2025/11/29 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」にシルニアさんが現れました。
■シルニア > .
「…今日はいい依頼がないのです。むう…。」
ギルドの飲食席の円卓で1人ちょこんと座っている私は、頭を悩ませていた。
この日は生産業や製造業など、休業になっている施設も多い。故に、賑わう飲食店の手伝いや、魔導機械のメンテナンス…といった手軽な依頼が普段ならあるのだけれど、今日はそういった依頼は締め切っているらしい。
探索、討伐、防衛の依頼も、前衛向き、或いはパーティでの募集ばかりだ。後衛だけの募集もない。
「お店もなかなか奮わないですしー…家計がピンチなのです…」
ならば、自営業で行っている魔法工房の営業でも…とはいっても。ポーションの定期購入の客など、常連は出てきたものの、売上は決して良いとは言えない。
ギルド内で宣伝をするには相当な広告料も取られるし、店を構えるので精一杯の経済の私にはそこまでの余裕がない。
ふう、とため息をひとつついて、暖かくて甘い果実水を一口啜った。
ご案内:「王都マグメール 平民地区 冒険者ギルド」からシルニアさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/にわとこ商店」にネーラさんが現れました。
■ネーラ > 夕方。店の営業がひと段落するころ、店主のネーラは店先に出てグーっと背中をそらして伸びをした。
豊満な胸元の曲線などが際立つ。
「んっ、あぁぁ…」
関節がパキッと鳴った。
薄いベージュのいわゆる童貞を殺すセーターをワンピースにしたものに、チャコールグレーのカーディガンを羽織り、足元にショートブーツ。脚にタイツ。
「そーいえば。学院に出していたアルバイトの検体もそろそろかの。」
求む、ホムンクルスの素材。
要するに、男性の精液である。
文書に曰く。
”蒸留器に人間の精液を入れて40日密閉し腐敗させると、透明でヒトの形をした物質ではないものがあらわれる。それに毎日人間の血液を与え、馬の胎内と同等の温度で保温し、40週間保存すると人間の子供ができる”
バイトとしては至極単純。男性でもフタナリでも射精していただいて、その精液を集める。
ネーラは地下で、文書の通りにこれを錬成し、完成したホムンクルスは、知人の魔法使いに売ったり、自分の商売の計算事務に使ったりしている。
■ネーラ > ええっ!してくれないんですか!!!!!!????
先日にバイトの内容を学院の生徒に説明したところ、
てっきりネーラさんが抜いてくれると思ったのに!
とか言われた。
『お前たち学院のよくない部分に感化されすぎじゃ、馬鹿者!錬金術の素材集めを何だと思っている?…それとも。何か?そうして欲しいのか?それなら、そうじゃな、魂ごと抜かせていただくが…?』
生徒、ネーラさんの濃厚なエロめのスマイルに、一抹の邪悪すら感じて、何がとは言わないが萎んだ。
で、いま。
ちょうど学院の薬学系の生徒が、時間停止の小箱に入れた検体を届けてきた。
「うむ、よろしい。間違いないな。あとで生徒たちには報酬を振り込むように、学院庶務課に伝えておこう」
届けにきた生徒はさっそく学院に帰った。
太陽系第三惑星地球ではできないだろうが、ここは異なる世界で異なる場所、ホムンクルスも錬成可能であった。
「年末になる前にやらねばの」
両手を伸ばして地面につけ、そのままぐるっと背中ごと腕を回す。背中の筋がばきっと動く。
胸とか背中からヒップへの肉感がめちゃくちゃエロい。
でもそんなところ他人はわざわざ見ないのであった。
■ネーラ > 店のドアの前に灯火を灯したり、窓のカーテンを半分おろしたり。
こまごまと立ち働いている。
今日は仕事が終わったらどうするか。
”魔力供給”にでもいくか…と、うっすらぼんやり考えている。
これは趣味でありネーラの努力でもある。魔力の元の一種である性的なエネルギーを採るために、性的な接触を求める。
200年を生きてきて幾つの、命のなるはずのものを魔力に変えてきたか。
歓楽街のしかるべき筋を使っても良いし、ハプニングバー的なものでも良い。
自分の身は自分で守れるし、大体の勝手はわかっている。
店の前を近所の子供が、ポテポテと歩いてる。
■ネーラ > ネーラは一旦自分の店の中に入り、今日の営業時間が終わるまで、店番を続けた。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/にわとこ商店」からネーラさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」に夜宵さんが現れました。
■夜宵 > 冒険者ギルドその一角――掲示板の前で、女は一人佇んでいた。
唇に手指を当てて考え込む仕草の後に、白と藤花の意匠が施された袂が静かに揺れる。
周りには冒険者達の姿。喧騒の中に一つだけ混じ入る異国情緒を纏った佇まいは、
何処か別の世に居るような、そんな異質さを放って。
「――――……ふむ。そうだね。」
案ずるような、思考を巡らせるような声音と、澄んだ鈴の転がるような言葉は少年の調子。
柔らかく息を吐いて、目線を次から次へ依頼紙へ滑らせて行く。
しかしそれらを直ぐに手に取る事は無く――熱が無ければ動かぬと云った具合の。
「魔獣の討伐……ふふ、穏やかじゃないね。
…嗚呼、こっちは護衛の任務――……人、かぁ。」
指差し。けれど、興味を持つわけでは無い。
何方かと言えば女が求めているのは、何かしらの縁探しに近く。
出会いと云うべきか、其れとも驚きか、未知への期待か。
「……ええと?
