2016/08/09 のログ
■シャロン > 「ん、ただ、変な不意打ちが来たらこうして仲良くなれずに、これを刺していたかもしれませんし……?」
そっと示すのは、腰に下げている一本のレイピア。
母親との戦いで折られた、父親の牙を研ぎなおして仕立てた霊験あらたかな一本である。
母親が使っていたものをそのまま譲り受けたのだが、これがまた手にしっくりくるというもので。
父親の加護に母親の力――両親に恵まれた少女は、確かに"幼き聖女"と呼ばれるだけの実力を秘めていた。
問題は、龍と人間の間に育ったが故に、種別の違いを差としないこと。
龍も人間も魔族も魔物も、それぞれに善と悪があると考えてしまうのが、周囲と違う所だった。
その考え方故、神聖騎士団では肩身も狭かったが、今ではすっかり自由の身。相手が淫魔でも仲良くなり放題だった。
「ん、勿論秘密にしますよ。そんな事したら、折角のお友達に会うのが難しくなりますし。
多分神聖騎士団辺りはこう言うの欲しがりそうですけど、むしろ絶対教えてあげないつもりですもの」
因縁は深いが、依然襲われた時に縁を切ることを心に決めた。
むしろ、嫌がらせ的に黙っててやろうと、そんな気分になっている。
こうして二人話す中、甘い香りがより鮮明になると、背筋にふるる、と震えが走る。
心を許しているが故に加護の効き目も弱く、彼女を信じるが故に媚毒が体を蝕み始める。
徐々に荒くなる呼吸を隠しもせず、腿をすり合わせながらの上目遣いを向けて。
「んっ……ふふ、媚薬漬けの私が、見たいんですか?それなら、その、ここでは、嫌ですよ?
だって、その、恥ずかしいですし――代わりに、イニフィさんの好きな場所に連れ込んで良い、ですから。
私は逃げませんから……虐めて、くださいませ?」
自ら望んで、彼女への恭順を示す。少女も偶には優しく細い手指に誘われて、甘く乱れたいものなのだ。
だから、少女は受け入れる。自らの被虐欲求を内に秘め、彼女の欲望を満たすために。
■イニフィ > 「あ、それはちょっと痛そうね…。」
さすがに、イニフィも刺されれば痛いと思う。
痛覚やその他は人間と大差はないし、流れている血も赤い。
ただ、魔族と呼称されるものの証明は、その魔力の高さにあった。
確かに、魔力の高さはミレー族にもあるけれども、イニフィの場合は『黒い魔力』。
魔族特有のものを抱え込んでいるがゆえに、イニフィは魔族と呼ばれているものだった。
「お友達…ね?前にそんなことを言った人間とも友達になったけど…んふふ。
変わりものよねぇ、淫魔に友達になろうって言うのもさ…?
騎士団はねぇ…、あんまりよろしくないものね?」
だけど、本当に悪くない。
気に入られ、そして気に入る間柄は、イニフィとしても本望だし、なにより嬉しいものだ。
このまま彼女を手篭めにするつもりだったけど――辞めた。
彼女はお友達、だからこそこうして楽しく話をしているものだ。
ただし―――そういう関係を強請るのであれば、彼女も自分の牙にかけることは辞さない。
だが、完全にフェロモンが効果がないかといわれると、そういうわけでもなかったようだ。
だんだんと、太股をすり合わせながら荒い息を吐き出し始めているシャロンは、間違いなく発情している。
隠すこともなく、毒を吸い込みながら蝕まれていく体を、甘んじて受け入れているようにも見える。
そんなシャロンの唇を、イニフィは笑みを浮かべながら奪う。
唇を交し、唾液を流し込みながら上目遣いにみる、その半龍人の唇を、自分の唇で塞ぎ、淫魔の体液―――。
彼女の言う、その発情させうるほどのものを、流し込んでいくのだ。
「…んふふ、恥ずかしがりながら感じちゃうシャロンを見るのも悪くないんだけどね…?
いいわ、つれてってあげる。…誰も来ない、誰も見えない…そんな世界を『造ってあげる』わ?」
周囲に、紫色の霧が発生し始めた。
2人を包み込み、半径数メートルを多い尽くしてしまうその霧。
真昼の公園のベンチの一角、その空間を切り取り、自分たちだけの世界を作り出していく。
■シャロン > 「ん、一応聖別されてるから、結構痛いかも?低級魔族なら一撃浄滅ですし」
とは言え、もう友達になったのだから刺す事はないだろう。
彼女の持っているであろう黒い魔力――それは、実は少女も秘めているものだ。
夫に刻印と同時に注がれた、龍とも神とも違う力。
お陰で強くなったが、同時に淫らにもなった気がする。
そう望んだから、というのは言うまでもないのだけれど。
「母が変わり者であったように、私も変わり者なんですよ
淫魔に発情させられて、だけど怖くなくてドキドキしてますから。
きっとイニフィさんは、私が本当に嫌がることはしないって思いますし、ね?
