪そうな笑みを浮かべながら。
感情的になるのは早いが、その切り替えも女は早いようで。

「私はルビィ・ガレット。……化け物呼ばわりは止せ。
 本当のことでも、それが通称だと複雑な気持ちになる。……あなたは?」

賭けの内容はひとまず置いて。彼の名を尋ねる。

フィズル > 「あ?、命には興味ないって…
……その理論で言うなら、俺は別に構わねえよ。
勝負じゃないとこの命も身体もやらねーがな。」

相手がどんな存在であろうと抵抗してやる、という意思
命以外、と考えが及び自惚れそうになったが、さすがにそれを口に出すのはやめておいた。

「ほほう。噛みつかれる方が好きか。
俺もまあ、対等が好きだな。一方的に嬲るのは性に合わん。
おいおい落ち着けよ。綺麗な顔が台無しだ。」

あくまでそういったことに関しては公平。
低い声音も…それが相手なのだろう、と判断の基準にして
冗談めかして酒を差し出す。意味のない乾杯を誘って。

「なんで謝るんだ。嫌いなモンは嫌いなんだろ。」

そのままごくごくと杯を空にし、更にお代わりをウェイターに告げる

「おー、悪かった。いや、俺の知識じゃ名前を聞いただけでキレられる場合もあるって聞いてな。
単純に力勝負じゃ、ルビィには敵わないだろうし、気を付けてたんだ」

気安く呼び捨てにしていることはいいのだろうか、と疑問に思うかもしれないが
反撃した方が喜ばれそうだと判断し。
相手が…力に関して話す時は、少し真実の匂いがした。だからこそ、気を使ってはいた。

「俺はフィズル。フィズル・バークラバー。一応貴族だ。ま、ルビィ相手に何も賭け金を提示できない弱小だがな。」

自己紹介を返しつつ、先送りにした問題を考えている。

ルビィ・ガレット > 「あなたの面白い反応が見たくて、挑発しただけ」

あっさり。笑顔で。先ほどの自分の言葉をひっくり返す。
……嘘の表情は減ったものの、笑っている時は冗談を言っていることが多く。
もしくは。嘘と本当の、半々の言葉とか。女の言葉に誠実さは無く。

「あなたと気が合っても嬉しくないなあ。
 ……酔えないし、味がわからないって言ったでしょう」

差し出された酒は、片手を立てて丁重に断った。

「自分でみっともないと思ったから、よ。
 ……敵わないって。そうかも知れないけど。さすがに人目があるところでは襲わないよ。
 ――あとで二人っきりになってみる?」

謝罪の理由を問われれば、それに答え。
名前に関しては、別に聞かれても偽名を答えるだけで。女には特に憤るようなものはなく。
不穏な言葉の後……不意に笑みを深めれば。彼にお誘いの言葉を。乗らないほうがいいだろう。

「フィズルね。……あとでちゃんと忘れておく。
 ――『血を吸わせろ』って言ったらどうする? 私が、賭けに勝ったら」

彼の名前を反芻してから、笑顔でまた戯言を。
考えあぐねている彼に、唐突な問いかけ。それと同時に自分の種族をほぼ明かしていた。

フィズル > 「まったく。面白い女だよ。」

こちらから挑発すればどこに逆鱗があるかわかりにくく
また、こちらが激昂したり慌てたりするのを見たがっている節もある。
虚実織り交ぜた相手は、まるで賭場の手練れと話しているようだ、と

「違うぜ、乾杯に誘っただけだ。ほとんど飲んでねーだろ。」

総合して酒は苦手かと。
酔えないし味が不明瞭な酒など確かに不味い。

「そういうのはあるんだなあ。ふむ。
せっかくのお誘いだが、しおらしく同衾しようってわけじゃないだろ?」

責任感…とは違う気もするが。一番近いのは誇り、だろうか。
相手のような愛らしい容姿の相手と誘われるのは光栄極まりないが
それでも、これは露骨すぎる。頷けば文字通り自分は食われてしまうのだろう。

