2025/10/05 のログ
リーラ > 「むぅ……」

どのように守りを敷いても。どんなに抵抗しても、その気になればいつでもお前を殺しうる。
そのように魔王としての実力を誇示して見せたというのに、アダンの態度には怯えの欠片も無く。
むしろ、下卑た笑みを浮かべる態度に、思っていた反応と違うと不満げな様子を見せ。

「このわたしが、肉便器扱いされたがってるとかそんなわけがないだろう。
 少しは、今のを見て警戒するとかするのが普通だろうに。危機感が無いのか、お前は」

いつでもどこでも、肉便器として召喚できますというアピールではない。
そんなつもりではない、と不愉快そうに眉をひそめて言葉を返し。邸の防衛機構が役に立っていなかった現場で何をそんなに強気なのかと、呆れたように指摘しつつも、その卑猥なまでの恰好が言葉を裏切る。
求められたからとはいえ、指示そのままに犯されるための衣装に身を包んで自分から訪れた事実は揺るがず。

「それは……肉便器契約を……ではなく!
 お前が命令してきたから、だろうが! わたしが好き好んで、このような格好をしている肉便器志願者みたいに言うな。
 これは、お前の趣味だ。雌を肉便器扱いするのは、お前の嗜好。むしろ、このわたしを……魔王を肉便器扱いできる栄誉に泣いて喜べ」

犯されるための卑猥な衣装を身に着け、隷属を示す首輪を嵌め。尻穴にアナルビーズを咥え込む。
アダンの呼び出しに応じるための装いをしていく間に、屈辱感とともに被虐的な興奮を味わっていなかったと言えば嘘になり。
アピールした通りにその気になればいつでも殺せるような人間風情を相手に、肉便器扱いされて従っている。その時点で、本音の部分では肉便器扱いされる事への期待と興奮がある。
アダンの嬲るような言葉に対しても、苛立ち怒っているような反応を見せつつも。下賤な人間風情にこのような、という倒錯した官能を味わっており。
ほんのりと朱に染まる顔立ちは、怒りによるものなのか欲情によるものなのか。

「ひんっ♡ そんな、いきなりぃッ♡ あ゛ぉ、ッ♡ お、お尻い゛ぃぃ…っ♡」

極端なまでのミニ丈のスカートの裾。
捲り上げれば目に映るのは、生地の半ば以上が透けている煽情的なデザインのショーツ。
本来は秘部を包み隠すはずのそれは、逆にその部分を強調し見せつけるかのように穴が開いているデザインとなっていてセックスするための雄に媚びた下着。
何の容赦もなく、肉便器の雌に対して躾をする態度で股間に子宮にまで響く平手を叩きつけられてビクンと腰が跳ねて甘い悲鳴をあげてしまう。
叩きつけられた掌をぬるりと濡らすのは、内側から滲み溢れ出ていた淫蜜の滴り。肉便器扱いされる事を予想しながら、卑猥な格好を自分からして呼び出しに応じる。その間に感じていた期待と興奮を示す証拠。
リーラという雌のマゾ雌ぶりを示す淫靡な蜜汁の滴りが、既に雌穴を濡らしており。言葉では否定していながら、肉便器扱いされる事への期待を抱いていた証拠。
子宮へと響くスパンキングの衝撃は、被虐性を刺激して痛みではなく興奮と快楽を呼び起こし。
尻穴の中で蠢き始め、尻穴を責めたてだしたアナルビーズによる尻穴快楽とあわさって快楽の声を強制的に奏でさせられてしまい。
崩れ落ちこそしなかったものの、膝ががくつき。余裕も少なげに、快楽に耐えている。

アダン > 「肉便器がわざわざ使われにやってきたというのに、なぜ危機感を覚える必要がある。
 お前は魔王なのだろう? 命令をされたからなどと言って唯々諾々と従う必要などあるまい。
 わざわざこちらの嗜好に合わせてどんな服装でもしてくる献身的な娼婦か?
 違うだろう。お前は肉便器扱いされたがってるただのマゾ雌だろうが!
 あの貴族の邸に来た夜から、肉便器志願者なのはバレバレだぞ、この淫乱が!」

リーラがどのような言葉を述べても、あの卑猥な書簡の内容に従った事実は変わらない。
彼女がどれだけ力を誇示しようと、アダンにとっては「雌」でしかない。
アダンの言葉に苛立ちを見せ呆れたような言葉を向けたとしても、リーラの「雌」としての反応をアダンは見逃さない。
いくらこちらを殺せるような力を持っていようが、それと使わなければ何の意味もない。
自らの力を用いて、自らを辱めるような淫具を作らせれば、命令に従いわざわざそれを着けてきている。
彼女が魔王としての自身を誇示すればするほど、その情けなさや卑猥さが強調されることになるのだ。

アダンがそんなリーラを躾けるように割れ目を叩き上げれば、手のひらに滲むのは淫らな体液。
リーラがどんな言い訳をして強がりを言ったとしても、体の反応は正直である。
露わになったショーツはアダンが指定したデザインそのものである。
キツいスパンキングでリーラの秘所に手形が刻まれ、ショーツに開いた穴からそれが丸見えになっている。
ただただ雄に媚びて、セックスをするためだけの下着。

「おい、なんだこれは。
 犯されるためだけの服装をして、肉便器扱いされに私のところまで向かうことに興奮していたわけか?」

その濡れた割れ目を指摘するかのように、押し付けた手のひらで軽く割れ目を叩いて音を響かせる。
肉便器扱いされることに期待しているのは丸わかりだぞ、と言わんばかりに。
リーラは崩れはしなかったものの、その膝は笑っている。
少し体重をかければ、アダンの手が強く割れ目に食い込んでいくことになるだろう。

「そら、どうしたマゾ雌。さっさとイけ。
 お前のような肉便器に快楽を耐えるような権利があると思うなよ。
 雄に媚びて、楽しませるためにさっさと雑魚イキしろ!」

バチン! と、強く割れ目が叩かれ、続けて尻肉にもスパンキングが飛ぶ。
尻穴のアナルビーズは激しく動き、自動的に出し入れが繰り返される。
尻と割れ目へのスパンキングは容赦なく続き、それに合わせて無理やりリーラの脚までも開かせていく。
ひどく卑猥で下品な有り様にさせ、到着早々アクメを味わわせる気なのは明らかだ。

