2018/07/15 のログ
紅月 > 「だってこの国来てから関わる8割くらいの男性が旺盛系だったんだもの。
全世界の男が、とまでは思ってないよぅ!」

そう、この国がちょっと奔放なだけなんだ。
たぶん、きっと…おそらくは。

「や、とりあえず一本予備ボトルあげるよ…新たな和食友との出会いを祝って!
…あっ川はダメです川は、下手すりゃ死んじゃう」

真横にバッと手を出せば、空中に揺らぎのような歪みが現れて…ぷっつりと、その中に腕が消える。
そして引き出された時には醤油と書かれた一升瓶が握られている。
何もなかったかのようにゴトンと机に置けば、また箸をとり…カンパチいただきーっと!
あーさっぱり旨い…幸せ。

「あーそれ、ワサビ。
植物の根をすりおろした物なんだけど…いやぁそれ、ツーンとくるよね!
おおっ、カツオもいいよね~…ポン酢欲しくなるなぁ」

もぐもぐ…ほっこり。
こっちで珍しい刺身を、しかもイイ飲み友ゲットの予感だし。
今日はツイてるなー。

さて、名乗るために姿勢を正したの、だが。
ぱちくりと目を瞬かせる。

「…ふぇ?……探し、た?」

いや待って、ミシミシって何…ミシミシって。
…後でソコ見せてもらおう、うん。
キリリと真面目な感じなのでツッコまない、東国人は空気が読める子。

「……、…だい、はち…おさ。
…ぇええ、いや、いやいやいや。
ぇ、っえと、足がなきゃ困るでしょうし、治せる人少ないかな~って!
勝手にやっただけです故…どうか、どうかお気になさらずっ!!」

あわあわ、と…顔の前でブンブン手を振って恐縮しきり。
なんかもう、色々と…色々どうしよう。
特に、さっきまでの非礼…納豆チャレンジさせなくて良かった、マジで。

「うぇ?……報奨金、出てましたっけ?
…あーあー、なんかそんな事言ってたかも。
いや別に、可愛い可愛いドラゴンちゃん達の火傷見てらんなかったのと、ちょっぴり彼らと戯れたかっただけなんですよ…ホントに。
我が家にもちっこいドラゴンがいるので、余計に可愛くて」

きょとーんと首を傾げている辺り、忘れている上に頓着もないらしい。
お金が欲しかったわけではないし、と困り顔。

バルベリト > 「今ちょっとだけ国の未来を憂いたんだが……。
え、この国そんなヤベー事になってんの?」

旺盛なのはいるだろう。
といってもそんなに旺盛すぎるのが居るとは知らなかった。
この国の行く末がほんのり心配になりつつ。けれど、性欲が旺盛なのは、未来の人材育成の観点からは悪いことばかり…でも、ない。
のだろうか?

「そうやって助けてくれたおかげで俺らも、竜も無事に下がれたんだ。
あぁ、それと肩書きだけだし。普段はこーしてのんびり酒呑んでるおっさんだから畏まる事ないぞー。」

実際他師団長と比較すれば格落ちは1枚どころではないだろう。
というか無礼講。今日はお礼を伝える為に仕事サボった。
手を振って堅苦しくなる相手に、手をひらひら。

「あんまし畏まるなって。そんなに畏まってると、セクハラすんぞセクハラー。
ん、まぁ大した金額じゃなくて悪いんだけどな。
手伝ってくれた上に無理してたんだろ。色々医療班から話は聞いてた。
龍の言葉が全部判るよーな頭とかはしてねーけど、あいつらも多分会いたがってると思うぜ。
……あんのすんごいでっかい奴は、親愛の証に丸呑みしてくるけど。」

困った顔をしている相手に、金品よりは、とばかり。
割符の1つを差し出した。
それは8師団長の許可証の様な物で、竜の群生地や普段王国で管理している翼竜、飛龍の調練を行なう場所への出入り許可証。
先ほど、戯れたかった、と口にしていた。
それに竜も彼女への恩もあるだろうし、再会の場が戦場ばかりより――のどかな龍の谷や、そういった場所の方が彼女にとっては良さそうである。

