2016/11/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
エレイ > 「────くわわわ……」

夜。
月明かりが差し込む薄暗い裏路地を、大欠伸をかましながらブラブラと大股で歩く金髪の男が一人。
その歩みに特に目的はなく、ぶっちゃけて言えばただの散歩である。

先程までは今もそこそこ賑わっている表通りを歩いていたのだが、特に何も興味が向くものがなかったので今こうして裏路地の散策に切り替えている。
人気がないぶん余計に何もなさそうにも思えるが、得てしてこういうところのほうが暇をつぶせそうな何かに遭遇できる確率は高い、かもしれない。

ともかくそういうワケで、男は細い路地を暇そうなツラを下げてただのんびりと闊歩するのだった。

エレイ > とはいえ、何かしがに遭遇する時はするが、そうでない時はそうでないワケで。
退屈げにカシカシと頭を掻きながら、歩く男の姿はそのまま路地の先へと消えてゆく────。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエレイさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 /武具店」にノアさんが現れました。
ノア > 昼の王都、平民地区。ギィ.. と古びた音を立て、恐る恐る脚を踏み入れるは街の武具店。後ろ手に扉を閉めつつ、琥珀色の瞳で店内を見渡すと

「 ............... 」

冒険者か傭兵か、数人の客を視界に捉えた。王に仕える兵ならば利用しないだろう質素な店を選んで入ったが、どうやら正解だったようで ほっと小さな吐息を漏らし。

椅子に深く腰掛け眠っているお爺さん.. 恐らく "店主" の前を通り過ぎ、武器を何となく見て回りながら.. お目当ての防具が並ぶ二階へと、階段を上がってゆく。

ノア > 武器を扱う程の力も技術もない。ならばいざという時の為 何か身を守るものを.. と考え、防具が並ぶフロアへ。しかし男性用のゴツい装備が殆どで、中でもサイズの大きな胸当てを、試しに手に取ってみるも

「 .....っ、重.. !! 」

危うく落としそうになる重さ。落として壊して弁償させられる前にと、直ぐ様元あった場所に戻す。こんな物を着けていたら戦う事はおろか、逃げる事すら出来そうにない。何か丁度良い物.. 非力な自分にも扱えそうで、欲を言えばデザインも... なんて、贅沢な条件を挙げつつ、引き続き商品を見て回り。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 /武具店」にフォークさんが現れました。
フォーク > 鼻歌など口ずさみながらフォーク・ルースは武具屋へとやってきた。

「見るだけよ、見るだけね……」

つい最近、戦場で使う戦槌を新調したばかりである。なので新しい武器は必要ないのだが……。
それでもやはり新製品があるのではないか、とたまに顔など出してしまう。

「ほぉー、こんなのもあるのか」

武具の進歩は日進月歩。人類は争うのが大好きなのだ、と妙なことに感心する。
すると見覚えのある後ろ姿があった。

(珍しいこともあるもんだなあ)

男はそっと女の後ろに近寄ろうとする。そして

「だーれだ?」

と、目でなく女の胸に手を持っていこうとするのであった。

ノア > 女神か、あるいは天使か.. 華美な装飾が施された盾に目に留まる。盾なんてとても扱える訳ないのに、美しいデザインに惹かれ見入っていた 其の時

「 .....っ、きゃっ !! ちょ.. フォークでしょ、ほらやっぱりー 」

突如鷲掴まれた胸にびくっと肩を揺らした、が ── 一秒後には、其の大きな手や悪戯な声の主の名を呼び特定。振り返りもせず正解してみせ、驚かされた事にジトりと猫目を細めるも.. 直ぐ様、楽しげににこっと笑みを向けた。

「 奇遇ね、お買い物 ? 」

フォーク > 「大当たり。よう、ノア……へへ、買い物ってわけじゃないんだが、武器や防具ってのは見てるだけで面白いもんでね」

掌に伝わってくる女の胸の柔らかさに目を細める。
女がこちらを向くのですぐに手は離した。

「武器も防具も種類がいっぱいあって楽しいぜ。機能性を追求したのもあれば、とことん派手なのもある」

太い首をぐるりと回して武具の陳列棚を眺める。
量産品のコーナーもあれば、一品物のコーナーもある。

「……で、お前さんは何か武具をお探しかい?」

女がなぜ武具屋に居るのかを、訊き返し。

ノア > くるりと身体ごと180度向き直ると、おっきな貴方を見上げ "大当たり" に得意気な笑みを浮かべて見せた。

武具より、ドレスやアクセサリーの方がテンション上がるー なんて返しつつ、男臭い店内見渡して

「 あたしにも着けれそうな防具ないかな って探してたんだけど、重くておっきいのばっかだし.. せめて動きやすいローブとか、服とか買って帰ろっかなー 」

貴方の問いには苦笑いで答え、衣類なら女モノも何点かあるようでフロアの隅を指差し付け足した。

フォーク > 女は自分に合う防具を探しているようだ。
なるほど先日、彼女は何かに怯えていた。用心のためということだろう。
そして男は助けてやると豪語してしまったのだ。
ならば助言くらいせねばなるまい。

