2015/10/29 のログ
■プラセル > (青年と男のやり取りをただ眺めるしか出来なかったが、どうやらそれも終わったのだろうと青年の手招きに察した。置いてけぼりな心持ちの儘、館の主を横目に窺いながら恐る恐る青年の元へと歩み寄る。男からは叱責も暴力もない。自分の主が変わったのだ、と漸く確信が持てた。青年がガラス瓶を受け取ったのを確認すると、館の主は少女の下腹部へと刻まれた刻印についての説明を告げる。刻印がある限り、少女が王都の外へは一歩も出られない事、魔力が封じられている事。その刻印はガラス瓶の中に入った液体を飲めば消える事。『その薬は特別製でしてねぇ、私にしか作る事ができないのです。お買い上げのサービスとしておつけしていますが、もしも無くされた場合、次回は別途お代を頂戴しますので。』男の浮かべる笑みは、必要はないだろうが、とも告げているそれ。)
■アーヴァイン・ルグゼンブルグ > (恐る恐る近付くさまは人馴れしていない野良猫を思わせてしまう、最初の無愛想さとは大違いだと思えば、笑みを深めながらあの時と同じように頭を撫でようとする)なるほど…脱走防止というわけか(そんなものがついていれば逃げようもなく、こうも感情を殺すことになるわけだと、俄然納得がいく)分かった、無くさないように気をつける(薬に変なものでも盛られていないかと警戒もしたが、足がつくことしまい。素直に言葉に頷けば、所有権の手続きなどを済ませてそそくさと、少女ともに部屋を出るだろう)プラセル、でいいのかな?(名前を確かめるように呼ぶと、娼館の外へ出たところでじぃっと見つめる)先程の薬、すぐに飲ませたいと思うんだが…幾つか約束してほしいことがある、あくまでそっちの身を守るための事柄だ(そういうと宿へ案内すると、片手を差し出す。手を繋いでのご案内ということだろう)
■プラセル > (手続きを済ませるのを傍らでじ、と見詰めつつ、その後に連れ立ち部屋を出る。後ろを振り向く、なんて事は素振りも見せない。未練など無いのだから。青年に名を確認されれば小さく頷き)そう。プラセル。気に入らなかったら名前をつけてくれてもい――…、飲ませるの?(プラセルは紛う事なき自身の本名。けれど、主の変わった今、それを変えるのも相手次第だと告げかけて思わず聞き返した。己の枷は今、その薬だけなのに。驚きに双眸を僅かに見張りつつ、続けられた言葉には素直に頭を縦に揺らす。それから、差し出された手へと視線を落とし、数秒思考を巡らせ、怖々と青年の手を取り)
■アーヴァイン・ルグゼンブルグ > いや、大切な持ち物だ。大事にするといい(彼女が所有してきたのはその名前ぐらいだろう。そのままでいいと頭を振れば、驚く声に笑みをこぼす)あぁ、飲ませる。勘違いされているようだから先に言うが、プラセルを檻に入れる気もなければ、割に合わない仕事をさせたくもない。ただ、枷を解くことは危険にもなるから、その説明だ(恐る恐る手を握る少女に何処か小動物のような愛らしさを覚えて笑みが深まる。奴隷市場を歩きながら彼女にだけ聞こえるような、低い声で語る。一つ、脱走は無し、再び捕まって売り飛ばされたら助けられないから。二つ、気分悪いと思うが奴隷らしくしててほしい、因縁つけられて殺されたら溜まったもんじゃない。三つ、首輪と印を外さないこと、自分の宿の所有物と証明することで安全を確保するためだ。難しくもない約束を語りながら辿り着いたのは、賑やかな宿。入り口には男が二人見張りに立っている。そのまま中へと連れて行けば、ミレー族の客が楽しげに接している光景が見えるだろう)ようこそ、首輪要らずの宿へ(ふりかえり、歓迎の言葉と共に微笑む)
■プラセル > …うん、(そのままで良い、との言葉に知らず仄かに表情が緩んだ。己のままでいても良いのだと赦しを得たような気分。そろりと吐息を逃がしながら、密やかに紡がれる彼の言へと耳を傾けた。上げられた三つの約束事は、先に青年が告げたようにどれもが己の身を守ってくれるようなものばかり。今までの、短くも長かった奴隷生活での制約に比べれば、屁でもない。ひとつひとつに頷きながら歩みを進める内、辿り着いた宿。入口の二人へと視線を遣りつつも中へと入り込み)―――…!(視界に入り込むその光景に目いっぱいに瞳が開いた。ぶわ、と肌が粟立つような感覚。久方ぶりに覚えた情動にじわ、と心臓の当たりが熱を持ち、視界が微かに滲む)――…ありがとう、アーヴァインさん。(震えた声音になりながら柔く溶けた笑みと共に礼の言葉を告げて)
