2018/04/04 のログ
チェシャ=ベルベット > 【後日継続予定です】
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からチェシャ=ベルベットさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセレーナさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にマニィさんが現れました。
マニィ > 大小様々な宿屋、酒場、はたまた両方を兼ねた建物が連なる一角の夜は明るい。
通商路でもあり門を隔てれば街道でもある通りに配された魔力灯が鮮やかに彩るからだ。
夜警の物々しい装備の衛兵。大声で歌う酔漢。何処かの娼館か何かの客引きと思しき女。
景気の良さそうな商人風。そういった手合いを澱んだ瞳で眺める浮浪者風。
色々な人々が様々に照らされて、見ていて飽きないなと私はテーブルに頬杖をついた姿勢で笑う。

「まぁるで花火のようだこと。」

此処はそんな花火の一部の小さな酒場。規模は小さくとも店主が洒落者なのか調度はきちりと設えられており、
店内を一瞥すると客種も良さそうな雰囲気で落ち着いているのが見てとれる。今私の居るオープンテラスも随分と居心地が良く
故に少々お酒が過ぎるのも已む無しで、通行人を肴としながら蜂蜜酒のお代わりを給仕の男性に注文するのもまた已む無し。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシスター・マルレーンさんが現れました。
シスター・マルレーン > そんな花火の中、一際目立つものが遠くから近づいてくる。ずっしずっし、のっしのっしと近づいてくるのは、背嚢らしきものを背負ったシスターが一人。
今日はフードを被って金色の髪を僅かに垂らし、ひーひーと膝に手をつきながら、また歩く。
街を覆う壁の補修工事の護衛を依頼されたのはいい。
そこまではいい。

なんで工事の手伝いをしているんだろう、と目のハイライトが消える。
最初に調子に乗って「多少の力仕事でも任せてください!」と見栄を切ったのがいけなかったのか。
悩むまでも無くそれが原因だった。

「……あら、……マニィさんです?」

ようやく声がかかるほど近くを歩けば、ふとマニィに目を向けて、ひらひら、と手を振って笑顔を向ける。
ちょっと疲れた笑顔だった。

マニィ > それぞれが観客でそれぞれが花火で、故に触れたら火傷もしよう。
蜂蜜酒に蜂蜜を更に足した甘ったるい奴を店の雰囲気にはやや相応しく無く頂く私は風景の一部となり
通りでは酔漢同士の喧嘩が今にも始まりそうだった。

「物語ならねえ、ああいう場面を格好良く収める人とかいるんだろうけどねえ。」

屈強な傭兵と思しき二人の殴り合いはちょっとした見応えがあり、周囲の人々も無責任に囃し立てるもので
暫くもしたらきっと、衛兵がやってくるに違いない。

「……おんやあ。」

そういった賑やかしい夜の街で何やら聞き覚えのある声の方へゆうるり顔を傾いでみると、なんということでしょう。
まるで奴隷労働に従事するミレー族のような風体の顔見知りがいたのでした。思わず垂れた目を瞬いて不躾な眼差しが砲弾のように飛ぶ。

「そういう君はマリーさぁん。……だよね?どうしたって言うんだい、その格好はさぁ。」

それから、まあまあ席にお座りなさいよと隣席の椅子を引いて手招きをし、給仕を呼んでお茶の1つも注文しよう。

シスター・マルレーン > 「…いや、その、工事の護衛をしていたら……その、護衛って言っても、外でやる工程は今日は終わってしまったらしく。
 まあその、依頼の時間が残ったので、工事のお手伝いをですね。」

言いながらも、すっかりへばったのか背嚢をずしり、と下ろして、溜息をたっぷりと。
流石の彼女も、この疲弊感の中殴り合いを制することはできずに、腰を押さえてしばらくその場にへたり込み。

「……それじゃあ、失礼しますね。
 ふー、ちょっとくらいは休憩しても、バチは当たらないでしょう。
 後はこれを明日の現場に運ぶだけですし。」

いたた、と隣に座るシスターさんは、フードを取って。
金色の髪の毛がぱらりと散る。

マニィ > 話に相槌を打ち、さも真摯に話を聞いておりますよと言う体を装っているように見えて真実話は聴いている。
聴き終わったら、頤に指を添えた判り易い思案する姿なんてのを示すのはちょいと心配にもなるからだ。

