2017/08/14 のログ
■ルクレツィア > 祈りによって、あるいは告解によって、心に平穏は訪れるのだろうか。
―――何れにせよ、其れは仮初めの、ほんの一時の慰め。
何よりも己の身体が、熱い肉の交わりを求めて止まない。
けれどせめて今宵一夜だけは、清らかな空気に浸ろうか。
東の空が白み始めるまで、黒衣の女の姿は聖堂に、ぽつりと在り続けたとか―――。
ご案内:「王都マグメール 小さな聖堂」からルクレツィアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にライムウェルさんが現れました。
■ライムウェル > 少しばかり曇天が続く、平民地区の大通り。
すっきりとしない天気なれども、喧騒は常の通りに賑わっている。
そんな中、高らかに響く声があった。
「そこ行くお嬢様!えぇ、えぇ!貴女です!貴女ですとも!
少しお時間を頂きたいのですが、如何ですかな!
なぁに、風体は怪しく見えるかもしれませぬが、人畜無害がモットーの私です!」
先日、憲兵に追い回されたというのに懲りぬ調子でスカウトに励む興行師の姿。
営業スマイル―――目元が隠れているが故、表情の読み難いアルカイックスマイルと言うべきか。
兎角、笑顔を浮かべても怪しさに遜色が無いのだからどうしようもない。
ナンパの如く、堂々と道行く女性に声をかけ、開く口からは雪崩の様に言葉が次々と放たれていた。
「実は私、大変、大変困っておりまして!
嗚呼、しかし何という事でしょう…!貴女に出会えました!この出会いは、そう、運命!
是非に、是非にご助力を願いたいのです。皆が幸せになれるお仕事なのですが、是非とも貴女とそれを成してみたいと。
如何でしょう、如何でしょうか!一緒に笑顔と活気を作り出してみませんか…!」
風体どころか、その内容も実に怪しさ溢れる勧誘である。
キラキラと目を輝かせ――その目は隠れているが――期待に満ち満ちた視線を送りながら、どうか、どうかお願い致しますと両手を握り込み祈り込むような姿勢での懇願だった。
非常に目立って仕方がない。
絡まれた女性は、ご愁傷様と言わざるを得ない。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にサヨ・カシマさんが現れました。
■サヨ・カシマ > 多くの人が行き交う大通り。
そこを優雅に……ゆったりと……ぽーっと歩く異国の装束の娘。
長い黒髪が風に揺れ、長い睫毛の奥の瞳は伏せ気味で表情に乏しい。
すれ違う男が何か必死に話し掛けてくるにも関わらず、その歩は変わらない。
視線のひとつも動かぬ様は完全に無視を決め込んでいるようにも見える。
「…………。」
そして、男を置き去りに十歩ほど進んだ所でぴたりと足を止める。
そのまま五秒――。
「…………私?」
視線だけ振り向き、背後の男へと横顔だけを見せた。
■ライムウェル > この手の輩をやり過ごす一番の行動は、無視である。
彼女は正しく最適の行動を取った、と周囲も思っていたのだろう。
興行師においても、これは残念、とばかりに次なる人をと視線を巡らせた、そのタイミングで。
「…おおっと…!これは私としたことが。
きちんと言葉が届いていたとは、情けない…!情けない…!えぇ、えぇ、貴女です、貴女ですとも!」
反応があったのだ。
ぐるんっ、と大きく此方も不向くと、やはりマシンガンの如くだららららっと言葉が並び。
マイペースらしい彼女とは時間軸が色々ずれているのやも。
兎にも角にも、反応があるならば食いつくのがスカウトの役目。
ずざざっと目の前にまで移動すると、改めて相手の目の前で揉み手をする次第。
「そう、その服装!人目を惹くそのお姿…!素晴らしい!
そんな貴女だからこそ!皆を、皆様を!悦ばせる仕事があるのです…!