■アーヴァイン・ルグゼンブルグ > (徐々に柔らかな表情を浮かべる少女に嬉しそうに微笑む。説明に頷き、素直な様子にこれなら大丈夫だろうと安心もしていた。宿の入り口に立ち男達は屈強な体付きをしているが、視線が合えば不器用なりに笑うだろう。宿は盛況なようで、酒と飯、そして酔っ払った男達が女へセクハラ気味に触れているが、ご愛嬌といった程度のこと)……(感情が溢れる御礼の言葉、涙が浮かんだ顔を見やると、頭を振って)俺も助けられて良かったよ(などと感動していると、酔いどれから新しい娘か?と声がかかり)あぁ、また金貯めないとだからな、しっかり金落としてけよ?(男には厳しいなと笑い飛ばす客に苦笑いを浮かべると、少女を酒場の裏にある自室へと案内し、ソファーに座るように奨める)先程の薬だな、あと…うちの首輪と印だ。印はシールになってるから体の好きなところに貼ってくれ、魔力を当てるまでは見えなくなる(薬の入った瓶と、薄いピンク色の首輪に宿の印がぶら下がっている。一緒に渡されたシール状のものも同じ印が入っている)
■プラセル > (元々、閉鎖的な部族の出故に他のミレー族を見たのは売り飛ばされた館やそこに来ていた客が連れてきていた己と同じ境遇の者程度であれば矢張り物珍しくもある。きょろと周囲に視線を移しながらも青年と宿の客とのやり取りを目に、淡く眼を細めて。そうして促される儘ソファーへと若干おっかなびっくりしつつも腰を降ろし)本当にくれるのね…。(手渡される瓶と首輪、それとシール状の物を受け取りながらしみじみと口にした。信じていなかった訳ではないが、やはり驚きはまだ継続している。一度貰ったばかりの首輪とシールを足の上へと置き、瓶の蓋を開け)―――…、
■アーヴァイン・ルグゼンブルグ > (物珍しげにあたりを見渡しているが、怯えていない辺り、馴染むのに時間はいらないだろうと一安心だ)勿論だ、約束してくれるといってくれたからな(驚きの消えないようすに苦笑いをしつつも頷いた。瓶の蓋を開け、薬を飲もうとしても男はその様子を見守るだけで止めることもない)ところで…一つお願いがあるんだが(飲み終わるであろう頃合いにそんな言葉をかける、妙なことを言うなと自身でも分かっているからか、そんな心境が浮かぶ表情だ)翼をもう一度みせてくれないか…?(あの時に見せた翼をもう一度と願う)
■プラセル > (幾ら術の解除がされると言われたとは言え、得体の知れない物には変わりない。先ずは臭いを確かめ、それから口許へと宛がいゆっくりと傾ける。如何やら味もしないらしいそれを少しずつ飲み干していく。えづく事も無く瓶を空にした。が、特に体に変化は感じられぬ。刻印が消えたかどうか確認しようと襟口へと指先を引っかけた矢先、青年の口から出た言葉。幾度か瞬きをした後、足の上に置いた二つをソファーへと移して立ち上がり)…―――(ばさり。再び響く空を切るような音。それと共に現れたのは先と変わらぬ薄金色の翼。二対のそれは羽ばたくように小さく震え)――あなたが望むなら、いつだって見せるわ。
■アーヴァイン・ルグゼンブルグ > (流石にここで毒でも入れたらバレるだろうとは思えど、確かめてからにする気持ちはわからなくもない)…(お願いの言葉に無言のまま立ち上がるのを見ると、機嫌を損ねたかなと少し心配になるも、羽ばたくように広がる翼に目を奪われ)…綺麗だな、安直だと思われるかもしれないが…最初に見た時は天使みたいだなと思ったんだ(白い肌に薄金色の翼、神秘的にも感じる光景をじぃっと眺めていく。よくもこんな綺麗なものに乱暴が出来たものだと、自然と呟いてしまう)…ぁ、すまん。薬の結果はどうだ?(はっと思い出したかのように薬の結果を問う)
■プラセル > (衒いなく告げられた台詞に、じわりと頬に熱が昇る。困ったように眉根を寄せ、顔の熱さを誤魔化すように緩く曲げた指の背で皮膚を擦り)…あなた、絶対に女たらしでしょう。(女だけでなく男もたらしていそうだ、とは口にはしないでおこう。ふう、と小さく吐息を逃がしつつ、次ぐ問いには翼をしまいつつ再び人差し指を襟口に引っかけて引っ張り、隙間から己の下腹部へと視線を落とす。然し、今まで目を逸らしたくとも逸らす事の出来なかった刻印は跡形もなくなっている。そろ、と肩から力を抜いて指を離し)消えていたわ。