「今日もしっかり子宮まで使うからな。
 肉便器として今日はどうされるのか、しっかり挨拶、せんか!」

ドレスの胸の部分を引きずり下ろし、下着に覆われていない胸を露出させる。
そして、両手でその乳首を摘んで引っ張るということを行い、強い言葉で命令する。

リーラ > 「違っ♡ それは、肉便器契約を結んだから♡
 仕方なく、お前の肉便器をしてやっているだけだ♡
 あの日だって、ただの気まぐれっ♡」

肉便器になると契約を結んでしまったから、仕方なく肉便器をしてやっているだけ。
自身は淫乱なマゾ雌なんかではなく、アダンの趣味であり。性癖であって。自分はそれに合わせているだけ。
その気になれば秒で殺せるような相手に対する気まぐれな慈悲。魔王である己の寛大な心に感謝すべきだと、そんな風に言葉を紡ぎたいが、自身の作成した淫具が自身を責めたてていて。思考は快楽に乱され、言葉を紡ぐ声は甘く。
恥辱的な言葉と責めたてに、マゾの悦びに浸ってしまい。雄を挑発しながらも、仕置きを期待して媚びている雌の痴態を演じてしまう。
魔王である己が、このような下賤な人間風情に。
そんな風に、思えば思うほど。惨めで無様で屈辱的であるほどに、胎の奥から。躰の芯から情欲の熱が身を疼かせてしまい。
マゾヒスティックな期待と興奮に、体は発情した雌の反応を示し。乳首を尖り勃たせて、股間を濡らす。

「違う♡ わたしは、別に肉便器扱いされる事を期待などしていないし、興奮もしていない♡」

アダンの掌が恥蜜を滴らせる股間を叩けば、卑猥に湿った音が響き。叩かれてビクンと腰が震え。叩かれて、淫唇がひくつき。内部から雌の蜜汁を溢れ出す様は、淫虐を期待するマゾ雌そのもの。
それを認めるわけにはいかないと、言葉の上では強がり否定してはいるものの、ちょっと責められただけで快楽反応を示しているところは雑魚マンコの雑魚メスと呼ぶにふさわしく。
アダンの手が強く割れ目に食い込んでくれば、無意識に小さく腰を揺すりたてて、アダンの指で割れ目を擦りたてようとしてしまう。

「あ゛ォっ♡ ひっ♡ い゛ぅっ♡ そんなに、されたっ♡ ら、あ゛ぁぁぁぁ…ッ♡」

そして、繰り返されるスパンキングとアナルビーズによる尻穴責め。
躰の内側に響くスパンキングの衝撃は、尻穴責めの快楽によって増幅され。スパンキングを受ける尻肉は、卑猥に波打ち。秘裂へのスパンキングは子宮や淫核への尖った快楽刺激となって絶頂へと誘い。
繰り返されるスパンキングにすらりとした長い脚は、無様なガニ股姿勢へと近づいていき。強制的に与えられる快楽が閾値を超えた瞬間に、耐えきれずにイキ潮を噴きながら絶頂してしまい。背筋をしならせ、細い首筋を反らすように仰け反り雌のイキ声を迸らせる。

「ひう゛っ♡ 肉便器として、口もマンコもケツマンコも♡ 子宮も♡
 わたしの体の全てを肉便器らしく好きに使われて、性欲処理されまひゅ♡」

ドレスの胸部分を引きずり降ろされれば、たゆんと乱暴な扱いに揺れて震えながら豊かな乳肉が剥き出しになり。
乳首を摘まんで引っ張られながら、強い言葉で命令されれば本能的に雌として、雄に媚び。自身の全てを差し出し、性処理用の雌として。肉便器として本日は使われると認めて、口にする。

ご案内:「フェリサ邸」にリーラさんが現れました。
ご案内:「フェリサ邸」にリーラさんが現れました。
ご案内:「フェリサ邸」にリーラさんが現れました。
ご案内:「フェリサ邸」にリーラさんが現れました。
アダン > 「この雑魚まんこの雑魚雌が! 誰が潮を噴いていいと言った!
 マンコを手に押し付けてたのもバレてるからな!」

尻と割れ目へのスパンキングにアナルビーズでの尻穴凌辱を受けて、リーラは耐えることも出来ないまま情けなく絶頂を晒した。
雑魚まんこから潮が噴き出し、下品といっていいような喘ぎ声が邸のエントランスに響き渡る。
それを聞けば、リーラの「ただの気まぐれ」「肉便器扱いされることに期待も興奮もしていない」という言葉が嘘であるのだと誰もが理解するだろう。
そして、リーラの姿勢は脚をしっかり開いた無様なものものとなっている。
リーラのそんな様子を見て、アダンは言葉で理不尽に詰る。

「よし、しっかり肉便器としての宣言と、今日使われるということが言えたな。
 子宮も精液漬けにするからな。今日孕むかもしれんな。覚悟しておけ」

乳首を搾るように刺激し、時折乳房を掴んでしまいながら、リーラの肉便器としての宣言を聞いて下卑た笑いを深める。
しかしそれを褒めることもなく、乳か手を話して尻と割れ目をまたスパンキングする。
さらに、ひとりでに動くアナルビーズをアダンは掴み、それを一気にリーラの奥にまでねじ込む。
ゴリゴリゴリと尻穴をビーズが次々と抉り、再挿入の強い快楽を体に教え込んでいく。
アナルビーズは尻穴の側から子宮を強く刺激し、子宮を使われるということを強く意識させる。
言葉の上でも「孕む」というようなことを言い放ち、本当に好き放題するのだとリーラに言い聞かせる。

「さて、そろそろ行くか。
 お前が雑魚雌過ぎて余計に時間を食ってしまったな。
 このままベッドでわからせるか、風呂で躾けてやってもいいな。
 安心しろ、お前の好きな肉便器扱いを徹底的に行ってやるのは変わらん。
 また雑魚雌っぷりを見せるたびに調教の日は延長だな。
 お前の雑魚まんこっぷりだと一週間は我が邸に置くことになるか?
 お前の都合など関係ない。お前はちんぽに媚びることだけ考えろ。
 おら、さっさと行け!」

ようやくエントランスでの調教が終わりを迎える。
だが、まだ始まったばかりである。
アダンはリーラの横に立つとキツく尻を叩き、そのまま尻肉を掴む。
早く進めと告げれば、邸に仕掛けられた魔導器の一つが発動する。
それは、リーラの進む先にいくつもの玉が数珠状に連なった縄を出現させるものだ。
リーラの股間にそれは強く食い込むように現れため、リーラが歩くたびに縄と玉の刺激が雑魚まんこを襲うことになる。
歩くときでさえこのような使いを受けるのだと、体と心に教え込む調教である。