それは広義的には世界を救うことに他ならないと思いませぬか…!そう、今、貴女は選ばれたのです…!お仕事、してみませんか?」
非常に大げさに大仰に、世界まで持ち出しての大演説。
さぁこの手を取って、とばかりに差し出して、後は相手の反応待ち。
今度は時間がかかることも予想して、まんじりとも動かずに待つ。
■サヨ・カシマ > 「……。」
あっという間に目の前に移動したかと思えば凄まじい早口で語り出す男。
その言葉を理解しているのかいないのか……そもそも聞いているのかいないのかよくわからないぽーっとした表情でじっと見つめる。
「…………。」
男の話がようやく終わった。
しかし、異国の娘は微動だにしない。
「………………。」
そのまま10秒――。
「……………………。」
20秒――。
「…………………………世界を救う……お仕事……得意です。」
30秒経った所でようやく頷いた。
■ライムウェル > 話し終え、後は相手の反応待ち。
にこり、と見える口元だけが笑みを形取り、そのまま待つ事暫し。
――――。
にこにこ。
―――――。
にこにこにこ。
―――――――。
「…ありがとうございます!」
何かの対戦かと思う程に、緊迫したような雰囲気であったと、周囲の人は後に語る。
相手の台詞が終えたタイミングで、感極まった様な声と共に相手の手を握り込み。
感謝の意を込めてます、と言わんばかりに跪くのだった。
「えぇ、えぇ、貴女ならそう言って頂けると思っていましたとも!このライムウェルの目に狂いは御座いません。
一緒に救いましょう、世界を!皆でハッピー、笑顔で気持ちの良い世界です!」
一々大仰で、大げさで。表現が色々と不穏な部分もあるものの。
実は直ぐにでも出来る仕事がありましてね、と。詳しいお話を致しましょうかと移動を促し。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からライムウェルさんが去りました。
■サヨ・カシマ > 答えた瞬間返ってくる言葉。
握られた手へと視線を落とし、そして、再度男の顔へと視線を向ける。
何か目的があって歩いていた気がするけど……仕事だったら仕方ないかな。
こく、と小さく頷くと男に手を引かれるまま歩いて行く。
事情を知る見物人の好色な視線には気付かぬままに――。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からサヨ・カシマさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にライムウェルさんが現れました。
■ライムウェル > 昼に首尾よく女性を一人、スカウトすることに成功した。
その後も紆余曲折はあったものの、大変成功したと言って良い成果が出た。
しかし、それで終わりではない。
興行師に休息等、無いのだから………。
等と言うモノローグがあったかどうかは定かではないが。
何時だって時間が出来ればどこかで誰かに声をかけ、スカウトに励むのは間違っていない。
日中もちょっとした騒ぎを起こしていたが、夜の帳が下りて来た時間帯であるとて、それは変わらず。
「お嬢様!えぇ、えぇ、貴女ですとも!そう、貴女!
もしやどこぞのモデル……いやいや野暮なことは聞きますまい。
非常に、非常に、目を惹かせて頂きました…!そんな貴女に是非、ご助力を願いたいことがあるのです…!」
相変わらず話し出せば仰々しいし、中々言葉が止まらない。
ある意味ナンパよりも性質が悪く、道行く女性に目をつけてはこうして声をかけてマシンガントーク。
これから行おうとしていることが、如何に素晴らしく、尊いか。
具体的な内容は口にせずに訥々と語り続けるのだから。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にレフェーリアさんが現れました。
■レフェーリア > 人の通りがまだ多い夜の路上、今宵は宿に泊まろうか、それともと思っていた時の事、
突然に声が聞こえ、話しかけられているのが自分だと気付き、振り向いてみると。
「……私、でしょうか?」
立派にマタニティを着込み膨れた腹をさり気無く撫で上げながら、軽快な調子で怪しい雰囲気をした相手を前に立ち止まる。
姿だけでも胡散臭いとも思ったものだが、具体的な内容は何も分からない。
騙されて色々と如何わしい事に引っ張られるかもしれないが、身重を理由に断るのも容易だろうと考えて。
「……私で良かったのならば…まずはお話から、お願いしたいですね……」
妊婦だからではなく妊婦であっても、彼女の中に眠っている欲望は全く隠れる気配も見せなくて、
言葉に乗せられるまま、如何にも怪しい目の前の男の話に乗り、頼みになる事まで受けいれる。
孕み腹を踏まえても美貌は衰えず、
しかもその目の奥には、戸惑いながらも色に満ちた雰囲気をものの見事に宿していて。
■ライムウェル > 妊婦さまであろうとも、自身のセンサーに引っかかったならば自信を持って声をかける。
これはこれできっと需要はあるのだろうから。
「えぇ、えぇ、貴女様ですとも!
こう、何と申しますか…長く仕事をしていると人を見る目、と言うものがつきまして。
閃いたのです!貴女様ならと!はい、はい、それはもう、先ずはお話だけでも。
お時間は取らせませぬし、これは、と思ったならばお断り頂いて結構でございます。
あぁしかし、助かりました、本当に助かりました!お美しい方にお話を聞いて頂けて、私、感極まっております!」
大袈裟、大仰なのはいつも変わらず。
色欲を帯びた雰囲気はそれこそ人を見る目、という事で身についている自負もある。
にっこりと、見える口元だけを笑みの形に彩ると、ではお手を、と恭しく差し出した。
先ずはお話をと、どこぞへと相手をご案内。
■レフェーリア > 「……は、はあ」
まだ話は飲み込みきれていないが、にこやかな笑顔で差し出される手を前に少し困惑しつつも掌を握り返す。
傍から見たら奇妙な衣装をしている男が、立派な妊婦の手を引いて道案内している様な心温まるかもしれない光景。
どうあれ彼女は男の話に乗り、案内される場所もこれからも全ては男次第となっていた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からレフェーリアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からライムウェルさんが去りました。