設定自由部屋です。サイトの世界観に合う範囲で、自由に場所などを設定してお遊びいただけます。
ご自身で考えられた施設や都市、村やダンジョンなどを考えて頂いてももちろん問題ありません。
王国外、つまり外国なども舞台にして構いませんが、あくまでこのサイトのメインの舞台は王国内になります。
あくまで外国等の舞台は副ということでお願いします。
参加者(0):ROM(1)
Time:15:11:04 更新
ご案内:「ハイブラゼール 大通り」からルーパスさんが去りました。
■ルーパス > 与えられた休日。まだ手の離せない仔を抱え立ち寄った娼婦が済む建物。
呼び出されていたその部屋を訪ねると上機嫌な姉等が数人、待ち構えていたかのように引き込まれる。
いつもの執事の服のまま、礼を言い手土産を置いて出ようとした矢先、
『今日はこれで出かけなさい。』
そう、渡された物。それはなんともガーリーな、仮に自分で選ぶとしたら、
まず候補に入らない部類。今までの姉等による着せ替え人形でも無かった物。
「あ……これは、その……私にはいくらなんでも。」
そう、遠慮しようとしたものの、仔を人質に取られ、あまつさえ……。
『可愛いお母さん見たいよね~~♡』
そう、子供を盾に遊ばれては断るわけにもいかず、二人の姉に手伝われ露わにする裸体。
下着も、ブラウスも、そして足元が心許ないスカートも……、
なにより耳を隠す帽子キャプリンが、刹那獣人である事を忘れさせる。
普段は押し込み隠している胸も今はハイウェストスカートの肩紐に持ち上げられ挟まれと強調される始末。
『楽しんで』
そう、背中を押されて歩く大通り、大きな窓にはどこの店も愛らしい装飾がされ、
その装飾に相応しく、可愛らしい装飾品や男性もののアクセサリ、
高価な物から手頃な物まで、高級な遊び場だからこそ、その主人へ向けた従者からの、
または男娼や無骨な海で働く男等へのプレゼントのために、手頃でも種類は多様にあって。
そんな通りの大きなガラス窓の前、足を止めたのは小物の並ぶ店。
ブレスレットやアンクレット、チョーカーの類から、ネクタイ等、
ただ興味本位でそれらを、眺めていた。
ご案内:「ハイブラゼール 大通り」にルーパスさんが現れました。
ご案内:「設定自由部屋4」からルーパスさんが去りました。
ご案内:「設定自由部屋4」にルーパスさんが現れました。
ご案内:「私邸」から影時さんが去りました。
ご案内:「私邸」からフィリさんが去りました。
■フィリ > 【継続させていただきます】
■影時 > 【次回継続】
■影時 > 「……ぞっとしねぇなそりゃ。
有り得そうとすれば、あれか。フィリの魔槌でぶっ叩いて魔力根こそぎ奪った時か。
恐ろしいコトについては分かったが、何を云うかね。作れる時点で“大したこと”だ。易くないことだ。
俺の雑嚢についてはその通りだ。
ま、一種の縛りとしては得心出来る範囲でもある。中身は、どうかねぇ。……って、ナニ考えたんだか全く」
棺桶の出来損ないみたいな箱に入って、鋸挽きされたら上半身と下半身がずれた、みたいな芸を思い出す。
少女が浮かべたイメージは其れをもっと尖らせた、雰囲気かもしれない。
こういう時は、間違いない。とやかく聞かず、尋ねないのが一番だ。狙い時を忘れなければいい。
同時に勘所も忘れずに頭に留めておく。魔法の道具による転移の懸念は、万が一起こり得るケースの想定材料になりうる。
特に弟子が持っている武具は、そもそもの発端とも言える特級の代物。
使い捨てのマジックアイテムなら、使う以前に破壊、破却せしめられうる。それがより強力な物に影響を与えないとは言い難い。
転移してみたら、繋がった先が実はトンデモに接続エラーを引き起こす――なんて、イヤーンなこと以上に恐ろしい。
ナニを思ったかまでは……聞かないでおこう。顔を赤らめ、頭を振る有様に三匹どもども首を傾げ、ぼそり、と零し。
「スクナを真似ながら拵えてみた。……ちょっとの間、ヒテンからそっぽ向かれたがな。
術も式も、一概には言い難いなあ。だが、よく蛇やらフクロウやらを使い魔にして使役してる生徒とか居るだろう?
