2018/07/10 のログ
■ブレイド > 「美味い酒を出せって…暴君じゃねーんだから
安酒でも美味いって思っちまえるくらいがちょうどいいぜ。
我ながら貧乏舌で助かってるってな」
それでも上等な酒の味というものには興味はある。
味の判別がつくかどうかは別として。
まぁ、このとおり、舌が鈍いわけでもない。
細かすぎなければ違いも何となく分かるだろう。
「へー、やっぱそうか。
にしても、よくこんなにできるもんだな…オレはてっきり白いなんか糸っぽいもんかと思ったぜ。
味噌も自家製とかできんのかよ…なんか、すげーな。
やっぱ料理人ってすげーんだな。ちょっと尊敬するぜ」
自家製の味噌。こういうものも作れるのかと感心する。
そういえば、自家製の果実酒を作ってた店もあったっけ。
味噌がどれだけ手間のかかるものかはしらないが
豆をこのように加工するのであれば、手間がすごそうだ。
時間がかかるのもうなずける。
「山ね。九頭龍のあたりだと山賊多いからな。気をつけろよ?
護衛とか雇ってさ。アンタ美人だから、つかまったらそりゃひでーことになるぜ?
それに、常連になろうって思ってんのに、変なことに巻き込まれたら困るぜ。
へえー、塩も使いようか。
塩と柑橘…あんま柑橘の果汁とか聞かねーな…。
そういう使い方もあんだな」
へーと感心然り。
山を探すという店主の言葉には少し心配するも、新たな味に対する興味も強い。
教えてもらったやり方も、今度試してみよう。
出されたグラスの中身を一口。やはり飲みやすい。
「そうかい、ありがとよ。
へへへ、それじゃ、またこさせてもらおうかな。
残念ながら、デートで使う予定はねーけど」
カラカラと笑いつつ、魚と酒を味わう。
やはり美味いものと美味い酒が一緒にあれば消費が早いのもしかたのないこと。
■ソウレン > 「いやいや言葉通りというわけではないがね。
やはり飲み慣れた者や、こういった酒を好む者は美味い酒があるなら知りたい…
そんな風に考えるものでね。何か美味い酒はないか、と言ってくるわけだよ。」
それはそれで居酒屋冥利に尽きる、と続ける。
自分の選んだ酒を美味いと言ってくれるのはそれなりに嬉しいからだ。
少年のようにそこそこの酒でも美味いと言ってくれるのも嬉しい。
それはそれで料理を供する価値がある。
女店主はそんな風に話すだろう。
「こんなものは慣れだよ。多少の知識は必要だがね。
…料理人に必要なのは腕ではなく、客が何を求めているか、とか
他には料理の組み合わせ、選び方…ではないかな、と私は思う。」
結局素材は素材、と認識している様子。
長い事やっていれば、それなりに苦労する場面がある。
つまるところそれを解決できるかどうか、そんな風に思うのだ。
「何、山賊程度ならあしらえる。
こう見えて私はそれなりに強いんだ。……信じていないな?
そうそう。何事も使いようだ。
そして挑戦だな。君は挑戦する意思が強そうだ。
良い事だよ。」
強い、という風に言って、少年の表情を見ながら悪戯っぽく言う。
実際に長刀を振っている姿を見せない限り評価は変わらないのだろうなぁ、と思う。
「別に使ってくれても構わんけどね。
他のお洒落なお店を薦めるよ。こんな会話は前したかな。
まぁ、来店する分には歓迎するよ。」
話しながら、先ほどの魚をもう2、3枚スライス。
同時に引いてある出汁を軽く沸かす。
盛った飯の上に魚を乗せ、軽く香りのある葉を散らし、醤油も軽く。
その上から程ほどにあたたかい出汁をかける。
レアな部分がさっと白く染まり、いい香りが漂う。
魚のお茶漬けである。
「締めの一品だ。腹持ちの割にあっさり食べられるだろうから、食べていくといい。」
■ブレイド > 「なるほどな。そういう、ね。
そういうことならわからねーでもないな。
オレも、この店でしか食えねーようなうまいもんとか、それにあう酒ってあれば
なんかねーのかって聞いちまうし…」
まさしく、今回の注文とかもそれになるだろう。
だが、目の前の女性は嬉しそうにこちらを見ていてくれる。
ちょっと照れくさいが、嬉しくもある。
自分では、美味いものを美味いと言っているだけなので。
「そりゃ腕を磨くよりも難しいと思うけどな。
実際アンタはオレは別に何って注文したわけじゃねーのに
うまいもん出してくれて助かってるけどさ」
東の国に詳しくない自分にも優しいおまかせ注文。
それができるだけでも大したものだ。
二回しかまだ来てないが、それでも今の所ハズレ無し。
観察眼もあるのだろうか。
「強いのか。なら安心、かな?
