2026/01/02 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にリュミエールさんが現れました。
リュミエール > 娼館の姉達から、押し付けられたお節介。
私服に着替えて向かったのは普段立ち寄らない富裕地区、
以前立ち寄ったのは娼婦として身売りを始めた時だった……。
その時と同じ店、足を踏み入れれば煌びやかな衣装や、
生地から仕立てるのだろうと思わせる設備までが目に入る。

緊張していた昔よりは多少冷静に見えるようになった物。
とはいえ格式高い高級ブティックに居心地がいいかと言えばさにあらず。
店員に通されるがままに店の中程、フィッティングルームも近い場所で、まずは一つ、と手渡された。

「え……ぁ……、えぇ……?」

素敵な物を選んでね。そんな姉達からのメモと共に薄い紅色のドレスを受け取ると、
まだ少々混乱したままそのカーテンに仕切られた部屋の中へ。
衣擦れの音と共に、下の隙間から落ちる衣類。
身に着けたドレスは、ドレスと呼ぶのも烏滸がましい。
下着も、肌も、全てが透ける程薄い、上等な生地の物だった。

娼婦の衣装ならばさもありなん、と言った所だが、一人顔を赤らめていると、
掛かる声、そしてカーテンを薄くあける店員の姿。
恥ずかしそうに前を隠し棒立ちになる姿を見て、首を捻っては消えていった。

「いや……あの……。どうしたらいいのかしら……。」

今度は此方がカーテンから顔を覗かせる番。しかし、周囲に人影はなく、途方に暮れる。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にロゼールさんが現れました。
ロゼール > そのブティックの奥の奥。
貴賓室ともいえるような部屋から出てくる一人の女性。

「それでは、注文のものはサイズ直しの上で持ってきてくださいな。
小物も同じタイミングで大丈夫。よろしくね。」

担当らしき店員にそのように言葉を告げてから出口の方へと足を向ける。
その途中、フィッティングルームの前を通ったとき、フィッティングルームのカーテンから覗く顔と視線が重なって足が止まる。

「…………」

流石に何だろう?と内心困惑しているものの、特に表情に出すことなく。
暫し見つめあった後で、女の側から動く。

「ごきげんよう。いかがなさったの?」

カーテシーを取ってから向ける声。
少し強気、勝気そうには見えるけれど、そこまで気難しそうには見えないそんな表情で。

リュミエール > 元着ていた物に着替えて出る。そんな簡単な判断すら、緊張のせいか思考から消えており、
おそらくは他に何か提案をするために立ち去ったのは想像に難くない。

だから、暫くはそこから動けずにいたのだった。
そんな折どうやら奥に居た先客らしき相手と視線が重なる。
本来ならば居るべきではない不釣り合いな身分の物ではあるが、
流石に視線が合ったうえでカーテンの奥へ引っ込むのは失礼に感じられ……。

「ぁ……いえ、そんなご丁寧にされる程の身分では……。」

それが、貴族や王族、所謂高貴な身分の所作である事の知識くらいはあるのだろう。
首を横へと振りながら、なんでもないとアピールをする動きがカーテンを揺らして、
その合わせ目を揺らして隙間を生み出す。
薄っすらと、その隙間から肌も露わなドレスを着た身体が見えたかもしれず。

「た、ぶん……別の物を用意してくれていると、思うのだけれど……。」

気恥し気に、双眸を伏せて。御見苦しい所を、なんて小さく呟いた。
きっと相手からすれば、蔑まれてもおかしくない、夜の格好であることは一目瞭然だから。

ロゼール > 向けた礼と言葉に、謙遜というか、むしろ卑下にも似た反応を返す相手。
少し目を瞬かせ、不思議そうに小さく首をかしげてから

「礼を向けるのは、身分に対してではないわ。目の前の貴女に対して初見の礼を取るのは当然のことではなくって?」

カーテシーも結局は礼。平民が頭を下げることと何も変わらない、と言うように告げた言葉。
その最中にカーテンの隙間から見えたドレス。
そこで生業も推測はできた。

とはいえ、もともと生業で人を区別しない貴人にして奇人である。
故に、表情が笑みに変わる。リュミエールから見ても、邪気も下心もなさそうな笑みへと。

「まぁ、とてもよくお似合いじゃない。もう少しよく見せて下さらない?
一瞬しか見えなかったけれど、貴女の体躯とよくバランスが取れていると思うわ。
まぁ……衣の薄さで恥ずかしいのかもしれないけれど、折角にあっているドレス、隠してしまってはもったいないわ。」

そんな言葉を継げながら、数歩動いてふぃてぃんルーム入り口の真ん前に立ち位置を変えた。
にこにことした笑顔は、純粋な興味と好奇心でフィッティング結果を見せてほしい、と言っている様子で。

