2018/07/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にソウレンさんが現れました。
■ソウレン > 焜炉の上には油を張った鍋。
それを脇目に、まな板の上に布に包まれた塊を取り出す。
しっとりと濡れた布をまくれば、半分にカットされた豆腐の姿。
ある程度の厚みを持たせたまま水を切る。
それを。乾いた別の布で完全に水気を取ってしまう。
「……うむ。こんなものか。」
水気を切った豆腐を、そのまま油の中へ。
しゅわわわ、という軽い音と共に気泡がはじける。
よく水気を切っているので油が跳ねる事はない。
大豆の香ばしい香りが店内に満たされていく。
風通しのために開いている引き戸からも香りが外に流れていくだろう。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にブレイドさんが現れました。
■ブレイド > からりと引き戸を少しだけ開けて、店の中に顔を出す。
異国の服に身を包んだ女性が料理の下ごしらえをしているを見れば
美味しそうな、香ばしい香りの正体が気になって仕方ない。
「開いてるか?」
一言、声を掛ける。
まだ準備中だったら大人しく待っていようと思うが…。
■ソウレン > 周囲のみがからりと上がった所で油から上げる。
皿の上に網を敷き、その上に揚がった豆腐をいくつか並べていく。
油が切れれば食べごろだ。
そのままでもいいが、焼き、煮物が美味く食べられるだろう。
そんなところで引き戸の開く音がする。
見覚えのあるフード姿だった。
「いらっしゃい、やってるよ。」
手についた油をぬぐい、席へどうぞ、と手で示す。
一人ならばやはりカウンターの席だろうか。
それから、冷たい清水にさらした手拭を硬く絞って手渡すだろう。
この季節には欠かせない。
ついでに、何を飲む?と聞いておく。
■ブレイド > 「そっか、そりゃよかった」
へっへと笑いながら、香りにつられるようにカウンター席へ。
手拭いを手に取り、手を拭く。
手首まで丁寧に。
最近暑いので、こういうものはやはり気持ちがいい。
「んー、冷たいもんが…こないだ飲んだやつはちょっとスッキリしてたから、甘めのやつってあるか?」
異国の酒の種類には詳しくない。
コメで作った酒だということは聞いたが…。
それよりも気になるのは先程から漂う香ばしい香り。
「あと、なんかすげーいい匂いがすんだけど…せっかくだし、それもらえるか?」
それが何なのかはしらないが、食欲をそそる香りだ。
あたりかハズレかは置いといて、正体を知りたい。
■ソウレン > 「はい、甘口の酒だな…。」
この間仕入れた物には該当はない。
となれば元々店にあった分から選ぶとしよう。
常時冷やしている分ではないので、グラスに氷を入れ、そこに注ぐ。
「少し氷が解けた頃が飲み頃だよ。どうぞ。」
それを少年の前に出し、小皿に筑前煮を盛ってお通しとして出す。
少量だが、醤油と酒、みりんで炊いたものだ。
程よい塩味と鶏の脂がよく合うだろう。
「匂い? あぁ、生揚げか。わかった、少し待っているといい。」
外に流れた匂いにつられたのだろう。
油を切っていた生揚げを一つ手に取る。
そのまま切ってだそうか…と思ったが、やめる。
金串を打ち、タタキを焼くように焜炉の火に。
少年がつまんでいる間に焼きあがるだろう。上がった部分が香ばしく焦げ、より一層香りを立ち上らせる。
■ブレイド > 「ん、ありがとよ。じゃあ、暫く待ったほうがいいかな…
って、これは?」
出てきた小皿を不思議そうに。
これも知らない料理。
そもそも頼んではいないが…とりあえず食べてみる。
「お、これ…美味いな。食ってよかったんだよな?」
お通しというシステムに慣れていないようで首を傾げ。
でも、出てきたものなので食べても問題はないだろう。おそらくは。
なお、いい感じに味が濃く好みの味付けだ。
「へー、生揚げ。いい匂いだな。つい釣られちまったぜ。
一人で食うのももったいねぇや。
えっと、アンタも食べねーか?」
店の食べ物を店主と一緒に食べるというのも変な話かもしれないが
一人で食事に来た上で、店にも一人となると話し相手は目の前の女性だけ。