「防具ってのは、動きやすさと頑丈さを秤にかけるもんなんだ。
 お前さん、あまり重たい防具はつけたくないだろ?」

男は女の手を取ると、鉄のパットを扱うコーナーへと移動する。
パットとは詰め物のことである。鉄のパットはどの部位にも装着ができて、重さもそれほどではない。

「心臓とか腹とか……重要部位を鉄パットで覆えば、後は軽装でも大丈夫と思うぜ」

とにかく致命傷を受けなければ、なんとでもなる。致命傷を防ぐためには重要部位を護らなければいけない。

ノア > 「 .....ん ? うん、重たいの無理。」

突然の武具入門講座に ぱち、と瞬き。素直に耳を傾けつつ、手を引かれるまま着いて行くと..

「 確かに、コレなら着けれるかも.. 流石フォーク先生♡ 」

実際手に取り見てみると、薄くて軽い鉄製のパットを興味深げにまじまじと眺め。感動と尊敬から、先生だなんて付け足し笑みを向けた。

「 守りたいトコ全部ってなると結局キリないし.. んん、どうせなら広い範囲..... お腹とか背中とか、コルセットみたいなのがいいかな... 」

初めての防具選び。入門講座を参考に、珍しく真剣な面持ちでパットを選び。

フォーク > 「先生……と呼ばれるほどのことはしてねえよ」

照れくさそうに鼻の下を擦る。先生と呼ばれるのが面映ゆいようだ。
女が防具選びを始めた。男は静かに見守ることにした。
戦場に出る経験が豊富なので、男は防具の重要性を理解しているつもりだった。
とりあえず重要部位は護れ、と最低限のアドバイスをするのである。

「本当は首と脇の下も護れる方がいい」

首はもちろん、脇の下に刃物が入れば、そのまま内臓をやられてしまうからだ。

「ノアの身を守る防具を選べるのは、ノアだけさ」

防具は本人がこれ、と決めたものの方がいいに決まっている。
特に女性はファッションの好みもあるだろうから。

ノア > 「 首も.. 脇も ? 怖、全部怖っ...

.........んん.. コレ、コレにするっ 」

聞けば聞く程あちこちの部位を購入したくなるけれど、最終的には白い装束姿でもドレス姿でも装着出来る "胴用" のパットを手に取って試着室へ。

「 .....っ、着ける時ひやっとするー 」

結局この女、ドレスだろうと防具だろうと "買い物" 自体好きなようで.. 試着中も終始楽しげに、カーテンの中から きゃっきゃと話し掛け。装着を終え試着室から出てくると、ぎゅっと拳を握り締め.. 自分の腹部を見せながら自殺発言。

「 ふふん.. どうだ、このあたしにはフォークの拳なんて効かないわよー 」

フォーク > 防具を選んだ女が試着室へと入っていった。
ものすごく覗きたい衝動に駆られるが、他の人目もあるので、じっと我慢の子なのである。
女の明るい声が聞こえてくる。それだけで少し安心できた。

「馴れだよ、馴れ……」

試着室から出てきた女が、得意げな様子を見せる。
その愛嬌がたまらなく可愛らしく思えてくる。
だから男は、女の両肩に手を置いた。

「いいか、ノア。何があっても最後まで生きることを諦めるんじゃないぞ」

男が四半世紀にわたって戦場で生きてこられた秘訣。
それは絶対に生きるために足掻き続けたからだ。
生きるために卑怯な真似もしてきた。後ろ指をさされたことも数え切れないほどあった。
それでもこうして生きている。

「生きるんだ」

柄にも無く真剣な表情になってしまった。

ノア > 得意になって腹部を見せ付けた直後、貴方の腕が動き( え.. まじで殴 (殺) られる ?! )などと勘違い。一瞬パットの中の腹筋にぐっと力を入れるも、其の大きな手が触れたのは肩で..