リーラ > 「ひぁぁ…っ♡ わたしは、雑魚マンコの雑魚メスなんか、ではぁ……っ♡」

アダンの罵りに、ふるると身を震わせて喘ぐ。
それは恥辱に対する怒りの反応とするには、表情は甘く蕩けており。そんなことはさすがに認められないと、首を振り否定する言葉を吐くその声は雄に媚びた甘い声。
自分の腰遣いを指摘されると、自身の反応を自覚してしまい。羞恥に白い肌は朱に染まり。目じりに羞恥の涙を浮かべつつも、我慢しきれないという風情で腰の動きは止まらず。

「あぁ……っ♡ そんな……この、わたしの子宮が、精液漬けにされて♡
 孕んでしまうほどに、種付けされるとかっ♡ お゛っ♡ ひっ♡ 魔王なのにい゛っ♡ 肉便器にされてるっ♡」

肉便器宣言をよくできたなと言われ。孕ませる勢いで子宮を精液漬けにしてやると言われると、どれほどに犯しぬかれてしまうのかと想像してしまい。
ゾクゾクとした興奮が背筋を駆け抜けて、ふるりと肌を震わせて熱のこもった艶めく吐息を漏らし。情欲に潤んだ瞳が、アダンの股間へと視線を注ぐ。
その間も乳房を弄ばれ。尻や秘部をスパンキングされるに合わせて、神経を走る快楽のパルスに身をよじり。
尻穴から奥深く捻じりこまれるアナルビーズが、子宮を裏側から刺激してくれば女としての最奥までおも性処理用に好きに使われる事を予感して、尊厳無き肉便器扱いに美少女魔王はむしろ興奮してしまった様子で声を震わせ。
尻穴で暴れるアナルビーズをきゅむと締まるアナルが食い締め。同時に締まった膣穴から絞り出されるように淫蜜が溢れて垂れ流される。

「そんな♡ 一週間も、チン媚び肉便器として調教されたら♡
 チンポの事しか考えられない雌になる♡ 雌ではおチンポ様には勝てないと躾けられてしまう♡」

雑魚マンコの無様さを披露するたびに、肉便器調教を延長をすると告げられ。
そんな雑魚マンコではないと抗議するよりも先に、一週間も肉便器調教される己を思い描いてしまい。
体の内も外も、アダンの精液漬けにされてどろどろの自分の姿を。アダンの肉棒に逆らえず媚びる痴態を想像して、きゅんと子宮は疼き。
尻を叩かれて「ひん♡」と甘い声で悲鳴をあげて、背筋を反らし。
尻肉を掴まれたまま、促されて歩き出そうとすれば出現する珠が連なる縄が股間に食い込んできくる。

「こんな、のぉ゛ッ♡ 歩くだけ、でっ♡」

そんな状態で歩こうとすれば、食い込んだ縄で股間は擦られ。連なる玉が淫核を磨り潰し、秘所を抉りたててくる。
一歩歩くだけで、びくびくと背筋を震わせて喘ぎ。進んだ後には、雌の淫臭をぬりつけるように。べったりと雌の恥蜜に濡れた縄を残してしまい。
普通に歩くよりも、何倍も遅い歩みを絶頂を繰り返しながら歩くことになる雑魚マンコの痴態を見せることになり。
同時に、ただ邸の中を歩くだけでの事でもこのような調教を受けるのだと示されて、この先の己の扱いに倒錯した興奮と期待に心が満たされ、淫欲に体の芯が疼く。

アダン > 「魔王のくせに本性が雑魚マゾの雑魚まんこな女にはそれぐらいがちょうどいい。
 しっかり一週間を想像しているようだしな。雌としての立場を教え込んでやるから覚悟しろ。
 その様子だと仕置きにもならなそうだがな。これだと一週間の調教は確定しているようなものだが。
 頭の中をチンポのことだけにしてやるからな、変態魔王」

アダンの言葉の一つ一つに、リーラはマゾ雌そのものの反応を返す。
最初に見せていた魔王としての自身を保とうとし、抗議を行っていたような有り様はそこにはない。
リーラの言葉を捕まえて、たっぷりと「マゾ雌」「雑魚まんこ」扱いを繰り返す。
さらに、これからの生活を想像してマゾな反応を見せるリーラに対し、一週間は確定、などと告げていく。

「おい、もっと早く歩かんか!
 それとももっと長くまんこを玉と縄で刺激してほしいのか?
 どうしようもない変態だなお前は。
 玉と縄がマン汁にまみれて酷い有様になってるぞ。
 しっかりと魔王としての力も肉便器として私に捧げさせる。よく覚えておけよ!」

縄や玉が股間に食い込んでいるリーラの歩きは当然遅い。
早くなど動けるはずがないのだが、アダンは理不尽に早く動けと命令する。
玉がクリトリスや膣穴を擦るタイミングを見計らって尻を強く叩く。
そうすれば割れ目がより強く縄と玉に食い込んでしまい、快楽を増幅させていくはずだ。
簡単にイクようになったリーラの有り様をアダンは笑いつつ、衣服を脱ぎ捨てていく。
そうなれば、しっかりと勃起した肉棒がリーラの前に晒されることになる。
凶悪な形と太さで、リーラの子宮口を何度も叩き、膣穴をちんぽの形に変えたそれを、見せつける。
スパンキングをしながら尻を強く押せば、縄により割れ目は密着し、快楽地獄をリーラに与える。

「おい、止まれ。しっかり雑魚まんこを見せろ」

急かしたかと思えば止まれと命じ、縄と玉が食い込んだ雑魚まんこを至近距離で眺める。
雑魚まんこの有り様をじっくりと眺めて観察し、リーラを辱める。
それが終わった後も早く行けと尻を叩く理不尽な行為。
これからこういう扱いを毎日受けるのだとリーラに教え込む。

「着いたぞ。さっさと降りろ」

かなりの時間をかけて、リーラを何度もイカせながら長い廊下を歩き終わる。
たどり着いたのは寝室である。ここでリーラはセックス漬けの日々を送らされることになる。
そこに入れとアダンはリーラの尻を叩く。
縄は深く割れ目に食い込んでおり、それを外そうとすればまた強い快楽が体を走るはずだ。

ご案内:「フェリサ邸」からアダンさんが去りました。
ご案内:「フェリサ邸」からリーラさんが去りました。
ご案内:「ココの工房」にココさんが現れました。
ご案内:「ココの工房」にレグルス・ダンタリオさんが現れました。
ココ > 帰りがけに平民地区の食堂でともに食事をし、工房に戻るまでの間にとある懇意にしている商会に立ち寄って、
平打ちのまだ研いですらいない剣を一本購入した。
その後でやってきた工房は、個人工房だと言っているのにとにかく広い敷地だった。

