2018/10/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「──♪フンフンフーン フンフフーン……」

下手クソな鼻歌を奏でながら、夜でもそれなりに人通りのある大通りをのんびりだらりと歩く金髪の男が一人。
さて何か面白いものでもねぇかなあ、などと考えながら適当に視線を周囲に巡らせてゆき。

「……んー?」

ふと、その視界の端。ある建物の間の狭く暗い路地のほうへ何かの影が吸い込まれていったのが見えた気がして軽く瞬きし。
おもむろにそれを追うようにそちらの方へ近づくと、目を細めて路地を覗き込んで見てみようと。

エレイ > 『みゃぁーお』

「……。なんだただのぬこか」

そこにいたのは、闇の中で目だけが爛々と輝く黒猫が一匹。男を見るなり、欠伸混じりの鳴き声を漏らす。
おもむろに近づく男から逃げる様子もなく、つぶらな眼差しを向けたまま佇んでいて。

「しかもお前こないだ昼寝してた俺様の腹の上を占拠していた黒ぬこじゃねぇーか。
しれっとした顔しおってふてぶてしい」

ぬぅんとメンチを切りながらしゃがみこんでビシッと指差すも、黒猫はゴロゴロと喉を鳴らしながらその指先に頬ずりしてくるばかり。
その後しばらく、ぶちぶちと文句を言いながら黒猫と戯れていたらしい。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」に黒須さんが現れました。
黒須 > (とある酒場。
体の疲れを癒さんとばかりに近くの酒場に訪れては一杯の酒とつまみの干し肉を頼み、飲んでは食べていた。)

「…ふぅ」

(疲れたようにため息を漏らし、頼んだいっぱいの芋焼酎をグラスの中で軽く回しながら眺め、一口口の中に入れて飲んだ)

黒須 > (しばらく酒をあおっていると、疲れた体に染みていき、うとうとと眠気がやってくる。
ここや街角で寝るより、家で寝た方が良いと思い、代金を払ってそのまま帰っていく)

ご案内:「王都マグメール 平民地区」から黒須さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエルツさんが現れました。
エルツ > 「あー疲れた…やっぱりゴブリンなんてロクなもんじゃないよぉ」

茶色の髪を短く切った少女はぐったりとした様子で呟く。鎧こそつけていないが、腰のショートソードと背負う丸盾を見れば荒事を生業としていることが察せられるだろう。
実際、初心者とはいえ冒険者として依頼を受け、その報酬で生活している身の上なので、今夜のように草臥れていることは割と多かった。今回の場合、相手も悪かったのだから余計に、だ。

「巣穴の奥に捕まった人がいるとか、聞いてないぃぃぃ」

草臥れた理由の大半はそこにあった。そりゃ、初心者とはいえ冒険者なのだから、一般人よりは色々慣れているのだが…あれはない。本当に無い。思い出すだけで今でも吐き気が込み上げる…当然、現場でも散々吐いたけども。

「暫くお肉とか、いらない…」

エルツ > 今回の依頼は、ゴブリン退治だったから、ギルドできちんとパーティーを組んで向かった先での出来事だった。自分のような初心者が2人、中級者が2人、そして指導役にと、半ば現役を引退しているようなベテランが一人。たかがゴブリンで…とは思ったけれど、例の機兵と鉢合わせる可能性を考えての構成だった。

実際のところは、機兵は出ずにやたらと悪意に塗れたゴブリンとの攻防で精神も体力も削られ、取りこぼしがないかと巣穴を確認したところにトドメを刺されたという心境。ゴブリン狩りは普通初心者冒険者の仕事なのだが…今回パーティーが瓦解しなかったのは、先輩冒険者とベテランの指導があったお陰だ。
それでも精神ダメージはあったらしく、達成報酬を貰った先輩たちはその足で歓楽街に向かっていった。こういう時は女を抱くのが一番なんだ、とか言って…

「だからって、ボクは相手もいないし…そもそも、憂さ晴らしにそういう事しようって程、慣れても無いし…」

まだまだ精神的にも肉体的にもお子様な自分は、食べ物に逃げるほうがいいだろうか…肉は、却下したいけれど。
そんな思考になるのも、報酬がちょっと上乗せされていたせいだろう

エルツ > 「なんか甘いもの食べよ…お風呂…も、却下だよね」

本当は熱いお湯に全身浸かってのんびりしたいけど、格安で入れる九頭竜の温泉で酷い目に遭ったのは記憶に新しい。あれ以来、バケツにお湯を汲んでの沐浴だけで我慢する日々だ。安全で広い内風呂に入れるほど、お金は無かった。

「うぅぅ…切ない…貧乏って辛い」

借金はないけど、生活にも少し余裕はあるけど…お金持ちではなかった。
そんな悩みも、ふと鼻を掠める匂いで霧散して

「この匂いは……焼き芋屋さん!」

顔を上げるとダッシュで駆け出す。やはりまだまだ、花より団子。色気より食い気な年頃なのだった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエルツさんが去りました。