「 .....なぁに、珍しく真剣な顔して。

てゆーか..... そんな事言われたら、絶対死にたくなくなっちゃうじゃない。」

初めは冗談めかした緩い口調で返すも、貴方の真剣な声と表情から思わず目を逸らし。少し俯いたまま、照れ臭そうに小さく答えた。

そして直ぐ様 普段と変わらぬ調子を取り戻しては、パットを購入する為一度試着室へ。取り外した其れを持って会計を済まし。

「 この後ヒマなら、何か食べてかない ? お腹空いちゃったー 」

フォーク > 「よーし、それじゃ飯食ってくか」

女と一緒に店を出る。
道すがら、男は女と並んで歩いた。

「人間はな『生きろ』『食べろ』と言われて嫌な気持ちになる奴はいないんだ」

だから不安を抱えている人には、必ずそうアドバイスをする。
もっとも男が女に生きろと言ったのは、本当に死んで欲しくないからである。

「……うん。やっぱいい女だよ、お前さんは」

至近距離で女の横顔を見ると、ついそんなことを言ってしまったのである。

ノア > 「 .....そうじゃない、ばか..

じゃあ肉っ、お肉食べ行こ♡ 決定ー 」

前半は吐息混じりの小声で、通りの雑踏にかき消され聞こえなかった筈。後半は其れを誤魔化すように、弾んだ声色で続けた。相談もなく肉に決定してしまっているのは.. 許して欲しい。

「 何それ、今更ー ? ふふ 」

一際大きな貴方は街を歩いているだけでとても目立って、何人か振り返るように二度見する度 楽しげに笑ったり。道中も、食事中も、別れる時まで、笑みは絶えない事だろう。

ご案内:「王都マグメール 平民地区 /武具店」にノアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 /武具店」からフォークさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 /武具店」にノアさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 /武具店」からノアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にスヴェンさんが現れました。
スヴェン > シャリシャリ、と手にした林檎を食みながら歓楽街を歩く
綺羅びやかな衣裳に身を包んだ顔見知りの娼婦が此方に気がつけば手を振ったりし、後ろ髪を引かれないでは
ないのだが、愛想笑いを浮かべてそんな気分を振り払う。賑やかな声が漏れ聞こえてくる酒場にも、
また同様に足が向きそうになりのだが、手に持った林檎を口にして気分を紛らわした

「下手に出歩くもんでないなあ…誘惑が多すぎる…」

貯めに貯めた事務仕事、食料武器の補給などの仕事の合間に部下の目を盗んで外に出たのが失敗だった
夜の街、と言うのはとにかく誘惑にあふれていて目に映るものすべてが手招きしているようであった
さっさと行こう…と足早に歓楽街を抜ければ静かな住宅街へと抜け、歓楽街を避けるようにしながら
夜の散歩を続けた

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシャルレさんが現れました。
シャルレ > 住宅街の屋根を歩く白い猫。足音もなく屋根から屋根に移りながら
月夜の散歩を楽しむように尻尾を立てて軽快に

賑やかな人の街、明るい光に誘われるように近づいてみたけど
猫に気を止める人もいなく
人間のお姉さんのような綺麗な人に男性たち…
金色の瞳でジーっと屋根から見下ろしてたとこに

人を避けるようにして歩く姿に目がとまる
知ってる人だ、と彼を見つけたら、なんだか嬉しくて屋根から地面に降りて
少し後ろを追いかけるようにしてついていく

スヴェン > 住宅街を歩いていればその先から警備の兵隊が歩いてくる
それが知った顔だとわかれば、おーい、と声を掛けた
この辺りを警備している憲兵の1人で城内での情報なんかを世間話程度に教えてくれる相手であった
そんな彼を足止めし、肩を組むようにして諸々の話をすれば、寒いからこれで暖かいものでも…と、
懐から金貨を取り出して幾枚かを彼に握らせる…賄賂、というよりは個人的友誼の印、みたいなものである

警備に戻る彼と別れて、もうしばらく進めば月夜に伸びた小さな影に気がついた
くるり、と振り返れば白い猫の方へと視線を向けて

「…こんな時間にフラフラしてると、怖い人攫い…いや、猫攫いが出るぞ?」

膝を折り中腰に慣れば、ほれ、と白い猫を呼び寄せようとし、寄って来た所を捕まえようとする作戦

シャルレ > 目の前で彼が衛兵と話をしてたあと
コチラに気づいた、思わず嬉しくて甘えた声で鳴いてしまう

「にゃーん」

人の声は出ないけど、しゃがんでコチラを呼んでくれる仕草に嬉しくて
尻尾を立てたまま足早にして近づいて
すぐ手の届くとこまでくればその足元、手に頭から体をすりつけていく
白い毛がついちゃっても、気に入ってるのだからおかまいなしに
離れることもないので簡単に捕まるだろうけど

