設定自由部屋です。サイトの世界観に合う範囲で、自由に場所などを設定してお遊びいただけます。
ご自身で考えられた施設や都市、村やダンジョンなどを考えて頂いてももちろん問題ありません。
王国外、つまり外国なども舞台にして構いませんが、あくまでこのサイトのメインの舞台は王国内になります。
あくまで外国等の舞台は副ということでお願いします。
参加者(0):ROM(1)
Time:22:01:46 更新
ご案内:「九頭竜山脈 山中の温泉宿」からエレイさんが去りました。
■エレイ > その後何があったかは、当人たちだけが知る話で──
■エレイ > ──九頭竜山脈のとある山の麓付近にある、やや寂れた感のある小規模な温泉宿を、男は訪れていた。
ロケーション的に立ち寄りやすい場所ではあるものの、あまり目立たない隠れ家的な
建物ゆえか客は殆どおらず、人気もあまり感じられない。
食事を済ませ、ひとっ風呂浴びようと露天風呂まで足を向け、脱衣所で服を脱ぎ
タオル一枚を携え、浴場へと足を踏み入れて。
「いつもの旅籠の温泉もいいのだが、たまには違う風呂も楽しんでみるのが大人の醍醐味」
などと得意げに独り言ちながら、目前に現れた露天の岩風呂を眺め回す。
見慣れた旅籠のそれとは違う趣に、表情を緩めて。
「あっちよりは出会いの期待値が低いが、まああそこら辺はしょうがな──て、おや?」
その視界に、先に湯船に入っている人影を捉え、男は意外そうに目を丸めた。
てっきり自分以外は居ないものだと思っていたので驚きだ。
そう思いつつ、タオルを腰に巻くと湯船にゆるりと歩み寄って行き。
「……やあやあドーモッ。湯加減いかがですかな?」
と、緩い笑みを浮かべながら、片手を上げつつ気安く声をかけてみた。
ご案内:「九頭竜山脈 山中の温泉宿」にエレイさんが現れました。
ご案内:「道具店『満印伝者』」からネクラリスさんが去りました。
■ネクラリス > (ぎゅっ ぎゅうっ ぎゅぎゅっ ぎゅううっ ぎゅぎゅぎゅぎゅみちみちみちっ……)
「――ふぁっ!? ん゛っっ ぉお゛っ…… ちょっ ムリッ むっ ぃきっ ぃ きっ…… っっっ~~~゛゛゛」
危機感覚えるレベルのすし詰めに、慌てた時にはもう遅い。
ぎちぎちぎちぎち高まる圧力は、跳ねのけられなければ呼吸困難をもたらして――
幸い、白目向いて泡拭いて倒れるスペースも無く運ばれていくのはトラブルには含まれなかった。
適当なところで気付いてもらえたなら、
オーディエンスに運ばれるロックスターよろしく人混みの上を手ベルトコンベアで排出される。
■ネクラリス > (むぎゅう)
全方位にひしめく人と人との間隔がまた一段狭くなり、もう遠慮して隙間を空けるなんて事が出来ない押し合いへし合い。
それでも居合わせる人々は声一つ上げる事無く、気まずそうにパーソナルスペースの保持に努めていた。
平民地区の外れに位置する道具店『満印伝者』は、冒険者向けの魔術付与された商品を扱う界隈の名店である。
『燃料要らずの消えないランタン』『収納された物を腐食させない容器』など、
冒険者でなくとも欲しくなりそうな商品は命を預けるに足る確かな品質で、それだけに値段もめっぽう高い。
しかし店主がやたらと拘りの強い人物で『型落ち品は必ず処分する』と決めているため、
弟子達の必死の説得により『新商品の発売前には投げ売りセールが開催される』のが恒例となっていた。
工房に併設された販売スペースは前後に細長い構造で、
入口から入った客は奥へ奥へと進み出口の窓口で商品と代金を交換して外に出る。
客が多いならセール日だけは受け渡しを屋外にするとか整理券を配るとか工夫すれば良さそうなものだし、
それでなくても超満員になるくらいなら外まで並べば良いものを、
ここでも偏屈な店主の拘りにより
『お客様を外で待たせるなんてとんでもねぇ【絶対に】中に入ってもらえ、外で並ぶやつなんざ客じゃねぇ』
という訳で、店の外では通行人を装う待機客がウロウロしながら、
入口にわずかな隙間が出来次第突撃してくるという修羅場が展開されていた。
そして販売スペース内部においても『お客様にはお買い物に集中して頂きてぇ』という店主の想いにより
『私語厳禁』というルールが敷かれている。
どれくらい厳禁なのかというと、誰かの足を踏んでしまった時に小声で『失礼、ごめんなさい』くらいはギリ許容されるが、
『おい踏んだぞ!謝れ!』はNG。
そして違反が発生すると臍を曲げた店主が即刻店仕舞い、在庫をお焚き上げしてしまったという逸話があり
荒くれの冒険者達もここでは肩を狭くしてお行儀よく順番を待つのだ。
なお『ムカついたからもう買えなくてもいいので喧嘩してやる!』は通用しない。
