2025/06/01 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」にルーベルさんが現れました。
ルーベル > 貧民地区と平民地区を隔てる場所を示す様な広場。
気紛れな貴族が高貴な物の義務と声高に主張しては行われる『救済の炊き出し』。
参加する者の思惑は様々。それこそ気高い志の者もいるし、ただの偽善と割り切りながら金を出した手前と顔だけ見せる者もいる。

実際に一食にも困る者には受けもよいのだろうけれど、貧民自体への恒久的な救いには成り得ず。
むしろ餌に釣られて少々小奇麗にして寄ってきた顔立ち整った者などはこの場で囲われたり、後々所在が分からなくなったりと良い結果ばかりではないのが実態ではあろう。
それでも貴族同士や大店商人などは評判も欲しいからか開催は定期的に行われていて。
手伝いにと雇われた教会関係者、冒険者、平民なども入り混じる、一種独特の空間。

「退屈だのぅ」

そんな場所でも護衛に囲まれ施しの様子を眺めるだけの貴族たち。そのうちの一人であるルーベルが益体も無い事をはっきり告げては近くにいた貴族に苦笑される。
手ずから給仕めいたことをする奇特な貴族も居なくはないがやはり少数派。
一応は…と参加した多くの貴族やそれらの代理人はつまらない催しの一つとばかりに人の集団を離れた位置から眺めるばかり。

見るだけでは飽きたのか、何か興でも引いたのか、その席から離れて周辺へと足を向ける男。
衛兵らしき者が一応は止めるも手で構うなとばかりの仕草を見せては、人の間を歩いて周る。

なにか面白い手合いでもいないか、いっそ不埒者でもいれば面白いのにとばかりに。

ルーベル > うろうろと会場を歩く間に配給も終わりに近づく。
そろそろ解散と知らされては、箱馬車に乗り込み邸宅へと帰宅していって…。

ご案内:「王都マグメール 貧民地区2」からルーベルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 大衆酒場」にルルマリーさんが現れました。
ルルマリー > 今月の食費が足りない――。救貧院の院長から溜息交じりに相談されたのは昨夜のこと。
先日、豪雨で壊れた屋根の修繕をした不測の出費が原因だという。
悩ましく眉間に皺刻み、店に飾る花を届けに行った折、
酒場の店主が、それなら夜、店内で花売りをしてみないかと提案してくれた。
テーブルをまわって籠花と干菓を売ればいい、という。
酒で気が大きくなった客は意外といい客になる。
ますます売れる「従業員服」を、此方でも用意しておくから、と――。

そして、夜。

「あのっ、おうちにいらっしゃる奥様に、お花はご入り用じゃあないですか…っ?」

ふあふあの桜灰髪をリボンで結った少女が、
酔っ払いでごった返す窮屈なテーブルの合間を歩いてまわる。
客の男達は思いの他少女を呼び止め、花と小袋に詰められた干果を買った。
少女の健気さに心を打たれたから、じゃない。
大半は――…その、酒場の店主が着せた服。
歩むたびに、たゆんっ♡たゆんっ♡と歳に見合わぬ豊乳を揺らす、
胸元の際どく空いたワンピースと、愛らしさが逆に卑猥を醸すふりふりエプロンドレス。
小柄なくせに胸と尻ばかり肉感的にむちむちと育った、薄倖の少女の肉体に
鼻の下を伸ばしての声掛けであったが、その下卑た視線を知ってか知らずか
娘はせっせと物売りに励む。

「ありがとうございます…っ。お花とフルーツ、おひとつずつですね?」

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 大衆酒場」にエズラさんが現れました。
エズラ > 「おうい、花売りさんよ!こっちにも来てくれよ!」

騒がしい酒場にもかかわらず、一際通る大声で少女を呼び寄せる男。
誰がどう見ても、この酒場の風景にぴたりと噛み合うゴロツキ一匹、という風貌の男。
ご多分に漏れずすっかり酔っ払っているらしく、少女の扇情的な衣装に対してムフフと助平心を隠そうともしない笑みを浮かべている。
しかし驚くべき点が一つあって――
少女を呼び寄せ手招きする手には、その外見におよそ似つかわしくない、重そうな財布が握られているのである――

