2015/11/11 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にレティシアさんが現れました。
■レティシア > (夕暮れ時の路地裏には、各家庭の窓から夕餉の支度をしてるであろう匂いが漂っている。とある路地の木箱が積み上げられた所に腰をかけ、唄を披露している女。本日の己の観客は、足元にいる5、6人の幼子ら。キラキラとした瞳を向けられて、人間に擬態している女は、嬉しそうに瞳を細める。掌で拳を作り、そこへ息を吹きかける。ゆっくりと拳を開けば、そこに現れるのは5匹の瑠璃色の蝶。ヒラヒラと蝶が飛び始めれば、子供達からは歓声が上がる。女はクスクスと笑いつつ、幼子達にリクエストされたであろう唄を唄っていて――)
■レティシア > (再び掌から蝶を出せば、更に幼子から上がる歓声。きっと子供らは、手品か魔法の類だと思っているのだろう。女はさしずめ、魔術師か何かといった所か。周囲にヒラヒラと蝶を飛ばし、指先を一本、つぃっと立てれば、その先端へ蝶が止まる。――女が一曲、歌い終われば、パチパチと可愛い拍手が起こる。視線をあともう少しで沈むであろう日に向けてから、目の前の子供らへと顔を向けて) …さぁ、帰りなさいな。もうそろそろで夕飯の時間でしょう。…暗くなると怖い魔族も出てくるわよ?(女の言葉に、幼子達は一目散に散ってゆく。「またね!蝶々のお姉ちゃん!」と声をかけられれば、笑みを浮かべながら、ヒラヒラと片手を振って見送っていて…。)
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にテアさんが現れました。
■テア > 沈みゆく夕日が町並みをオレンジ色に染める中、聞こえていた歌がついに途絶えた。
澄んだ声音のとても綺麗な歌だった。
一体どんな人が歌っていたのだろう。
そんな興味に引かれて、下宿先からの使いに出ていた女狩人は大通りを外れ、歌の聞こえていた路地裏へと歩を向ける。
直接会って声を掛ける勇気など無い。
ただ、どんな人が歌っていたのか、一目見てみたいと思っただけ。
きっと優しげな顔立ちの、美しい、大人の女性。
そんな風に頭の中でイメージを思い描いて、それらしい人物を探しながら周囲に視線を彷徨わせる。
この辺りのはずなのだけれど……と角を曲がったその先、木箱に腰掛けた銀髪の女性が驚くほど近い距離にいた。
「――――っ!」
思わず、息を飲む声音が漏れた。
そちらに向けたテアの瞳が、女性の菫色の瞳と視線を絡ませてしまったかも知れない。
■レティシア > (子供らを見送ってから、ふっと意識を集中すれば、女の輪郭がぼやけ、本来の魔族の姿へと戻る。
木箱の上へと腰をかけたまま、フルっと頭を振れば、銀の巻き毛が揺れる。
指先に蝶を止まらせながら、さて、何か面白い事でもなかろうかと、ぼんやりと考えていた所で、曲がり角から、急に少女の姿が現れた)
……………ん?
(少女の翠の瞳と視線が絡まれば、女は不思議そうに首を傾げるが、直ぐに、にっこりと笑みを浮かべると、おいでおいでと言う風に、手招きをしてみせて)
■テア > もちろん、ぶつかるような距離ではない。
しかし、絡みあった視線がおもわず彼女の容姿を確認するようにしばらくの停滞を見せた後では、何事も無かった風を装って視線を外して立ち去るのが不自然なくらいの距離である。
驚きに丸くなった翠瞳が、彼女の手招きに気付いて気まずそうに脇へ逃げた。
「―――ぁ、ゃ……ち、違……。」
理由もわからず頬に朱を登らせ、開いたおちょぼ口から意味を成さない言葉を漏らす。
臆病な心根が少女の脚を思わず数歩後退りさせる。
―――が、逃げていた瞳を今一度、一瞬だけ彼女に向けた女狩人は意を決して、しかしおずおずといった様子で彼女に近づく。
「―――……ぅ……歌、って……た……?」
手のひらに滲む汗を感じながら、逸らしがちな視線を向けて問う。
歌っていたのは貴女ですか? と。
■レティシア > (少女へと手招きをしてみれば、何だか挙動不審な彼女。女はその初心な少女の反応に、思わずクスリと笑みを零す。
少女を誘うように、手招きしたくせに、相手が後ずさりを始めても、後を追おうとはせずに、
木箱の上に腰を下ろしたまま、少女の行動をじぃっと見つめている。
再び、お互いの視線が絡まって、こちらへと近づいてくる少女に、菫色の瞳を細めて見つめ)
…ん?……あ、えぇ、唄っていたのは、あたしよ。それがどうかして?
(向けられた問いに、銀の巻き毛を揺らしながら、コクンと頷く。女の唇から漏れる声は、先程の歌声と同じそれ。
唄っていたが、それがどうかしたかと首を傾げて、問いを向けて)
■テア > 「――――綺麗………ぁっ! あ……っ! ち、違う、歌……っ! 綺麗、だったから……っ!」
ぽつりと漏らした言葉が、誤解を招きそうな代物であると気付き、慌てて首を振って情報を補足する。
蓬髪が乱れ、チュニックの下の豊乳が重たげに揺れた。
実際、彼女に綺麗だという印象を抱いてしまったけれど、それが何やら恥ずかしい事の様に思えて狩人の少女は頬の赤みを強めてしまう。
今が夕刻で良かったと思う。頬の赤みもいくらかはごまかせるはずだから。
木箱に腰掛ける彼女と一歩分くらいの距離をあけ、居心地悪そうに視線を彷徨わせ、時折こっそりスロップスにこすりつけて手汗を拭う。
■レティシア > ……あら、ありがとう……でも、綺麗なのは歌だけ?