信じる信じねーは別として…わさび探しにゃ期待してるぜ?
ま、やってみなきゃわかんねーしな。
美味かったらまた報告に来るぜ。
料理人のアンタの言うことだし、試して見る価値はあるだろ」
嫋やかでけだるげな…少しクールなイメージのある女性。
今の衣装では流石に強いと言われてもという感はある。
「いや、いいよ。
美人店主目当てに来てるって思われちゃたまんねーし。
っと、だいぶ酔ったかな?少しふらつく…つーか、二杯しか飲んでねーな。
わりとつよいやつだったか?」
店主の言葉に笑いながら返すも
軽く目頭を押さえる。
出てきた最後の一品と思われるもの…これは
「魚を乗っけた…コメ?なんかかけたけど…おかゆ、とはちょっと違うんだよな?
いただきまぁす」
あっさりサラサラと流し込める。
店主の言う通りだ。それに、魚もかけられた出汁でいい塩梅。
サクサクと食べ勧めることができてしまう。それでいて美味しい。
手間自体は少なさそうだったが…
「ふえー。最後まですげーな…うまかったぜ」
米粒一つ残さず食べ終わればご満悦といったようす。
金払いも渋ることすらなく、じゃらりと小袋を置く。
いくらかはわからないが…とりあえず100ゴルド。気持ちも含めれば釣りもいらない。
■ソウレン > 「まぁ、これは私の繰り言だ。言ってしまってからこういうのもなんだが、
君は客なのだから素直に美味い酒と料理を出してくれと言ってくれればいいのだよ。」
から、と笑った。
それに対応するのが店主であり、料理人の仕事、と思っているのだろう。
気負いはないし、それが嫌だとも言わなかった。
「その通り。難しい事だからこそ、それができれば素晴らしいのだよ。
私もまだまだ、精進をしなければならないと思っているよ。
まぁ…王都の客にはまだしばらくは東の料理の紹介のようになるだろうね。」
紹介し、知ってもらえば次に来た時に「あれが食べたい」と言ってもらえるだろう。
王都で東の料理屋を営むなら、まず客に知ってもらいたい、というのが店主の気持ちであった。
「あぁ、まぁ…見つかればいいな、くらいに思っていてくれ。
何、ちょっと行って帰ってくるだけだ。
ひとまず、外回りの仕事に行ったときだろうね。
美味しければ広めてくれればいい。」
話しながら、空になった食器を下げていく。
最後に残るのはお茶漬けの器だけ。
その横に、とん、と冷たい井戸水を入れた湯呑を置く。
「なるほど、そういう捉え方もあるのか。
確かに彼女の前で鼻の下は伸ばせないだろうねぇ。
東の酒は度数が高い事が多い。それもそれなりには強いね。
飲みやすい物も多いのだけれど…帰る前にその水を飲んでいくといい。」
茶漬けを食べ終える姿に、お粗末様、と一声。
美味かった、の一言ににっこりと笑って見せた。
「少し多いかな。まぁ、これが君の気持なら受け取っておこう。
次に来た時にまたサービスできるようにね。」
笑んだまま硬貨を受け取れば、たすきをはずして袖を解く。
はらりと優雅な歩調で調理場から出てくると、からりと引き戸を開ける。
…少し涼しい夜気が流れ込んだ。火照った頬には心地よいだろう。
■ブレイド > 「ま、そーかもしんねーけどさ。
ちょっとした気分の問題ってやつさ」
どうも客と店主と言ったような考えが薄い。
知り合いの家でごちそうになっているような。
最初に誘われたのがそんな感じだったのでやむなしかもしれないが…。
「おまかせが多くなっちまうのもそれが原因だわな。
でも、任せてもうまいもんが出てくるから安心ってなっちまうのもあるな。
頼りっぱなし…ってよりも、好物としてあれが食いてぇっていいたいし…
いろいろごちそうしてもらえれば覚えてくぜ。生揚げ…だっけ?とかさ」
店主の思いに答えられるようにと、これからも通うだろう。
にっと笑って、今日食べたものの名前を言ってみせたり。
あれは香ばしくて美味かった。
「おう、どんなものかしらねーけど期待して待ってるぜ?
ま、何にしたって気をつけてくれよ?