三面の壁には所狭しと棚が並び、布、革、金属、その他奇妙な素材まで一通りそろえられている。
工房の中央には、縫製台、鍛冶台、工芸台とそれぞれ揃っていて、
その他の道具も対応する台の周囲にきちんと整頓されて並べられていた。

買ってきた剣は鍛冶台の上に置き、鞄を作業台ではないテーブルの上に置いてから上着を脱いで戻ってきた。

「さて、それでは色々始めましょうか。
まず、私の見立てでは、レグルスさんの装備は全て、厳密な意味ではレグルスさんに合っていません。
服は上下とも、レグルスさんの筋力の発動に合わせると全てが小さく窮屈で、同じ理由で防具も窮屈。
その結果、体のあらゆる箇所に無駄な力が入っています。

無駄な力が入るから、踏み込みに靴が耐え切れず、本来の耐用期間まで持たないですよね?
同じく無駄な力が入るから、剣も先ほどのように破壊されるのです。

ただ、靴も衣服と同様に本気で力を込めたら窮屈になっていると思います。
それは、レグルスさんの装備が通常の状態と力を込めた状態のサイズ差を考慮されていないからです。

あと、剣は基本素材がもう少し頑丈なものにして、握りの部分を工夫するだけで破損率は大きく下がると思います。
もちろん、そのほかの装備をきちんとフィッティングした上での話ですが。」

ギルドの訓練場での見立てを一通り説明してから、レグルスの方へと近づけば、首から下げたメジャーを手に取って

「レグルスさんが本気を出したら、どれくらい膨張するのかは、先程見せていただきました。
なので、今一度厳密に採寸させていただいて、下着以外を全て、仕立て直します。
完全に武器を破壊しなくて済むようになるとは約束できませんが、少なくとも、今よりははるかに楽になると思います。

あぁ、大分長丁場になると思いますから、気にせず色々話をしてくださって大丈夫ですよ。
私が分かっていてもレグルスさんにはよくわからないことも色々あると思いますから、ご質問いただければ、分かる限りは答えます。」

そう言葉にしながら、レグルスのあらゆるサイズを採寸していく。

レグルス・ダンタリオ > 食事を共に終えて、やってきた工房は何とも大きなもの。
これで個人のものだとしたら、よく管理しきれるものだ感心する。
あるいはお手伝いさんを雇っているのか、魔法でなにかしているのか。

彼女が途中で買ったのは、特に手入れもされていない剣になる前の剣というか。
そういう素材を一つ。それのみ。あとは工房にあるもので十分なのだろうか?

「あ、はい。………………窮屈ですか」

なるほど、言われてみれば……という気持ちはある。
自分にとっては何もかもが自分自身に合っていないというのは事実そうだった。
これまでもそのせいで、普段なら問題ないが戦闘も重ねると衣類も耐久性が心もとなかった。
靴も擦れが激しいせいで新調もそうだが、依頼中となるとそれもできないのでそのまま使わざるを得ない。
そういうのを重ねた結果、予備を無駄に装備として持ち込むことが多くなっていた。

「実は、剣だけじゃなくて槍も使うんです。
ただ、普段から持ち歩くのには槍だと少々場を広く使う必要があるので。
だから、剣が基本ってだけなんですよね。そっちも同じように今度見てもらえますか?」

そう聞きながら、採寸されれば立ち上がり、Tの字に両手を広げて彼女に身を任せる。

「剣が壊れるのも、先ほどみたいにグリップのことが多いんですよね。
ただ、衣類のほうは単純に大きくするだけだとぶかぶかになってしまいますから。
その辺はもうどうしようもないと割り切っていたんですけど。
靴はもう少し工夫できないかなとは少し思ってたので、ココさんがそれも着手できるのは心強いです」

そうこちらの考えを述べながら、ふとした疑問を。

「しかし、先ほどのあの冒険者のお方へのギアフィットはお値段としてはだいぶ安く感じます。
……ギルドの方針とか、でしょうか?」

ココ > 採寸を取りながら、その数値をメモしていく。
その中で剣だけではなくて槍も使う、と聞けば、少しだけ考えて

「一応、槍を使う時の想定もしておきますが、良く使われる槍の動きも見せていただいた方がより正確にフィッティング出来ますね。
はい、またの機会にお見せいただければ、又調整させていただきますね。」

ある程度の想像はできるが、所詮は想像に過ぎない。
一応は想像でフォローはしておくが、完成は見せてもらってから、と今後の方針を伝えていく。

「訓練場で触らせていただいて、なかなか見ない筋肉をお持ちだな、と感じました。
少し失礼な物言いになりますが、普通の人に向けて誂えられた物品では間違いなく合わないだろうな、とも。
本来は、レグルスさんはツーサイズに対応出来るようにフィッティングしたものを使われる方が良いのだと思いました。

1から作るのは専門ではないのですが、元々存在しているものをその人にぴたりと合わせるのはどのようなものでも扱わせていただいております。」

レグルスの考えにそれぞれ返答を返していけば、向けられる疑問。
目を瞬かせ、小さく笑いこぼしてから

「あぁ……ギルドの方針、ではあるのでしょう。
新人に負担をかけさせないために、ギルドはギアフィットさせたい。
でも、新人はその重要性が分からないから、お金を出さないし、ギアフィットは安いものではない。
ならば、ギルドがフィッター個人に仕事0でもいくら払うとして、格安でフィッティングをしてもらえるように交渉しているのです。
通常は、あのように軽くやれば対応できるので、私にもメリットはあるのですが、
レグルスさんは、本格的に全ていじらないといけませんし、
あの場にもっていった素材だけでは対応できないのでこちらへと。」

程なく採寸が終われば、縫製台の上で、その数値を見ながらその隣にそれより大きな数値を書き入れていく。
そのあとでレグルスを見やり

「まず、上衣を全ていただけますか?
……お着替えが無ければ、バスローブを準備します。」

そう告げて、レグルスの上衣を受け取ろうと。
ひつようであれば、バスローブを持ってきて引き換えに手渡すし、
不要であれば受け取るだけ、となるだろう。

レグルス・ダンタリオ > 「えぇ、その時の機会に」

その方針に異存はなく、頷いてから彼女の言葉を聞く。

「まぁ、そうですね。俺の場合……いろいろ、特殊な事情があるので。
だから既存のものを合わせられるのならその方がこちらとしては助かります。
完全に最初から最後までのオーダーメイドだと替えが効かないので。
……いや、まぁそういうのに憧れはありますし欲しくないわけではないんですが」