「そうだねえ。とりあえず無茶をし過ぎているっぽいから、今はお茶でも飲んで無茶に非ずとするのがいいよぉ。」

献身が過ぎて身を滅ぼすタイプかな?と隣の彼女の顔を、ともすれば鼻先が触れるくらいの距離でじろりと診て、
ああこりゃあ疲れているなと納得をした所で按配良く給仕がお茶を運んでくれる。
小さなビスケットが数枚と、ミルクポットや砂糖が付いてくる中々気の利いた奴。

「で……何処ま~で運ぶのかなあ。この通りの先は街道に続く門だよう?明日使うといってもさあ、夜が明けてからのがいーんじゃない?
腰、悪くしてそうだしねえ。」

使う時、困るだろう?なんて少々御下品な事を猫みたいに笑ってからかうのは気を利かせたとかじゃあなくって、単に趣味。

シスター・マルレーン > 「いえいえ、………ああ、もちろん休憩はしますけど。
 こう見えても何人もいるシスターの中から冒険者でも行ける、と選抜された身ですし、なんだかんだで頑丈健康ですよ?」

じい、っと見つめられれば、表情を明るくしてふん、と拳を握って元気に見せる。
そうやって振舞うのは得意だ。ともすれば自分で自分のことを元気だと錯覚するほどに。

「でもま、お茶は頂きましょう。
 こうやって折角知り合いにもお会いできたことですし、お話の一つでも。

 ……そうですねぇ、街道沿いにいって左側の見張り塔付近と言われましたけど。
 確かに、夜が明けてからにしましょうか。

 いやー、昨日ちょっといろいろあって良くなったからもう大丈夫かなー、って思ったんですけど。」

腰を抑えて苦笑い。 使う時に、と言われれば、少しだけ考えて。

「……しーりーまーせーん。」

頬を赤くしてぷいとそっぽを向こう。

マニィ > 「自分で自分を頑丈で健康。なぁんて言ってる奴程あっさりと壊れちゃったりするんだよねえ~イッヒッヒ……。」

空元気を振舞ってくれたお礼に酒臭い吐息をふうと吹きかけて今度は魔女のように笑いもするけれど
彼女の目的地が街の外だと知れたなら、そういった笑いはピタリと止まってすこうしばかり渋い顔だ。

「おやまあ元々腰、悪くしてた上でそんな依頼を受けたのかい。君、それはちょ~っと迂闊なんじゃない?」

例えば目の前の相手から視線を外すのも迂闊、と頬を指でつついて差し上げながらの小言が数個、ぽんぽんとつつく指に併せて砲撃開始。
彼女が視線を戻す頃にはビスケットが少し消えているかもしれないが、それはきっと些細な事。

「お姉さん心配になってしまうなあ~案外、君のが年上か~もだけど、それはそうと腰、痛むならお薬を売って上げてもいいよぉ?」

それから、帽子を脱いで数度振るとテーブル上にことりことりと数個の小瓶。その内のひとつ、薄青みがかった乳白色の薬が入った奴を拾い上げると
周囲に不可思議な薬草とも香草ともつかない匂いが立ち上がる。酒場には似つかわしくなく、病院にもまた似つかわしくない匂い。

シスター・マルレーン > 「……お酒飲んでるんです? まあ、それならそれで別にお付き合いしますけど……
 う。」

うかつだと言われれば、まあ確かに、と思う。
これ以上迂闊もあるまい。ええ、確かに確かに。
小言を聞きながら小さくなって、ええ、まあ、そうなんですけど、と、慌てながら言葉をいくつか返すのみ。
頼まれれば断らない、をやり続けた結果の悪癖。

「ふふ、お姉さんですか? じゃあ、妹ですかね、私は。

腰はまあ、しばらくしたら治るとは思うんですけど。
 ……薬ですか、確かに、今日が終わったら数日休もうかとも思っていたので、あればありがたいかな、なんて思ったりもしますけれど。

 ………今度は心臓に負荷かけたりしませんよね?」

ふわんと立ち上る不思議な香りに首を傾げながら、その瓶を手に取って、眺める。

マニィ > 「そりゃあそうだよう。君、此処は酒場だぜい?ま~此処は随分と洒落てるけどさあ。」

つつく度に小さくなっていくような気がして面白く、とは言え真実、いつか彼女は磨り減って消えるのではなかろうかとも思う。
与太な思考だとも思おう。

「だーいじょうぶだって。それは塗り薬だから塗ったくったあとにガーゼでも当てて包帯でも巻いておけば数日で効き目、あると思うよぉ。
そんな小さくっても結構作るの大変だよぉ?材料にはトレントの根にゴブリンの臼歯、水中に生える特殊な藻にetcetc……」