スヴェン > 呼べば此方に歩いてくる白猫
するり、と身体を擦り寄せるのに応えるように腕を伸ばして背中を一撫でしてやり、そのスキを見て
簡単に腕の中へ抱き上げてしまう。思えば、ここ数日で猫の扱いが達者になったように思える

「人懐こいな…それとも、野生を失ってしまったのか…」

人攫いやなんかよりそこいらの野良猫にいじめられたりしないだろうか?そんな心配を覚えつつ、
白い猫を抱いたまま散歩を続ける。行く宛なんかちっともないが、今頃、隊舎ではちきしょう、団長が
脱走しやがった…と経理を任せた部下が血眼になっているに違いないので、しばらく戻りたくはない

シャルレ > 抱き上げられると腕の中は暖かくて心地いい
この撫でてくれる手と暖かいのが夜の冷たさには気に入って

視界が高くなって通りを楽チンに移動してると
人にもどるタイミングがない…

自分と気づいてないような彼、当然、どこにでもいる白い猫だから仕方ない
尻尾を軽く揺らしながら、彼の首もとくらいに頭をスリつけるようにして

「にゃーん」

どこにいくのだろう、見回りなのかな、それも仕事と考えてると
その巡回を一緒にできてる気になって、嬉しくなる

スヴェン > すりすり、と首の辺りに頭を寄せられれば擽ったい
擽ったくも腕の中に抱き上げておけば、そこそこ暖かいので下ろすようなことはせず、
そのまま、人気の少ない住宅街を歩いて行く

「どうするか…もうしばらくほとぼりを冷ましたいトコだが…」

独り言。ううーん、と考えつつも足は進む。何か思いつけば、そうだ…と零して平民地区から
貴族の家が立ち並ぶ高台の方へと足を向けた。見晴らしの良い小さな公園があったのを思い出す
歓楽街にはとことん詳しいが、それ以外は今ひとつ、王都の地理に弱い部下たちである
そこであれば、捜索に出た連中にもみつからないだろう、と…腕の中の彼女が小さく鳴けば、ん?と足を止め

「…なんだ、抱っこ嫌いか、シャルレ」

自分は暖かいので全然かまわないのだが
彼女は猫とは言え、女性である…いつまでも男の腕の中、というのも良い気分ではないのかもしれない
そう思えば、ほら、と腰をかがめれば彼女を下ろしてやろうとした

シャルレ > ゆっくり歩いていくその歩調と腕の暖かいのと
居心地がいい…大人しく抱っこされたままで

住宅地区を抜けて町並みの中を歩き進んでいく
小さな公園について
名前を呼ばれたことに驚いた、気づいてくれてたのかと
気づいてるのに抱っこもしてくれたことが嬉しくて

しゃがんで、下ろそうとしてくれてる腕の中で
ポンと光が弾けるように猫から娘に姿を変える
話ができないのは伝えたいことも伝えられない不便

彼はしゃがんだままだけど、人に姿をかえても
両手を伸ばし彼の首の後ろに交差するように抱きついたまま離れなくて

「抱っこすき…撫でられるのも好き、だから、まだこのままがいい」

人になれば毛皮はなくなる、服だけでは外気は寒くて
やっと伝えられたことに、このままを強請り

スヴェン > 腕の中の白い猫を地面に下ろそうとするが中々、腕の中から出ていかない
なんだ?と不思議に思い首を傾げていれば、ぱ、と光が弾けて腕の中の白い猫が娘になり変わる
突然、質量を増す腕の中の彼女と光に慌てたか、どこを抱き支えればいいんだか、少し混乱したが、
なんとか、彼女を落とすことはなくすんだ…腰に強烈な負担が掛かったが、まあ仕事サボった
天罰みたいなものだろう

「…猫のシャル抱くのと、娘になったシャル抱くんではぜんぜん違うだけど…?」

飽きれたように彼女の声を聞きつつも、仕方ないなあ、と彼女の膝の下と背中を支えるように腕を回し、
しっかり捕まってろよ?と伝えれば、所謂姫抱きの姿勢で立ち上がりまたゆっくりと坂を登り始める

