2025/10/26 のログ
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にムルムルさんが現れました。
■ムルムル > 平民地区から遠く歩いてきて流れ着いたのは貧民地区であった。
建物の老朽化が次第に増え、道に腰掛け、ただ動かない人々が増えてきた。
平民地区のように何か目的があって歩いている者は少ない。
空が曇り始めてきた。娘が見渡すと、自分と似たような姿をした女性たちが
比較的大きな通り、そして数人は路地裏でたむろしている
「…遠くまで来ちゃった」
曇り始めているが、今日も雨が降る事は無く、雲は薄く月明かりで周囲の雲は明るかった。
娘は娼婦達に倣い、路地裏に入って隙間から見える空を眺めた
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」にエリビオさんが現れました。
■エリビオ > ギルドの依頼で貧民地区にまで訪れた。仕事が長引き帰るときには夜の帷が降りている。
辿る帰路にすれ違う人々は無気力に座る人々……とは別に露な膚に職業女を連想する人々。
品定めのようにこちらに目を向ける彼女たちに、憐憫と好奇と軽蔑とも、何も込めぬ茫洋とした眼差しを注いでいく。
偶には女性を買うのもいいか……そんな気持ちに大通りを歩いているとふと一人の黒衣の女性に目がついた。
高身長なこともあるが、他の娼婦達とは違う雰囲気に思わず惹かれたから。
月明かり照らす中でゆっくりと歩み寄れば。
「こんばんは。いい月だね」
微笑みを浮かべてそっと語り掛けていく。
■ムルムル > 呼び掛ける言葉にすぐに振り返り、反応する。
しなやかな肢体をくるりと回転させ、声の主の方を振り返ると
真っ白な肌をした娘は青い目を本当の意味で光らせ、彼を見る。
「こんばんは!」
黄色い、鈴の転がるような声で元気よく娘は応える。歩み寄る相手に合わせるように
娘はすぐ側まで寄ってきた。
「ムルもそう思っていた所だよっ、ムルが見ている時は大体雲で隠れている事が多いけど」
シルエットとしては細長くしなやかだが、肢体と白い肌が柔らかく揺れている。
■エリビオ > 凛、と澄んだ声は酒焼けした場末の娼婦の声とは違う。
雲間から時折覗く月明かり照り返すかの眩い肌もまた……思わず見惚れそうになる黒瞳を意図した緩慢な瞬きで静止した。
「寒くなってきたからかな。月の明かりがとても映える気がする。
……そんな格好で寒くない?」
並べば長身の己とも遜色ないその人に薄く小首を傾げて笑みを漏らした。
近くで見れば蒼き瞳は明らかに人と違うそれ。己と同じ色合いの恰好なれど露出の多いもの。
幾つも疑問は通り過ぎるけれども、弧を描く唇から紡がれたのは――
「君も、ここにいる人たちと同じと考えて良いのかな?
俺と一晩一緒に過ごしてほしいんだけれど、良いかい?」
■ムルムル > 「心配してくれるの?ありがとう!」
娘がパっと笑いかける。もっと年齢が幼いような印象の、明るい少女のような具合だった。
人の事を言えたものではないが、話しかけてきた彼もまた、周囲の人間とは違う姿をしているのだった。
「ココにいる人達?」
娘が辺りを見回す。そして続く言葉にその意味を理解する。
確かに娼婦たちと同じか、それよりも戦場的な姿をしている。
納得したように頷くと、すぐに彼の傍に身体を寄せる。
「ムルの事、構ってくれるのっ?」
腕を彼の背中に回すと立派に形の良い乳房を胸板に押し付け、その瞳をのぞき込む
■エリビオ > 「……っ、そりゃ心配さ。風邪をひかないか。
これから寒くなるからね。」
双眸細めてゆっくりと頷く。頷きながら腕組みした姿で彼女を具に観察した。
まだ名前すら知らないが、恐らくは娼婦でもない。人でもない。
この治安悪き貧民街に辿り着いた流れ者……ただし決して悪意あるものではない。
そう長く思案する内にぽふり、と柔らかな衝動を受けると思わず肩を竦めてしまい。
「っと!構うっていうか……」
随分と人懐っこい人だ。己もその性質であるから、いきなりの抱きつきに困ったように眉を細めるのは一瞬のこと。
覗き込む蒼瞳に屈託なくウィンクをする黒瞳を見せて。
「うん。ムルと遊ぶよ……ここは寒いから場所を移そうか。
俺の名前はエリビオ……君の名前は、ムルでいいのかな?」
■ムルムル > 「本当っ?!ありがとう!嬉しい!」
晴れ渡るように明るい無邪気な笑顔を彼に向けた。
年若い見た目だが、身体を触れ合わせると相応に引き締まっているのを
娘は感覚的に感じていた。
「エリビオさんっ!」
「ムルは、2つ続いて本名になるよっ、ムルムルっていうのっ」
■エリビオ > 「あはは。どこまで喜ばれると面映ゆいよ!」
今宵の月より幾ばくか明るい笑みを向けられるとほんのり目元に朱が走ってしまう。
体に這う手が己の筋骨を探るのにも擽ったそうに震わせながら。
はらり、と黒衣のマントをそっと彼女の肩にもかけて包んでゆき。
「エリビオ、でいいよ。というか君のほうが年上だったりして。
ムルはムルムルって言うんだね。ムルって呼ぶよ。
さ、温かい宿屋に行って寒くなった体を温めよう。」
屯する娼婦たちの輪から抜けるように2つの影は寄り添ってその場を後にして。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からムルムルさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 貧民地区」からエリビオさんが去りました。