2025/07/01 のログ
ご案内:「釣り堀」にホウセンさんが現れました。
ホウセン > しん…とした空間。
初夏の暑さも驟雨の稲光も及ばない、現世から切り離された彼方此方。
一見、北方帝国の辺境で古に見られたかもしれぬ、
大きな池を南側に、残りの三方に建物をという建築様式がある。
主に貴人の住まいに用いられたらしいが、流石に本家本元程のサイズ感ではない。
精々が平民地区の宿屋が一件、まるっと収まる程度の面積に縮小されたものだ。
特にこの大きさである必要は全くないが、ひとまず形から入ってみようということらしい。
主たる平屋の寝殿から池の間には、整えられた白砂敷。
所々にぽつんと立っている岩の上、この空間の主が腰を掛けており。

「ふむ、ひとまず糸を垂らしてみたが、そう容易くかかるものではないかもしれぬのぅ。

いっそ、餌でも変えてみようか。」

誰に聞かせるともなしに発した言葉のとおり、手には竿を握り、糸は池の中に。
斯様な素性不明の池に魚が棲んでいるかも怪しいが、狙いはその先に。
この閉鎖空間から出た先は、王国のどこかしらに通じており、
獲物を引っ掛ける針の代わりに、捕縛の呪式がとっくりと。
今のところ、落とし穴に掛かるのを待っているようなものであるけれど、
不幸なことに誰彼かが罠の起点を踏んでしまったのなら。
途端に足元へ八卦の陣が浮き上がり――この空間へと”釣りあげられる”仕組み。

ホウセン > 静寂が大部分を占めており、鼓膜を揺するのはせせらぎの音。
全くもって、どこに水源があるのかもわからぬというのに。
どこから持ってきたのか分からぬというのなら、時折柔く吹く風もだ。
何もかもが、精巧なまがい物のカリカチュア。
そこで何の感慨も抱いていそうもない、小さな主こそが異様さの核かもしれぬ。
何の気なしに釣竿を掲げると、スルスルと池から釣り糸が引き上げられて。
最後の最後には、釣り針と餌の代わりに長方形の符がぶら下がっていた。

「いくら何でも、狙いを絞り過ぎてしもうたか。

五目釣りという風に、餌にも工夫を…嗚呼、工夫というよりはこだわりを捨てるが近しいのぅ。」

濡れた符を掴んでいる左手の親指。
苦労知らずで綺麗なそれで、表面にささっと何かを走り書きする動き。
練り込んだ呪を上書きし、新たな効果を持たせたらしい。

「とはいうても、欲の皮の突っ張ったものでなければ掛からぬか。」

それでも試しと、再び釣り糸を垂らそう。
罠が舞い降りた現世で何が起きるかといえば、
罠の近くに幻影が生ずる。
金を欲すれば金に、食物を欲すれば食物に、美男子を欲すれば美男子に、戦を欲すれば強者に。
そして性質の悪いことに――何者かを助けたいと欲すれば、困った人間に。
慈愛や義侠心さえも”欲”と判じる下衆妖仙にかどわかされれば、如何な目に遭うやら。

ご案内:「釣り堀」にルルマリーさんが現れました。
ご案内:「釣り堀」にカリーナ・メリアさんが現れました。
ご案内:「釣り堀」からカリーナ・メリアさんが去りました。
ルルマリー > 餌が変わるは覿面だった。

ぴく、と糸が動いた。くん、と釣り竿に生じる僅かな手応え。

ぴくぴくぴくッ――… ッ。
ひとつ、ふたつ、みつ。 砂砂利に波紋が生じ、広がって。
今度は確かに、竿が大きく弓なりに撓った。

びく、ぐんっ。 ぐぐんッ。糸がぴんと張った。
どうやら――“魚”が暴れている様子。

ホウセン > やる気なさげに無聊を慰めているだけといった、アンニュイな雰囲気を纏わせていたのに。
それでも感覚器官は人後に落ちぬほどには鋭敏で。
先触れの小さな小さな振動を、竿越しに指先で拾い上げて。
後は魚釣りと同じだ。
上手い具合に獲物が餌を飲み込むのを待って、捕縛の呪を展開させる。
現世では一瞬のこと。
八卦の紋様が浮かんだと同時に、後ろ手に拘束されてしまうだろう。
後は”ここ”に引き出すだけだが――

「ぬっ…どうにも威勢が良いようじゃな。
危機察知能力が高いのか、余程”餌”を放しとうないのか…!」

釣竿を右に左にいなしながら、ぐぐっ…ぐぐっと根競べ。
それでも、何もかもが小さな主に都合の良い術と空間だ。
程なくしてざっっっぱーんっ…!と釣り上げられる憂き目に遭おう。