小瓶を矯めつ眇めつ眺めるマリーに私は一応の説明をきちんとする事にした。最後の仕上げに魔力をキュッと入れて仕上げる錬金薬は
魔力の性質がモノを言うのもあって私にしか作れない特注品で、とっても高いんだぞと楽しそうに脅かすのも忘れない。

「ヒッヒッヒ……ああ、でも御代はいいよぉ。その代わり、元気になった時にでも素材集めに付き合って貰おうかなぁ。」

残った酒をぐいと呷って席を立ち、給仕を呼んで支払いを済ませ、次いでやたらめったら重そうな荷物を持ち上げようとして持ち上がらず、
給仕に幾らか掴ませて荷物番を頼む。

「……と、言う訳でお茶、飲んでしまったら動~くかなあ。此処で薬、塗るわけにも行かないしねえ。」

シスター・マルレーン > 「何かのカフェかと思いました。 本当にお茶も出てきますしね。
 ……なるほど? じゃあ、それを買わせてもらって……って、特別製なのは分かりますけど、本当に効く、んですよね? 人によって副作用とか無いですよね?」

謎の材料がずらりと並べば、流石に不安になって、一度聞き返す。
錬金薬は確かに効果は千差万別、良い物はそれこそ魔法以上の効果があることは分かっちゃいるけれども。

「……そ、そうですか? それでいいなら、その、有難いんですけどね。
 元気になったら手伝いますよ、護衛もかねてお任せください。」

相手の言葉に、慌てて立ち上がって。

「そ、そうしますか? ……ええ、っと。この近くですと教会もありますけれど。
 ちょっと………知らない人を入れると説明が面倒なんですよね。

 少し歩きますけれど、私の宿まで……?」

薬を塗る、と言われれば、今すぐであることに驚きながらも、その申し出そのものはありがたい。

マニィ > 会話をしながらテラスから数段を経て通りに出ると酔漢同士の喧嘩は何時の間にか終わっていたようで、
通りはすっかりと元通りの雑然とした煌びやかさに満ちていた。

「そりゃあ勿論。マニィ・ケリドルウェンの魔法薬は流星のように素早く効くのさ。
副作用は……そうだねぇ。君が人間じゃあないならあ~るかもしれないねぇ。
私のお薬は人間用だからさぁ。」

さて何処か宿でも取るべきか、と往来をくるりと見回した所で定宿があるらしい事が判り
それならばと先導を願い緩々と歩き始めよう。

「教会は~……ちょっと苦手なんだよねぇ。君の宿までついて行こ~う。
そうそう元気になったら護衛をね、私も魔法は使えるけれど、採取中は大変で~。」

例えば木に登っている時に真下に凶暴な獣が居座ったりしたら面倒くさい。
さりとて冒険者ギルドに足を運び、誰かとパーティを組むのもちょっと大仰と言うわけで
マリーの言葉は薬の値段を鑑みても十分に有難いものだった。

シスター・マルレーン > 「本当です? ああ、正真正銘人間ですから、そこは問題はないですけれど。
 まあ、そういう副作用も無いなら、是非お願いしたいところではあります、ね。」

なんやかんやで、自分ひとりの力で癒せる怪我の相場は決まっている。
まあ、多少の痛みに耐え続ければどんなダメージも癒されるのだけれど。
それでも、早く治るならそれに越したことは無い。

「………あー、まあ、私が言うのも何ですが、その感想は分かります。
 私の部屋、ちょっとだけ広い宿ですから、全然問題はないですしね。」

言いながら道を先に歩く。
荷物が無いせいか、比較的足取りも軽く。
しばらく歩けば、平民地区の中心地から少しだけ離れた宿の戸を開くだろう。

駆け出しの冒険者はあまり選ばないであろう、それなりの宿。
迷わずに足を進めれば、どうぞ、と部屋にまで案内して。
二人は止まれそうな広さの部屋に迎え入れてくれるだろう。

「………教会関係者がやってきた時に、拠点にされるんです。
 だから、ちょいと広めってわけですね。」

マニィ > 「ヒッヒッヒ……何だか宿のお部屋に連れ込まれるってドキドキするよう……」

部屋に通されわざとらしく婀娜っぽく科を作る──も、そこそこに室内をくるくると見回し、
説明を頷きながら聞いて納得を示す。安心して寝泊りする事の出来そうな良い宿といった感想。