割符には8師団長の名前と場所を記し、ぽん、と家紋1つ。
それを2つに割り、1つを彼女に持たせようと。

「んー、まぁお金とかでは喜ばないのかもしれないけどな。良ければ暇な時にでもあいつら――龍の子の様子でも見てやってくれ。
それがあれば多分不用意に動かなけりゃ出入り出来るだろうし。
多分紅月が来たとなりゃ喜ぶだろうさ。」

龍は誇り高い。けれど義理にも厚い側面を持つ。
そんな彼らは彼女に会いたがっているだろうし――彼女もまた、龍を可愛いと言う。金品よりは喜んでもらえるだろうか?

紅月 > 「いやまぁ、しかし…其れを喰ってる連中も、この国には居るからなぁ。
たぶん釣り合いは…あぁでも、この国って魔族嫌がるし、微妙なトコかなぁ」

旺盛なのが居れば、どこからともなく増えるのが淫魔…実際友人にも居るし、とは、さすがに言えないが。
とりあえず助平は多い、それは間違いない。

「え、っえぇぇ…?
いやぁ~、しかし、っ……うぅぅ…!
…う?あぁ無理はもうアレ絶対しなきゃ砦で仕事出来なくなってたんで。えぇ。
…そっかぁ、だとい、い?
……、…えっ、丸呑みとか人類には早すぎるラブコールなんですけど」

快適な職場の為なら無理くらいする。
肩書きだけだとしても、その重責をポイッとされるだけの器があるって事だろうし…今の兵士達を見るに、人手不足で四苦八苦してそうなのに業務をサクサクやってるなら充分凄いんじゃなかろうか。
どうしよう…ぶっちゃけ異界の人だから、この国の騎士がどのくらい偉いのかまでわかんない!
いいの?素直に言葉崩しちゃっていいのコレ…?
と…内心修羅場真っ只中の紅娘に差し出される最高な褒賞。

「割符?……っ、ああっ!
こ、っここって、風の精霊がちょくちょく話聞かせてくれてたトコっ!
えっ、ええっ?いいのっ!?貰いすぎじゃないの大丈夫っ!?」

それは、魔獣好きには堪らない…宝の地図で、鍵だった。
いつもいつも、噂好きな風の精霊ちゃん捕まえてはせがんでいた、物語の世界のチケットが…今ここに。
壊れ物を扱うように、両手で軽く掲げて…誕生日のプレゼントを貰った子供のように目を今日一番キラッキラ輝かせ。

「ありがと…っありがとうバルベリトっ!
大事にするねっ!」

わぁっ!わぁあっ!
立っていれば小躍りしそうな、尻尾があればブンブン振っていそうな…そんな嬉々とした満面の笑みで、思わず割符を胸に抱く。

バルベリト > 「丸呑みされて、腹の中から這い上がってくる友人を喉で味わうのが楽しいらしい。味わうじゃないな、喉で感じ取るだな。」

人類どころか他にとっても早すぎるラブコールだろう。
普通、食べる為に飲み込むのであって、親愛を示す行動には程遠い。
だが実際本人…本竜?がそうして解釈しているので、そういうものなのかと納得され始めていた。

人手が足りないなら足りないなりにサボ、適度に手を抜けば良い。
割符の知識についてはお互いに差が無くて何よりだった。
相手の喜ぶ様を見ていると、どう見ても悪人には見えない。
――動物、精霊。龍。それらと会話が出来て信を築ける様な人物に。自分が怪我をしようとも相手の治療を優先させるような相手が。

その龍だけではない。魔獣や巨大な鳥を育成等もしている谷に訪れるのは彼女にとってだけではなく、そこに生息する彼らにとってもいい息抜きになるだろう。
目を輝かせる相手に、割符に喜んでくれる無邪気な相手に。
知らず手は伸びた。どうもこうやって喜悦の感情を表に出す相手には弱い。
伸びた掌は相手の頭をゆっくりと撫でようとする。これがセクハラだ!

