2025/06/24 のログ
ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」にエリビオさんが現れました。
エリビオ > 踏みしめられた道を歩んでいく。周囲は薄暗く星月の明かりがほんのり王都への行方を照らし出す。
か細くも長い長い平原の道のり。誰彼もここを通って行き来はするものの、誰1人通らぬ代わり映えしない道のりに2本の足に溜まった疲労も辛くなってきた。
不意に抱えていた荷物を地に落としたのなら、その場で仰向けに倒れた。
舞い上がる土埃が一張羅の学生服に降りかかるが、それに構う気力すら重たげに落ちた黒瞳にはない。
「あー、しんど。少し遠出をしすぎた。」
呟く言葉が耳を掠める虫の音に混ざって夜気に消えていく。
濡れるような湿度も夜となれば涼やかで、風が露出した首筋を優しく撫でる。
街道で大の字に眠るのは迷惑かと思えど、今少しこの心地よさに休息しようと瞼を閉じた。
暫くの静謐の後、不意に何か――草を踏む音が近づいてくる気配がした。
が、起き上がる気力はなく首だけを起こして。
「誰か……いる?」

エリビオ > 油が切れた機械のように軋む上半身を持ち上げて見上げた先は踏み固められた街道とそれに沿う風に揺れる草原しか見えない。
誰かいたと思っていたのは気の所為だった。
「もう少し頑張るか。せめて焚き火が起こせるような場所で休んで……朝までに寮に帰れればいいや」
震える足に力をいれて長身を持ち上げる。投げ出された荷物を肩に背負い。土に汚れたマントを払い除けたなら。
また一歩一歩、噛みしめるように街道を歩いて夜陰に消えていくのだった。

ご案内:「メグメール(喜びヶ原) 街道「まれびとの道」」からエリビオさんが去りました。