あれと同じように、じゃない。
俺の場合は目的に応じて拵えた符を折って、目的のカタチにしたものを転変させる。それが俺の使う式紙の術の根っこよ」
壁の一角をたん、と叩けば。くるり、と開く仕掛けも処によっては無くもない。
様々な万が一に備えたここは住処としての用途も強いが、立て籠り、場合によっては逃げるための仕掛けも忍ばせている。
とは言え、今興味が向くのは成る程。術で拵えた使い魔のようなもの、式紙に関してか。
なにやらぢぃぃぃ、と見られそうな有様に、新顔の家令シマリスが瞼を瞬かせて。
何やらガードするような先達二匹が、牽制してゆくさまに、え、え?とばかりにあたふたする。
その声の様子を遠く聞きつつ、参考になるかどうかは兎も角、とどういう基礎に基づいたかを述べつつ。
「んや、気にしてねぇよ。気になるんだったら、手遊びがてら今度見せてやるか。
……急ぎだったからな、その辺りは支払いの契約含め雇い主殿、リスお嬢様の手を借りたよ。
結果としては、こんな大きくなったが、まぁ、アリだ。
トゥルネソル家のお嬢さん方で訓練したりとか、冒険の拠点で使ったりとかな。そうした先々を見越すとな」
茶を入れよう。白磁のカップに紅茶を注ぎ、どうぞ、と。二杯分置いてゆく。
ついでに、と。水皿とナッツ類を乗せた皿も一緒に置いておく。三匹の分だ。新顔は食事を摂れる式紙でもある故に。
どういう意味で急ぎだったかは、言葉にし難い。が、引っ越し自体はそこまで手間だったわけではない。
宿暮らしからの移動である以上、運びたいものはすべて魔法の鞄頼み。
寧ろ一から揃えるもののほうが今回の場合は逆に多かった。家財道具も何もかもを。
■フィリ > 「なのですはぃ。こぅ……一番恐ろしぃのは。転移途中で魔力が霧消などしてしまった場合とぃぃますか――半分で泣き別れ、だとか。
ですので出入りが速やかなのは、とても重要な事なのかと――その辺。私にはまだまだ作れませんので。
一応、出る先は未だぁの倉庫限定、なのでしょぅか。…まだまだ大丈夫とは思われますが、今後も中身は増ぇてぃきそぅ、な気も…?」
寧ろ上半身が消えたようでいて、下半身だけ的の前に無防備に晒されている、というシチュエーション自体が。情の無い方の行為に直結しそうである。
自分は苦み走ってもおかしくない位の立派な成人男性だから大丈夫だ――という油断はしない方が良い。趣味とか性癖とかいう物は千差万別なのだから。
二人して違った、だが触れ難い行為や情景を思うかべてしまったらしい。彼の方は間が空くのが珍しい為、聞いている此方が思わず瞬いたりもするのだが。
少女については間断も吃音も日常茶飯事なので、気にされる事もなさそうだ。…というか妄想についても右に同じくなので。
そんな、夕刻とはいえまだまだ日も沈まぬ内にするべきではなさそうな空想の中、彼の身に万が一が起きた場合について、その脱出経路についてから。
何やらお見せしたくない事柄にも思考が飛躍する。何処であろうと繋がる扉を開けたなら、其処は入浴中でした――位のお約束なら可愛い物だが。
当然妄想力という奴はそんな子供騙しから、大人のアレやコレへと無駄に膨らんでいく物である。
…程無く顔を赤くして頭を振り。熱を逃し始める辺りで。漸く思考が目の前へと戻って来た、らしい。
「もしかするともしかして。…なるほど、そぅ説明してぃただけると。納得も出来ると言ぃますか…確かに。同じ物も感じられるのです、はぃ。
…は、ぁ、噂では存じてぉりますが… 術、式、法――やはり。異なるのでしょぅか、だとしたらどの辺り…ぅむむ。
符術のよぅな物なのでしたら、当然、然るべき式とぃぅものが今も印されて――ぁ、ぁのクロジロウ様。大変不躾なのですが、その、もし宜しければ――」
幸か不幸か。少女の興味が一時的に、忍者屋敷の素敵ギミックから外れた事で。
主が厨房へと向かった隙に、掃除の後を確かね埃を探す小姑の如く、床や壁を検分し始める事は無くなったようである。