ちょっと照れくさそうにそう話しながら。

「そうですね……冒険者の駆け出しのころは、その重要性を知らないのも無理はないですしね。
それに、わかったとしてもその費用より、装備を整える費用のほうを重視しがちですから。
そういう人たちを俺もよく見てるので、ギルドの方針はわかります」

思い起こす今までの冒険者の若い者たち。
レグルスも若い見た目をしているし、事実若いのだが。
事前に知識もなくこの稼業に飛び込んでくる者は非常に多い。
仕方のないことではあるのだが、世知辛い。

「別に俺は大丈夫なので、しっかりとした値段を俺には出しても構いませんよ。
それぐらい大きな世話になるのがここまでで理解しましたし、その分の費用は俺は払いたいです」

そう言いながら、採寸が終わって少し姿勢を楽にしつつ

「わかりました。バスローブは……今日はちょっと暑いので裸のままでもいいですか?」

上着を脱いで彼女に渡す。先ほどの訓練場で本気で動いたせいでちょっと汗が染みているのが恥ずかしく思いつつ。
必要な事である以上、羞恥心を感じる必要はないと自分に言い聞かせて。
脱げば鍛えられ、盛り上がった筋肉が見られる。
肌は白人が少し日焼けしたような健康的な色合いであり、生傷がいくらか。
しっかりと訓練と依頼の両方を重ねているが故の出来上がった筋肉と……。
その血の業から来る体質から、生まれた。先ほど彼女が感じた異質なものも確かにあるのだろう。

ココ > 「あ、はい。裸で良い、と仰るのであれば問題はありません。
ここは私とレグルスさんしかいませんしね。」

裸でどうか、と言われれば、頷いて同意する。
上衣を受け取れば、肩口、腕回りを巧みに解き、布へと変えていく。
その後で、布の種類を確認してから、布の棚から布地を持ってきて、大きい幅に採寸したサイズで切り出していく。

「オーダーメイドだと、そこまで事情を理解して仕立ててくれる腕の良い職人を探さなくてはなりませんものね。
そういうお客様のために、私のようなフィッターがいるわけですし。
もちろん、信頼できる腕の良い職人探しは続けた方が良いと思います。
レグルスさんは、異常な素質をお持ちですから。
将来は、自分に対する唯一無二を手にするべきだと思います。

無論、そこに至るまえにそのようなものを手にしてしまうと、成長幅が狭まってしまうのもありますから、
レグルスさんが納得した時のために、でもありますが。」

色々な相手へのフィッティングをしてきたからこそわかること。
将来はきっと大きくなるだろうと。
ただ、大きくなるためにはまだ型にはめてはいけないとも告げる。
自由に大きくなるのも大切なのだから。

「自分の体に合う、言うなれば、自分の腕の延長として道具が使えることはとても大切なのですけどね。
でも、余裕がないから揃える方に意識してしまう。
そういう状況を分かっているから、あの程度の額でフィッティングを溜めさせるギルドマスターは、
先見の明があるな、とも思っています。」

切り出しだ布を、針と糸で縫い合わせ、更にフレア状にして、伸縮できるように加工していく。
加工した後で、また元の衣服へ戻るように組み合わせていき、一着の上衣へと仕立て直していく。

「お代については、そう言ってもらえてうれしいです。
ですが、レグルスさんにとって問題のないフィッティングが出来たことを確認した上でお話させてください。

レグルスさんは、職人としてみればとても興味深い素材です。
是非ぴたりと合わせてみたい。
合わせられて初めて仕事をしたと言えるのがフィッティングの世界ですから、お代の話は、全てが終わった後で。」

そして、程なく仕立終われば、ブラシをかけて糸くずを丁寧に落としてからレグルスに改めて手渡して。

「次は、下衣をよろしいですか?上衣は着ていただいて構いませんし、一度全力で力を込めていただいて、窮屈に感じる場所がないか確認してください。
窮屈な場所があれば、再調整しますので。」

上衣は、伸縮する素材と縫製法で普段は細く、力を込めれば自在に膨らむようにの再縫製。
サイズがフィットしていれば、上に一枚皮膚を増やしたような錯覚を感じるだろう。

レグルス・ダンタリオ > 「ありがとうございます」

そうして上半身を裸で過ごしながら、彼女の作業を見つめる。
自分では出来ない、そういう作業を納めている彼女に尊敬の念を抱きながら。

「俺の唯一無二、ですか。少々楽しみではありますが。
同時にいったいどうなるのか、予想もつきませんね」

自分の将来、漠然と何度か考えては見ているものの具体的なイメージが一切出てこない。
将来の自分はいったいどうなっているのか、今よりも強くなっているのか。
今よりも背丈も大きくなっているのだろうか。
そこにいる自分は兵士なのか、騎士なのか、冒険者なのか。
自分は果たして、騎士になれるのか、などなど。
将来への不安が強く、なにより身内へのコンプレックスもあってあまりイメージがつかないままであった。

「先見の明ですか。だからこそギルドマスターをやっていられるんでしょうしね。
今のギルドマスターがいなかったら、この国ももっと大変だったでしょうし」

事実、今のギルドは不安視されたり陰口が絶えないが。
それでもやっていけてるのは需要と、ギルドマスターの存在が大きいのだろう。
現在の王国の治安を良くも悪くも担っているのも間違いなく冒険者ギルドなのだし。

「わかりました。今話すには無粋な話でしたね、すみません」

上衣を手渡しされて、その肌触りを感じつつ、着るのを促されて袖を通す。
なるほど、これは確かにフィットしているという感覚だった。
自分の肌に良く馴染むものを身に着ければ、こうもかわるのかと驚きの顔を浮かべる。
何かを着ている、という感覚があまりにもない、まるで体の一部かのようだ。
体に力を入れて見て、感じた違和感に。

「脇の部分が少し締め付けられている感覚がする。
しかし、それでも今までよりずっと体に馴染む……。
これがギアフィット……すごいですね」

今まで感じたことがない感覚に、ずっと驚いた表情を顔に張り付けながら。
下衣も脱ぐために手をかける……が。

「……すみません。こっちはさすがにタオルケットとかください」

と、恥ずかしく感じながら隠すものを頼む。
別にすべてを脱ぐわけじゃないが、上と違って下はさすがに抵抗が強かった。

ココ > 下衣については、バスタオルか何かを、と告げてくるレグルスの言葉に笑顔で頷けば、一枚の大判タオルを持ってきて手渡した。
交換で下衣を受け取るが、脇の辺りが少し窮屈という言葉を耳にして

