2017/01/06 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」にディン・タウロスさんが現れました。
ディン・タウロス > (人がそれなりにいて賑わっている安い酒場、そのカウンター席に座り、ちびりちびりと酒を飲みながら肴をつまみ)

「こうして仕事のない日にのんびり飲むのは、温泉に行くのと同じくらい癒されるな…一人酒の侘しさがあるのはどうしようもないとしても」

(一人で温泉はまだいいものの、一人、手酌酒というのも味気ないなと小さく零し。テーブル席で楽しげに飲んでいる冒険者のパーティらしき集団を見ては、パーティも悪くはないんだろうけどと)

ディン・タウロス > 「酔えるほど飲めない、っていうのも悲しいもんだな……味が分かるだけ、まだいいって思った方がいいのか。こっちも食べても食べても、満腹にならないし」

(触手と融合したせいか、酒を飲んでもほろ酔いにはなってもそれ以上の酔う感覚にはなれず。そして食べても食べても満腹にはならなくて)

「まぁ、治安がいいって訳でもないからな、潰れるほどに飲んだり酔っぱらったり出来ない訳だけど」

(酔ってしまって触手解放、などしては大惨事になるから酔えなくて正解と言えば正解なのかもなと)

ディン・タウロス > 「さーて、と…あんまりうだうだしてても仕方ないか、そろそろ帰るとしようかね」

(酒を飲み干し、肴を食べ終え、代金をカウンターに置いて。のんびりながらも酒を飲んでいたとは思えないくらいに、しっかりとした足取りで酒場を出ていった)

ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場」からディン・タウロスさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にマティアスさんが現れました。
マティアス > 一仕事終えた後は、爽快――とはいかない。

寧ろ、胸が空くような終わり方を迎えた仕事は実のところそう多くない気がする。
金銭のやり取り、人の生き死にが強く関わり合いになるものであればなおのこと。
先日より請け負っていた行商の寄り合いの依頼たる野盗の群れの掃討を終え、その報酬のために現在の宿の近くのこの場所を訪れる。

「……正直あまり良い気持ちはしないものだね。
 仕事の痕を誰かに検分されて、報酬が貰えるかどうかを判定されるというのは」

考えるまでもなく、当然の話である。
誰それを殺したからお金を頂戴、というのは餓鬼の使い以前の話だ。
金銭のやり取りに細かい人間であればある程、半端な仕事は許さない。
依頼達成を報告したのは先日。
実行場所と道程を記した地図を引き渡しし、本日やっと報酬が支払うに足ると認められた。

「やぁ、どうも。報酬を受け取りに来たよ」

玄関を抜けてその向こうのカウンターに座すギルドの待ち受け嬢に挨拶し、被っていたローブのフードを脱ぐ。
先方も承知のうえだ。支払いの準備を行うさまを横目に、周囲を眺めよう。
色々居る。綺麗も汚いも。誰も彼も。若きも老いも何もかも。

そう、これが人世である。

ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にエルツさんが現れました。
エルツ > 「おはよーございます!」

(よくとおる声で挨拶しながら入口から入ってくる少女。軽くではあるが武装している様子から冒険者と知れるだろうか。腰にはショートソード、動きやすそうな上着とズボンに、背中の半分ほどを覆う皮盾。駆け出しといった風情ながら、その道具類はそこそこ使われているものだと見て取れるだろう。肩からかけた布バックから、ギルドの案内嬢へといくつかの小瓶を差し出して)

「はい、こっちは注文の果実酒ね。ちょっとおまけしといたから、これからもご贔屓に」

(明るい笑顔で商品と自分自身も売り込む営業スマイルを浮かべる。冒険者として依頼をこなすのはもちろん、こういう細かい部分で顔を売っておくと、同じ依頼でも当たりくじを回してもらえたりする…かもしれない。という、少女なりの処世術)

マティアス > どうやら、仕事の成果は先方の望み通りだったらしい。
報酬は増額はなかったが、契約通りの金額が支払われる。

じゃらりと高額硬貨が詰まった革袋と、受領のサインを記すための書類が出される。
その書類に流麗な書体で一筆、己の名前を記せばそれで完了だ。
小さくも意外に重い革袋を受け取り、礼と共にローブの懐に仕舞ってゆけば丁度、入れ替わりに。

