2025/08/09 のログ
■ドリィ > 「確かお昼もやってた筈。
お昼だと、確か甘めのサンドも売ってた気が――…買ったことないケド。」
人伝てに聞いたのだ。彼処のホットサンドはなかなかいける、と。
なので試しに買ってみた今宵であるのだが、成る程。確かに価格の割には上出来だろう。
ハーブの利いたソーセージとザワークラウトの酸味が粗挽きの胚芽雑じりのパンズの香ばしさとよく合っている。
少年の告げる評価は確かに、女も頷けるもので。
「そぉなの! 正直エールを買おうか悩んだんだけどー…ま。たまには。
お酒の味を覚えて、美人のお姉さんを引っ掛けて… ――クふっ。将来有望ね?」
少年の口振りを茶化すものの、彼の物言いは矢張り、健全な微笑ましさが勝る。
嘆息の様子も、何となくその表情を静観したい若者らしい可愛らしさが見受けられた。
ンー、と軽い調子で考えてから、己が唇に人差し指をあてがってみせ。
「少年、いーい?美人のお姉さんがヒトツ教えてあげる。
そぉゆう場合は、優劣をつけるより、たぁくさん、味を覚えてー…
マッチングを遊んだ方が幸せになれてよ?」
■エリビオ > 「そうなんだ。これからはここで買っていこうかな。
教えてくれてありがとう。」
食べ終えて掌についたパン粉を掌で払ってゆく。
時折吹き抜ける風が心地よい。そんな中でからかう台詞も。
悪戯に耳を擽られる心地に似ていてふっ、と小さく吐息を零し。
「美人のおねえさんを引っ掛けては余計さ。
でも、もし酒場にお姉さんがいたらナンパしていたかもね?」
片目をウィンクしてどこか微笑んでるようにも見える眼差しにじっと重ねる。
「マッチング……ああ、組み合わせってことか。
俺もコーヒーの味を覚えて組み合わせを考えることにするよ。
そうすればもっと楽しめそうだし。」
ぽ、 ん。脚の反動の利を借りてしなやかに腰を持ち上げれば、そんな楽観的な詞が零れ、晴れ晴れしく笑った息を吐き出した。
「俺、もう行くね。お話ありがと。」
ひらり、掌を振り直ればその足取りは軽やかに広場から去っていった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からエリビオさんが去りました。
■ドリィ > 少年の言葉に戯けるよに、軽く双眸見開いてみせ。
「あら楽しみ。
そしたらその時はー…、お姉さんがエール以外のお酒の味を教えてあげる。」
紅茶の味もコーヒーの味も、酒の味も。これからきっと様々を識りゆくのだろうと思えば、
軽やかに立ち上がる相手の挙動も、何処か眩しく――矢張り、微笑ましくすら。
ぴらぴらと軽く指先揺らす気楽な挨拶を返せば、その背中を見送り乍ら、紅茶を一口。
心地好い夜のささやかな出逢いを経て、――…もう暫くは。
のんびりと夜を肴に、紅茶を嗜むも悪くあるまい。
紅茶と似合いの巡り合わせだって、きっとあるかも知れぬのだし――?
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からドリィさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」にラリーさんが現れました。
■ラリー > 平民地区内のその小さな古書店は、わりと地区の中心の近くにありながらほとんど目立たず、立ち寄る者もそう多くない。
また古書店という性質上、商品の劣化を避けるために出入り口の向きなど日差しが殆ど入らない設計になっていて、店内は薄暗い。
そんな店の奥、接客カウンターの向こうで椅子に座って文庫本を読んでいる店番らしき少年の姿があった。
この店は少年の実家が経営しているもので、書類上は別の人間を立てているが実質的な店長は少年が務めている。
それ故、この店は少年にとって学院の図書館以上に自由のきくテリトリーである。
獲物となる対象が訪れれば、ほぼ確実に術中に囚われる羽目になるだろう。
もっとも、客足の少なさから獲物の出現は図書館以上に運任せではあるが…その時はその時、が少年のスタイル。
ただ静かに、読書に没頭しながら客の訪れを待ち続ける。
なお主な客層は通常の書店では見つからないような商品を求めるマニアックな本好きか、
遠方の客との本のやり取りの依頼を受けた冒険者あたりとなる。
少年の修理の腕はそれなりに定評があるため、そうした依頼もぼちぼちやってくる。
「…ん」
そうしていれば来客を告げるドアベルの音が響いて、少年はゆっくり本から顔を上げ
珍しく現れた客の姿を視界に入れた。
さてその客は少年の獲物になりうるような者なのか、それともなんでもない一般客か…。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 古書店」からラリーさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区・宿屋」にクローネさんが現れました。
■クローネ >
王都の平民地区に並ぶ宿屋兼酒場。
その二階の一室、寝台の上にて。
「………ん」
薄手のシーツ一枚を隔て、裸体のまま寝そべっていた女がゆっくりとその瞳を開く。
うすぼんやりとした紅眼に飛び込んでくるのは、昼下がりの陽が差し込む部屋の窓。
眩しげに眼を細めて、気怠そうに上半身を起こす。
「………」
記憶がない。誰かと泊まったんだっけ……
「…そーとー飲んでたとこまでは覚えてるけど…」
その後のことがさっぱりである。
誰かと意気投合して部屋で寝たのか。
適当に食えそうな若い少年でも見繕って連れ込んだのか。
はたまた、カウンターで潰れたのを運ばれてきたか。……いやそれだと服脱いでる説明がつかない。
…ま、いいか。と特に細かいことを考えない女は寝台から降り立って、部屋を見回す。
■クローネ >
部屋には誰もいない。
着ていた服はベッドの上。
「ヤったにしてはシーツも綺麗だし汚れてない…か」
木製のテーブルの上のグラスに指先から氷魔法で精製したロックアイスをコロンと落とし、水を注ぐ。
…泥酔状態で運ばれてきて、暑くて自分で脱いだかなんかしたか…?
何せ泥酔状態である。正直何をしていてもおかしくない。
酔った時の自分は申し訳ないが自分自身が一番信用できない。
「(そこまで飲むな、って話なんだけど)」
冷たい水を喉奥に流せば、ようやく寝ぼけた頭がはっきりとしはじめる。
■クローネ >
「……とりあえず迎え酒しよ」
ベッドに脱ぎ散らした服を拾いあげ、薄布紛いのそれを身につける。
多少汗はかいているがそこは魔術師。水分の分解消臭と蒸気による皺伸ばしなどお手の物である。
ズボラとか言うな。
備え付けの姿見の前で手櫛で髪を整え、申し訳程度に化粧だけは直して、準備完了。
「…あれ、でもお金あったっけ……まいっか」
なんか、適当に飲んでる普通レベル以上の顔の男にでも奢ってもらおう。
そんな気満々に二階の部屋を出れば、ちゃらちゃらと鍵を鳴らしつつ、一階の酒場へと降りてゆくのであった。
ご案内:「王都マグメール 平民地区・宿屋」からクローネさんが去りました。