「いいんだって。貰いすぎなんてことはねーよ。それにあいつらも、自分達の言葉が判る人物が来てくれるなら喜ぶだろ。
あ、でも可愛いからって持ち帰りだけはダメだぞ。」

紅月 > 「……、…よし、つまりは巨大なスライダーゴッコだな?
水着持参で戯れれば問題ない、任せろ!」

普通の人がやられたら恐慌状態になりかねないような愛情表現も、ラブコールと知ってさえいれば何のその。
真っ向から受け止める気満々である。

新たな冒険のステージ…新たな世界、新たな景色!
テイマーとしても色々と学ぶことは多かろう…あっ、やっぱテイクアウトはナシですよねー!

保護区域というなら、ついでに保護魔獣や保護龍の体調なんかも時々みてやればいいか。
ああっ、今から楽しみで仕方ないっ

「…気に入ったなら、横来て撫でてくれても構わんよ?」

……ぽふん。
ゴツくて分厚い戦士の手が頭に乗る。
重みでコクリと少し傾きつつに、数拍ポカーンと固まる。
…が、元々撫でられるのは大好きである紅娘。
すぐに嬉々と、ふんわり微笑んでされるがままに…というか、ここまで懐けばもう推奨さえし始めて。

「…ふむ、じゃあ、現地の植物は食べて大丈夫?
どうせ行くなら泊まり込みたいし、野宿するなら食料調達が……否、持ち込みで何とかなるか…?
ホントは薬草の採取も出来れば理想なんだけどなー、地産地消で」

真面目な顔で、もう出掛けるにあたっての確認を始める辺り…やはり本業は冒険者であるらしい。

バルベリト > 「よーしいい覚悟だ。……あ、いや水着だとその、消化液で悲惨な目にあうからもう少し耐久力有るヤツの方が良いと思うぞ」

実際皮製の防具程度は直ぐに消化されていた。
水着と言うのは現地の警備兵に目の毒だろうが、それ以上に酷いことになりかねない。
多少の打算……魔獣や魔鳥、翼竜に飛竜といった存在への良い事も見越してのことだ。
だがそれ以上に相手が喜ぶ姿を見る事が出来たのは、自分にとって最高の休日とも言えた。
恩を返すべき人物に、喜んでもらえるような返しが出来たのだから。

「横にいったらあれだ、頭じゃなくエロい所撫でそうなんでやめとく。
おじさんも男だっつーの!?警戒しろ警戒!
それにこうして頭を撫でて、割符で喜んでくれる姿を見てる方がおじさんは好きだねぇ。」

ゆっくり、時折髪の毛の隙間に指を差込み、頭皮をかりかりと指の腹やら整えられた爪で甘く掻いてみせる。
それでも撫でやすいように配慮した相手への感謝も込めて、手はゴツいがなで方は優しい物だろう。

「枯らさない程度にならいいと思うぞ。多分その辺は管理棟の連中が詳しいし、ヘタに持ち込んだりするよりは現地の物を使うほうが警備する側からすれば荷物チェックとかそんなに必要ないから、有り難いだろうし。
ん?薬草なら研究名目で持って行って良いぞ。ただ、植生に急激な変化を齎す事が無い様にな。多分俺より詳しいだろうし。
んー、それに薬草の研究が捗るなら。人間だけじゃない他の連中が怪我してても、治せる事あるかもしれないだろ?そういう人を助ける研究ならどんどんやってほしいしな。」

バルベリト > その後、彼女と飲み明かす一夜。
研究名目もあるので比較的彼女は自由に動き回ることも出来るだろう。
薬草採集は勿論、珍しい魔獣、龍等とのふれあいの時間も約束される事になる。

彼女の行動への信用の裏返しとでも言うべきか――それくらいには彼女は騎士団、特に守備に回る騎士や医療班から信頼は得られているのだから。
そして夜は更け、更に酒盛りは賑やかさを増したとか、増さなかったとか。