シャルレ > 「わわわ…ごめんなさい、だって…猫のままだと話せなくて」

顔を見せないまま首の後ろをがっちり掴んではなさなかったから
バランスを崩しかけた彼、そのまま抱き上げられるとやっと片手を離し
先よりも違う角度で彼の顔をじーっと見つめてる

「…重たい…よね?」

今更でも遠慮気味に、そこらの年頃の子よりも野良猫もしてたから
まだ痩せ気味、猫と人とでは質量も違うから、当たり前の話題しか出てこなくて

スヴェン > それは確かに、と彼女の言い分に頷く
ぎゅ、と首筋に回された腕が少し緩んで彼女の瞳が此方を見つめている
あまり、じ、と見つめられても気になるのだが、歩いていくうちにそれにも慣れ始める

「…猫でも痩せてるとか、太ってるとか気にするのか?
 その辺の町娘と変わらなかったりして…?」

今更、と思えば笑みを浮かべながら彼女を下ろす気配もなく坂を登る足を止めない
時間も遅いこともあって、他に人の目がなかったのも良かったかもしれない
昼まであったら衛兵がすっ飛んできそうな事態のような気もする
坂を登りきり、丁度、富裕地区と平民地区を区切る辺りの路地に曲がって入れば、
平民地区を見下ろし、一望できる小さな公園にたどり着いた

シャルレ > 「少し気になる…猫なら気にしないけど、人になったら
 スヴェン、重たいて思わない?」

大人しく抱っこされたまま坂を上る、坂道だと余計負担になってそうだけど
そのまま、たどり着いた先の公園
少し小高い場所だから、平民地区の夜景も綺麗に見えて

「わ……綺麗」

はじめたみた広い町並みを見渡せる夜景に思わず声が漏れる

スヴェン > 「いや…ちゃんと食ってるか心配になったよ…」

この位の年齢の女性がどの程度の体重が平均的なのかよく知らないのだが、それ程までに重いとは思わなかった
それでも、猫の時よりは十分に重いのだけれど

ちゃんとお腹いっぱい食べてるのか?とか、聞いているうちに公園についてしまう
公園と言ってもそれ程、大きいわけでもなく散歩をする人たちがちょっと立ち寄り休憩したり、
話をしたりする程度のもので、大袈裟な立像があったり、噴水があるというわけではない

「気に入ったようで何より…俺も夜に来るのは初めてだな…」

軽いとは言え、流石に彼女を抱いて坂を登ってくるのは一仕事であった
彼女へ断ること無く、手近にあった石造りのベンチに、そっと腰を下ろせばふう、と息を漏らす
しばらくここで時間を潰すか、と自分もなんとなく夜景を眺める。やはり、歓楽街の辺りは明るいのだが、
貧民地区の方へ視線を向ければ途端に灯りが少なくなるのを見れば、苦笑が漏れた

シャルレ > 「ちゃんと食べてる、ごはんおいしいよ?」

ごはんを聞かれて、お仕事のあとに調理場の人と一緒に食べてることを話したり
おいしいものを作ってくれた話もして

小さめの公園でも景色を楽しむようなとこに満足して
ベンチに腰をかければ腕から降りて、ベンチの隣へ座り
夜景を眺めながら指をさしてみる、今歩いた道と方向で

「疲れちゃった?…隊舎ってあっちのほう?」

息をつく様子を心配そうに隣から覗き込んで
人もいないから、黒いフードを下ろして耳を出して
ピクピク動かして窮屈さから開放される

スヴェン > ちゃんと食べている、と聞けば一応、安心する
美味しいものを作ってくれた、と聞くと俺も食べたかった…と悔しそうな表情であった

ベンチに腰を下ろせば、するり、と彼女が腕の中から離れてしまえば少し肌寒いに感じる。
彼女が、夜景を指差せばそれに促されるようにそちらへと視線を向けて

「いや、平気…隊舎…どうだろ?遠くから見るとわかりづらいけど…あの辺り…?」

彼女と同じように彼女が指差すのとちょっとだけ離れた辺りを指差してみたりする
暗くてはっきりとは判らないが、方向で言えば彼女が指差した辺りも自分が指差すあたりも
大差ないような気もするのだけど…

「…フード、下ろして寒くないか?猫の時とは違うからな?」

ピクピク、とフードを降ろされて動く耳を見ればやっぱり猫なんだな、と思い少し笑ってしまった