――ふふ、騎士団に追われそうになったら、言ってくれれば煙に巻いてあげますよ!」
内部事情はしっかり理解しているものだから、符丁なども把握済み。
であれば、少し混乱させるくらいならば今の少女にもできるはず。
そんな協力を申し出ながら、より甘い匂いに没頭する。
感じるのは酩酊。下腹がじんわりと熱を持ち、陰核や尻穴といった少女の弱点がむずついて。
龍種は長命故に子を成す事が少なく、発情することも少なめで。しかし一度発情すれば、激しく相手を求めるのだ。
重なる唇。流し込まれる唾液は、飲めば狂うと理解している。それでも含み、嚥下して、あとは身を任せるのだ。
少女の発情は加速度的に深度を増していくと、ワンピースの布地が僅かに湿り気を帯びるほどに、蜜が滴り零れ落ちた。
「んっ――それなら、イニフィさん、お友達として、貴女の物にしてくださいな。
体を重ねる時だけは、首輪も受け入れますから、ね?――囚われの騎士は、淫魔にどうされてしまうのでしょうか……♪」
こうして、二人だけの世界が閉じる。
紫色の霧の中、秘密の逢瀬が、始まる。
■シャロン > 【続きます】
ご案内:「王都マグメール 平民地区 露天通り」からシャロンさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 露天通り」からイニフィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にソル・グラディウスさんが現れました。
■ソル・グラディウス > 「……遂に来た」
マグメール王国、王都。
正門をくぐり街に入ると黒づくめの青年はそう呟く。
遂に、と言っても目指し始めたのはつい1年前頃。
目的は特にない。強いて言えば金儲けと娯楽探しだ。
旅人として、そして冒険者として、一つの拠点に留まるのはナンセンスだ。
■ソル・グラディウス > 通りを歩く。
他人が行き交う。
流石王都というべきか、人通りも多くて活気に満ちている。
金色の瞳で周りを見るとそう考える。
だけど…やはりというべきか。いやな空気が立ち込めてる。
■ソル・グラディウス > 16年。ここに来るまでは16年間旅をしてきた。
山に登ったり、海に入ったり、砂漠、雪原、湿地…
様々なところを旅してきた。
様々な街や村に行った。何十、何百もの…
そこで大体わかるようになった。どの街が治安が良くて、どの街が治安が悪いのか。
不幸なことに、この街の治安はよろしくないらしい。なんとも…
楽しくなりそうだ。
■ソル・グラディウス > 「……さて、まずは…」
この街でしばらく拠点とする宿を探すために歩き出す。
できるだけ安い宿が良い。治安の良し悪しなど関係ない。
そう黄金の瞳を宿した彼の前では。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にハナビさんが現れました。
■ハナビ > 「こらっ、待ちなさいってばっ!」
黄金の瞳を持つ青年が町並みを見ていると、不意に飛び出してくる一人のこ汚い中年と、それを追いかける獣人の少女。
ミレー族とは違う、どちらかというとライカンスロープなどの魔物に近いものだが、冒険者として認められているせいか街中でも比較的自由に活動できているようだ。
逃げようとしている男の手には女物のカバンのようなもの。それが追いかけている少女のものかはわからないが、抱いているその姿には到底似合わない代物だろう。
そして、その二人組は貴方の方へ向かってきた・・・。
「そこのひとっ!その人捕まえてっ!泥棒だからっ!」
少女が君へ声をあげた。
■ソル・グラディウス > 「……はぁ…」
早速、厄介ごとが向こうからやってきた。
ため息を一つつくが悪い気はしていない。
その少女の言葉通りにこちらに来る小汚い男の服を掴み、地面に叩きつけしばらく動けないようにダメージを与える。
「ひったくりするならもう少し上手にやるべきだったな。例えば、俺の前に出ない…とか」
悶え苦しんでいる男からカバンをひったくると片足でその男の腹を踏みつけ、声をかけてきた少女がやってくるのを待つ。
■ハナビ > 「おぉ、すごいすごい」
青年が男を地面に叩きつけて男が悶絶しているころ、やや遅れて走ってきた。息は切らしておらず、キキッとブレーキをかければ毛皮に包まれた胸が小さく揺れて。
