2017/08/13 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセイン=ディバンさんが現れました。
セイン=ディバン > 【待ち合わせ待機中です】
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にタマモさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセイン=ディバンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタマモさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にタピオカさんが現れました。
タピオカ > (祝節の終わって、その残り香も風にながされる頃の王都。ほんのすこしだけ夏の盛りが過ぎた気配のする、けれどもまだ暑い朝のこと。平民地区にある広場では毎朝の露天市場が開かれていた。

パラソルや天幕の下には花束から焼き立てのパン、香り袋からマジックポーションまで様々な品が並び。人々は袖の無い服装で日陰と日陰の間を行き来する。大人たちの足元を子供たちが走り回る。

――のどかな夏のそんな朝を、ひとりの遊牧民が歩いている。手にあるものをぱく、と口にすると)

~~っ。冷たくて美味しー!

(思わず笑顔になった。片手に持っているのは露天の果物屋さんで買った、大粒イチゴの串刺し。魔法でよくよく冷やされたイチゴに甘いミルクがとろりと飾られて。果物の甘酸っぱさと冷たさが口の中いっぱいに広がる。もうひとくち、と口を開けながら。のんびりゆらゆらと露天市場散策中)

タピオカ > (イチゴ串を食べ終えて、唇に残った甘いミルクを舌先でなめとった。イチゴは美味であった。非常に美味であったが、まだ物足りない。この串だけでは、露天市場の美味しいもののほんの0.数パーセントを味わったという事に過ぎない。しばらく歩けばスタンドと簡素な一本足テーブルが並ぶブースがあって、そこではやはり冷え冷えのマンゴーパフェが振る舞われていた。瞳を輝かせた田舎者は、すぐにその柑橘系に飛び付いて。底の深い大きなカップにふんだんに飾られるマンゴー、メロン、クリーム、プディングの宝の山に夢中になる。下に掘り進むとこっそりオレンジが仕込んである。砂糖によろしく漬け込んだオレンジである。

――祝節が終われば、王都を出てすぐに旅に出るか冒険者ギルドの依頼を探す気でいたけれど。
まだ暑い日中を歩き回るのは賢い旅人のやり方ではない、と言い訳をして。
少しばかり、この都会で涼を取る事にする。まずは露天市場の甘味をフルコンプしようと企む、
夏日の朝――)

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からタピオカさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にライムウェルさんが現れました。
ライムウェル > 平民地区の大通り。多くの人が通るこの道は、スカウトと言う目的には非常に適した場所である。
その大通りの最中、オペラグラスにタキシードと言った、非常に悪目立ちする格好の男が居た。

「やぁやぁ、そこ行くお嬢様!
 どうか、どうか一時私に時間を下さいませんか?何、お手間は取らせませんとも。
 ズバリ!ズバリですよ。お仕事をしてみませんかというお話でして!はい、一目見て直感致しました。
 貴女は素晴らしいと…!」

そんな悪目立ちする格好で、ぐいぐいと非常に押し強く、目に留まった女性に話を持ち掛ける。
口元だけが見えるその様相で、にこり、と非常に爽やかな笑みを浮かべるがそれも大体の人が見れば胡散臭く思う事だろう。
興行を行う時であろうと、そうでなかろうと、この格好がデフォな辺りが非常におかしい人物だった。

「皆が幸せになれる、素晴らしい仕事なのです。えぇ、それは保証しましょう。そして待遇も、出来る限り勉強させて頂きます!
 故に、故に、是非とも!貴女なら皆を幸せに出来増す。ご助力願えないでしょうか…!」

その言葉にかける想いは実際本気なので、始末に負えないかもしれない。
皆、という単語にはカッコで男のみ、という注釈が付くのであるが。
何やら周囲から注目を浴びている気がするが、それは仔細にも留めず、奇異な男のスカウトは続く。

ライムウェル > 「…ん?おっと、邪魔が入ったようですね。いや、失敬失敬。
 私はこれにして失礼致します。しかして!お気が向きましたら是非、是非、ご連絡を…!」

余りに悪目立ちが過ぎたのか、憲兵を呼ばれた模様。
急ぎ、連絡先を書いた紙を女性に握らせると、風のようにその場を去る。
目撃情報を頼りに憲兵はその後を追い、不審者として追われる興行師の姿が、各所で見られたとか、そうでないとか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からライムウェルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 小さな聖堂」にルクレツィアさんが現れました。
ルクレツィア > ふらつく足取りで宿を出て、夜更けの街を縫うように歩き、
宿の従業員から聞いた通りの場所へ、ひっそりと佇む聖堂へ足を踏み入れる。

規模こそ小さいが良く手入れを施されているのか、通路に敷き詰められた絨毯も、
板張りの床も、左右に数列並ぶ木製の長椅子も、美しく整えられている。
ゆらゆらと揺らぐ灯火に照らされた堂内、最前列右側の席へ腰を下ろし、
漆黒のドレスに包まれた胸元へ両掌を宛がい、深く首を垂れる。

「―――あな、た……貴方、わたくし……ごめんなさい、わたくし、」

声が震える、零れる吐息が、未だ熱を孕んでいる。
身体の芯には今も、熾火のような熱が宿っていて―――謝罪の言葉など、
端から穢れて、意味が無いような気がした。

「……でも、…貴方の、所為でもある、のよ。
貴方が、わたくしを……こんな、こんな女に……、」

そうして、独り逝ってしまったのだから、とは、流石に責任転嫁が過ぎるか。
緩く頭を振って、夫を詰る言葉を飲み込んだ。