代わって今興味をそそられたのは、この国を中心として伝わる魔法や魔術とはまた違う術。陰陽だの道術だの密教だに色々な物。
そのような術の具現化された存在が、今目の前に在るこのシマリスの姿をした存在であるという。
正しく似て非なるモノ。使い魔と比較すれば収斂進化なのか、それとも術法としては収束進化なのか。
見れば見る程気になって、うっかりすると今この場で隅から隅まで――魔術的な観点からではあるが、丸裸にしかねない。
生まれた形は違えど、仕えた主は同じ、と言わんばかりにヒテンマルとスクナマルが少女と後輩の間に立ちはだかって前足を振り牽制し。
扱く残念だ、と少女が肩を落としている所へ…丁度その主が戻ってきたか。
ポットからの心地良い香に落ち着きを取り戻しては、さて――
「…し、失礼ぃたしました。――それにしても――何れこぅするぉつもりだったのは、分かったのですが。
それでも思ったよりは急と申しますか…時間を掛けずとも物件が見つかっただけ、等でしたら良ぃのですが、はぃ。
…お一人では大変でしたでしょぅし、ぉ声掛けぃただければ…私も。ぉ手伝ぃ出来たと思われるのです、がー…」
本当に手伝えたのか。寧ろ手間暇増やす羽目にならないか、という現実的意見はさて置き。
温かな中身の注がれたカップを手にしつつ、ぷぃと少しだけ頬を膨らませてみせた。
例え分身という手段が有ろうと、彼一人で引っ越し作業全て済ませたのか、と考えると。少しばかり思う所も出て来るらしい。
――尚、姉弟子が手伝ったのではないか、という発想は出て来ていないようだ。
でっかいドラゴンに戻って一気に運ぶとかなら兎も角。やれ室内への設置だの細々とした備品の梱包だの、そういう事は面倒臭がりそうだと。
実際にはお淑やかにだって礼儀正しくだって出来る人物だが、慣れ親しんだ相手であればある程遠慮しなさそうだとか。そう考えているのかもしれない。
■影時 > 「俺の雑嚢が繋がっている先も、その辺り気兼ねなく出来るようにして貰ってンだろうがねえ。
…………あー。うむ、あれか。何でも入るカバンにありがちの、だな?
出し入れ口よりデカいものが引っかかるような手間が無ぇよう、拵えてもらってるのは有り難い」
ふむ。弟子が云わんとする情景を頭に浮かべてみよう。現物を受け取って以降、自分でも幾つか調べてみたことでもある。
どんなに大きいものでも、幾らでも入る。荷物の運搬限度に悩む者には喉から手が出る、ある意味最強の代物だ。
だが、これもこれでピンキリ、色々ある。無限に入る代わりに出し入れ口より大きいものは無理、という類もある。
その点、己がものしている雑嚢はそういった心配はない。収容限度はあっても、んがくく、とばかりに飲み干せる。
その有様はをふと、情事のよう――と思って、すぐ思考から追いやる。言葉が出るまでの間はそのせい。
少なくとも、移動手段は切り札とするだけあり、実際のシーンはきっと間抜けめいてお見せし難い。
……人間だれしも、見せたくないものはあるもの。その辺りの気遣いが出来てナンボのものだ。
かの家においてもそう。何かと色々変わった点もあれば、気をつけること、気にしないことだって出来てくる。
さて、館だが男暮らしがちな処の割に、存外に片付いている。
家政婦でも雇いたい、居ればと思うのはあるが、優れた忍者ならではの力業、人海戦術が使える。
分身の術を駆使した単純極まりない手数の増強。それを及ぼし難い個々の部屋ばかりは、各自で掃除してもらうことにはなる。
ただ、都度手を入れないといけない処はある。それを補う視点は、最近文字通りに拵えた。
必要に迫られてチカラを入れて拵えた式紙を再活用し、分身一人分の氣をぎゅっと篭めながら仕上げたのが、この“新顔”であった。
細々な不行き届きを気付こうとするなら、これまた細々とした小さな目の方がいい、というわけではないが――。
「あー、そんなに畏まらなくても良いからな?