■アーヴァイン・ルグゼンブルグ > (恥じらいの赤がかかると、無愛想だった最初とのギャップも強く、ぐっと胸打つ魅力に自然と頬が緩む)…そんなことは、無いと思うが(自覚はないらしい。首を傾げる彼だが、そんなに軽く見えてしまっただろうかと変な事を考えていた)消えたか…よかったよ(襟口から覗き込み、確かめる少女の答えにほっと胸をなでおろす。安堵の吐息が溢れた)そうだった、プラセルの部屋の鍵を(立ち上がり、事務机の傍にある鍵箱を開く、ざっと確かめて、開いている部屋の鍵を手にすると彼女の元へ)かなり狭いんだが…個室になってる、自由に使ってくれ(鍵を渡すと、壁にかかった振り子時計に視線を向ける。時刻は深夜、そろそろ眠気も襲う時間)今日はしっかり休んでくれ、仕事の詳しい話とかはまたにしよう(そして、先程 たらしと言われたので、冗談っぽく微笑みながら)今日はプラセルが自由になった日だ、甘く祝うとして…一緒に寝るか?
■プラセル > (無自覚だなんて恐ろしい。人知れず泣いた男女は両手足の指を足してもきっと足りないのだろう。そんな事を考えながら熱を冷まし)―――…部屋までもらえるのね。…ありがとう。(しかも個室である。狭くともきっと微塵も気にならない自信がある。鍵を受け取り、まじまじとそれを見詰めた。明かりを反射して鈍く輝くそれを大事そうに、ぎゅう、と握り締め)うん、(仕事と聞いて怯えを抱かずに済む日が来るとは思いもしなかった。小さく頷いたのも束の間、青年の言葉にはつりと瞬きをひとつ。浮かべられた笑みにああ、と察しはしたものの、ほんの一瞬思考が巡り――)……優しくして、ね?(そろり、と青年の胸元へと伸ばした掌。柔く添えては瞳と唇を薄い弧へと緩ませ小首を傾げて見せた。そうして数秒後、微かな笑み音を逃がして青年の胸元から手を離し)あんまり甘やかしちゃ嫌よ、
■アーヴァイン・ルグゼンブルグ > (まさか少女にそんなことを思われているとは知る由もなく…)一人の時間がほしい時もあるだろう?(ベッドと少しのスペースと、仕事泊りの宿ばりの狭い部屋だが喜んでもらえれば嬉しそうに笑う。冗談っぽく微笑んでの言葉は、予想外に彼女の心に届いてしまったらしく、胸元に伸びる手に心音が少し跳ね上がる)…あぁ、勿論(と言いかけのところで、続く言葉と手に、こちらも理解して)プラセルが、そうやって笑ってくれるようになれば、過度の心配はしないさ(冗談も言えるぐらいとなれば大丈夫だろう、一息ついてから少女を見つめ)今後共よろしく頼む、おやすみ(こうして今宵の出会いに幕を引く。明日から再び色んな戦いに向けて動くのだろう)
■プラセル > (ある。そんな安らぎの時をこの数年を味わいはしていないけれど。青年の胸元から離れた掌からはゆっくりと力が抜ける。解放感と目の当たりにした同族達の和気藹々とした姿を見ての喜びとで、妙なテンションになってしまっているのは自覚済み。それでも一度弛んだ神経を今再び引き締め直すのは難しい。青年の言葉に、むず痒い様な心地を覚えて唇を戦慄かせた後、腰を折って深く頭を垂れ)こちらこそ宜しくお願いします。――おやすみなさい。(最初とは打って変わって柔く響かせる声音で夜の挨拶を告げ、与えられた部屋へと向かおう――)
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からアーヴァイン・ルグゼンブルグさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からプラセルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にシナトさんが現れました。
■シナト > (さて、まさかの遭難から渡りに船、とばかりに出会った王都マグ・メールの女騎士にセクハラしつつ案内して貰い…何とか辿り着いた目的地…なのだが、問題が一つ、いや二つあった。一つは残金が心許ない事…もう一つは、その残金の心許なさもあって拠点となる滞在宿が決まっていない事である。黒い旅装束、黒い外套、黒髪に黒目、黒い眼帯に腰に下げた黒い刀。最低限の荷物を詰め込んだズダ袋を除けば、全身ほぼ黒一色という出で立ちは、例え平民の雑踏の中でも目立つもので)