「脇の辺り……どう窮屈ですか?
締められている感じなのか、それとも少し動かすと動かしにくい感覚なのか。」

単純に広げればよいのか、それとも動作範囲を広げればよいのかを問うて、
返ってきた返事に合わせてその部分も修正していく。
程なく脇の窮屈さも解消されるだろう。

その後で受け取った下衣も同じように調整していく。
足回り、腰回り、尻の周りを伸縮するように、上衣と同様のギミックで調整していく。

「最終的には、唯一無二をお勧めするのですが、レグルスさんはまだ若いですし、
10年後、20年後にどうなっているか、その時に考えても良いかもしれません。

時々、唯一無二を捨ててずっと顧客となっていただいている方もいらっしゃいますが、
戦士系の方は、これが良い、というものを見つけた時にそれ以外も仕立てると良いかもしれません。」

これもまた将来の話ですが、と付け加えて小さく笑う。
もちろん、選択肢の一つでしかなくて、ずっとフィッティングで過ごす人もいるのだとは付け加えているけれど。

「いいえ、お金の話は大事です。なので、話に出すのは今で正しいのです。
ただ、今回は損得関係なしにやってみたい、と思った仕事ですので、レグルスさんに満足いくものを作れるか、
そっちを優先したいな、と思っただけなので、レグルスさんは何も問題ありません。
むしろ、私の我儘のようなものです。」

無粋な話は、本来は正しいと。ただ、自分がやりたくてやっているから、後回しで良い、というだけだと説明を付け加える。
程なく、下衣も出来上がれば、手渡して、椅子を勧めてから

「では、次は靴ですね。こちらもサイズは広げるのですが、中敷きを少し工夫しようと思います。
なので、暫く慣れるまでは少し気持ち悪く感じるかもしれませんが、1週間もすればなれると思います。」

そう告げて、今度は靴を受け取るか。

レグルス・ダンタリオ > 渡されたタオルを巻きながら、下衣を渡しつつ。

「具体的には、締められている感じですね。普通に着ている分には問題なさそうですが……」

と説明すると簡単に修正されていき、その感覚もなくなって。
手早く、そして満足のいくその出来栄えを実感する。
改めて考えて、やはりギアフィットという職業は決して蔑ろにできないなと心から感じられた。

「そうですね……。若いと言えばココさんも若いのですが。
まぁそこは置いておきつつ、10年後ですか……。
今のいろいろを考えると、少々そのころにこういう生活が続けられているかは不安ですね。

なるほど。まぁ、ここの顧客になるのも俺としてはわかります。
ココさんの腕もそうですが、こういう風に出来る人がいるのは心強いですから。
かくいう俺も可能なら顧客の一人になりたいですしね」

彼女が笑えば、こちらも返すように笑う。
選択肢があるのは非常にいい。それを選ぶのは自分自身であるが。
同時に、たくさんある選択肢から選べない人間もいる。
自分はその時、ちゃんと選べるだろうか

「我がまま、ですか。ココさんの我がままを言われるとなると光栄ですね。
俺もその我儘に応えたくなっちゃいます」

などと、ちょっと頬を搔きながら告げて、下衣を受け取って履く。
今度は先ほどのような窮屈な部分や締め付けられる感覚はなく。
何回か頷いてその履き心地に満足そうな表情を浮かべた。

「中敷きを?わかりました。どんな感じか想像もつきませんけど……」

そう言いながら靴を脱いで彼女へと渡しつつ。

「そう言えばこの工房は自分で建てたんですか?どれぐらいここに工房を立ててから経つんです?」

ココ > 受け取った靴は、まず一旦すべてを分解していく。
ソール、革、中敷きと大まかに分解してから、革の補修をしていく。
その上で、皮を綺麗に継ぎ足して、足を締めている部分を膨らませていく。
それから一部を折り曲げて、釦のようなものを取り付ける。
釦は強く留まり過ぎないように確認して、レグルスの脚が力を込めて膨らんだ時に容易く飛ぶように。
そして膨らんで、不用意な締め付けを解除するようにと。
もちろん、終わった後はまたボタンを留めれば緩さは解消されるだろう。

「そう言っていただけると少し面映ゆいですね。
確かにフィッターになってからの生活はとても濃密ですから、実年齢よりも長く生きているような錯覚すらするのですが。

ええ、10年後、20年後、レグルスさんが欲しいと思った時がその時だと思います。
そう思わないのであれば、30年後になっているかもしれませんが。」

冗句めかした口調で付け加えてから、続く言葉を耳にして

「不安でいいのだと思いますよ。未来への不安は誰にでもあります。それは誰にも消せません。
ならば、どうすればよいのでしょう?」

そんな会話をしながら、今度はソールをくりぬいていく。
地面に当たる部分はそのままに、足が着地する部分を少しくりぬいて。
その後で、その他素材の棚の中から、ふにょっとした何かを持ってくれば、くりぬいたソール部分に詰め込んでいく。
詰めた後でひっくり返せば、ソール下部、接地面に沢山の鋲を打ち込んでいく。
接地抵抗を増やすのと、頑丈さを追加するために。
打ち込んだ鋲が動きを阻害しないように、最後に回転やすりで丁寧に削り、更に薄いソールを張り付けて。

「それは、今出来ることを精いっぱい行うということです。
今を後悔しないように。それだけを徹底していれば、その今が未来につながります。
だから、今は未来が不安でいいのだと思います。」

その後で、分解したパーツを一つ一つ組み合わせ、金属糸で縫い付けていく。
布糸ではレグルスの動きでの消耗が早いと考えたため。
多少の遊びを付けることで、窮屈さが発生しないように工夫しながら。

「はい、靴はこれでどうでしょう?履いて軽く、飛んだり歩いたり走ったりしてみてください。

……ふふっ、それはありがたいですね。ぜひ今後ともごひいきに。
中敷きは、魔道スライム素材を利用しました。
衝撃を吸収して頑丈に仕立ててくれるのですが、ちょっとぐにゃっという感触が足の形に完全にフィットするまでは気になるかもしれません。
でも、動きやすくはなっていると思いますがどうですか?」

そう言葉を向けてから、鍛冶台へと移動して、先程購入した剣になる前の物体に触れる。

「この工房は、もう5年くらい使ってますか……元は、とある商会の倉庫だったものです。
その商会が規模を拡大するために不要となった倉庫を譲り受けて、工房に改造しました。
形は違えど、これもまたフィッティング、かもしれません。」

レグルス・ダンタリオ > 正直言って、レグルスには専門知識はない。
武器を扱う、防具を着る。そして戦う。
それ以上のことは知らず、知る時間も興味もなかったが。
こうして分解され、そして調整されていくのを見るとなかなかどうして心が躍る。
武器や防具、衣類や靴が分解されれば、こんなにもパーツがあるのかと。