こいつはクロジロウと云う。式紙、……使い魔みてぇなもんだ。今のこの館の留守を任せてる」
こいつらの後輩みたいなものよ、と。どもった様子にあたふた、と。
紹介された家令シマリスが術者に似て悪めの目つきが慌てたような風になれば、先輩とも言える二匹が卓に飛び移る。
慌てなさんな、とばかりに窘めるように肩を叩いたり、尻尾でぺたんとするさまを眺めつつ、座って待っててくれ、と声をかける。
壁に腰から外した刀の鞘を立てかけ、向かうは厨房の方。
暫し待てば、貴族の家にありがちなワゴンを押してくる姿が戻ってくる。手押しワゴンの上には茶器とポットを乗せて。
■フィリ > 「ぇぇはぃ。誰も気にはしなぃと思われます、特に笠木様でしたら。
…気にしなさ過ぎる方が問題かもしれなぃ…のです、がー…はぃ。
は――ぁ。それは勿論、ぇぇその、胴体が引っ掛かるよぅな事は。なぃ、訳でして」
言われなければ気付かなかったのに、つい想像してしまったではないか。
今し方少女が鞄で実践してみせた通り、口より大きな物も突っ込んだ先から縮むのか、ちゃんと飲み込まれる仕組みではあるのだが…もし。
もし拡大縮小にも限界が有って、猫の如く頭から突っ込んだ場合に肩やら腹やら突っかかったらどうなるか。
無ければ無しで安心だが、これもまた想像してしまうと…あまり。見たいとは思えない光景なのだった。
逆に、見られたくない、という物も有る。なにかと人間ならざる価値観を持った家人達の事…序でに彼の様な男性を恋愛対象とも性対象とも見ていない者が多そうで。
あまり殿方に見せられない格好でも、良い子にお見せ出来ない行為の真っ最中でも、もしくは竜の姿で人間にはショックの大きそうな食事の途中等でも。
一般通過忍者を商会では日常茶飯事だぜ、と完全スルーしかねない。
価値観人間寄りの少女からすると、家族のあられもない姿を立派な男性の目に晒すのも気が退けるので。彼が遠慮してくれるなら有難かった。
一先ず。玄関先から居間に辿り着くまでは。故意にも偶然にも仕掛けの類を見出す事は出来無かった。
何なら世間一般そんじょそこらの家屋敷より、ずっと小綺麗に片付いている――家政婦さんでも傭っているのかと思える位。
実際には男やもめの独り暮らしではなく、同居人も存在し。そもそも料理の手際等からも判る通り、彼自身きちんと家事にも余念が無いのだろう。
寧ろ、例えに挙げた料理という物だって。完全に人生経験とその長さが反映され、少女は横から手伝う位が精一杯だ。
いつぞや家庭科室で試した時もそうだった、等と思い出してみれば。淹れて貰った茶の美味しさも思い出すし、茶菓子を差し入れる意味も有る、という所。
口には出さないものの、きっとその辺内心期待してしまいつつ。居間の彼方此方も見回している所で、何やら。
「…………? ――……???
っぁ、こ、 此方にぉぃででした―― よ、宜しく――ぉ願ぃ、ぃたします、はぃ…」
一拍。ではなく、二拍必要だった。もう一匹という言葉でシャンデリアから下りてきた視線は、だが、最初の二匹以外捉える事が出来無かったのだ。
肩の高さではないと思い直して、更に下へと見下ろしていき――居た。第三の齧歯類。
テーブルの上でぴんと背筋&尾を伸ばしたリスが、其処から優雅に一礼してみせる。我が家の家令さんも斯くやの、様に入った素振りである。
最近はすっかり慣れている二匹と違い。初めて見る相手なので、若干声音にどもった部分が出てしまいつつ…も。
凶暴凶悪な肉食動物という訳でもなく、先の二匹と同じではある筈なので。人様相手程長々と緊張し続ける事もなく、その内力も抜ける事だろう。
半時間程もあれば馴染んで、通じているのかズレているのか判らない会話でも嗜んでいそうである。
■影時 > 「そうなンだよなあ。トゥルネソル家のお屋敷を経由する、という前置きを毎回続けるのも、な。
存外笑ってお許しいただけるかもしれんが、出来りゃあ奥の手にしておきたい。
……おっと、あれ使う時は手か足から突っ込むで良いんだぞ。鞄もちゃんと付いてくるしな」
そう、遣ろうと思えば、である。己が使う魔法の雑嚢の要はトゥルネソル家のお屋敷の庭にある。
結界で隠蔽された秘密の倉庫。今も身に着けている雑嚢が繋がる先が、そこにある。
いわば緊急脱出的な移動の門、あるいはポータルとなりうると聞いた際、現物の仕様もまたしっかりと確かめた。
後に残りそうな鞄もまた、空間ごとぐるんと裏返るようにして、鞄がその場から消え失せる、とも云うのだ。