給仕の募集……――よく解らないけど、決められた衣装を着てお茶を淹れる…。
なんで私はこういうものが目に留まるんだろう。」
興味こそ薄いが、給金が高いと分かると――へぇ、と感嘆を漏らした。
流石に受ける気は起らなかったのだけど。
■夜宵 > 「――どんな依頼が良かったのやら…。」
溢されるは、ゆるく呟く様な独り言だった。問いかけた筈の言葉は誰かに向けたような、そんな響き。
戦って、人に仇なす魔物の命を奪って、報酬を得る。護って、目的地まで導いて、任務を全うする――。
……どれもきっと、悪くはない。でも其れだけでは、女にとっては何か足りない。
「斬って、奪うだけじゃ……意味がない。
――……私は、きっと還したいんだろうね。贅沢かなぁ。」
言の葉は、まるでもう一人の自分に対して語る口調。
刃で、言葉で、祓いで。そんなものにこそ、きっと己が必要なのでは無いかと、問うのだ。
そうでなければ、この身体を通じる意味がない気がするのだと。
人差し指を――依頼書に添える。
人の願い、人の祈りを。其れを読み取る様に、或いは探す様に。
ただ討つのではなく。その理由ごと、還してくれと想われるような。
ただ護るのではなく。その人の疵ごと、背負ってくれと求められるような。
「そういう依頼、ないかなぁ。」
帯刀している祓刀に触れて、語り掛けながら。
そっと視線を柄に落とすのだった。
■夜宵 > 「……選べるうちは、私に余裕があるってこと――…か。」
ごく、小さく呟いた。
指先で依頼書の端をなぞりながら、そっと其処から離した。
文字をなぞる眼差しは相も変わらず柔らかいが、言葉の裏には冷ややかさが眠る。
掲示板に貼られた依頼――――
魔獣討伐、護衛任務、盗賊掃討、行方不明者の捜索。
どれもが命を懸けねばならぬ物ばかり。
今は其れを、どれにしようかなんて迷っていられる。
選べるということは即ち、路頭に迷う程己が状況が逼迫してない事を示す。
……誰かが今すぐ助けを求めている訳でもなく。
自身の腹が飢えて、如何にかして依頼を取らねばという状況でもない。
これは、許された余白と言うものだ。
そして、その余白はいとも簡単に無くなる事も知っている。
誰かが目の前で襲われたりでもすれば、その場に意味が必要になった時は、
迷ってなんていられない。
そんな余地は、きっと無いのだから。
だからこそ今、選べるうちに選ぶという余裕が。深く沁みるのだと。
■夜宵 > これまで長らく生きて来た中では、多くを選ばされてきた。
祓い手として、其処に存在する事で誰かを護ってきた。
――そんな生き方、だったからだ。
選べるということ。
何処へ赴くも、誰と向かうも、意味を其処に見出すかも。
選択出来るということは、己のありのままであっていい事を示す。
其れがほんのひと時の自由だとしても。
選ぶ余裕。
選べないという焦燥。
風も何もかも静まった、湖に浮かぶ月影のような。
今は――凪いだ水面の様に穏やかでいられる。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」にエリビオさんが現れました。
■エリビオ > カラン……軽やかなカウベルの音を鳴らして冒険者ギルドに入った。
長身を包むような黒いマントの裳裾を踊らせながら歩む足取りは迷うこと無く掲示板の前に。
つっ、と伸びやかにマントから溢れる腕にはコクマール学生の紋章がある袖。
周囲の物は何奴かと好奇な視線を巡らせるのも何時ものこと。
慣れたように長い人差し指を掲示板に向けて、己に相応しき仕事を選ばうと黒瞳を細めて見守っていく。
そうする内に同じく掲示板に佇む女性の姿に気づいてなんとはなしにその方に視線を向けた。
「……お仕事、探してるのかな?」
■夜宵 > 「――そうだね、今しがた決まった所、かな。」
手にした依頼書は、先程――選ぶ程ではないかなと思ったものに伸びていた。
可愛らしい洋装にての給仕と書かれた紙を――折り畳んで、己が袖内に放り込んでしまおうか。
依頼へと視線をやる青年の姿に気づき、邪魔になるかと思い女は数歩後ろに下がり行く。
今しがただけの余白を。味わうのもまた一向――とそう結論付けて。
「ふふ、済まないね。
長い間居座ってしまったから、後は好きに見てくれて構わないよ。」
袖口から覗く手指をひらりと翻し。連なる袂を振って、踵を返そう。
――取り敢えずは、命を懸けて戦うよりも気分を変えても良いだろうと。
そう結論付けて、冒険者ギルドを後にする。
目的地は足の赴くまま、どうせならこのまま依頼先を覗くのも一考かもしれないと。
■エリビオ > 「謝ることはないさ。
なんだか俺の方が邪魔しちゃったかな。」
謝罪をする先客に手を振りて謝れば視界の端に去りゆく姿を見送り。
その後は暫く冒険者ギルドの掲示板を眺めて過ごすのだった――
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」から夜宵さんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区/冒険者ギルド」からエリビオさんが去りました。