「教会、中には魔法使いを嫌がる所もあるからねえ。そうでなくともなんとなぁく堅苦しいって言うかぁ……
ま、私の事はおいとくよぉ。それよりも薬を塗るから~……腰、見えるようにしてうつ伏せの姿勢になってくれるかい?」

帽子を簡素な机に置き、先程の薬を取り出したならベッドに座りちょいちょいと手招きをしよう。
反対側の手は小器用に蠢かしもしよう。

シスター・マルレーン > 「…やめてくださいってば。お部屋にそういう連れ込みとか、噂でも立ったら大変なんですからね?」

腕を組んで、全くもう、なんて頬を少し膨らませてジト目を向けつつ。
相手の手招きに合わせて、それじゃあ、と部屋の端で修道服を脱いでいく。

「………まあ、分からなくもないですね。
 教会の方は、ある程度固く考えていらっしゃる方も多いでしょうから、錬金術を好ましく思わない方もいらっしゃいますし。
 ………それじゃあ、その、お願いします?」

薄手のシャツとハーフパンツ程度にまで薄着になれば、よーいしょ、っとベッドに身を投げ出すように横になって。
……んしょ、と捲り上げる。

背中から腰は、特に傷ついている様子は無いものの。
触れれば、他の場所よりじんわりと熱を帯びて。

マニィ > 「……この国でそぉんな噂も今更じゃな~い?」

動乱の、乱れた国で何を今更と苦笑を返し、教会について理解を得られたら緩く口端を歪めて首肯とし、
マリーがうつ伏せ姿勢となったなら、先ずはと腰を撫でて診るのはお約束。少し、熱を帯びているような気がした。

「ああ熱を持っているね。それならむしろ安心かなぁ。この薬はちょいとひんやりするから丁度も良いと思うよぉ。」

小瓶を開けて液体、と言うよりはクリーム状の物体を手に取って、マリーの腰に塗布──する前に

「よ~いしょ。……あら~綺麗な形。」

塗り辛いから彼女の下着をずるりと引っ張り臀部を露にし、あんまり綺麗な形なものだからついついぺちんと触れもする。
きっと、不可抗力。

「羨ましいねぇ。私なんかは肉が薄いから~……と、さてはて塗るから動かないように。」

益体も無い与太話をけらけらと話しながらも腰に丁寧に薬を塗布し……時々、脇腹とかを擽るのは御愛嬌。
楽しいかと問われたらそりゃあ愉しいと子供みたいに笑ってやろう。

シスター・マルレーン > 「……そうなんですけどぉ。 いや、…立場上?
 まずいじゃないですか、その、まあ、………同性ではありますけど。」

ぶつぶつと口にしながら、顔を赤くする。
そういうことは理解していて、この状況がそれに近いこともまた、理解はしていて。

「んっ………
 確かにちょっと熱いですかね。……冷える軟膏ならよかったです。
 それじゃあ、お願いしひゃぁあっ!?」

悲鳴をあげながら、びく、っと。
丸くてきれいなお尻を露わにしてしまいながら、ぺちん、と叩かれてひん、っと悲鳴。

「ちょ、ちょっと何やってるんですかほんといい加減にからかうと怒りま……っ!!」

文句を言おうとして、ひんやりと冷たい軟膏がべちゃりとつけば、これまた息を飲んで抵抗は収まり。
痩せぎすではない健康的な身体。脇腹を擽れば、きゃんきゃんと悲鳴を上げて跳ねあがり。その度にがるるる、と涙目で睨んでくるだろう。

マニィ > 「……ふっふっふ。ざぁんねんでした。私はどっちでもいいよぉ?
ほぅらほら動かない動かな~い。患者は大人しくしてねぇ~」

真っ赤なお顔で騒いでくるくると表情を変えるマリーが面白くって私は笑ってしまいながら、
それだけ元気があれば大丈夫と安心させるように言葉をかける。
その前に安心出来ないような宣言が混ざったけれど、それはそれ。