「存外大物が掛かったようじゃのぅ。
それにしても何に執心しておったやら。」

”大物”と口にした時、この美少年に見える妖仙がどこを見ていたやら。
池の中から吊り上げられたといっても、実際に水の中を引き摺り回された訳でもなく。
王国に居た時と違うのは、拘束の術が未だに体にまとわりついているぐらい。
白砂利の上に転がされっぱなしという扱いは、如何なものか。
ちょこんっと地に降りると少女の前にしゃがみ込み、もそもそっと身体検査。
どこかに仕舞い込んだ符が、何を見せていたのか興味が湧いたらしい。

ルルマリー > それは、本来ならある筈もないこと。
貧民街のうらぶれた薄暗い小路に、物凄く素敵なレースの手袋が落ちていたのだ。
高貴で瀟洒な、細くて長い絹の手袋。
布はつやつやで少しだけ光沢があって指はきゅっと細くて、とてもとてもよい匂いがしそうな。
きっと御貴族様かお忍び中のお姫様が落としたのでは???と思えるような。
拾い上げてすぅはぁ鼻に押しあてて匂いを嗅―…ごうとはいやもちろん、断じてしてないけれど。
泥に汚れたり雨に濡れたりしたらどうしよう、拾って届けてさしあげないと、なんて。
だって拾ったらもしかしたらもしかしちゃって、うっかり高貴な貴婦人が馬車に乗って現れて
うっとりするような微笑みで少女の手を握って「貴女はもしかして生き別れの――…」以下略。

そんなこんなでスカートで手をごしごし拭って綺麗にしてから手を伸ばして――伸ばしたら。

「――――ッ!?  っ!?!?????」

手袋が、まるで糸で引かれたかに娘の手ごと、ぐんと引かれ。
何故か。不可思議な紋様が足元に瞬いて。 ぞぶんっ、 落ちた。
ついでに何か目に見えない不可視のものが腕をぐるぐる巻きにして――…

泥なのか水なのか砂利なのか。よくわからない空間をびょいんと跳び越えて
顕現するルルマリーinワンダーランド状態。

「 !??  !??!??? !???????」

打ち上げられた魚、大混乱。鳩が豆鉄砲喰らったような顔の桃灰頭。
目の前にはまるで救貧院で面倒みている子らと似た年頃の、
いやそれよりも数倍も数十倍も愛らしい黒髪艶やかな異装の少年がおり。
身体検査を施されたなら握った手の中、ふんわりと甘やかな香水焚きしめられた手袋が、くしゃ、と。

ホウセン > 釣られた魚が、自分がここに居る経緯を具に理解してる方が怖い。
ちょっと魚介類を食べられなくなりそうなぐらいには。
お目目がグルグルしてそうなムチポヨ少女の反応は、そういった意味では安心。
当人が安心できる状態なのかはさて置くとして。
遠慮も恥じらいも感じるような思春期マインドはとうになく。
無遠慮に体を弄って早々に見つけた”餌”なのだが。
人の世と人間を長く閲している妖仙とて、かくんっと首を傾げる事態。
手袋、手袋…何故と。
しかも、平民か貧民かといった少女が手に付けるような意匠のものではないし、片手分だけ。
防寒用?売り払って小銭稼ぎ?何か汚れたり滑るものを掴みたかった?等と、流石に脳内劇場までは見通せぬ。
一方で引きが強かったこともあり、余程の執着ということだけは理解できる。

「手袋フェチというヤツかのぅ。
嗚呼、それとも高貴な女子の指で好ましいという線も捨てきれぬか。

長く、細く、しなやかな指先で股座を…等と考える助平が釣れるとはのぅ。」

あんまりにあんまりなレッテル貼りである。
だが、開陳された事実が一つ。
少女をこんな目に遭わせた張本人が、ちんちくりんの美少年ということだ。
その証拠に、手袋を手の中から引き出すと、ぽんっと煙でも出そうな効果音と共に元の符に。

「ま、残念がることでもあるまいよ。

指が好きというのであれば、儂の指とておさおさ見劣りせんじゃろう?」

指フェチが半ば確定事項のように。
確かに救貧院の子供たちのように力仕事をしている訳でもなく、手入れの行き届いた綺麗な指。
流石にお貴族様のマダムのようなスラリとした長さは無いが、見目麗しいのはお顔だけはないぞと。
ほれほれ、よく見てみぃとばかりに少女の顔をペタペタと。
軽く鼻を突いて豚鼻にして遊んでいたのも束の間、その指が唇へ。
軽やかに紅でも差すような手つきで薄く薄く擽って――ぬぷりっ…と、人差し指を口唇へと侵入させようか。