名も知らぬ店主ではあるが、せっかく美味しいものを食べるならと。
■ソウレン > 次第にグラスの中の氷が解けていく。
少し待てば、からん、と涼し気な音と共に氷がわずかに崩れるだろう。
「あぁ、料理を待っている間に酒だというのも悪いからな。
つまみを少量、小鉢で出しているだけだよ。」
その分の料金は酒につけてあるから心配いらない、と微笑む。
中身は鶏肉、ニンジン、レンコンなど。
牛蒡や椎茸が手に入ればなぁ、と少し思った。
「あぁ、豆腐の水を切って揚げたものだ。
私かい?……んー……そうだな、出来具合を見るという事で相伴しようかな。」
焼きあがった生揚げをまな板に。
さく、さく、さく、と小気味良い音を立てつつ5つ程に切る。
そのうち4つを皿に盛り、おろしたショウガを加えた醤油の小皿と共に出す。
「焼いた生揚げだ。このタレで食べるといい。」
周囲はサクっと、中はとろりとした生揚げ。
酒のつまみにはいい塩梅だろう。
残った1切れは相伴という事で自分がいただく事にする。
とは言え、少年が口に運ぶまでは待っているだろう。
その合間に、下ろして柵取りした魚をまな板の上に出しておく。
■ブレイド > 「ふぅん、アンタの国ではそういう感じなのか?
こういう店は…っと、そろそろいいかな?」
小鉢の中身をつまみつつ、美味しそうな表情。
グラスの氷が鳴る頃となればちょうどいい塩梅か。
口の中の塩味が残っているうちに一口。
「トーフ。名前だけなら聞いたことあんだけどな。
結構うまそうなんじゃねーの?
そうだな、じゃあ生揚げ二人前ってことにしといてくれ」
出来を見るにしても、一緒に食べてくれる相手がいるのはいいことだ。
料金はちゃんと出させてもらう。
焼いた生揚げは更に香ばしい香り。出された黒いタレ…少し黄色みがかった薬味を溶かして
「ありがとよ、んじゃ…イタダキマス…だったな」
異国の作法にのっとり食事の挨拶しつつ一切れつまんでみる。
さくっとした歯ごたえ、中身は柔らかい。
黒いタレの塩味と香ばしさがよく合って、溶かした薬味の香りがアクセントになっているのか
味わい深い食べ物だ。
「ん、いいじゃねーか。うまいな、これ。
酒も、食い物も。
こないだの握り飯と味噌汁?もよかったけどよ。
これはこれでなんか…気に入ったぜ」
食べてみれば笑みを浮かべて。
女性はその間にもいろいろと準備を進めている。
酒場の店主ともなれば、次の客のための用意も必要だろうし…。
■ソウレン > 「出さない店もあるけれど、出している店もあるよ。
時間のかかる料理を受けたりするとお客さんが手持無沙汰だろう?
だからウチは出すようにしているってだけだよ。」
手早く作れる料理を受ける場合も勿論あるのだが。
まぁ、小鉢程度なら料金も問題にならないだろう。
あまり吹っ掛けているわけでもなし。
美味そうに酒を飲む少年に笑いかけていく。
「2人前かい? んー、そうだね。じゃあそうしておこうかな。
はは、そんな作法なんて鯱ばらずに食べてもらって構わないよ。」
それほど要求するわけでもなし。
多少手間はかかるものの高級品というわけでもない。
少年が生揚げを口に運んでいけば、店主も少し醤油をかけて口に運ぶ。
今日の出来も悪くない。
個人的にも豆腐料理は好物の一つだ。
「気に入ってもらえて何よりだよ。ここは酒飲みの来る店だからね。
肴を気に入って酒を飲んでもらえるのが一番さ。
まぁ、男性客が多いから、腹に溜まるものも用意するのだけどね。」
柵取りした魚は多少古くなる前に対処しておく。
生揚げを焼いた時のように串を打ち、皮目から焜炉であぶっていく。
同じように外は香ばしく、中はレアの状態に。
こうしておけば空気に触れ、酸化を始めてしまう部分も香ばしくいただける。
残ってしまえばまかないにするだけだ。
■ブレイド > 「そいつはありがてぇな。
やっぱ待ってる間ってのは暇なもんだし…
うまいもんが一緒についてくるならひとまず一杯なんか飲もうって気になるぜ」
今まで酒場では注文が来るまで
手持ち無沙汰であったが…この店ではそういうこともなく楽しめる。
退屈を苦手とする自分としては嬉しい配慮。
しかも、今日の小皿の中身は好みの味付けだ。
「一切れだけじゃ一緒に食うって感じじゃねぇだろ?