「君のほうは好きな殿方のタイプだとか、そういうのはあるのかい?あるんだろう?
だぁれも聞いてないんだから、友達の私に教えてくれてもいいんだぜい」

酔っ払いの戯言もめいて下世話な話題をお送りしながらも指はきちんと仕事をし、
腰にガーゼや包帯をあて、巻くべく仰向けにひっくり返そうとし。

シスター・マルレーン > 「ほひゃっ!? ぇ、あ、大人しくできない気がするんですけどっ!?
 むしろ大人しくさせてくれてない気がするんですけどぉっ!?」

相手の言葉に顔を真っ赤にしながら、きゃいんきゃいんと。
笑われてる!これ絶対からかわれてます! と憤慨しながらも、むくれるくらいの反応で。

「……ぅー、いや、そういうのはその、あまり………。
 ま、マニィさんこそどんな方が?」

質問を上手く返せずに相手に丸ごと投げ返すという初心なところを見せつつも、腰にガーゼが当てられれば、少しだけ落ち着いたのか、吐息をゆっくりとついて……。

ころん、と仰向けにされた。

「………っ!? ちょ、わ、あの、…!?」

ショーツを引きずり降ろされた状態で仰向けにされれば、いやその、ね?
手で必死に隠してしまいながら、湯気が頭の上からしゅぽーっと出てしまう。

マニィ > 「……君ったら可愛いねぇ。ころころと表情を変えてしまって、まるで花火みたい。」

色々が重なって今にも爆発しそうな爆弾のような御面相のマリーにとうとう私は破顔して、相好を崩して、暫し本当に笑って。
それから呼吸を整えて、ちょっとだけ渋い顔。

「質問に質問で返すのはずるいんじゃないかい?でも……そうね。殿方なら背の高い、頼もしい感じとか……或いは小動物っぽい感じのとか。」

整えてから一応は質問に応えて、そこで言葉も普通になっていた事に気付いて咳払いを数度。

「で、女の子だったらぁ…からかい甲斐のある感じかなぁ~。」

然る後に何をと言わず隠すマリーの手を軽くちょいちょい引っ張るフリして反応を窺うかのよう。

シスター・マルレーン > 「変えてるのはマニィさんですけど。 無理やり変えさせられてるんですけど。」

けらけらと笑うマニィに思わずツッコミを入れながら、相手が本気で笑っている間にショーツを慌てて直す。
流石にこんな格好、恥ずかしくて死ぬ。死んじゃう。

「………そ、そうですか? 背の高い頼もしい……、小動物。
 真逆、のような気もしますけれど。
 ……というか、あの話し方、ワザとだったんです?」

なんだかんだで聡い彼女は、首を傾げながらも相手の口調には気が付いて。

「………ぅ、そ、そぉ、なんですねぇ。………えぇえー、っと………。」

誰のことを言ってるのかナー、なんて様子でとぼけながら視線を斜め上に向ける。
頬が真っ赤になって、なんだか妙な汗が流れていく気がする。

……しばらく放置すれば、湯気まで出始めるか。

マニィ > 「ん、ああ~言葉が足らなくってごめ~んね。ほらぁこっちが面倒見て上げないとダメな人って、いるよねぇ?
そういうちょっと可愛い所のある人が──って、よく、気付いたね?」

赤面し動転しきりと思っていた所に予想外な言葉が返り、私はおやと眉を上げてマリーを見た。じいっと視た。
そうしたら不思議と彼女ったら目線を逸らしてしまうものだからちょっと困り顔にもなってみよう。

「ふ、ふ。いやま落ち着いてくれよ。流石に治療にかこつけて手を出すような真似はしないから。
それと、話し方は癖と言うか私は旅人だからね。ゆっくり喋らないと中には呪文と間違える連中とかもいるかもだし、
緩慢な喋り、何処と無く組み易しと侮って貰えるだろ?」

肩を竦めて舌を出して茶目っ気を出して湯気に対抗し

「だからねえ、まあ、あんまり~気にしないでちょうだ~いな?」

はいおしまい、と何時の間にやら包帯をきっちり巻いてお仕事を終える。

シスター・マルレーン > 「そりゃあ、……人の話を毎日何回も聞くお仕事でもありますし。
 話し方で「こういう人なんだなぁ」って何となく理解するように努めますし。

 ……面倒を見てあげたい方、なんですね。」

じい、っとみられると恥ずかしくなって視線を戻せないまま。
ぅう、と小さくなってしまう。

「……そういう、ことなんですね。
 確かに魔法使いの方が早口で聞き取れなかったりすると、ちょっと警戒、しますもんね。」

なるほど、と手を打って。同時に包帯が巻き終わって。
ふうぅぅ、と、ようやく一息をついて肩から力を抜く。

「………まあ、気にはしません、けど。
 でもその、お尻を出して叩く理由は全く少しもいまだに分からないんですけどね?」

ジト目で睨みながら、ぷー、と頬を膨れさせる。

マニィ > 「なぁんでも自分で出来ちゃう人って、私の事も必要としてくれなさそうだろう?
言葉はまあ、そういうこと。機会があったら私の魔法をとくと御照覧あれ。結構綺麗なんだぜ。」