論より証拠。試してなんぼの身としてはしっかり確かめた。シェンヤンの辺りにまで出張って、帰る時にも試した。
便利である。使うべき時に使う、に留めておくのが一番良い。一応の務め人としても、職場は近いに越したことはない。
……実情のあれこれについては、少なくともこの場では話し難い。何が聞いているか分かったものではない。
口が災いを呼ぶ、ということだけは最低限避けておきたい事柄だ。
己が感覚が及ぶ範囲なら、天から下ろうとも力湧き出ようともどうにかできる。さらにそこから先を感じ得ようとするから、疲弊含め色々厄介なことになる。
さて、扉を開く前にも――“留守居役”にも聞いてみたが、皆は出払っているらしい。
庭先に罠を仕掛けるのも考えなかったわけではないが、今のところはまだ、止めている。そこまで及ばせるのは問題があると。
故にあれや、これやと見回り出すなら、止めはしない。ただ、外から覗き込む視線が不思議と感じない、遮られていることに。
「おお、悪いなァ。……文句のつけようもねぇよ。もう一匹も、多分喜ぶじゃねえかな。……なぁ?クロジロウよ」
館の内装自体には、王宮や貴族のような豪奢さ、というのはない。だが、随分と金と手間が掛けられているという風情はある。
埃一つ落ちていないは言い過ぎでもよく掃き清められ、掃除が行き届いている。
そんな廊下を歩み、居間に入った頃に取り出される品に、おお、と声を出す。悪いなあ、と受け取りつつ、声を放とう。
広い居間には今はまだ火がなくとも暖炉が据えられ、敷物や大小のソファが見える。
天井にかかるシャンデリアには魔法の光が灯り、明るさに困ることはない。そんな光を受けるテーブルの上に、ぴこっと耳を震わす姿がある。
もう一匹、ある。居た。白い法被を着た毛玉達とは異なり、燕尾服の上着を着たシマリスのようなもの。
卓の方に歩み、其処に貰ったものを置けば、その生き物がぴょこっといっぱしの家令よろしく一礼してみせるのであった。
■フィリ > 「ぃざとなりましたら、笠木様の、荷物を通じて…ではぁるのですが。
確かに…ぇぇ…と。鞄に頭から突っ込む殿方とぃぅのも、見たぃ光景では御座ぃませんし――」
やろうと思えば、ではある。魔術で倉庫に繋がった空間。どんな物でも距離を無視して送り込めるソレ。
自分で自分が入ったら、多分倉庫に出る事が出来るのだろう。
だがその場合後に残った雑嚢が問題だし――何より少女が思う通り。格好悪いとか似合わないとか。
そんな一般人や小市民めいた感覚に思考が左右されるのもきっと。未だ生き死にという究極の選択に迫られた事がない故の、他の弟子達と違う所だろう。
ともあれ二匹の毛玉同様の転移に頼るというのは――魔術その物が無効化される事なども考えたなら。確かに最善手ではないのだろう。
やはり、シンプルイズベスト。力を上げて物理で殴れ。頑として実在する拠点が準備出来るなら。それに越した事はない、か。
…そういえば距離云々以外にも。何かしら事情が有るのかしらん、と考え首を捻った。
此処で新しいお弟子さんの顔を見る事が出来たなら、納得出来ていたのかもしれないが…残念ながら。
どうやら該当の人物は今日此処に居らず。館の主人から聞かされでもしない限り、知る事は出来なさそうである。
そしてまぁ予想通りというべきか。石畳を踏み越え玄関から中に入ってみても、直ぐにこれと判るトラップは見出せない。
勿論素人にもバレバレでは罠として何の意味もないだろうから、当然と言えば当然だ。
…早い内に口酸っぱく注意を促しておかないと。仕掛けを見付けるまで足繁く通ったり。差し障るの有る所まで入り込もうとしたり。
そうやっていざ見付けたなら試したがる――というより。探っている内にうっかり罠を踏み抜く事になりかねない。
兎角フィジカルやらテクニックやら、姉弟子とも妹弟子とも比べ物にならない鈍臭さのだから。
「ぉ邪魔ぃたします。 …ぁ、そぅそぅ。少し早めにぉ話伺ぇましたので―― …準備もさせてぃただきました。
流石に、此の為に仕込む程の時間はなぃので、ぃただき物から…なのは、申し訳なぃのですが」
ごそごそ。忍の雑嚢同様の空間魔術を、もう一人魔術サイドの師から教わりつつ作った鞄を探る。
丁度居間に入った辺りで、どう見ても鞄の口より大きな紙箱、丁寧に包装された品がにゅるりと引き摺り出されてくる。
ほんのりと甘い香が漂うそれは、文字通り手土産、富裕地区の店で売られている焼き菓子だ。
二人の肩を行ったり来たりする二匹が鼻を鳴らして顔を上げる。どうやら齧歯類達にも好評価なナッツ類もしっかり原材料に含まれる一品であるらしい。