ルルマリー > 賑やかな酒場、野郎で犇めく店内。
可愛らしい花を買うには大凡似つかわしくないゴロツキ同様の男らの手に
色とりどりの小さな花が握られている異様な空間が生じつつあり。
彼らは一様に、少女に話し掛けてくる。
『お嬢ちゃん、いつもココで売り子さんしてんのかい?』
『どうだい?テーブルで一緒にさぁ…』

「いえっ…!今日だけ、店主さんに許可をいただいて、ですね…っ!
 なので、ぇと、あの、…っぉぉぉ、お仕事なので…っ…!」

わたわた、ぺこりっ。律儀に頭を下げては――…
丁度良いタイミングで掛かった声に、ぱ、と顔をあげて。
うろうろ、其方に向かい掛けた足を一度お買い上げしてくれた客に向け、

「お買い上げ、ありがとうございました っ」

ぺこ。また一礼を向けたなら、客らもほっこりニコニコである。
呼ばれた方へ、少女は椅子の合間を掻い潜って向かう。
手には花籠。花籠の中には、たくさんの花々と、袋詰めの干果。
少女は己を呼ばわった客のテーブルの前に立ち。

「ぁ、ありがとうございますっ。 どのお花をご入り用ですか?
 今日は、手作りのドライフルーツもあって、ぇえと、種類は――っ…」

エズラ > 少女の手の中にある花籠の中――そこに無造作に、ずしりと重い、貨幣の詰まった革袋が放り込まれた。

「――全部だ」

短く、一言――
男はどう控えめに見ても裕福な様子ではない。
しかし、花籠の中に放られた革袋から零れた硬貨は黄金色に輝いている。
その重さが“本物”であることを証明していた。
どうやら、本日の日雇い仕事の賃金全額が――その中に納まっているらしい。
そうして、勢い良く立ち上がり。

「おおい店主!売り物もはけたわけだし、いつまでもこんなむさ苦しいトコに、こんなお嬢ちゃんを置いといちゃあいけねぇよなぁ!」

そう言うが早いか、怒号や制止を押しのけて――少女の手を取る。

「――そんじゃ、外まで案内するぜ――」

ムッフッフ、という男の笑みには、これまた誰がどう見ても、助平心が隠す気なくあふれている――
その“外”というのがどこを指すのか――自ずと知れようか。

ルルマリー > ぼす。花籠の中に放り込まれた革袋は、少女の籠の中身より余程重い。
ひゃわ、と一瞬漏れた声は、唐突に腕に掛かる重量が増えたから。
大きな真ん丸の双眸が、ぱたぱたぱたぱた。拘束で瞬いて、

「ぜっ、 」

思い掛けぬことに、少女のちいさな唇が失語した。
『おいエズラふざけんなよ!俺の買う分なくなるじゃねーか!!』
彼の見知り客よりそんな声すら飛ぶ中、

「ぇ、あ、 わ、――…ぇ、あ、ひぇ!?」

わたわたとおぼつかぬ手で革袋の中身を検分して、眩い黄金色に、また絶句。
少女が吃驚しているうちに、男と店主の間で言葉が交わされ、
そして。手が握られた。

「ひぁ、 ぇ、ぁ。 ――――…!?!???」

店主に縋るように桜灰頭を巡らすも、視線が合う前にあれよあれよと連れ出され。
是も非もないうちに、“外”へと案内されている始末で。

エズラ > 男の歩みは力強く、迅速――数歩歩く内には、腕を引くだけでなしに、ひょい、とその小柄な体躯を軽々と腕の中に抱え上げてしまう。

「わりぃなみんな!宵越しの金は持たねぇのが信条だ!」

そう捨て台詞を残すと、颯爽と少女を“攫って”いくのであった――

エズラ > 【移動】
ご案内:「王都マグメール 貧民地区 大衆酒場」からエズラさんが去りました。
ルルマリー > 「ちょ、わ、 ま――――…  ひぃ ッ!??」

情けない悲鳴が雑踏に谺する。攫われた娘の命運は如何に――?

ご案内:「王都マグメール 貧民地区 大衆酒場」からルルマリーさんが去りました。