蓮葉な言葉に得意気な顔、薄い胸を張って鼻を鳴らして立ち上がり、机の上の帽子を被っていつもの私が出来上がる。

「いひひ……いやぁ良いお尻だなぁって、この間看板を引っこ抜くのを手伝~ったときに思っていてさぁ~。
叩くのがダ~メなら、今度は頬ずりでもしようかねえ。」

ジト目にウィンクをばちこんと返して瞳は柔和に細くなり

「そ~れじゃ、私はこの辺で失礼す~るよ。そうそう、少なくとも2,3日はおとなし~く寝ていてねぇ?
荷物、私の方で何とかしといてあげるか~ら。」

しゃなりしゃなりとお芝居がかった足取りでお部屋を後にするのです。

シスター・マルレーン > 「……なるほど。 ふふ、じゃあ魔法の方は、一緒にお手伝いする時に見せてもらうとしましょうか。」

相手がふふん、と自慢げに声を弾ませれば、それならば、とこちらも片目を閉じてウィンクしつつ。
お互い余裕を持って大人な雰囲気で……

「やめてくださいってば。
 その、こう、……褒められてるのかもしれないけどむずむずしますから。」

お尻を手で隠すように押さえながら、頬に朱が刺し。
もう、もー、と、ぶつくさ文句を呟いて。

「……ぅ、………わ、分かりました。
 調子乗ったのは反省してますよぅ。 ……その、ありがとうございます、ね。」

なんだかとっても疲れたけれど、それでも心配されているらしい。
へへへ、と緩んだ笑顔で手を振ってお部屋の入口まで見送って。

……あまりに薄着だったことに後から気が付いて、慌てて扉を閉めるのだけれど、それは見送った後。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からマニィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシスター・マルレーンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2/繁華街」にカインさんが現れました。
カイン > 騒々しい平民地区の繁華街の真っただ中、
露店で買ったらしい飲み物を片手に道行く人を眺めている男が一人。
誰も彼もが随分と忙しそうに立ち回っていく様子を何処か他人事のように眺めていた。

「相変わらずこの辺は騒々しいもんだ、
 仕事で来る分にはこの騒々しさが厄ネタだがオフなら気楽なもんだな」

どこか上機嫌に漏らしながらもどこかで騒動が起きたのだろう、
聞こえてくる怒声の方に視線を向けてヤジを飛ばす始末。
仕事らしい仕事もなくたまには休みと位置付けての散歩の最中だけに、
普段用心棒をしてる時の飯のタネも気楽に楽しめる余裕がある。

カイン > 「俺が仕事してる時はおとなしい癖に、こういう時ばっかりは騒動が起きるんだな。
 同業者の連中には同情するというか…お、やってるやってる」

近くで始まった女の子にちょっかいをかけようとした男に対し、
用心棒らしき人影が仲裁に入った様子に笑いながら見物の構え。
最も男自身、自分で軽口叩くほど平和な事は稀なのだが。
直にちょっかいかけてた男がノされて影に引きずり込まれていく様子に、
残念と言わんばかりに肩を竦めながら見ると無しに道行く人や客引きを眺め始め。

「ま、口説ける相手には事欠かんと言えば事欠かんのだろうが…」

この辺で不用意に声をかけると後が怖いなと肩を竦める。

カイン > 「とりあえずどこか酒を飲みに行こうかね。そろそろ酒を飲む事くらいはリハビリせんとな」

甘い物を飲んでると辛さが恋しくなってくる。
手にした容器の中身を一気に喉の奥に流し込んでから、
手近な目についた酒場方へとふらりと足を向けていく。
暫しの間、そこで酒を楽しむ事にするのだった。

ご案内:「」からカインさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にヴァルブルガさんが現れました。
ヴァルブルガ > 「ふむ……。」