リュミエール > 高貴な者だからこそ持つ余裕というのだろうか、
彼女が紡ぐ言葉には、何を当たり前の事を。そう感じさせるものがあった。
困惑の色が濃かったその表情が笑みへと変わり、そして見せて欲しいとせがまれる。

恥じらいと、共に浮かぶのは顧客から意見を聞けるという商売の頭。
暫く逡巡を見せた後に、その姿がカーテンの目の前までやってきてしまえば、
一度カーテンの奥へと顔を引っ込めて、それからもう二つ、カーテン越しに音が鳴る。
不格好になるだろう胸と臀部を覆う飾り気の下着。自らの衣類を籠に入れてから、開くそのカーテン。

「いかが……でしょうか。」

おずおずと、まずは全身が見える程度に開き手を離す。
右足を少し前に堕しスタンスを取ると腕を後ろ手に組んで。
ワンショルダーのタイトなドレスは、褐色の肌に張り付くように。
そのメリハリのついた凹凸を際立たせ。
それでいて足元は少し広がったマーメイドタイプ。

後の鑑に映り込むのは、開いたままの背中のジッパー。肩さえ外せばすぐにでも落ちる。
見た目も、実用性も兼ねた物。

ロゼール > 期待を込めて見つめていれば、一度引っ込む彼女の顔。そのあとで開かれるカーテン。
するとそこには、ドレスをまとったエルフの姿。
まだ多少の羞恥感は見て取れるものの、きちんと立ち姿を作るのをまってから、きちんと評するようにか、まずは正面から。
続いて右に動いて右前から、左に動いて左前から。
そのあとで近づいて、ほんの少しだけ、ドレスを直し、また少し下がってみやれば、小さく頷いて。

「ええ、とてもよく似合っているわ。貴女の綺麗な褐色の肌にこの衣の紅はとてもバランスよい配色になっているわね。
つくりもきちんとしていて、貴女の体にしっかりとフィットしているわ。
着崩すことも想定されたつくりなんだろうけれど、だからこそ敢えてきっちりと着こなすことで、そのギャップも魅力に変わるわね。

角度を変えても見させていただいたけれど、どの角度からみても美しく映えるように作られているわ。
とても良い注文をされたのね。
どのようにみても貴女の美しさを……ううん、美しさの中に混ざる可憐さをも引き立てる素敵なつくりなのだけれど……」

そのように評の言葉を向けつつに、手入れされた靴のままフィッティングルームへと足を踏み入れて、リュミエールの腕を取れば、ロゼール自身が男役としてリュミエールと腕を組み、その姿を鏡で見せるようにすれば

「……うん、やっぱりこのようにすることがこのドレスを一番美しく映えさせるわね。
このドレスは隣にだれか置くことを想定して作られているものじゃないかしら。
分かる人なら、私の位置に自分が立つことを想像して昂るかもしれないわね。

どう?ほかにも私に聞いておきたいことはあるかしら?」

そこまで大きな身長差がある訳ではないけれど、この至近であればリュミエールのやや上方から、ロゼールからは少し見下ろすような視線で穏やかな笑顔で見つめて告げた。

リュミエール > フィッティングルームの中、まるでスタイリストに調整されているかのような手つき。
馴れている姉達よりも、余程手練れに見えるのは、高価な物に触れる場数の違いもあるのだろう。
少々戸惑うような視線を向けて、その褐色の頬を更に赤く染めながら、
評される言葉に耳を傾け。

「は……ぁ、すごく、緊張するわ……。 御姉様達が、もう少し客受けするものをって、用意してくれたのだけれど。

そうやって、褒めてもらえると嬉しい。私もそうだけど、御姉様達も褒められた気がして。」

漸く、本来のというべきか、安堵したような笑みを浮かべて紡がれる言葉はほっとしたように。
それから、その身体が同じ部屋の中へと、腕を絡め取られ鏡へと映り込む姿は、指名され寄り添う娼婦そのもの。

絡めた腕、その指先を相手の手背へと滑らせて撫でながら
自身よりも豊かな膨らみと柔らかな質感を持つその身体に寄りかかるようにして、朱いドレスの中、その腕に自らの膨らみを押し付け歪ませた。
その歪みすらも隠さず映し出す薄い生地は、その先の突起の形まで明確に。

「すごく、素敵……。御姉様達に感謝しないと……。
それに、お姉さんの言葉に自信も持てて、嬉しかったわ。

だから──。

私は、プルミエール。フィーユに籍を置いているの。
お姉さんは……、今の私、買いたいと思って下さる?」

甘えたように、視線を屈みから見下ろされるその視線を真正面から受けるよう見上げた。
組んでいた腕を少し引いて重ねる手背を導くのはなだらかな腹部と其の奥へ。

じぃ、と視線を重ねたまま唇を湿らせるようチロリと覗いた舌先が唇を舐めた。
店内で、という事を考えれば聊か大胆な行動。けれどそれは、そんな仕草すらも相手の評価に値するか、そんな心持で。