「特に職人は何かに熱中すると時間を忘れますからね。
その分の時間を、長く使っていると終わったときに感じやすいのかもしれません。

……俺が欲しいと思った時、ですか」

やはり、想像が出来ない。自分が未熟なせいか。
そんな浮かない顔が、彼女の目に入ったのだろうか。
続く言葉に、また彼女を見上げて。

「…………どうすれば」

オウム返しに、その答えに詰まる。
そうしている間にも、彼女の手は止まることなくずっと動き続けている。
自分の靴を澱みなく調整していく彼女のスムーズな動きには、全く理解が及んでいない。
脳に浮かぶのは、その質問への答え、なのだが。

「…………先達の言葉は、重いですね」

きっと彼女にも、そういう未来への不安が昔はあったんじゃないかと。
そんな風に感じながら。しかし、その心身になってくれる言葉には素直にうれしく。
はにかみながら、頷いて。

「わかりました。今は不安ですけど、それでもやれることを頑張ってみます。
……若輩者がいう言葉じゃないですが、ココさんも不安があれば、まぁ力になりたいと思うので是非」

靴を受け取って、その履き心地を感じる。
促されるままに歩き、軽く走り、そして飛び上がり。
最後に、強く踏み込む。……ずん、と軽く工房を揺らしながら。
その感触を確かめて。

「なるほど、粘度みたいな感覚だと思ったらスライムでしたか、道理で……。
はい、以前よりも格段に違いますね。慣れれば前よりも全体的に動きやすくなりそうです」

そう素直に言いながら、ワクワクとついに剣に手をかけるのを見て瞳を輝かせる。

「なるほど。フィッティング……も、あるんでしょうけど。
ある意味、生まれ変わりともいえる……んですかね。
使われない倉庫より、こうして新しく生まれ変わらせられるココさんの手腕はすごいですね。
…………背丈とかが変わったとき、またフィッティングを任せたいです」

ココ > 剣に手をかけた後で、鋳造台の近くにもう一個椅子を置けばレグルスを招く。

「ちょっとこちらへ。そして、両手を見せていただいても良いですか?
しばらく、触れさせていただいても?」

そんな問いを向けて、同意されれば彼の両手を見つめ、何かを確かめるように自分の両手で触れていく。
手の形を、掌の肉のつき方を、どこにタコができていて、どこが固くなっていて、どこが柔らかいのか。
どうしなやかで、どう頑強で、握る時にどのような形になるのか。
一つ一つをしっかりと確かめるように。

たっぷりと30分以上も、まるでレグルスの手と対話するかのような時間を過ごしてから、こくん、と頷いて。

「多分、これでいけるとおもいます。」

そう呟けば、まずは握りの部分から手をかけていく。
先程と同じ魔道スライム素材を最も下に設置して、その上を下糸を丁寧に巻き込んでいく。
強すぎる握力が、握り刀身に当たってしまうことで砕けてしまう。
鋳鉄素材ではなく、隕鉄素材の刀身を買ってきたのでそうそう砕けるものではないが、
それでも念には念を入れる。下糸からの編み込みは、途中複雑に変則的に。
先ほどまでたっぷりと観察し続けた、レグルスの掌をイメージしながら巻き付けていく。
糸一本でも違和感にならないように、イメージを合わせて、イメージのままに、細心の注意を払って。
十分に巻き付けてから、最後、強化魔法をかけてあるソフトレザーを巻き付けて、針でしっかりと縫い合わせたのちに、
馴染ませるかのように両手で何度も撫でまわしていく。

剣に入ってから、ココは一言も発さなくなった。
明らかに剣に集中している。同時に、もしレグルスの目が良ければ不思議な光景が見えるかもしれない。
巻き付けたソフトレザーが、ココの手が撫でるに合わせて、微細な変化を示していく。
そのままたっぷり5分位経った後、新品のソフトレザーが少なくとも1年くらいは使い込んだように変化して見えるだろうか。

「……一度、握りを確かめてみてください。刃はつけていないので、握りに不自然な所がないかどうかだけ。
不自然な所があったら教えてください。どんなに些細な違和感でも、修正しますから。」

レグルス・ダンタリオ > 「え、えぇ」

彼女に頼まれるがままに、両手を彼女に差し出す。
自分の両手をたっぷりと時間をかけて、自分にはおそらくわからない部分まで彼女は理解しているのだろう。
一体何をしているのか、何を見ているのか。
あるいは、何を感じているのか。そこに自分が入る余地はない。
……この道を進むつもりはないが、少しは知識を仕入れてもいいかもしれない。

そう考えていると、彼女が頷いて。

「は、はい……」

一体何がこれから起こるのか。想像もつかない。
だがきっと彼女には何かが見えて、何かを感じて、掴んだのだろう。
あとは自分にできるのは、彼女を信じることだけだ。
椅子に座って、その作業を見つめる。
集中力のすさまじさが、見ているだけでも伝わって来る。

「……?」

そうして見えて来るソフトレザーが、まるで粘土のように姿を変えていく。
その形容が変質して……しかし、それが何の意味があるかまではわからなかった。
すべてが終わったと感じたのは、彼女がこちらを向いた瞬間だった。

「わかりました」

強く頷いて、そのグリップを握る。
……今までよりも、ずっと力強い手応えを感じて、目を見開く。
しばらく、何度も、何度も握る。軽く上下に振ってもみて。

「大丈夫です。このままでお願いします」

と、返した。

ココ > グリップを渡して、握りを確かめるまでは真剣な表情をしていたが、大丈夫、このままで、という言葉を耳にすれば、安心したような表情になり。

「こちらこそ確かめていただきありがとうございます。では、これから刃を付けていきますね。」

そんな言葉を向けた後で、先程のソフトレザーと同じようなことが今一度レグルスの目の前で起こる。
金属製の固い刀身が、まるで粘土をこねているかのようにただの板から、形だけなら剣となるように変化する。
その後でココは立ち上がり、鋳造台に据え付けられた回転砥石を動かして、丁寧に刃を研いでいく。
少し研いでは確かめて、もう少し研いでは確かめてと繰り返し、少しずつ少しずつ仕上げていって。
最終的に、剣磨きにもたっぷり30分くらい時間をかけてから、小さく頷いて。