いわゆる職業斡旋所。どちらかというと冒険者が利用するような短期の
仕事の募集が多い施設だ。

そこに張られている一枚の真新しい羊皮紙には、護衛の仕事が記載されている。

断続的に国内の旅の護衛をする、という内容で。数日程度の期間を目安に、相場は
お安め、いくらか危険な場所や治安の悪い場所も調査することになり
ひとまず募集を張り出すことにしたのだ。

「文面に無駄にこだわってしまったせいでもうこんな時間になってしまいました」

我ながら、時間効率が悪いと言わざるを得ない。無駄に細かいところに悩んだ割には
平凡だ。いや、簡潔にかけばそうなって当たり前なのだが。

とりあえず今日の仕事は済んだ、と周囲をぐるりと見渡し、首を鳴らす。

「どこかでお茶でもしていきましょうかね……。」

お酒のお店がほとんどだろうけれど。花街にはそういう場所もあるだろうが、カップルばかりで居づらそうでもある。

ヴァルブルガ > 「予算が少ないのが困りどころですねぇ」

ふぅ、と冷たい感触の義手を頬に当て溜息一つ。先日財布をすられ
あれやこれやと質に預けて何とか当座の資金を作ったのだった。

危うく怪しい金貸しに足を運びかけたが、割と良心的な質屋で仕送りと
合わせて当座の仕事は何とかなりそうだ。

入口近くの窓により、顔を出して外を見る。すっかり風が気持ちよく
感じるようになってきた。そろそろいろんな花の時期だと思えば、ハイキング
二でも出かけたくなってくる。半ば無意識にコーヒーか紅茶でも飲めそうな
場所はないかと探すが、やはりこの時間はいかにも酒場といった店ばかり
が煌々と明かりをともしている。

ヴァルブルガ > 職員にあいさつをし、斡旋所を後にする。
やや小ぶりな通りに紛れ込みながら、あちこちから聞こえる喧騒に耳を
未決つぶらぶらと歩く。店内で盛り上がる人々、路上にしゃがみ込みうわさ話に
花を咲かせる若者。あちらのカップルは痴話げんかだろうか。

「歩くのに困らないのはいいことです」

2、3年前に故郷に帰ったとき、友人は歩くと関節が痛いと愚痴をこぼしていた。
人なのかどうかもわからない体だが、素直に感謝できる点だ。
そして……男性の相手だって……なんてちょっと品のないことを考え
クスリと笑う。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 平民地区を鼻歌交じりに歩く男。傍目に見ても上機嫌っぷりは伝わるだろうか。

「ん~。ようやっと春の兆し、ってな」

一日を通して暖かい気候の日も増えてきて、仕事に行くのも苦ではなくなってきた。
そんなことが、中堅中年冒険者にはありがたく。
気分良く歩きながら、きょろきょろと周りを観察。
何か面白いことないかな、なんて思いながら曲がり角を曲がれば。
人にぶつかりそうになってしまう。

「おぉっと。すまねぇ、余所見してた」

すんでの所で衝突を回避した男。しかし、相手の姿を見れば、首を傾げてしまう。
気配が。何か。おかしい。普通じゃない。今まであった、超越者たち以上に……何かが、異常な気配を感じる。

ヴァルブルガ > 「ああ、いえいえ。こちらもよそ見をしていて、すみません」

ぶつかり、振り向けば人柄のよさそうな男性が気さくな感じで詫びてきて、むしろ
申し訳ないとばかりにこちらも謝って。ぶつかった際にわずかに
乱れたコートの襟もとを正すのは銀色の義手。一見さほど目立つものではない。
精々裕福な生まれでお金をかける余裕があったのだろう、と思う程度。
魔力感知の類ができない人にとっては。

ヴァルブルガ自身はあまり考えないようにしていたし、もはや体の一部になっている義手だが
そのコアたる宝玉からは並々ならぬ力があふれている。ただし力の方向は内側である。

セイン=ディバン > 正面衝突、こそ回避したものの。軽く身体が当たってしまい。
相手に頭を下げられてしまう。
男は慌てて頭を下げ返し。

「いや、本当に申し訳ない。お怪我などありませんか?」

そう、尋ねるものの。視線に一条の銀。輝きすら美しい義手。
それを見た瞬間。

「……っ!?」

ぞぶり。背筋が凍った。いや、そんな物じゃない。
視覚以外が、一瞬消失したような錯覚。間違いない。
この目の前の女性から感じる違和感。その根源は、その義手にある、と。
男の本能が訴えていた。思わず、一歩引き、腰を落とす男だが。