ロゼール > 自分の言葉にようやく自分を取り戻した様子で言葉を紡ぐリュミエールの様子に笑みを深めて見やりつつ

「うん、やっぱりよく似合うわね。特に、その素敵な笑顔に一番よく似合う。
あら、それは素敵なお姉様方ね。こんなに素敵なプレゼンをしてくださるなんて。」

彼女の言葉に応じるように返していく返事。
そして、二人立ちの後で、寄りかかるように、膨らみを押し付けてくる所作をそのままに受け入れて、
お互いの視線が絡み合い、甘えたような所作と誘う仕草に合わせて向けてくる言葉。
それに返事を返そうとしたときに、ロゼールにかかる声は執事のものか。

曰く、馬車が付いたことを告げるそれ。
ふむ、と少しだけ考える様子を見せてから

「確か、今日はこの後の予定は何もありませんでしたね?だから、少し研究をしようかと思っていたはずだから。」

執事に向けた言葉に帰ってきた言葉は諾意。その返答に鷹揚に頷けば、今一度リュミエールに……いや、『プルミエール』に視線を向けて

「では、行きましょう?プルミエール。貴女のお姉さま方を驚かせなくてはならないわ。
だから、着替えることは許しません。我が家の馬車で、フィーユまでお連れしましょう。

……そのあとは、楽しませてくれるのでしょう?何時間、買わせてもらおうかしら。
こんな素敵な子猫と楽しめる機会なんてそうそうないもの。」

穏やかに微笑んで、でもその瞳の奥に淫蕩さを見え隠れさせながら、プルミエールに返した返事。
その後で、先にフィッティングルームを出て彼女を1からエスコートするような動きを見せる。
彼女の荷物も使用人たちにまとめさせ、そのまま腕を組んだままに馬車が止まっている出口の方へと向かっていく。

扉が開かれたとき、そこには王家の紋が入った馬車が止まっていて、そのままその馬車へと乗り込むように促されるだろう。
そして、そのまま彼女の店まで馬車は走っていく。

その後、王族の馬車に乗りつけられた所か、そこから降りてきたうえに同伴です、となれば、大騒ぎになったかもしれないけれど、この続きは部屋の中。
熱いひと時となったことだろう。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からロゼールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からリュミエールさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」に鳥傀儡さんが現れました。
鳥傀儡 > 青に白い雲がまばらに浮かぶ富裕地区の空を、ふわり、一羽の鳥が行く。
白い翼をはためかせ、裕書正しき公爵家の館から、成り上がりの男爵の館。はたまた先日、主が急死してしまった大商人家の軒先へ。
風に乗って漂う果てに、街はずれの枯れ木の枝へと身を寄せ停まる。

落ち葉が足元に敷き詰められるばかりで寒々しい枯れ木には、白い鳥が1、2、3……両手では数えきれない数群がり、その中に一際大きな鳥――もとい、真っ白なワンピースに身を包む小さな幼女が座っていた。
あの高さまでいったいどうやって上ったのか、空に近いその場所で怖がりもせず、小鳥たちの囀りに耳を傾け楽し気に相槌を打つ。

『へぇ、そうなんだ。うんうん、面白いね。
 あなたは何を見たの? ふーん、人間も大変? そうだね、大変だね。
 ――噂話? 聞きたい聞きたいっ』

鳥傀儡 > 小鳥たちが話す噂話。
人間達がここだけの話として口にしたことまで、彼らは面白おかしく綺麗な声でお話をしてくれる。

大店(おおだな)の旦那様が殺されたんだって。”

“聞いたわ聞いたわ。物取りだったとか!”

“あら怖い。でも悪い噂しか聞かない人だったものね、殺されたって聞いても驚かないわ。”

“家にも沢山黄金財宝を溜め込んでるって、カラスも言ってた。”

“犯人は捕まったの? いったい誰が殺したのかしら?”

“さぁ? 知ってる?”

“知らない。”

“こと切れる前にニンジャ?とか言い残したらしいよ。”

“なぁにそれ?”

“なんでも、夜闇色の異国風の姿だったとか。”

“怖いわねぇ。”

“怖いわねぇ。”

『怖いわねぇー……』

小鳥たちの声に幼い囀りが重なる。どれも人の言語ではないが、幼女はそれを理解していた。
やがて幼女はゆっくりと瞼を下ろして動きを止める。
それはまるで、電池が切れたかのようだった。

ほどなくして、ふわりと風が巻き起こり、何処からともなく表れた陽炎に包まれ幼女の姿は消えた。
残る鳥の群れも、時が経てばまた新たな場所へと去っていくことだろう。

ご案内:「王都マグメール 富裕地区2」から鳥傀儡さんが去りました。