気に入った店にいけなくなるのは寂しーしな…っと、わりいな最後まで」
いただいた井戸水をコクリと飲めばスッキリとしていく意識。
視界も少しはクリーンになるだろう。
「そういうこった。どうせ、アンタ目当てだと思われるなら
一人で鼻のしたでも何でも伸ばしていてーもんだしな。
まぁ、今回は匂いにつられてだけどもよ」
美人の店主…というよりも、話しやすい彼女だからこそ足を運んだというのもあるが
だからこそ一人できたいものだ。
どうせここにくるなら、彼女の興味深い話をいろいろと聞きたいものだし。
「そうしてくれるとありがてー。
ちょっとばかり色付させてもらったのはかっこつけみてーなもんさ。
あと、ふつーに美味かったしな感謝だ。えーっと、ゴチソウサマ、だっけ?」
確かむこうではこうやって挨拶してたはずだ。
変えられた引き戸に向かってあるき出せば、少しばかり心地よい風。
生ぬるいわけではないが…かといって、夏の熱気を帯びたものでもある。
「んじゃ、またくるぜ。ありがとな」
ひらりと手を振り、立ち去る。
有意義な時間を過ごしたと。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からブレイドさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からソウレンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にキュリオさんが現れました。
■キュリオ > メイドを伴い訪れたのは、平民地区にある標準的な宿屋。
一家で切り盛りをするその宿は、高すぎない値段で料理も美味いという事もあり、客の入りは上々。
運営にも何ら問題は無かったのだが、とある貴族に目を付けられたのが運の尽き。
「どうだ、店主よ。」
夕暮れ時に宿へと訪れ、扉を潜ると先ずは店主へと声をかけ。
憔悴しきった顔で項垂れていた亭主でもある店主は、慌てたように頭を下げるも、それに対する返事は非常に曖昧なものだった。
その原因は、廊下へと繋がる通りの壁から突き出た、女性の下半身。
『宿泊客の方、ご自由にお使い下さい』という看板が掲げられたその尻は、良く肉が乗り熟れた魅力を醸し出している。
微細に痙攣し、何の汁かも判らぬ液体に濡れ、或いは、割れ目から垂れ落としたその様相は健全な宿とは言い難く。
無論、元より存在していた物ではない。
■キュリオ > 例の如く異常な徴税の的にされた宿の一家は、貴族の意見を聞くしかなかった。
徴税の免除か、或いは支払いの延期か。
ともあれ、気分を害す訳にはいかないのだから。
先ずは、女将の役割であった妻が、こうして壁に拘束され『使われて』いる。
客寄せの穴としての効果は果たしてあったかどうか不明だが、使用されている回数は見るに相当なものだった。
無遠慮に尻へと落書きされた線の数がそれを示し、赤く上気した尻が今もひくひくと痙攣し。
次は、娘。
此方は客の要望により、時間の区別なく体の空いている時は伽の相手をすることを命じ。
要は、性的なサービスで心を掴めという、真っ当な経営理念から外れたやり口だ。
今も励んでいるのか、丁度頭上の天井から、ぎしぎしと軋む物音と、悲鳴とも嬌声ともつかぬ声が僅かに耳に届いていた。
活気がありながらも自然と宿泊客同士が穏やかな時間を過ごしていた宿は、今やどこぞの娼館の様に。
その娼館よりも遥かに安く諸々を”使用”出来るというのだから客付きは中々に繁盛している様だった。
それを成功と呼ぶべきかどうかは、意見が分かれるところではあるが。
「ほぉ、満員か。
どうだ、儂のいう事を聞いて正解であっただろう!
くははっ、妻も娘も、まぁ重労働だろうが仕方があるまい。
何、一月も続ければ充分な稼ぎとなるだろうよ。」
当然、客が増えれば増える程、妻と娘の肉体的――そして精神的な負荷が増す。
或いは途中で壊れ、後半の問題は無くなるかもしれないが、それは店主にとっては慰めにもならぬ事。
そんな店主の反応を見て呵呵大笑の態度を取り、非常に上機嫌な表情だった。
■キュリオ >
「何、貴様の事は信用しているが、一応な。
儂もアドバイスをした身であるが故、見届けるべきと思っているのだよ。」
無論、言葉通りの意味ではなく。
有り体に言えば、監査だ。
くひっ、と意地の悪い笑みを浮かべると、気安い調子で店主の肩を叩き、踵を返し。
「ではな。商売に励むと良い。
あぁ、また顔を出す故、何か困った事でもあれば相談するが良い。
親身に。そう、親身になって相談に乗ってやろう。」
親身、という言葉がこれ程薄っぺらく聞こえる事もないだろう。
何も答えられぬ店主を背に、そのまま貴族は去っていく。
さぁ、これからの時間は稼ぎ時。
一家の長い長いお仕事は、これから始まるのだ――――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からキュリオさんが去りました。