2025/11/01 のログ
ご案内:「北方帝国シェンヤン「八卦山」」にナチハイさんが現れました。
■ナチハイ > 八卦山の崖に挟まれた川、風は少なく流れの遅い深い川の中から
一人、男が音も無く上がってきた。男の衣服は全く濡れていない、
水の中を進む為に手足で水を掻く事もしなかった為、水は波に揺れる事さえなかった。
水面から上半身を上げた男は、泳ぐために手足を動かす事もせず、音も無くゆっくりと
川岸まで移動し、川を上がる。
■ナチハイ > 「流石にこれだけ静かに川の中を移動すれば妖怪の手合いも気づかなかったかな…」
人の姿を取っているが、本質は神亀である男はココに至るまで水の中を潜り
川伝いで目的地まで来る事は難しくなかった。畳んで、下げていた腰袋に入れておいた
大きな袋を取り出すと、森の方へと入って行く。
時間帯は夜で、今日は月が出ていた。
「…………」
男は空を見上げていた。ココまで妖気が溢れてきた仙境だと龍や霊鳥の類が
悠々と月明かりの下で飛んでいる事は無いようだ。
■ナチハイ > 故郷の辺鄙な仙境でも、神龍や霊鳥は時折空を横切っていたのを男は思い出した。
男の故郷には神器も立派な宮も無い。あるのは磨かれていない霊気と岩と水と木…
「…………王国にいようが帝国にいようが、やんごとなき方々を見上げるのは同じか」
「ココにはいないだろうけど」
亀は飛ばない、龍たちが飛んでるのを見上げるだけだ。
水の中を音も無く潜る、まるで存在してないように
自分の故郷にそっくりだと、男は自嘲した。
■ナチハイ > 「さて……」
男は森へと入って行く。月明かりが少ない、暗がりの部分。
そういった場所に生える野草、妖怪も潜んでいる事がある為、川を使い
遠回りで自生していそうな場所までやってきたという事だ。
「…………」
■ナチハイ > 「あったあった………」
目的はニリンソウだった。そして例によってトリカブトが幾つか混じっていたが
自分用に使うなら多少トリカブトも取っておく事にした。
自生する野草を必要な分だけ取ると、また静かに水の中に潜って行った
ご案内:「北方帝国シェンヤン「八卦山」」からナチハイさんが去りました。