「これでどうでしょう?軽く振ってみていただいて、バランスがおかしい所があったら教えてください。
ここも細かく調整しますので。」

ふぅ、と一息ついてから、向けた言葉。そして、剣を渡してレグルスが確かめた結果を待つように。

レグルス・ダンタリオ > 彼女が安堵したのを見て、こちらも安心したように息を吐く。
張り詰めていた空気がようやくマシになった気がして、肩の力が抜けた。

彼女が、先ほどと同じ行程を、しかし今度は刃を着ける作業だった。
今まで手作業だったのを、今度は別の器具を用いて刃を整えていくのを見つめる。
なぜだか、その作業を見ているとやはり空気が張り詰めていく。
きっと、それが彼女の出す集中力が為せる空気なのだろうと感じて。

「わかりました。……ギアフィットか……やってみるとこんなに違うものなんだな」

感慨深くそう呟いた後、渡された剣を振り始める。
……空気が違った。振ったときの、風を切る音が。
周囲に軽い風圧が起こる。……そこまで強く振っていないのだが。

「これは……すごい。バランスは特に問題はないですね……。
振るときに、力がそこまで込めてなくてもこんなに違う……。
驚きました。……全部、体に合わせればここまで変わるんですね……」

それは、レグルスという青年の体がどういうものか、というのにも多分に含まれる。
その体に合う武具を持てば、それに見合うだけの力を発揮できるという証明である。
……ココという職人の手を得て、青年は一つ、自分の目標へと近づいた。そんな気がして。

「これで、大丈夫です。本当に。……見える世界が変わるというのはこういうのを指すんですね」

と、感謝を述べて。

ココ > その全てを納得してもらえた様子に安堵した様子と笑みを深めてレグルスを見やり、
剣を振る姿、ココの目から見ても違和感のないその姿を見れば、小さく頷いて納得の仕事ができたという様な表情になり。

「はい、1つだけでも結構効果はあるのですが、今回は全てをフィッティングさせていただきましたので、
店売り商品ですが、今はレグルスさん専用のギアになっていると思います。
ご満足いただけたようで何よりです。」

そう言葉を向けてから、感謝の言葉にこちらも一例を返しつつ

「とんでもないことです。今回は私も多分に勉強させていただきました。
なので、私からも一つだけ追加で申し上げておきます。

レグルスさんは、これから体ももっと大きくなるでしょう。
きっと、力も強くなり、筋肉のつき方も変化していくと思います。
ギアフィットで合わせているので、そのたびごとに違和感を感じることも多いでしょう。
何か違うな、と思ったら、いつでもこちらにお越しください。
恐らく微調整で何とかなると思いますが、大きく作り変える必要があったとしても、請け負わせてください。

回数を繰り返すことで、私もレグルスさんのことをよく知っていきます。
その結果、もしかしたら今以上にフィッティングするように加工できるかもしれません。
それが、レグルスさんにとってのメリットになると感じていただけるのであれば、いつでもお越しくださいね。」

少し営業めいた言葉ではあるけれど、同時に自分の仕事には最後まで責任を持つという職人の矜持の言葉とも取れる。
そんな言葉を向けながら、青年の感慨に笑み深めて

「はい、レグルスさんのように、本来の力を封じられているような状態ならば、世界が変わると感じられたかもしれませんね。
そのお手伝いができたのであれば、私としても幸せなことです。」

レグルス・ダンタリオ > 彼女の解説を聞いて、なるほどとうなずく。
彼女自身もまた同様に納得がいっているような清々しい表情を浮かべていた。

「えぇ、大満足です。体がこんなに軽いと思ったのは初めてで。
正直、こう……失礼な言い方になりますが、今なら全裸よりも早く走れる気がします」

彼女が礼をするなら、こちらも1つ礼を返しつつ

「勉強ですか?それならばよかったです。
……えぇ、聞かせてください」

語られる、彼女から見たレグルスという青年への所感。
その1つ1つの自身への言葉に耳を傾けて、心に刻んでいく。
彼女もまた、自分を一人の客として強く認めたということなのだろう。
それがひどく嬉しく、真剣な顔ではあっても、心が躍ってしまう。
しかし、彼女の真剣そのものな言葉には、強い力も感じた。
きっと、その言葉を青年は忘れることはない。

「はい、是非その時は、今後ともよろしくお願いいたします」

深く、深く頭を下げる。お世話になったのは自分なのだ。
なにより、今頭を下げずしてどこに下げる頭があるのだろう。
貴族として。平民に頭を下げるのはよろしくはないのだが。
ここには自分たちだけ。そして恩人である。
ならば、そうして感謝の気持ちを最大限伝えて。

「つぎにいつ来るかはわかりませんけど、まだ見てもらいたいものがあります。
その時にはまた、是非見てもらえると助かります。……それで、報酬のほどはどうしましょうか?」

ココ > 自分の言葉を受け止めてくれて、次への渡りも同意してくれる青年の様子。
笑顔で一つ、頷いてから

「はい、私の方こそ今後ともよろしくお願いいたします。

あ、そうですね……とはいえ、依頼は全て終わっていない状況ですし。」

槍の件がある。だからまだ終わっていないと口にして。
故に少しだけ考えた後で、手元のメモにサラリと金額を掻きつけてからレグルスに差し出して。

「本日の全て、また、槍をお持ちの際の再確認。これらを加味してこちらでいかがでしょうか?
問題なければ、次回槍の確認の際に合わせてお持ちいただければ。」

書かれている金額は、通常のギアフィッティングよりは若干安め。
この安めの部分は勉強させてもらった分の差し引きなのだろう。
とはいえ、同時に得られた効果にしてみれば十分に納得のいく金額でもある。

レグルスがこの金額に同意すれば、ではそれで、と話がまとまって、今暫しの談笑の後、今日はここまでで、と散会となることだろう。
金額に異議を申し立てたとしても、二人の間ですり合わせ、納得のいく範囲で妥結して、その後散会となる。

今日の出会いが2人にとっての価値あるものになったことは違いない。
この関係が今後どのように発展していくのかは、また、別のお話。

レグルス・ダンタリオ > 「あぁ、そういえばそうですね」

同意しながら、まだ終わっていないことに気が付いて。
差し出された手元のメモを見ながら。

「わかりました。こちらで大丈夫です」

頷いて、その彼女の厚意に今は甘えるとしよう。
その後は特に語ることもない。こちらとしては、全く文句のない出来だった。
ならば、ここで語ることはないのだ。

「……次に出会うのが楽しみです。それでは、また」

そう笑って、清々しい気持ちで工房から出ていく。
お互いにお互いが、いい影響になる事は間違いなかった。

ご案内:「ココの工房」からココさんが去りました。
ご案内:「ココの工房」からレグルス・ダンタリオさんが去りました。
ご案内:「設定自由部屋4」にレグルス・ダンタリオさんが現れました。
ご案内:「設定自由部屋4」からレグルス・ダンタリオさんが去りました。