「…なるほどなあ。…別に構わないぜ?」

相手の種族は理解できた。
正直会ったこともなく、文献でしか知らないが。

「―――賭け金は…ルビィが勝てば俺の血。まあ、命は取らねえって前提だが…。
あと、それは、眷属を作るって意味か?それならちょいと重いな…」

自分が読んだ文献によれば、その行為は自分の下僕を作り出すこともできたはずだ、と。

「そうだな…、使い分けができるのかは知らねーが、血を吸うだけなら…ここの飲み代と、ちょーっとそのきれいな髪触らせてくれりゃいいか。眷属を作るってェ意味ならそうだなあ…、…金…はせびってもしかたねーし。宝物…というと怪しいな…人間の貨幣の価値にできるかわからん。
……なら、反対に…俺の妻になるか?、吸血種の奥さま、ってのはいいな。」

人知を超えた相手の身体に触れられるなら、フツウに、殺されない程度に吸われる、というくらいならいいだろう。
ただ、自分を下僕とするなら、それ相応の代価は支払ってもらう、と。

「ま、条件は交渉次第だ。今のは俺が勝手に思いついただけだからな。」

付け加え、もちろん勝負は簡単なものだ、とも

「たかがコイントスや数字比べに…もしかしたら人生が変わるかもしれねーんだぜ。退屈も吹っ飛ぶだろ。」

にか、と少年のように笑い。…それが彼の大元の価値観なのだろう…

ルビィ・ガレット > 「自分ではそう思わない。性格がぶっ飛んでいて奇抜なだけでしょう?
 ……そういうのって、『中身がない』と私は思うから」

感情の読みにくい、温度の無い声で言う。
生意気な口調、挑発するような言葉が目立っていた割に。
本人の自己分析は控えめというか、自己評価は低いようだ。

「私、味覚は人に近いけれど。……酒はどれも同じように感じるから。
 舌や喉を刺激して、飲めば、熱いような冷たいような感触があるけれど。
 ――味らしきものを感じないのよ。かといって、『水みたいだ』とも思わないんだけど」

酒に口をつけようとして、やはりやめる。
苦手以前の問題だった。なんというか、「口に入れる物」としてあまり認識していない。

「……………」

彼の問いかけには答えず。黙ったまま、始終、笑顔でやり通す。
女の性格から察するに、答えはイエスだろう。まあ、彼が頷いたところで「冗談だ」と話をうやむやにして。
結局、彼に危害を加えない可能性もあるのだが……。

「血は、吸うだけ。……眷属は作らないわよ。パパに禁止されているもの。
 ――私が負けたら、『飲み代』と……『髪に触れる』だと? ……わかった。
 吸血種と言ってもダンピール……人の血が混ざっているけどね」

触れることに関しては、少しだけ難色を示しかけ……結局は了承した。
相変わらず、彼にしか聞き取れないような声量で会話を続けており。
「妻」だの「奥様」だのという言葉には、「下らない」と言いたげに、彼から僅かに視線を逸らした。

……目線を逸らしても、薄く高潮した白い肌は誤魔化せなかったが。
平静を装いながら、彼に向き直ると、

「短時間で劇的変化を得られる分、反動や代償は付き物。
 ……退屈は飛ぶでしょうけども、賢いとはとても思えない。
 私、バカって嫌いなのよね――フィズルは例外だけども」

言葉を多く用いて彼を痛烈に否定すると思いきや。
それは、最終的にひっくり返った。女は笑っている。

フィズル > 「ふぅん…会ったことのないタイプだ。
冷静かと思えば沸点低すぎるし、かと思えばまたすぐに笑う。
言葉も、本当とうそが混じりすぎて俺ですらよくわからん。
俺は、そういうのを面白いと思うがね。」

魔法などを使えればあるいは彼女の本心が丸見えにできる可能性はあるのだろうが。
それではつまらない。

「苦手なら杯を合わせるだけでいいんだよ。変なとこ真面目だなあおい。
…パパ、ね。…へぇ、それって珍しいんじゃねーのか。
なんかデきにくい上に育つのも難しいとか聞いたが。まあそれは勝負には関係ない」