ご案内:「平民地区:安酒場」からバルベリトさんが去りました。
ご案内:「平民地区:安酒場」に紅月さんが現れました。
ご案内:「平民地区:安酒場」に紅月さんが現れました。
ご案内:「平民地区:安酒場」から紅月さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にキュリオさんが現れました。
キュリオ > 平民地区の一角にある、とある孤児院。
院長である妙齢の女性が一人で切り盛りするその孤児院は、規模こそ大きく無いものの今まで幾人かの孤児を育て、独り立ちさせていた。
今も複数人の孤児の面倒を見、豊かとは言い難いながらも充実した生活を送っていたのだが。

其処に税収官が現れ、一方的に税収の追加を言い放ったことでその日常に罅が入る。
告げられた額はとても孤児院が払える物ではなく、去り行くその貴族の後を追い、何とかお目こぼしをと嘆願に入ったのが数十分前。

孤児院の前、通りに停車している馬車の中へと連れ込まれた院長の姿は、見て取れない。
しかして怪しく揺れ、漏れ聞こえる雌犬染みた鳴き声がその中で何が行われているかを容易に想像させていた。
間違っても直接入ってきてはいけませんよ、と言い含められていたからか、孤児たちは遠巻きに馬車を伺うばかり。
その仔細を知れる程に情緒が育った子はおらず、けれども不穏な空気を感じ取って、不安そうに眺めていた。

キュリオ > 道行く人々もその異変には気づいている。
何しろ豪奢な馬車が孤児院の前に停車しており、不穏な揺れと時折甲高い鳴き声が漏れ聞こえてくるのだから。

察しが悪い者だとて、何が行われているか等用意に想像出来るだろう。
憐れむような視線を馬車と、遠巻きに眺めている孤児たちに向けてはいるが、誰もそれを何とかしようとはしていない。
塁が及ばぬ様に見て見ぬ振りをするか、興味本位に同じく遠巻きに眺めているかのどちらかだ。

―――ひいいぃぃっ♥♥♥

そして、これまでと比しても一層甲高い鳴き声が響き。
不穏な馬車の揺れも一旦止まる。
不安そうに孤児たちがそれを眺める中、再度馬車の揺れが始まって。
雌犬の如き鳴き声が零れる頻度が増し、不穏な空気は益々濃くなっていくばかり。

キュリオ > 日が傾く時間帯になると漸く、院長は解放された。
馬車の中でどんなやり取りがあったかは不明だが、税収の件に関しては話が着いたというのは院長の言。

心配そうな視線を向ける孤児たちへと向けた笑みは何処か陶然としていたことに気付く子が居たかどうかは、さて――――。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からキュリオさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にソウレンさんが現れました。
ソウレン > 居酒屋『幽世』。
暖簾は出ており、提灯の明りが入口前を照らしている。
しかし、今日はまだ来店客がいない。
その店主は、渋い顔をしても来るわけではないのでいつも通りの表情で調理場にいた。

「…しかし暑いな。」

この暑さでは出歩く人もいないのか…と思う。
せめて風が吹けばマシなのだがなぁ、とも。
…しかし、店主自身は汗もかかないような涼しい顔はしている。

ごそごそと取り出したるのは小ぢんまりとした壺。
密閉していた封を開ければ、ツンとくる爽やかな香りが昇る。
中に入っているのは山わさびの茎を漬け込んだもの。
香りと辛味が食欲を増進させる。魚にもよく合うし、ツマミとしてもいい。
しかし、日持ちしない上にこの暑さだ。
せっかくとっては来たが、賄いになってしまうかもしれんなぁ、と一人ごちた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」に黒須さんが現れました。
黒須 > 「…あちぃ」

(師団での訓令帰りの最中の帰りであった。
体中は訓練で温めたのと一緒に外での異常な暑さにより、汗がダラダラと出ている。
体毛のおかげで見えずとも、逆のそれが余計に温めているともいえる。
ここらでいっぱい酒でも飲んですっきりしようと考えたその時。)

「…ん?なんだ?この匂いは…」

(途中から香ったツンっとする心地よく鼻通りの良い香りがする。
そのまま匂いの元のする店に入店すると、見知った女性を見る)