んー、歯ごたえいいな、これ…好きな食感だ。
食事前のあれは、どっかで聞いたからやってみたかったんだよ。
せっかく店の雰囲気がそっちの国方面なんだからってな」
ケラケラわらいつつ、もう一切れ。
サクサクとした食感に舌鼓を打ち、香ばしさと醤油の風味で酒もすすむ。
少しばかりふわっとした表情なのは
酒のまわりが早いのか、うまいものを食って上機嫌なのか。
「まあ、アンタみたいな美人がいてメシも酒もうまけりゃ
男の客も多くなるだろ。今回は匂いにつられた形になっちまったけどさ」
魚の料理を始める様子を見つつ酒をちびちび。
グラスの中身も順調に減ってきている。
今料理されている魚もとても美味そう。
こうやって目の前で美味そうなものをつくられると
注文が止まらなくなってしまいそうだ。
■ソウレン > 「そうだろう? いや、酒を楽しんでもらえるのが一番大事だからね。
それに、空きっ腹に酒だけを入れるというのは健康にもよろしくない。」
お腹が痛くなってしまうからね、と微笑む。
胃を壊す、という事なのだが店主にとって詳しい内容は些細な事だ。
小鉢は日によって変わる、という。
煮物であったり、佃煮であったり、酢物であったり…と。
「確かに、東の流儀ではあるな。
郷に入りては郷に従えともいうが…雰囲気も味わってもらえてるなら何より。
美味いだろう? 私も好きな料理だよ。
それを肴に仕事上がりの一杯はなかなか堪えられない。
あぁ、そうだ…これで食べてみてもいいと思うよ。」
少年の言葉に微笑む。
まだ切れが余っているようなので、調理台の下から小皿を取り出す。
それを少し、生揚げの皿の端においてやった。
ネギを混ぜて焦がしたネギ味噌だ。田楽のようにまた違う風味が楽しめるだろう。
「はは、有難い言葉だが、どちらかと言えば洒落っ気の方かな。
風変わりとは言え、お洒落とは程遠い。
デートに利用する店ではないと自負しているよ。」
魚が焼ければ、氷を削った清水にさっと浸ける。
粗熱がとれればすぐに引き上げ、素早く水分を取っていく。
食べてみるかい?と少年に問うてみる。
生魚が嫌でなければ、一品として出してあげよう、と。
■ブレイド > 「悪酔いするともいうしな。そういう意味でも長く酒を飲めるようになる…
ってのはいいことなのかな。ま、こっちとしてはうまいもん食えて飲めりゃいいんだけど」
店主の女性の微笑みに、笑顔を返す。
日替わりということを知らないので
きっと、今度またこの店に来たときには驚くことだろう。
「何も言わずに食うってのもアレだしな。
別にオレは神に祈ったりはしねーし…。なんつーの?
さっきの言葉って、作ってくれた人やら食材やらに感謝する言葉なんだろ?
ならちょうどいいかなっておもったんだ。
んでこれな。美味いな。
へへ、このタレがいいかんじで…って…これは?
まえに握り飯に塗ってあったのと少しにてるな」
店主の女性が出してきたもの。
また違う香ばしさというか、美味そうな香りだ。
生揚げに乗せて食べればいいのか。せっかくなのでいただいてみる。
「んー、これもいいじゃねーか。
ちょっと焦げっぽい味がむしろいい感じで…
少し味噌汁に味がにてるな」
ネギ味噌もまた気に入ったようだ。
混じったネギのシャリシャリとした食感もまた新しい。
次から次へといろいろあるものだなと関心する
「洒落っ気?まぁ…綺羅びやかーってわけでもねーけど
落ち着いた感じでいいんじゃねーかな?
デートって雰囲気じゃねーけど。っと、それは…生の魚?
