2025/06/18 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 公園」にトルドさんが現れました。
■トルド > 「ばいばーい。」
幾ら陽が長くなったとは言え、大体が名家の子供。
食事の時間もあれば、単に暗くなることで危険度も増す。
執事や召使い。両親が迎えに来たことで子供たちの集まりは解散となった。
元気よく、友達に向かって手を振った。一人取り残される空間。
それを待っていたかのように陽は山の影に隠れて、茜色から藍色へと景色を変えてゆく。
外灯が灯るも、広場と異なり住宅街からも少し離れた公園は人通りも少ない。
「どうせ、帰っても……。」
所詮は紛い物である。本来なら気にすべくもないのだ、が……
この身体は相性が良すぎたが故に子供らしい寂しさや、悲しみが小さな心を苛む。
だから、近所の大人に怒られても尚、夜の徘徊は止まなかった。
ただ……少しだけ安全に配慮する気にはなった。それはきっと成長。
本来であれば二人で楽しむシーソーの片方に跨って座り其のシルエットは外灯が薄く照らす程度。
■トルド > ──ギィ、バタン。
重さの無いシーソーはリズムをゆったり刻むでなく、きしむ音を立てて上がっては下がるだけ。
流石に寂しい、というか虚しい。そんな思いに拍車がかかる。腰を上げると外灯の下にあるベンチへと向かいそこへ腰を下ろした。
背凭れの無いそれに手をついて見上げる空。今日は星も見えず空が遠い。
時折紙袋を持ち公園を抜けてゆく、家族の待つ家へ急ぐ人の姿を眺めながら、そろそろ帰るべきか否かを自問自答し始めた。
「…………また、行ってみようか。」
そう思い立つのは先日の平民地区。やはり一人で考える時間があるのは碌な結果を齎さない。
先日とは違い、少しだけ多めのお金もある。と腰の布袋を取り広げて。それでも所詮子供の小遣い。
■トルド > 「よ、し……。」
ベンチから立ち上がり足を向けたのは住宅街のある方向ではなく。
平民の住まう、賑わう夜の街へと。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区2 公園」からトルドさんが去りました。