「邪魔する…あ?
…あー…その…。この前のは済まなかったな…。今日は酒を楽しむために来た、がぶ飲みはしねぇ。グラスで普通にくれ。それと…よくわからないが、あのツンっとするいい香りの物をくれねぇか?」

(店主はこの前出会った女性とすぐにわかり、目の前のカウンターに座る。
その後、この前のことを謝るかのように話、普通の客の様にある程度の注文をする)

ソウレン > からり、という引き戸の開く音。
こんな日でも来る客はありがたい。
そう思って顔を上げる。

「いらっしゃい。…君か。」

以前、当てつけのように酒を購入した男が入ってきていた。
表情は罰の悪そうで、謝罪から入っている様子に、ふ、と苦笑を浮かべる。
冷たい清水に晒した手拭を固く絞って差し出す。

「何、私も大人気なかった。気にしないでくれ。
席は好きにどうぞ。一人ならカウンターを薦めるよ。」

酒の好みはあるかな?と聞いておく。
好みを聞く間にお通しを選ぶ。匂ってくるのは汗の匂い。
王都の男性では別に珍しい事ではないが、さすがに暑さに参っていると見える。
ふむ、と頷いて食材を取り出す。
豆腐少々。胡瓜を少々。まな板の上に手際よく並べていく。

黒須 > 「…とくには無いな。とりあえずは、良い酒が欲しいって話だ…。」

(カウンターに座り、罰の悪い顔に苦笑い、特に気を悪くしては居ない。当然の結果であるから仕方あるまいッということで、とりあえず、酒を注文する。
特に指定は無く、うまい酒が貰えるなら嬉しいっと言う話だ。)

「…すまねぇな?ちと、獣くせぇだろ?」

(一応汗をかいてから来たため、体からは犬同様の臭いがする。
臭いについても好き嫌いがあるだろうし、一応言っておく。
そのまま、豆腐やら胡瓜等を調理する音を聞きながら静かな店内で清水を飲む。
一気にではなくちびちびとゆっくりと)

ソウレン > 「いい酒ね。ふむ。」

まな板の上の豆腐と胡瓜を小さくカット。
それと、梅干しを叩きこんでまとめて器に。
塩、しょうゆを少々入れ、出汁を少し垂らして和える。
それを小鉢に盛って男の前に。

特に好みで選ぶわけではない、という事ならバランスがとれたのがいいだろうか。
しかし先日の様子からすれば酒飲みという印象であった…ならば、と。
先日仕入れた酒から芋の焼酎をチョイス。
砕いた氷を陶器の器…ぐい飲みに入れ、それに直接注ぎいれる。
和え物と合わせて男の前にことりと置いた。

「芋焼酎だ。クセのある酒類だが、この酒はそれが少ない。
それと、お通し。前菜だな。さっきの注文は少し待ってくれ。」

そして次の料理にとりかかる。
山わさびを所望、という事だが直接出すか?と少し考えていれば、
獣臭い、との発言。ふむ、と少し考える。

「いや、別にそんな事はないが。
労働に従事した後の王都の男はこんなものだろう。」

そういった手合いには慣れている、という風情。
という所で牛肉が少しあったな、と思い出す。
塊肉を取り出し、1人前の量を確かめてカットし始める。

黒須 > 「ああ、そうさ…。最近、酒を飲んでいなかったから…少々酒の見分けがつかなくなったのさ。」

(出されたお通しに目を向ける。
綺麗に盛られ、涼しさも持っている料理を見れば大きな手で器用に箸を持ち、小さく切り取って食べる。
ひんやりとした感触が熱い口の中で広がり、全身に涼しさが回っては外での熱を忘れるぐらいになる。)

「芋焼酎…?…確かに、こりゃクセがあるが…どれ」

(匂いを嗅げば芋の強い匂い。初めて飲む分には少しばかりキツイかもしれぬが、その方が物の価値として高い場合がある。
一口入れれば冷えた口を温めるかのように酒が回る。
匂いが強くも、かなり効く酒であった)