せっかくだから貰おうかな」
生の魚。食えることは知っているが、それだけではなさそう。
この店では初めて食べるものが多い。女性の問にうなずいて。
■ソウレン > 「長く飲んでもらえれば払いも良くなる。
懐具合次第だが、win-winというやつだよ。」
食べる、という事なので調理の準備を。
とは言っても、事前に用意してある大根の細切り…ケンともいう。
それに切った魚を乗せるだけだ。
白身の魚は回りが白く香ばしく焼けているが、中は生。
しかし、涼し気な見た目は夏にぴったりだろう。
「そうだね。王都では神にささげる祈りをよく聞くが…。
東ではそうなる。冒険者たちには馴染みがいいかもしれないね。
そうだ。あれと同じものだよ。
この間はそれを焼いていたが、そのままつけてもいい。
握り飯のように生揚げに塗って焼いても美味いがね。」
それはまた機会があれば出してあげよう、と思う。
あまり同じ味ばかり連続で出すのも店主としては控えたい。
そして、切り終えた魚を少年の前に出す。
生揚げとは別の醤油の小鉢を添える事も忘れない。
「さぁ、どうぞ。わさびがあればよかったんだが。」
なかなかこちらでは手に入らない。
清水の湧く山奥なら手に入るだろうか、と少し思いをはせる。
「だろう?
まぁ、ここは仕事を終えた冒険者や商人の男達が利用する店だと思うよ。
仕事上がりの一杯というやつだ。気持ちよく酔って、明日への英気を養ってくれればいい。」
話ながら、使い終えた調理器具を洗っていく。
洗った物は綺麗に水気をとり、次の調理に備える。
少年が注文を続けても快く応えるだろう。
■ブレイド > 「それもそっか。商売上手なんだな。
ま、今回は懐具合は…普通、かな?
冒険者なんで大金持ちとはいかなくてすまねーな」
冗談めかしつつも、店主の料理に興味を見せる。
魚をのせたあの白く細いもの…なんだろうか?
食べられるものなのか飾りなのか。
少し判別がつかないが、それも教えてくれるだろう。
「ま、今の…なんだっけ?ヤルダバオートってのがどうも気に入らねーんでね
東の…アンタたちの国のやつのが好きだな。
眼の前にあるメシ食えるのは、アンタや食材のおかげで神のおかげじゃねーし。
やっぱあれと同じか…味噌汁ともにてるってことは、これがミソってやつなのかな?
見た目は食欲をそそるってほどでもねーけど、やっぱ食ってみるとうまいな」
味噌と醤油で生揚げを平らげる。
味も変われば食もすすむ。
平らげてしまえば、変わるように出てきたのは生魚。
こちらもまた美味そうだ。
「おう、ありがとよ。イタダキマス…だな。
わさび…向こうの薬味かなんかかな?」
聞き慣れないものだ。とりあえず、小皿のタレに魚を一切れつけて、口に運ぶ
「んんっ!おー…こりゃ、美味いな…ちょっと炙るだけでこんなに違うもんなのか。
へー、こりゃ…勉強になったな。
でも、静かな雰囲気の店だから、荒くれもんの冒険者とは一緒に飲みたかねーな。
なんかこの店って…しっとりしてるっていうか…なんだろ」
口では説明しがたい雰囲気。
ワビサビとかいうものなんだろうが、少年には言葉に出来ない雰囲気。
嫌いではないからこそ、それを崩しそうな騒がしさとは別の空気を楽しみたかった。
よく見れば、もうグラスも空だ。
■ソウレン > 「何、上物の酒をがばがば飲まない限りそう高額な払いは発生しないよ。
君のような冒険者や、商人達が主な客だしね。」
あまり高いと通えないだろう?と笑う。
道楽ではあっても商売は商売、とは思っている様子。
赤字経営では長く続かないのだから。
刺身を飾るものは、食べられるよ、と一言。
飾りは飾りだから食べなくてもいいが、刺身で包めばシャキシャキと心地よい歯ごたえが返ってくるだろう。
「なるほどなぁ。私はそこまで神に対する敬意はないが、王都の宗教への対応もそれぞれだね。
確かに、教会の人間ならばともかく敬虔な冒険者というのはあまりお目にかかったことはないなぁ。
そうだ、それが味噌だよ。
こちらでは手に入りにくいね。豆を発酵させて作るのだが…やはり手がかかる。
だが、この店で使う酒にはよく合う味だからね。重宝しているよ。」
「わさびはツンと来る辛味と、さわやかな香りが特徴だね。薬味みたいなものだよ。
澄んだ綺麗な水のある所にしか生えないのだが…王都ではまだ見ていない。
その食べ方はステーキのレアが近い。
魚は皮の下が美味いから皮を香ばしく焼いてやれば実に旨いよ。
旅先でも試してみるといい。…まぁ、生で食べられる魚を選別はしないとダメだけどね。」
魚の調理に関してはこの店は良いところまでいくだろう。
王都の魚料理も悪くないが、生というバリエーションはあまりないはずだ。
そういう意味でも風変わりと自称しているのだろう。
「騒いで水のように酒を飲むのも一つだが…。
そうだね、私はあまり好きではない。
ここは、酒を楽しむ客達の為の店だからね。」
少年の言葉は嬉しかった様子で、にこにこと笑って答えている。
お替りはいるかい?と空になったグラスを見ながら問いかける。
氷を入れているとは言え、それなりに強い酒ではあるが。
■ブレイド > 「上物ね。いずれそういうのもの飲んでみてーけど
今は無理だな。通えるように安酒で頼むぜ?