(質問の答えが返ってくれば、女は笑みを浮かべて礼を言う。
しかし、少女の本心が判っているのか、いないのか、意味深な問いを向ければ、クスクスと笑いを零す。
木箱に腰を下ろしたまま、少女を見上げるようにしつつ、つぃっと右手を相手へと差し出してみせて)
■テア > 少しだけからかう様な彼女の問いかけに、コミュ障な女狩人はひとたまりもなく狼狽する。
頬の赤みを更に強めて、それを隠そうとするかのように強く顔を俯かせて―――それでも、問いかけに対する答えとして、小さく小さく首を横に振った。
差し出された彼女の細腕、その先の繊細な指先が俯いていた少女の視線を誘う。
ゆっくりと持ち上げた翠瞳の澄んだ色合いが、再び彼女の顔を見つめて――――大聖堂の鐘が夕刻の祈りの時間を遠く響かせ始めた。
途端、狩人娘の体躯がビクリと跳ねて、丸まった翠瞳と垂れ下がった眉尻がなんとも情けない表情を形作った。
今夜の夕食の為、不足していたパンを買いに出ていたのに、未だに目的の物を買えていないことに気付いたのだ。
閉店間際を狙って、売れ残りの安いパンを安く譲ってもらうという戦略が裏目に出た。
今から急いで駆け出せば、もしかしたらギリギリ店が閉まる前に間に合うかも知れない。
「―――あっ、ぁの……っ、ぅ、えぅ………その………………。」
己の差し迫った事情をスマートに説明して、今すぐパン屋に駆け出そうとするものの、うまく言葉がまとまらない。
なんとか伝えようとする小声もまるで意味を成していない。
しかし、タイムリミットは刻一刻と迫っていて――――ガバッ!
結局、少女は勢い良く彼女に頭を下げて、どこか必死さすら漂う瞳を名残惜し気に彼女に向けて―――踵を返して駆け出した。
どんくさそうな外見とは裏腹な、意外にもしなやかな細脚が少女の姿をあっという間に小さくさせる。
その頭の中では「きっと変な子だと思われたに違いない。」というなんとも言えない羞恥心が渦巻き、テアの頬を赤熱をしばらくの間維持させてしまうのだった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からテアさんが去りました。
■レティシア > (己がかけた言葉に、相変わらず挙動不審な少女。その表情が赤く染まるのは、座っているこちらからは、よく見える。
それでも、己の問いに対して、小さく首を振る姿に、口元を緩ませて見つめていて。
戯れに片手を差し出しつつ、女は目の前の少女を値踏みするかのように見つめる。
俯いていた彼女がこちらを見つめれば、内心、「かかった」と思う。後はゆっくりと、釣り糸を引くだけだと思っていたのに。
突然、罠を断ち切るように、大きな鐘の音が周囲に響く。
この鐘が少女にとって、何かの合図なのだろうと、若しくは門限でもあるのか?とも思う。
何か、こちらを伝えようとする少女に気にするなと首を横に振り、帰宅を促す女。
丁寧に頭を下げて駆け出す少女の後ろ姿が、消えるまで見送って――)
………あぁ……今日も失敗ねぇ……。
(ぽつりと呟くと、座っていた木箱から立ち上がり…。日が暮れたせいで、すっかりと暗くなった路地裏の奥へと消えてゆき――)
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からレティシアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエウロペさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエウロペさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエウロペさんが現れました。
■エウロペ > 夜が更けて外の喧騒も大人しくなってきた時間。
王都の平民地区にある小さな酒場の席のひとつに着物を着崩して酒を飲む女が一人。
よくある大衆酒場であればこんな時間でも飲んで騒いでとなっているだろうが、それなりの穴場であるこの店では僅かな常連客が静かに談笑を楽しんだりして。
「ふふ、ありがとう」
知り合いでもある店の店主と他愛の無い話をしつつ、酒の肴としてチーズを頂く。
ここにいるのは待ち合わせでもなんでもなく、個人的にゆっくりとした時間を取りたいため、そしてこういった店に来る物好きな者がいれば話し相手にでもなるだろうかなんて思っていて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエレイさんが現れました。
■エレイ > 「───ほう……?」
場の雰囲気を壊さぬよう、しめやかに入店する金髪碧眼の男が一人。
店内を見渡してみれば、酒場のようだが冒険者らが普段利用しているような騒がしい場所ではないのは解り、こんな店もあったのか…と心のなかで一人感心する。
そして入った以上はなんか頼むかなあ、と思いながら適当に席を探すと、着物を着崩した豊満な女性の姿を見つけ。
わかりやすく表情を緩めながら、そちらへと足を向けて
「……やあやあコンバンハッ。お隣エエですかな?」
へら、と笑みを浮かべつつ片手を上げながら、女性に声をかける。店の雰囲気に当てられたか、やや控えめな声で。