「…なるほどな。こりゃ、かなり行けるな…。
あ?そうか…。けども…どれも獣ってわけじゃねぇだろ?」

(彼女の話す労働後の兵士はほぼ人間である。
獣の自分とは違い、臭いの比ではまだ薄い方であると思っている。
お通しを綺麗に食べ、芋焼酎も楽しみながら一杯飲み込む。
次に来る肉を横目で見れば、表情では出さずとも楽しみだっと心の中で思い、両手を組んで待つ)

「…それにしても、今日は客が居ないな…?
いつもこんな感じなのか?」

ソウレン > 「好みだけでもよかったんだがな。
まぁ、お任せという人も多い。それはそれで楽しみ方だとは思うよ。」

店の主に任せる、というのも楽しみ方だろう。
自信を持った一杯を出す店もあれば、好みを見分けて出す店もある。
自分はと言えば後者が近い。
焼酎は少し冒険だったかもしれないが、聞く限り悪いチョイスでもなかった様子。

「獣というわけではないが。何だ、君は獣人である事を匂いが強いと卑下しているのかな。
清潔にしていないのならともかく労働後の男の状態を気にしていては店主なんてやってられないよ。」

やれやれ、という表情を浮かべつつ大き目の器に氷を入れ、井戸水を入れて氷水を作る。
それから牛肉に金串を打っていく。数本打ち終われば、焜炉へと。
回る火を強め、その上で肉を炙る。強い火力で一気に外側を焼いていく。
店内には肉の焼ける匂いが漂うだろう。
外側だけを炙り終えれば、氷水にそのまま入れて冷やし、締めていく。

「王都では客入りの少ない方だね。
ま、店も小さいし風変わりだ。常連はいたりするけれどね。」

今日は暑いからなぁ、と呟くように。
締めた牛肉をまな板の上に置き、薄くスライスしていく。
焼けた外側と中の赤身が綺麗なグラデーションを描いている。
皿に盛りつけてから、注文の山わさびを取り出す。
細かく刻んで肉の上に。
別の小鉢に醤油を入れ、酸味の強い柑橘の果汁を搾って合わせる。

肉の皿と、タレ…簡単なポン酢の小鉢を男の前に出す。

「注文の山わさびを使った料理だ。
牛肉のたたき。そのタレを付けて食べるといい。」

山わさびは辛味があるから少しずつをおすすめするよ、と付け加えておく。

黒須 > 「好みか…。たぶん、あんたならわかると思うが、前まではああだったからな、飲める酒なら何でも良かったって状態だったからな…。
ま、そのうちお気に入りを見つけるさ…」

(酒と女しか楽しみが無かった故、酒の好みや女の好みなどを決めていなかった。
飲めれば良い、抱ければ良いっと言ったもの。
だが、最近では全くそういうのも無かった。ある意味、事情があってそうなった部分もあったが。)

「卑下とは言い過ぎだな。わかってるからこその話だ。
ま、自分が獣人なのは仕方ねぇから、臭いも仕方ねぇで収めてるわけさ。」

(父親が獣人であったため、自分にもその遺伝子が入り込んでこうなったのは自然であるため、否定をせず、もう認めている。
そうこうしているうちに肉料理が完成する。
香ばしい肉の匂いに綺麗な盛り付け。
見ていれば腹が減ってくる。
更に、匂いの正体である山ワサビを目の辺りにする。
白くすり身の様にも見えるそれにタレ。
料理の準備が終われば、箸で一切れ取り、山ワサビを乗せ、タレを付けて一口食べる)

「常連は居るのか…それなら、潰れることもねぇ…。おぉ…!?」

(店の少ない状況を聞けば冗談かわからぬ一言をこぼしている間に刺激が走る。
口に入れた肉は噛めば脂身が溢れ、舌を満たし、次に来た山ワサビはすっきりとする香りが来るが、辛みが走り出す。
口から喉、鼻へと走り出す心地のよくも少し体が曲がる様な強い香りがする。
鼻の良さがここに来て、まさかの出来事になるとは思っても居なかった。
鼻を摘まみたくとも、小さな犬の鼻。摘まむことができない。)