ん~…さてさて、ど~したもんかねぇ。野宿は慣れてるけど、ど~せならふかふかのベッドでそろそろ眠りたいモンだけども~…。お金が心許ないしねぇ。
(大して深刻そうでもない、緩い口調と態度で雑踏を緩やかに搔き分けて進む。一見するとフラフラしているように見えるが、不思議と人通りが多いここ――…大通りでも誰かにぶつかる事は無い。人の流れを予め予測し、その隙間を縫うように器用に移動しているのだ)
■シナト > 確か~~…ここって貧民地区もあったっけかねぇ。最悪、そこでテキトーに寝泊りするのも視野に入れるべきなんだろうねぇ。
(富裕地区もあるようだが、自分のような流れの冒険者に縁があるような場所とも思えない。そもそも、黒ずくめという時点で不審者扱いで大事になりかねない。それでも黒ずくめが気に入っているこの男はそこを曲げる気は無いのだけれども。フラフラとした足取りで雑踏を擦り抜けるように歩きつつ、もうこうなったらスリでもしようかねぇ、とか普通に考えている。一般人ならチョロいもんだけど、バレた時は面倒でも或る。けど、生きる為にはお金が必要。冒険者としての生活に苦は無いけれど、定期的にこう金が乏しくなるのは困りものだった。それに、貧民地区で寝泊りも普通にヤバいのは明白で。だが、それしかないのだったらそうする、という割り切りはある)
…むしろ~…貧民地区でカモのフリして返り討ち、有り金巻き上げる方が手っ取り早いかねぇ。
(フと思いついたような呟きだが、この時点で選択肢の一つとして入れている)
■シナト > …んや~~どうにも師匠のやり方が染み付いてるよねぇ、これ。もうちょっと穏便な手段を考えた方がいいかもしれん。
(今は亡き魔族の師匠を思い浮かべて苦笑い。破天荒な人であったが、その影響を確実に己も受けているのだと再認識する。どうせなら反面教師にでもしたかった。フラフラと大通りを歩いていたが、小休止でもしようかと路地の一つへと足を踏み入れる。平民地区とはいえ路地裏は普通に危険だがお構いなし。手近な壁に背中を預けてズダ袋を足元に置いておく)
…ん~~冒険者より傭兵とかやってた方が稼げたかもしれないねぇ。
(今から転職とかしてみるのもありといえばあり。だがそれはそれで何か面倒だなぁ、とも思う訳で。まぁ、金が無いのを嘆いてもしょうがないので、取り敢えず今夜の寝床の問題をまずは何とかしなくてはならない。手持ちの残金だと宿に泊まれたとしても、2泊程度がせいぜいだ)
…アマちゃんにお金借りとけば良かったかもねぇ。(呟く。ただし返すアテが無いけども)
■シナト > …そういや、こっから北の方は魔族の国があるんだっけ~~…王都とかにも既に居たりするんだろ~か。
(生い立ちやら何やら、どうにも魔族と縁があるけれど、流石に”右目”を使わずに見分けるのは難しそうだ。そういう隠蔽的な魔法なり手段なりはしていそうだし。まぁ、魔族と仮に遭遇したとして…ウン、真っ先に逃げる事を考えた方がいい気がしてきた。路地裏の片隅で小休止は続行しつつ、一度目を閉じて何かを確認するように間を置く)
…ま、師匠の目なんか受け継いじゃってる俺も、下手したら魔族デビューなんだよねぇ。実感無いけど。
(未だ人間、されどそちら側に何時落ちてもおかしくない、そんな不安定な状況ではある)
…あ、でもどうせ魔族に会うなら美人さんがいいよねぇ。(うへへ~…と、締りの無い笑みを零す。黒ずくめで路地裏。不審者全開である)
■シナト > …ま~~美人さんの魔族は一先ず置いておくとして…いい加減、そろそろ寝床確保しないとマズいねぇ。
(ちらり、と路地裏の奥へと隻眼を向ける。このまま進めば貧民地区の方へも行けそうだが、土地勘が殆ど無いのでそれは無謀か。大人しく再び大通りへと出て行く黒ずくめの男)
…さぁてさて。退屈しないといいねぇ。
(前途は揚々か暗雲立ち込めているのか。それすら分からぬが、何が起こるか分からない方が何事も面白い。多分。そのまま、再び雑踏へと溶け込むように、紛れる様に、それでいて目立つ黒ずくめの男は歩き去るのだった)
ご案内:「王都マグメール 平民地区」からシナトさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/酒場『黒猫のあくび亭』」にティネさんが現れました。