あんま詳しくねーからさ」
商売は商売だろうけど、彼女はふんだくるような商売はしないだろう。
通わせる前提ならば特に。
彼女の返事に飾りの白い何かも食べてみる。
歯ごたえの良いシャキシャキとした…大根だろうか。
「行ったことはねーけど、そういうのは神聖都市ってやつにいるんじゃねーかな?
まぁ、たいしたことじゃねーけどさ。そういうのは好きなやつがやってりゃいいんだ。
にしたって味噌か。向こうの食材ってのはこっちじゃ手に入りづらいんじゃねーのか?
結構使ってるっぽいけどよ」
うまいのはいいけれども、結構貴重なものなのではないだろうか?
高額な払いは発生しないというが、厚意でいただくのも悪い気がしないでもない。
「わさびってのもアンタのとこの薬味か。
東の方ってのは特徴的なもんが多いんだな。シェンヤンも大概だけどよ。
いつかくってみてぇな。
んで、レアの魚ってわけね。
覚えとくぜ。完全に焼けてからくってたけど
こういう食い方も悪くねーな…このタレはねーけど。
あと、食える魚の見分けくらいはつくんだけどな…生食ってなると自信ねーな」
せっかくなのでおかわりも貰おう。
ちょっと頬が熱いし、ふわふわするが…
飲み口がいいのでついついと。
「酒を楽しむってことだと、オレはちょっと騒がしすぎかな。
こうやって、簡単な話でもしてたほうが楽しい。
そりゃ、騒がしいのは似合わねーとは思うけど」
■ソウレン > 「はは、心得ているよ。
元々そういうものを頼む人は一握り。最初から美味い酒を出せと言ってくるものだからね。」
その辺の様子は見て判断してはいるらしい。
その上物の酒を飲んだものも、この店の様子では何人いることやら、という状況。
そうだ、大根だよ、と笑顔を浮かべる。
糸のように細く加工されたそれはそれなりに見事なものだろう。
「全くその通り。信仰なんてものは強制してはいけない。
自分の心の中に感謝があるからこそ信仰するのだからね。
あぁ、まぁそれはそうなんだが。
今寝かしているものがある。上手くいけば自家製のものができそうでね。」
味はできてのお楽しみなんだが、と。
自分の家で作れるのなら高価にはならないだろう。
ただ、時間は非常にかかる、との事だった。
「山で見つければ供せるだろうね。そのうち探しに行ってみるさ。
期待せずに待つといい。
何、塩でもいい味は出る。焼く前に塩。
そしてタレは柑橘類の果汁がいいね。甘味よりも酸味を使うのがポイントだ。
それで爽やかに頂けるよ。」
少し酔いが回っている様子。
新しいグラスには少し大きめの氷を浮かべて出してあげる。
「弁えてさえくれていればいいよ。君は十分合格点だ。
話を肴に飲むというのもなかなか乙なものだし、ね。」
バカ騒ぎを否定する事はないものの、この店には似合わない。
それがわかっていてくれれば自分はそれでいいと笑う。