ルルマリー > 思いきり片頬を白砂に埋没させて、玉砂利に転がる貧民娘。
異国情緒漂う寝殿造が異国情緒とも解っているのかおらぬのか。
不格好に打ち上げられたまま、混乱しきった双眸が、ぐるぐるきょときょと。
気付いたら両手は後ろ手に拘束されて、ばゆんとふくよかな胸元だけが強めの主張を。

折角握り込んだ手袋は、あれよあれよと小さな紅葉に奪われて――
挙げ句の果てに、ぼんっ。 符に変じてしまうのだから、狐につままれるも此処に極まったりだ。

「ぁ、ぇ へ――? ふぇ…?  ゃ、 ま… ッ…」

(訳:あれ、いや、フェチ…?いや、待って違うそうじゃなくて)
多分それくらい言いたかったのだろうけども、あまりの事態になにぶん失語発症中であり。
それでも股座云々を理解する頭は働いたらしかった。
手袋消えた効果音がそのまま音声にあてられそうな、――ぼんっと赤面。

「ぃぃぃぃ、ぃや! ちが…っ、 ひろって、それで、持ち帰って、
 持ち主さまにお渡しするまで大事に、っ……またざ、とかじゃあなく…ッ」

このちんちくりんの美少年は突然なんてことを言い出すのか。
というか、此処は何処であなたは誰なのか。もうなにがなんだかわからない。
もぞもぞと身を捩れば、まるで滑稽な芋虫よろしく娘のむちぽよがのたうった。
真っ赤な真っ赤な顔の、狼狽えてへの字になったくちびるに、
少年のちいさな指がふれる。ぺたぺた。
傷ひとつないすべらかな指が、娘の鼻をぶひと持ち上げ。
そして唇を柔く擽って、 ――ぷちゅ。 押し込まれた。

「 ん   ぅ っ!?」

目、シロクロ。なんか。なんか。決して指フェチとかじゃなくてそういうのじゃないけど。
綺麗な指。つやぷにの指。桜貝みたいな小さな爪。
高貴な雅やかな雰囲気を纏った、自分とは違う世界のやんごとなきお子さまの指が。
嗚呼、娘のぷるりとした上唇と下唇に、挟まれて。なんだか頭が奇妙に――くらり、とした。
この娘、指フェチではないが、高貴な御方フェチだったりするもので。

ホウセン > 種明かしというように、餌を元の符に戻したのも悪戯心。
驚く顔が面白かろうなんて、人様の気持ちは置き去り。
ある意味では、羽振りの良い成金商人の御曹司めいた情動に似てるといえば似ているが。
声にならないのに何かと騒がしい反応に、さもありなんとうんうん。
それはもう、自分の性癖をド直球で言い当てられたら、反駁の言葉も碌に出ないよねと。
漸くの事でわたわた弁明しているのを見下ろす視線は、ちょっと生温かい。
皆まで言うでない、こっそり”オカズ”にするつもりだったなんて言えようがなかろうと。
理解があるようなツラをして、少女の尊厳をガリガリ削っている美少年。
それもこれも戯れ。
だから、あれもどれも戯れと、人差し指の口内侵入。
引っ込み思案そうな物腰に見えていたから、まかり間違ってもガブっとはされまいとは踏んでいたけれど。

「ふむふむ、儂の指を相応に気に入ったように見えんことも無いのぅ。

遊んでやる故、歯を立てるでないぞ。」

科を作るのも自然な仕草。
サラリと揺れた黒髪から、手袋が纏っていたのとはまた異なる、花のような甘い匂いが散って。
ぬりゅ…と、指を第二関節まで押し遣り、手首を返して指の腹で軟口蓋をこしょこしょ。
異物といっても成人男性のものほど太くも長くもないから、嘔吐感には繋がらずに済もうか。
そうやって口腔を弄られるという倒錯的な状況に馴染む頃合いを見計らって、或いは見計らったつもりで。
ぬぷっと中指を追加。

「儂がじゃれついておるというのに、縮こまったまま…というのは不敬であろう?
この様子なら…”愉しませ方”を知っておりそうじゃしな。」

性根が高貴かは審議として、ナチュラルに上から目線の物言いは馴染んでいよう。
それを甘さを帯びた変声期前の声で囀る不道徳感。
二本にした指をまた手首を返して指の腹の向きを変え、今度は少女の舌へと。
指の間に挟んで、擽って、擦り上げて、絡めて。
指で行う疑似ベロキス。
ちゅぷちゃぷと唾液の絡む音を意図的に漏らしつつ、少女と遊ぶのではなく少女”で”遊ぶ。

「上手ぅできたら、もっと”遊んで”やろうか。」

そんな一言を付け足して、身体だけではなく頭の中まで。