気味悪がることもなく、話が逸れかけたが続ける。

「なんだ、夢は『お嫁さん』かい?可愛いじゃないか
それなら、俺の血…殺さない程度、と、飲み代に加えて俺はルビィの髪に触る、でいいな。」

赤くなった相手に嗤いながら、条件の確認を。

「例外扱いされるのは嬉しいねえ。世間から見るとバカそのものっつーのは間違いねえが
このスリル、なかなかわかってくれる奴いねーんだよなァ…」

少し残念そうにしつつ。笑った女を見てコインとカードを取り出し

「どっちがいい?コインなら単純に…ルビィが投げて俺が裏表当て。
カードなら、ルビィが組んだ後上から1枚ずつ引いて数字がでかい方が勝ち。」

好きな方をどうぞ?、と

ルビィ・ガレット > 「すぐに怒るのは。……むしろ、オーバーヒートを防ぐためじゃないの?
 感情の浮き沈みが激しいのは、後ろめたいことや誤魔化したいことに、自分で気づかないため……とか、かなあ。
 ――ほら、精神状態が忙しいと。細かいことや小さなことに気づかないじゃない」

自分のことなのに、まるで他人事のように分析内容を口にして。

「少しは真面目な部分を残しておかないと、破綻するから」

本題ではないので。逸れた話題はこれ以上、彼女も深めず。

「……誰もそんなこと、言ってないだろう。――お前がおかしなことを言うからだ。
 私は『フィズルが死なない程度の血液』。あなたは『飲み代』と、私の『髪に触れる』……ああ、問題ない。わかった」

夢の内容を不機嫌そうに否定しつつ。条件には、改めて了承して。

「化け物の気違いに例外扱いされて嬉しいのか。
 ……本当に変わっているな」

ため息混じりに。賭け道具を2種、示されれば、

「コイン」

簡潔に言えば、彼からコインを受け取って。
感慨も無さそうに、やや上空にコインを投げ……手の甲で受け止める。
裏か表か。彼女が手を退かすまで二人ともわからないが――、

実際は、裏。

フィズル > 「へえ、意外と初心なのか?…可愛いね」

などと軽口を続けながら
表情と否定が重なったため、夢がお嫁さんでないのは真実なのだろうと思っているが
色事にあまり慣れていないことは多少分かった

「ほい。コインね。」

ぴん、とゴルドではない…賭け用のコインを手渡して
もし確かめたとしても特に魔法的な細工も何も見つからないだろう。
そうして放物線を描くコイン。目で見てしまうと…その裏表については彼はわかってしまうので終わるまで目を閉じ。

「お、取ったな。それじゃあ…」

目を開き、手の甲に乗り、隠されたコインを見て
1d2
1 表と答える
2 裏と答える
[1d2→2=2]
フィズル > 「裏だ。開いてみな。」

投げた後を見ていないにも関わらず、自信満々に
何か細工をしなければ、そのまま正解になるだろうが…
天邪鬼な相手の反応はいかに。

ルビィ・ガレット > 「……っ」

苛立たしそうな息遣い。何か言いたげだが、感情豊かに反論した分だけ彼を喜ばせるだろう。
だから、言い返すのはぐ…と堪えて。

コインを受け取った段階で、特に違和感はなかった。
元より、彼が何か細工をしているとも思っておらず。

「……ハッタリで言ってるだろう、お前。
 ――ただ、残念なことに正解。……裏だ」

今になって、相手が結果がどうであれ、強気で行くタイプなのだと思い至って。
しかし、彼の目の前で手を退かせば。見えてくるのはコインの裏側。
複雑そうな表情を浮かべる。

「――っ、さっさと触れ」

飲み代を払うより、髪に触れられるほうが堪えるらしく。
僅かに頬を高潮させながら、彼を睨むような顔つき。
実際は羞恥心から、険しい表情になっているだけだが。

フィズル > 「案外、要点だけ教えてくれれば、上手くやれそうだなあ、異種族ってさ。
―――ふん、どっちだろうな。実は今日はツイてるんだ。悪いね。」

はったりかどうかは想像に任せつつ。
何せ、今日は金を稼ぎ
更に可愛らしい相手と出会い
更にその相手が珍しい混血で
強い力を持つ相手に自分が殺されず、こうして…彼としては少々ヒリヒリが足りないが、賭けに応じてくれる
それだけで、既に非常に幸運と言えた。だから、わかっていた、と