「あ~……えぇっと。お詫びと言っては何なのですが。
 お食事でも、奢らせてくれませんか?」

好奇心が走る。この女性の秘密が知りたい。違和感の正体。
もっといえば……感じる、強大な力の正体を知りたい、と。
男はそんな内心を笑顔で隠しつつ、相手にそう提案する。

ヴァルブルガ > 「あら、どうしましょう……」

元の造作はかなりきつめの女である。薄い唇。切れ長の釣り目、顔に縦に走る
疵、力なく垂れた片瞼。だが、人柄はどこかのんきな一面があるらしい。

唐突に食事を提案されれば顔を顰めるどころかどこか照れたようにはにかんで。

「そうですね、こんな時間ですし、どこかで軽食でしたら」

どうせどこかで軽く休みたいと思っていたところだ。申し出を受け入れ
ついていくだろう。セイン=ディバインの内心とは裏腹にこちらは暢気なもので、含みもなさそうだ。

セイン=ディバン > そもそもにおいて、強い違和感に隠れていたが。
美人であると同時に、その見姿は少々アンバランスであった。
何よりも、顔。男は職業上忌避しないが。うら若き美女の顔につくにしては……少し、その疵は目立っていた。

「ははは、快諾していただいてありがとうございます。
 ……よろしければ、食事の後もっと深い仲になりたいくらいですがね」

内心の企みは隠したまま、そんな軽口を叩く男。冒険者とはいえ、服装は執事そのものだ。
こなれた紳士的演技をこなしつつ、男は相手を先導し。
たどり着いたのは、男の行きつけの酒場の一つであった。

「さぁ、何でもお好きなものを注文してください。
 支払いは私持ちですから、遠慮なく。
 あぁ、自己紹介が遅れました。私、冒険者のセイン=ディバンと申します」

淀みなく席に着けば、そう語り始める男。視線は、相手の顔、そして義手へと注がれている。

ヴァルブルガ > 「あらまぁ、困ってしまいます……」

正直なところ、ナンパと思いつつも嬉しそうにするくらいにはそういう火遊びも
嫌いではない。とはいえ初めて声をかけてきた男性相手、多少ネコをかぶりながら笑って。
お店につくまでの間こちらも何気なく男性の姿を眺める。身ぎれいな執事……
のように見える男性。だが時間も遅いし、どこかの家令というわけでもなさそう。どこかのお店の店員?
少しお酒が入ったら聞いてみよう。

「これはご丁寧に……私はヴァルブルガと申します……遊歴の身でして、半
ば趣味のように各地を回っております」

半ばに多様な仕事かもしれない。冒険者、という言葉にはやや驚いたように目を広げる。

「冒険者の方だったんですね……いえ、身なりが整っているのでどんなお仕事かな、と思っていたところです」

今日はどうされたんですか?ふわっとした質問だが、その姿で冒険に出ているとも思えず
麦酒とローストビーフ、ポテトサラダ等頼みながら興味本位で尋ねて。

セイン=ディバン > 「これは失敬。美人な女性を見るとつい……。
 アナタのようなお美しい方を困らせるのは本意ではないのですが。
 私の悪癖のようなものでして」

相手の微笑みと声に、男も興が乗ったように語る。当然、美人に目がないのは本当。
だけれども、相手の本質を知りたいので、あまりがっついてもよくないか、と。
その辺り、計算は速い。しかし、計算に集中するあまり男は相手の視線に気づいていなかった。

「……ヴァル、ブルガ……?
 ヴァルブルガ……ヴァルブルガ……?」

相手の名前に聞き覚えがあるのか。男はその名を反芻する。
だが、どうにも思い出せないのか、うむむ、と首を傾げてはいるが。

「ははは、よくからかわれます。
 ……内密な話ですがね。潜入したりするとき、この格好だと警戒されにくいのですよ」

冒険者なのに執事服。違和感ある姿だろうが。実はこの執事服は特注品。
対衝撃対斬撃対貫通対火炎対氷結対電撃仕様の特別な服である。
相手同様、男も麦酒、チキンソテー、マッシュポテトなどを注文しながら。

「いえ、今日はオフでして。何か仕事がないかギルドに向かうつもりだったんですよ」

いまだ紳士的な笑顔を崩さぬまま、さぁどうやって相手から話を聞きだしてやるか、と思案する男。ビールとポテトは非常に美味しかった。