ソウレン > 「色々試していくのも楽しみの内だね。
あぁ、それがいいと思うよ。」

何かありそうな言葉であったが深くは立ち入らない。
酒場の店主とはそういうものだろう。
ただ美味い酒と美味い料理を出す。向こうが話すならそれを聞く。

「収めているのならいいのではないかな。
少なくとも私は気にしない。気になるのであればはっきり言うさ。」

わかっているだろう?と、そんな様子である。
話ながら、使ったまな板や包丁をすすいでいく。
汚れたまま次の料理に使うわけにもいかないからだ。

男が肉を口に運ぶ。
その様子も洗いながら見ていたが……。

「おや、大丈夫かい。匂いや辛味が強いだろう。
酒を飲むといい。つまみとしてもよく合うからね。」

嗅覚まで強い、という事は察していなかった様子。
次からは本当に少量にしていた方がいいだろう、と薦めておく。

焼酎の匂いや味ならば味が喧嘩する事もないだろう。
すっきりと流し込めるはずだ。

黒須 > 「ぬぉぉ…こいつは…かなり来るな…。
だが…うめぇ」

(しばらくすれば、辛みが引いていく。
確かに辛みが強かったが、スッキリと口の中が綺麗になる。
そのあと、焼酎で流そうと思ったが。忘れていた。焼酎はすでに切れていたことに。)

「ああ、すまねぇ?焼酎をおかわり。」

(空のグラスをカウンターの上に置き、おかわりを要求する)

「あー…でなんだ?ああ、そうだったな…。
確かに…はっきり言うのが手っ取り早い。しかしだな…言い方ってのもあるわけだ。下手をすれば喧嘩腰になる。」

(前職の頃の経験だ。
正しく、丁寧に言ったつもりだが、言い方が悪く、一度腹を刺されそうになったことがあった。
しかし、それも護身術で変わしたため、その時には問題は無かった。

ソウレン > 美味い、と聞いてふっと口元を綻ばせた。
客が喜んでくれるというのはやはりいいものだ。
ぐい飲みを受け取り、手早く先ほどと同じように焼酎と氷を入れる。

「肉でもさっぱり食べられる、というのが良い料理だと思う。
この時分は焼く、煮る、という料理はなかなかね。」

それも焼いてあるのだが、一度冷やすために涼しくいただける。
酒にも合う、良い調理法である。

「それはそうだとも。しかし、こっちは客商売でね。
気になるほどであれば他の客に迷惑だったりもする。」

言わなければならない時もある、という事ははっきりと認めている様子。
店主として、ただ客だからおとなしくする、という事はこの女にはないらしい。

「だから気になっていたら言うよ。まぁ、今日はご存知の通り閑古鳥だけどね。

…ところで、何か追加の料理はいるかい? 追加でも、締めでも。」

話している間にも客が来る気配はない。
夜になって気温は下がってきているが、やはり高いものは高い。
皆家でくつろいでいるのだろうな、と思う。

黒須 > 「肉料理って物だから…てっきり脂っこいかと思ったら…山ワサビって言ったか?
それのおかげで胃までスッキリ入るな?」

(だいぶ気に入ったような話し方をする。
ツンっと来る辛さは熱い夏の時期にはかなり良い料理だ。ぜひ、また食べたい。)

「それは分かるかもな?
こっちも、怒鳴り声だか、喧嘩だか始まって周りにわりぃことしたからな?」

(同じような経緯を辿ったであろう、同じような口調で返す。
あの頃の仕事は同じく無事では終わらなかったため、気持ちがよくわかる)

「…そうさな?いや、酒で大丈夫だ…。丁度良く、腹も満たされた。
気分もな?」

(気温が下がったのを感じればそろそろかっと後ろを振り返る。
再度注がれた焼酎を受け取り、カラカラとグラスを回して匂いを嗅ぐ。
変わらずのクセの強い匂いだ。
そのまま、また一口口に含み、ふぅっと鼻息を漏らす。
ため息ではなく、味を確かめるための呼吸である)