「ふっふーん。敗者には敗者らしい態度があるよなァ…なんてな。」

ぽふ、と身を乗り出し、髪に触れる
見かけ上は、同じ種族の髪
けれどどうだろう。手が心地よい。
冗談を言い、笑いながら優しく撫で始める

「お。思った通りいい手触りだ。艶があったからな…。
何か手入れとかしてるのか?」

戦利品を味わいつつ。しばらく…相手からすれば長く感じられる時間、撫でた後、ようやく手を放そうか。

ルビィ・ガレット > 「……何が言いたい。話が見えない。
 ――要点って言葉、まさか『弱点』に言い換えられないよな。
 
 だから、ハッタリだろう? ……私にはそう見える」

なぜなら、自分を鏡に映して見ているような感じがしたから。
ブラフをかましたことは、人間相手にもある。
だから、他人が似たようなことをしていると、比較的すぐに気づけて。

「……っ、賭け事に『敗者らしい態度』は入っていない。
 というか! ……私が動揺しているところを見られて、それで十分だろう!?

 んっ……」

取り乱し、声を荒げる。
髪に触れられる感触には、くぐもった甘い声を漏らして。
小さく肩を震わせた。

「……そ、そんなのどうでもいいでしょう。――い、いいから。
 早く終わって……んん、く、ぅ……」

無遠慮、無作法に触れられたのであれば、怒れたし。抵抗もできた。
ただ、彼は正規の手順をちゃんと踏んでいる。……だから、女は堪えるしかなく。
彼の愛撫から解放されれば、飲み代を置いて。この場から立ち去ろうとする――。

フィズル > 「違う違う。さっきみたいな…ルビィだったら、虐められて喜ぶ男が嫌いって言ってただろ
そういう好き嫌いは…知っとけば、お互いに気持ちよく付き合えそうだ。
ふっふっふ。どうかなー?」

否定するわけでもなく。
ただその眼は、相手に対する尊敬が浮かび
暗にあたりだと告げている。

「は、は、は。そうだな、実に心地いい。勝者の特権だ。
だが、それだけじゃなく、マジで可愛いぜ、ルビィ。ずっとこうしてたいぐらいだが…」

そうもいかないな、と
丁寧に壊れ物を扱うように撫で続け

「…悔しかったらまた挑んできな。挑戦者はいつでも楽しみに待ってるぜ」

ぴ、と気障たらしく指を立てて、去っていく姿を見送ろう。

ご案内:「平民地区・酒場」からルビィ・ガレットさんが去りました。
ご案内:「平民地区・酒場」からフィズルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/繁華街」にカインさんが現れました。
カイン > 騒々しい平民地区の繁華街の真っただ中、
露店で買ったらしい飲み物を片手に道行く人を眺めている男が一人、
誰も彼もが随分と忙しそうに立ち回っていく様子の合間を縫って歩いていく。

「いつ来ても騒々しいよなあ、この辺り。
 ま、だからこそ飯の種に事かかないわけだが…っと!」

言葉の合間にスリを働こうとしてして商店の間を行き来する子供の頭に一発げんこつくれてやりながら、
一旦壁際に寄って周りを見回して様子をうかがう。今は雑踏だけが支配している状況だが、
いつ何が起きるかわかったものじゃない。

カイン > 暫くの間その近辺で起きる騒動を片付けまわった後、
ふと夕刻の日差しに気がつけば手を払って荷物を背中に背負い。

「よし、そろそろ刻限だな。…いつもこういう程度の面倒ならいいんだが」

普段根城にしている貧民地区と比べると随分と穏当な事件が多かったと、
しみじみ振り返って漏らしながら雑踏の中へと消えていくのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/繁華街」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にカグラさんが現れました。
カグラ > 平民地区の一角にある酒場。
酔っ払いなどで騒がしい店内のカウンターの一角に座って軽食を突く。
飲みはアルコールではなくミルク、お酒は全く飲めないので。

「これは美味い。また来たくなる」

量の丁度いい酒のつまみを夕食としてオーダー。
味は期待していなかったが思いのほかの美味しさに舌包みを打ち。
店内の騒動を気にせずにのんびりとした時間を過ごしている。

カグラ > 「美味かった、店主。また来る」

つまみを食べ終えミルクを飲み干し。
満足げに店主に告げると代金を支払う。

そうして幸せそうな表情で酒場を後にした。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からカグラさんが去りました。