「おや」

良く通る声が響く。見える姿は成る程、この場では珍しくない駆け出しという装いのそれ。
存外に使い込んでいる様子を認めつつ、半歩横にずれて己の立ち位置を譲ろう。

「成る程、納品というワケだね。良い仕事ぶりのようじゃないか」

その上で、やり取りされる品と笑みを交互に見遣って、その任を成した姿に声をかけよう。
自分も、こういうことをよくやった。微かな懐かしさを覚えつつ、鼻先に乗っかった眼鏡を押し上げる。

エルツ > (案内嬢も仕事なので、確かにと中身を確認して受け取る。この果実酒がギルドの女子会で消費されることは、職員ならば察せられるだろうか…オマケにとジャーキーを貰って満面の笑顔で頬張る。美味しい。お肉は正義である)

「…ん?」

(しかし、なんだか視線を感じる…出所はどこだろうと周囲を見回して視線を合わせた。多分、初対面…なはずの男の人。誰だっけ…と思いながら近づいて)

「おはよーございます?」

(業界共通の挨拶。疑問形で投げかけて様子を見ようか。もむもむ、とジャーキーはきっちり味わいながら)

マティアス > やがてはこの酒のレベルが、より高くなっていく可能性は皆無ではない。
小さな酒蔵で醸造されるものがその実、好事家には一滴が金貨一枚に匹敵するという事例もある。
だが、駆け出しにも仲間内で消費するにも、恐らくは気軽に受け渡しができるくらいがきっと丁度いい。

「ごきげんよう。

 ――仕事上がりに邪魔してしまってようだね。少し、昔を思い出してしまったものでね」

そして、向けられる視線と声に小さく会釈しながら、言葉をかけよう。
薄汚れた魔術師風、或いはシェンヤンや別の異邦の風情が含んだローブと。
腰に帯びた長剣と眼鏡と小道具が揃った姿が、駆け出しの冒険者に丁寧に挨拶をする。
その有様を周囲の人間が奇異と見るかは、それぞれの判断次第だ。

だが、駆け出しだからと侮る理由も嘲る所以もない。
見ていて微笑ましいものだったから、其処に懐かしさが過った。それだけだ。

エルツ > (高い酒を運ぶこともあるが、今回は平民でも手が届く価格のものだ。ちょっと珍しい種類で色が綺麗なので女子会の話題に丁度いいという代物)

「大丈夫、これは半分新年の挨拶みたいなモンだしね?
お兄さん…だと思ったけど、オジサンって呼んだ方がいい?」

(もぐもぐごくん。ジャーキーはちゃんと飲み込んだ後での質問。彼が冒険者…それも、遠くから来たんじゃないかという気配は感じている。だからこそ歴戦の、と枕詞につくレベルなのかと素直に問いかける。冒険者としてオジサンという年代まで生き延びていたなら、間違いなく強者に違いないだろうし)

「せっかくだし…初めまして。ボクはエルツ。荷運びから護衛、赤ちゃんのお守りまで、どうかご贔屓に」

(ニカっと明るい笑顔は営業スマイル。とはいえ、笑顔を嫌う人間は少ないし、愛想を売るだけならタダという方針で売り渋りはしない主義である)

マティアス > 「嗚呼。であるならば、何よりだね。
 うーん。僕としてはお兄さん、或いはお兄様と呼んでくれると有難いかな?」

成る程、そういう趣向もあったか。
小さく頷いてその用途に口元を綻ばせるも、続く問いに一瞬考え込む。
付け足した答えは冗句であるが、未だ心底より老いを数えているつもりはない。
しかし、色々見聞きして何かと弁えていれば、多少は年寄臭くもなるのか。

「エルツさん、だね。僕の名はマティアスという。
 盗賊狩りから大物狩り、魔法薬の作成からちょっとしたエンチャントまで、色々やっているよ」

よろしく、と。周囲と受付嬢に聞けば、色々と話を聞くことはできるかもしれない。
初心者の教導から派手な討伐依頼まで、幅広く請け負う男と。
腰に帯びた剣がその証かもしれない。象徴とも言える杖ではなく、刃を帯びるのは伊達ではない。