店主の拘りは布告した事にしか発揮されず、販売スペースの静粛さえ維持されれば発生したトラブルについては我関せずである。
NGによる店仕舞い後、店先にて原因と思しき人物がリンチされるのは稀によくある事で、
ホントかウソかそうした伝説により参加者達の行動は一定に制限されていた。
しかしそうなると、今度はスリや痴漢が横行する。
(むっぎゅうっ)
「――っふぎゅふっ…… ふぐっ…… ふっ ふひひ……♡」
また一段と切迫する人の密度に、筋力で弾き返す力のない小娘は小さく呻き声を上げ、しかしちょっと楽しそう。
本来ならこんな人混みに参加するなんて冗談ではないが。
お一人様一点限りの大人気セール品は転売すればちょっとしたお小遣い。
もちろんそれだけではこんな苦行に耐えられないけれど――
本日は位置取りバッチリ、胸が気になる『あなた』に密着♡するベストポジションである。
外出するからには肉襦袢着用で、ふくよかな乳房が押し付けられている『あなた』は女性に油断しているだろうか。
しかしこちらのお股には形成済みの模造男根。
とはいえここまでの用意は無駄になるかもしれないが、ヤル気マンマンの痴漢予備軍。
こんなアグレッシブさを発揮できる事はまず無いが、秘密さわさわ作品から仕入れた間違った予備知識と、
このセール会場におけるささやかな成功体験が危機管理をバグらせてしまっていた。
まずは従える童貞霊達によるフェザータッチから、標的がガチギレしてこないヤれる子であるか否かを確認したい。
ガタンゴトン、と店舗が揺れた。
頻繁におとずれるこの振動は併設された工房からのもので、販売スペースにはご丁寧に吊り革も用意されている。
――ところでヤル気マンマンなのはこちらの都合。
肉襦袢は生身の肉体と遜色ないクオリティで男好きする体型を演出しており
『あなた』はこちらの後方、あるいは他のどこかに居てもおかしくないのだが。
ご案内:「道具店『満印伝者』」にネクラリスさんが現れました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 街外れの教会」からヴィドさんが去りました。
■ヴィド > チラチラと油の終わりを告げる揺らぎ。
急ぎ残りの窓を閉め、入り口の扉を外から閉めた。
そうして、少し先すら見通せぬ暗闇に一歩足を踏み出して。
■ヴィド > 街外れ故に、外灯も家の明かりも乏しい。
だからこそホームレスの雨露をしのぐ場になったり、犯罪者等が根城にする事もある。
割れた窓をそのままにしていては治安が悪くなる。その理論を封じるよう、
定期的な清掃のお陰か教会の周りには目立った生活の痕跡も無く。
ひとしきり祈りを終えると窓を締めに回り始める。
祭壇の両翼にある生活空間である居室や、浴室。
そして、最後に入り口の大きな扉。その先に広がる暗闇に足が竦んでしまった。
この中を一人歩いて帰るという恐怖。
人通りのある街中まではどう見積もっても数分はかかる。
「怖い……けど、でも……、嗚呼。御姉様。」
助けを求めるように紡ぐ声、しかしこの場へ来るに至った大本が、
姉と慕う先輩修道女達の、言わば尻拭い。
逡巡し続ければし続けただけ、夜の闇は深く、濃くなってゆく。
それを理解するのはランタンの油が尽きかける頃。
■ヴィド > 王都の大きな聖堂から派遣される形で訪れた教会。
石造りの豪奢な作りの聖堂とは異なる、木造の小さな教会。
信徒は皆大きな聖堂を目指すためか、定期的なミサすら行われていないのは、
祭壇へ続く赤い絨毯や床、長椅子に積もる埃で察しがついた。
重い大きな扉を開き、窓という窓を開け箒をかけ始めたのはもう数時間前の話。
「はぁ……は、ぁ…… もう、いいよね。」
修道服の膝は埃と濡れた布巾の所為で色濃く染まり、
その代わりに床も、長椅子も祭壇も全てが磨き上げられていた。
木桶や布巾、箒を元あった場所へと戻した後、汚れてしまった服を叩いて整える。
それから祭壇の前まで歩むと、跪いて両手を組む。
誰が褒めてくれるでもない、なんなら、見てくれることもない。
だから、主に祈る。主に伝え導く者、主の救いを求める者達が快適に過ごせる場になりました。と……。
窓から入り口の扉に抜けていく風は季節もあって酷く冷たい。
風が抜ける度に暗くなった教会を照らすランタンの炎が揺れて。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 街外れの教会」にヴィドさんが現れました。
ご案内:「九頭竜の水浴び場 マッサージ室」からエレイさんが去りました。
■エレイ > ともかく、男は客を迎え入れ。カーテンは再び閉ざされて──