「どうもありがとうっ! それ歩いていたお婆ちゃんのカバンなんだ・・・よかったら一緒に返しに行かない?」
毛皮がビキニのように体を覆ってる程度の、露出の高いダンサーのような少女。耳と尻尾を揺らし、屈託のない笑みを向ける。
全身の筋肉は歪に膨らんではいないものの、かなりの練度で引き締まっているのが外目でもすぐにわかるだろうか。
■ソル・グラディウス > 「そいつはいいんだが…このクソオヤジはどうすんだよ?」
目の前の少女の言葉に頷き、カバンを振り回しながら、悶絶している男の頭を踏む。
また悪事を働かんとも限らない。
ここで首を刈った方が治安のためだと考え、カバンを持ってない方の手で背中の剣の柄に手をかける。
■ハナビ > 「その人は警備の人にお任せするよ。それと、いくら治安が悪いメグメールだからって、街の中で剣を抜いたり魔法を使っちゃダメっ 冒険者は悪い人を殺していい権利はないんだよっ」
剣に手をかけるのを見ると、指を立てて叱るように注意する。前かがみになって下から見上げるようにして青年の顔を覗き込む。
「それが当たり前になったら、本当にこの街は戦いだらけになっちゃうよ。ほら、警備の人たちも来たし、ボクたちはあっちに行こう?」
一緒に行こうよ、と少女は青年に向かって手を差し出した。
■ソル・グラディウス > 「…はいはい」
まるで悪さをした子供を叱るような口調をする少女の言葉に従い、
差し出された手にカバンの紐を引っ掛けると男から足を離して両手をポケットの中に入れた。
にしても、こんな治安の悪い街で治安を維持する機関が存在するのが驚きだ。
ともすれば、この街の衛兵はとんでもなく楽な仕事だな。
とんだ税金泥棒だ。
そう考えつつ、少女と共にカバンの持ち主のところへ向かうため、案内してもらおうと待機する
■ハナビ > 「もう、こっちじゃないのに」
差し出した手にのせられたカバンを見て渋い顔をしつつ、先導して歩くように。
しばらく歩けば腰を抜かした老婆がいるだろう。
あまり人の良さそうな顔ではなく、カバンを受け取ると大した礼も言わずに去っていく。
この街では当たり前の光景、むしろカバンが帰ってくるほうが珍しいのかもしれないが、それでもこの少女はパタパタと尻尾を振りながら見送っていた。
「ふぅ、これでよしっ、と・・・ありがと、お兄さん。おかげで助かったよ この街には冒険者として来たの?」
事が済めばんーっっと体を伸ばしながら青年の方を見て。
■ソル・グラディウス > 「…あぁ、まぁ…そんなところだ。そういうアンタは冒険者なのか?」
礼を言わない婆さんにイラッとしつつも少女の問いに不明確に答え、逆に少女に問いを投げつける。
旅人兼冒険者…まぁ、冒険者と言っても、この少女のようにクリーンな仕事はしてない。
むしろ、俺は傭兵に近い…か。
そう考えつつ、伸びをしてる少女の身体をまじまじと見る。
■ハナビ > 「そうだよー。そうじゃなきゃ獣人が平気と歩けないもの。ボクはハナビ。冒険者のランクは中くらい、かなー?」
パーティを組んでるわけではないので、知名度としてはそれなり、である。遺跡発掘や魔物の討伐を主として活動しているためか戦闘的な行動は得意だがそれ以外はからきしといった感じ。
「・・・どうかした? ボクの体、気になるの?」
尻尾を振りつつ、性的な色気を持つ鍛えられた体。半身が淫魔である双色の瞳を持つ少女は、どことなく興奮を覚えさせる淫気をまだ醸し出していて。もし青年が魔力をみる力があれば、獣人として、淫魔として、そしてそれとは異なる第三の何か、といった三種の力がせめぎ合ってるのが見えるだろう。
■ソル・グラディウス > 「…いや、別に、もう少しまともの格好しろ。」
ハナビの、まるで誘っているかのような格好に対しそう口にする。
もしここが誰も居ない路地や個室ならば即座に押し倒しているところだ。
それと同時にハナビの異様な雰囲気や魔力に違和感を感じつつも自身も自己紹介をしようと口を開く
「…俺はソル・グラディウス。冒険者のランクとしては低…といったところか」
冒険者としてのランク。自分は冒険者としての稼業より、旅人としての自由を求めている。
それは自分のためではなく、背中に背負ってる剣のために――