2025/06/14 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル > 「――うっわ、もう…! 一旦避難しよ、避難!」

 朝からどんよりとした雲行きではあったが、昼を過ぎてぽつぽつと新緑の枝葉を叩いて揺らしていた雨が。

 ザ――

 と勢いが急に強まって二人連れの冒険者のうちの片割れ、ヒーラーの方が慌てたように連れを促した。
 その行く手には広葉樹の大木があって、青々と隙間なく生い茂って伸びる枝葉は充分に雨から守ってくれそう。
 急いで濡れた藪をかき分けてその幹まで走り込んでいくと、大きく息を吐きだして。
 ほんのり湿った毛先をふるふるっと頭を振って雫を払い落とし、ウェストバッグから手拭いを二枚取り出す。
 一枚はそちらへ差し出して、

「濡れちゃったねー。拭きなよー」

 そう勧めながら、もう一枚自分用の手拭いで髪や服に点々と散る雨粒を拭きながら、ほう、と吐息を洩らして鈍色の雨空を見上げた。
 広葉を叩く雨の勢いは強く、今しばしやみそうもない。
 直径が二メートルはありそうなどっしりと立派な樫の木は少々の雨風ではびくともしないし、その下にいればちっとも濡れる心配はない。
 とても移動には適さないと判断される天候になってしまったから。

 大樹の根元で雨宿り。

 今日、一緒に依頼を受けて街を発ち、森に分け入った冒険者仲間はどんな顔してるだろうか。
 雨音を聞きながらそちらを伺い見た。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」にティアフェルさんが現れました。
ティアフェル > 「はー……、やみませんなぁ……」

 ザーザーザー……
        ぽつポツ… ぴとん っ

 森閑とした中、絶え間なく響く雨音。
 溜息がまた零れる。
 もう少しすれば弱まるかなあ…、と希望的観測を抱きながら。
 まだ、今しばし雨宿り。地表に折れ曲がってせり出している木の根に腰かけて小休止は続く。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 森林」からティアフェルさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 洞窟」にマルタさんが現れました。
マルタ > メグメールの自然地帯にある、ダンジョン化した洞窟の一つ。
比較的大規模であり、まだ調査中のそこは、入口近くであれば辛うじて光が入るものの、
奥に入れば光を発する一種のキノコやコケ類以外の明かりは滅多に無い。
そんな中を、魔術で作った光の球に先導させ明るく照らしながら、一人の修道女が歩く。

「う~ん、痕跡はあるのですが、見当たりませんねぇ」

冒険者兼修道女のマルタは今回、先にこの洞窟に調査に向かったっきり帰ってこないある冒険者を探す依頼を受けていた。
それ以外にも、冒険者や商人など様々な者がこの近辺で行方不明となっている。
彼ら彼女らも、おそらくこの洞窟に潜む何者かに攫われたのだろうと、冒険者ギルドは推測していた。

「道は真っ直ぐですから、この先に居るはずなのですが…」

人が通れそうな道は、枝分かれせずに奥に続いていた。
四方八方を光が照らしており視界は良好。待ち伏せを警戒し遠くにももう一つ光球を飛ばしてある。
マルタは讃美歌の鼻歌を歌いながら、先へ先へと進んでいく――。