2025/10/10 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」にアレハンドラ・アルディオーラさんが現れました。
■アレハンドラ・アルディオーラ > 王都マグメールにいくつか存在する、街道から市中へ繋がる通用門のひとつ。
ここは特に、隊商などが多くの荷物を商業施設へ届ける為に使う、搬入口としての色合いが強い。
この日も地方からの食品類・布類を積載した馬車がいくつか、門を潜って王都へと入っていった。
それを見届けて隊商の主が、今回の労働終了の号令を発する。
これから商会の面々は幾日かの休暇に入るのだろうし、日雇いの人夫たちは稼ぎを安酒か私娼にでも注ぎ込む。
いずれも散財の愉しみへ期待を抱き、輝かしい顔をしているのである。
……さて。
今の時勢、隊商には護衛がほぼ必須。そして護衛任務は冒険者にとって比較的割りの良い稼ぎである。
が、この冒険者はどうも、回りの連中に比べて表情が明るくないようであった。
「はー、終わった終わった。……ほんっっっとうに、やっと終わった……!」
明るくないというか、赤いのである。
赤い髪と、髪に色を合わせた赤いスカート、それに長剣をひとふりだけ携えた少女冒険者であった。
あまり周りと視線を合わせないようにしながら、任務終了に胸を撫で下ろし、報酬だけ受け取って足早に隊商から遠ざかろうとしている。
よくよく見れば少し顔が赤く、うつむき気味になって長い髪で顔が隠れるようにして歩いている。
「とんだ赤っ恥だわ……しばらくこの商会の依頼受けられないじゃないぃ……」
時折、すれ違う商会の男達に、暖かい目で見られたり欲望混じりの目を向けられたりもしているのは──自業自得な理由があるのだが。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」にブールドさんが現れました。
■ブールド > 「お、そこのお姉ちゃん恰好良いねぇ。どうだい、ちょっとそこらで一杯。
お姉ちゃんになら一杯くらい奢るぜ?」
はて。隊商の派手な入場と運び込まれている荷物やそれを開梱している人員に比べると護衛の冒険者の数がそんなに多い訳でもない。
少女の様に見える冒険者以外には、目ぼしい女性冒険者もおらず。
足早に隊商やその護衛団から離れようとしている少女へ声を掛ける男。
本来は宿への客引きをしようか、とも思ったのだが女性の数が殆ど見えない。
その少ない女性の一人が足早に離れようとしている。
となると何かがあった可能性がある。
面白い話を聞けるかもしれないし、美味しい思いも出来るかもしれない。
そんな下心を抱きつつも、いきなり宿に誘うよりはと一杯の飲み物を肴に誘い水を向けてみる。
「もちろん酒がダメなら良い飯でも良いぜ?」
■アレハンドラ・アルディオーラ > つとめて周囲に接触しないように立ち去ろう──としてか、足甲の音もやかましくざかざかと早歩き。
その最中かけられた声に、びくんと一度肩をふるわせ、まず視線だけをそちらへ向けた。
道中で見た顔ではない。
つまり隊商の護衛任務にあたっていた同業者とか、或いは隊商側の人間ということも無さそうだ。
この国に生きる者の常として、見知らぬ人間への警戒心は当然にある──がそれはそれとして、〝赤っ恥〟を知る相手でもなさそうだ。
そう認識すると、少女はため息ひとつ吐き出してから答えた。
「ごめんなさいね。今はあまり、そういう気分じゃないの。
……あっ、いえ、そうじゃなくて。今はって言うか、違うの、いつでもって言うか──」
言い訳のテンプレートのような前振り、からの。
「──私、割と見た目で人を判断しちゃうって言うか」
まったく言い訳として成立していない台詞。
軽いナンパへ対して向けるには、いささか棘が強いしっぺ返しであった。
■ブールド > 「あぁ、なるほど。見た目は――確かにどうしようもないか。
そりゃしょうがない。」
棘の強い言葉には男は肩をすくめるしかない。見目を変える事は出来ないからだ。
見た目が理由ならむしろ少女の気分を害したと思っていい。
だから後ろに一歩下がる。ひらり、と手を振ってから背中を向ける。
何があったのかを知りたくはあったが、相手に嫌な思いをさせてまで聞くのは違う。
「悪かった。お嬢ちゃんの眼鏡に叶う相手に会えると良いな。」
男は其の儘雑踏へと消えていく。
少女に抱かせた悪い気分への詫び言葉と共に――やがて完全に人ごみにまぎれるようにして男の姿は完全にその場所から見えなくなるだろう。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」からブールドさんが去りました。
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」からアレハンドラ・アルディオーラさんが去りました。