2025/06/16 のログ
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にルルマリーさんが現れました。
■ルルマリー > 平民地区と富裕地区、その境界線あたり。
この道一本より先はとても踏み込めないけれど、何となく此処迄なら許される――そんな場所。
その越えがたい境を前にひっそり佇む小娘の姿がある。
桜灰のふあふあとしたツインテールヘア、挙動不審な双眸。
手にはぽつぽつと売れ残りの底に散る花籠を携えて――…そぅ、と見遣るは遠く伸びる白亜の壁。
やんごとなき上流階級の館へと連なる高い高い壁だ。
「……………。」
ほぅ、と至福の感嘆吐息。
こうしてたまに、こっそりと高貴な人々の居住区を覗くのがこの娘の密かな趣味であり。
もしかしたら己を捨てた御貴族様も、
この堅牢な壁の延びる先に住んでいるんじゃないかなんて、妄想がほわほわと…。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」にグスタフさんが現れました。
■グスタフ > 警邏にしては普段着すぎる恰好で男は富裕地区を歩いていた。
今日は非番である。なんでこんなところを歩いているかと言えば
ちょっとした買い物の帰りだった。
そんな折、どこかで見た目立つ髪色と髪型に視線をやると
あまりこの場には似つかわしくない様子の少女。
もちろん見覚えがあった。
「この先で花売りするなら、許可がいるぞ」
近付いても気付いていない少女に声をかけて
軽く後ろから抱きしめる。この先には行かないように、と耳元で囁いて。
「……困ってるなら援助しようか?」
男の手が柔らかそうな胸元に伸びていく。
■ルルマリー > 夜のバルコニーでお酒を一滴落としたお茶を嗜んでいる貴婦人だとか。
これから馬車で通りすがるかも知れない紳士だとか。
もしかしたらもしかして――…なぁんて妄想に頭が浸っている最中。
背後からの気配になんて、全く注意が向いていなくて。なので、
「ひゃぇ!?」
背後から抱きしめられて、心臓が口から飛び出そうに驚いた。
ぴょこ、とその場で跳ね上がってしまったのじゃないかと思うくらいに吃驚して、
動揺する。見覚えがある男の人。たしか、前に。酒場で。
―――――― ぼんっ。 真っ赤。瞬間薬罐状態だ。
「ぃえあのいやえと、ぁぁぁぁぁ、ぁの、ッそうじゃなくてあのぇと、あの…っ…」
そうじゃないと横に首をぶんぶん横に振り、
この先なんて行きませんと首をコクコク縦に振り。兎も角忙しい。
男の手が胸元に伸びれば――尚更に。
「ぅ、ぁ…ぇ……っ、だい、じょうぶ、です!!!」
■グスタフ > 「あ、そう? ルルマリーちゃんだから、ふらふらと……ねぇ?」
ニコっと笑って、聞き分けの良い返事に満足して。
抱きしめた身体を離すことなく、そのまま別方向に身体を向ける。
「じゃあ、あっちからは離れてさ、一緒にお酒でも飲みに行こう。
一人酒は寂しいからさ。ルルマリーちゃんがいてよかったよ」
軽く寄りかかるように抱き着きながら、酔っているフリをして。
素面の男はそのまま彼女と一緒に夜の平民地区に消えていく。
■ルルマリー > 「!?……… っ!????」
わたしだから?ふらふらと??? 小娘の表情に混乱と疑問符がもうすごい。
あれよあれよと方向転換。杖よろしく男が寄っかかってくれば
半ば潰れ傾きながらも懸命に支えようとしてしまうのは、
困った人を無碍に出来ない人の良い小市民気質であるからして。
「ぇ、 や、 いや、 お酒は飲まない… っ、… ひぁ…!?」
そして、何処ぞへと連行され――。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からグスタフさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 富裕地区」からルルマリーさんが去りました。