2025/06/21 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区2」にアルブスさんが現れました。
アルブス > 「はい、エールと角ウサギの香草焼きお待ち! 他のはもちょっとまってね!」

だん、と、乱暴にならないよう気を付けるも、急いでいるから勢いを殺しきれずに音がなる。
それを気にするほど上品でない冒険者風のグループ客はエールに各々手を伸ばしていく。

アルブスが次の皿を厨房に受け取りに行くころには、背後から乾杯の声が人数分聞こえた。

あわただしく机の合間を行ったり来たりしている少年は人によく似た姿の魔族。
王国に、融和のための切っ掛けにと見込まれたものの、本人はゆったり漫遊気分。

今日は市井の酒場で給仕の日雇い仕事をしている。

一応は貴族扱いなれどそうかしこまった育ちでもないのか、元々そういう気質なのか。
平民に交じっても隔意があるわけでもなさそうで、小器用に客とやりとりをしては、人懐っこい笑みを振りまいていて。

夕食時は過ぎても酒宴の盛りはまだまだこれからという者もいる。
とはいえ相応に酒が進んで死屍累々のテーブルもあったり。

(注文はだいぶん落ち着いたかな…)

先のテーブルに残りの注文物を運んでは、別のテーブルの片づけをして洗い場に戻しそっと一息。
元々、夕食時だけの臨時雇いだったのだけれど、忙しそうなので延長手伝いを申し出ていたところ。

上がってもいいぞ、と、礼と共に声がかかり、さて、と、借り物エプロンの結び目を弄りながら、
その通りにするかどうせだからも少し手伝うか…と、口元むにむに動かしながらに興味深い酒宴の場を眺めていた。

アルブス > そうしていれば、とん、と、腰元を突かれる。

この店の看板娘がまかない飯を用意してくれたらしい。

「おぉ、美味しそう…ありがとう!」

にへ、と緩んだ笑みを見せたのは食い気か、看板娘相手だからか。
壁際の開いた席でそれを味わって食べ終わるころには、また少し店が落ち着いて。

結局、閉店まで手伝ったのは少年の人の良さか、看板娘が上手だったのか。

ご案内:「王都マグメール 平民地区2」からアルブスさんが去りました。