2025/08/12 のログ
枢樹雨 > 周囲に広がる血の匂い。
それを察知し近づく獣もいたが、必要以上に女に近づくことはしない。
女もまた、獣に意識を割くことはしない。
獣の血は、もう要らない。
真に欲するのは―――。

女は再び歩き出す。
九頭竜山脈より流れて来た厚い雲が、ぱたぱたと雨雫を落とし始める。
気が付くと、女の姿は其処に無かった。
激しさを増す雨の中に、消えていた―――…。

ご案内:「タナール丘陵」から枢樹雨さんが去りました。
ご案内:「宿屋/酒場」にデボラさんが現れました。
デボラ > 今日も今日とて冒険者と旅人の往来でそれなりに賑わうのは冒険者の宿。
宿と酒場を併設しているデボラの店は、宿屋併設にも関わらず酒場部分がかなりうるさい。

表に立って店を取り仕切るのは彼女。締まった体に熟した肉が適度につき、赤褐色の肌に女豹の身ごなし。ほのかに潮風の香りがするダイラスの女。

で、旅慣れてさばけた気風の彼女の店では、これまた旅の空の冒険者も羽目を外しやすい。
2階で男と女の冒険者が休んでいるのを横目で見るや、ひやかし、暴言、女将さん寂しくないかい云云。

「あーはいはい、お冷ね。頭冷やしなスカポンタン」

芸人のすべらないネタのように毎晩こんな感じ。

そのうちどうでもいいことで乱闘が始まる。女将、目つきがちょっと険しく。
「うーるさいねえ!!!あんたたちゃなりはでかいのに中身は赤ちゃんかい!?
 夜中は乱闘を控えろって何度言ったらわかるんだい!?次やったら蹴飛ばすよ。いいね!」

バッカン!年季の入った樫のテーブルをお盆で打つ。

男ども、しばらくお上の顔色を窺っていたが、酒が深まるとまた乱闘する。

殴った剛が殴り返されて吹っ飛ぶと、
ダンっ!と両足の間にサンダルを履いた足を強い勢いで振り下ろし、立てた膝に肘をついて睨む。

「ナメてんじゃないよ。出ていきな!」

そこをなんとか、という目で見る相手を匕首見たいな睨みで黙らせる。

「早く!」