2025/11/16 のログ
> 先日、噂屋に依頼した己の死の噂――。
もとい“暗殺依頼をされた黒装束の者は死んだ”と言う噂が密かに広がって行くのを見届け安堵した。
のは良いが、問題が一つある。黒装束の小柄として、相変わらず顔を隠し出歩き続ければ噂を流してもらった意味が半減してしまうのではないかと言う疑念である。
顔やミレーの特徴を隠すのは仕方ないとして、せめて、服くらいは新調するべきではないか、と。
長く着続けてきた黒装束も、そろそろ糸が解れてボロが出る頃合いだったし、丁度良いタイミングでもあったと言える。

師のお下がりをサイズを直して譲ってもらう、と言う案もあるが……。それは最終手段である。
今日は黒装束の代わりになりそうなものを一着と、他にも潜入時に仕えそうな服を幾つか見繕えれば上々だ。
さて――。

見渡す店内に人影は無く、カウンター席に腰掛けた店主以外には誰もいない様子。
丁度良いと近くのラックから順に物色を始める。

「んー……。ん、必要なのは、仕事の服……」

呟きながら、最初に見るのは白黒の服が多く掛かった一角。
ワイシャツに黒いベストのウェイター服や、少しくたびれた執事服、そして見慣れたメイド服。
どれも元は貴族の屋敷で使われていたもののようで、古びているものが多いがどれも作りは良い品だった。

「……メイド服、屋敷で着る服が無い……から、丁度良い?」

先日引っ越した新しい住まいは立派なお屋敷だったことを思い出す。
私邸と言えど、仮にも富裕地区の片隅に立つ館。そこに使用人の一人もいないと言うのは、如何なものか。
それに、料理は出来ないが掃除や洗濯、身の回りの世話などはメイドとしての心得があると自負している。
だからこれは必要な服である。
けっして、冒険者業の無い日に屋敷で着る服に迷うのが面倒だからとか、そう言うわけでは無い。
そう己に言い聞かせて、サイズの合いそうなものを手に取り服の状態を確かめる。

> 「これにする」

俗物的ではないクラシカルなメイド服を選び出し、それを本日の一着目と決めた。
あの屋敷では耳も尾も隠す理由が無いのでキャップは不要だが、あれがないとメイドと言う印象が薄くなる。
うーん……。と腕組みをして少し迷った末に、レースを多くあしらったホワイトブリムを選んで良しとした。

次に目を向けたのは娼婦が身に着けていそうな破廉恥極まりない衣装の並ぶ棚。
迷うまでも無く、無言でスルーしそうになりかけたが、ふと足を止めて思案する。
その視線の先にあったのは踊り子の服。フェイスベールで顔を隠せる踊り子は、己の使う認識阻害の術とも相性が良く、娼館や宴の席で貴族や商人を暗殺する時によく着たものだ。
現状、暗殺者として人を殺めることは師から禁じられているが、盗賊ギルドの仕事上、情報を得るためにそう言った場所へ潜り込むこともこの先あるだろうか……。
少し、迷う。

「無駄遣い……になる? んー……。でも、あると潜入が楽。陽炎の術で氣を使い続けるのも消費が……」

メリットと値段を天秤に掛けて悩み、暫く考えていたが最終的な判断基準は。

「うん、買う。多分、先生は喜ぶ」

師の好みに沿うかどうかで購入が決定してしまった。

> それから、それからと、順番に棚を巡って。冬に切るには丁度良さそうな、街で見かける娘たちに擬態できそうな服を見繕い、サイズを合わせてはコテンと首を傾げて戻して。
手元に残るのは数着のみ。セーターは良いが、シャツは胸元がきつくボタンが閉まらないものが多く、背丈には丁度良いのに胸がきつく諦めることが数度も続くと思ってしまう。

「……太った」

ぽつり、呟く声は静かで、思わず零れてしまったものだったのだろう。
ヴァリエールの屋敷にいた頃に比べ、仕事で駆け回る時間は減った。それなのに、毎日三食きっちりと飯を平らげていれば肥えるのも仕方がないとわかっている。わかっているが……。
胸や尻の肉付きばかりよくなって、身長には一切変化が無いことに内心密かにショックを受けてしまった。

なんとか切れそうなセーターや短い丈のスカートなど諸々を三着目に選び、心なしかしょんぼりと帽子の中の耳をへにゃりと下げて次へと向かう。

そう、本日の探し物のメイン、仕事着探しである。
異国の服であった黒装束。それに近しいものを探してみるが、果たして見つけることは出来るのか――
[偶数で発見]
[1d6+10→1+(+10)=11]
> 残念ながら、探し求めているような忍装束に似通った服は見つからなかった。
無い物は仕方がない。今暫くは仕事ではあの服を着るとして、目立たぬように過ごしていよう。

一先ず、選んだ服を両手で抱え上げてカウンターへと運び。

「これ、ください」

言葉短く店主へ告げて、貨幣を一枚ずつ積み上げて服の横に置く。
店主は丸眼鏡の弦を持ち上げ目を凝らし、一度頷くと代金を受け取り、手早く服を畳んで紙袋の中に押し込んで少女へと差し出した。
穏やかな声で『毎度あり』とだけ返し、またすぐに席へと腰を落ち着ける。

用を済ませた少女はこそこそと、通りの人気が途切れたタイミングで店を出て、ふらり昼間の賑わいの中へと消えた。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からさんが去りました。
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエストさんが現れました。
エスト > 平民地区にある書店。
滅多に足を運ぶ場所ではないが、時折に古書を探したりと足を運ぶ。
この日も少し古い魔導書が欲しくなり探すために足を運ぶのだが…。

「少し多すぎだと思わない…これ?」

いざ店にやってきて探している本があるかと聞けばあるとの返答。
それに気をよくしたのもつかの間、自分で探すとなるとそれは大変であり。
数多くある本の中から一冊を探すというのは大変な苦労。

あると聞いた場所の本棚を眺めては行き来し、目的の魔導書をひたすらに探して。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」にエリビオさんが現れました。
エリビオ > 休日の昼間は魔導書を探しに書店にやってきた。
幾つも陳列された棚周りには己の見知った学生の姿が見受けられる。
そんな中で一つ一つ、背表紙に指をかけて古ぼけた紙面を捲りながら物色している内と。
魔道士に似合わぬ黒髪の少女の姿が目に入り、本棚を見回す姿から好奇心刺激されて歩み寄っていく。

「君も魔導書を探しているのかい?」

エスト > 新しい事を覚えて行かなければ先に苦労をする。
そんな考えでやって来たはいいが本の多さに早速後悔をし始める。
しかし手ぶらで帰るのは面白くはないと探し続けるが、似たような魔導書ばかりなのでどれかはさっぱり。
もう一度聞いてくるかと考えていれば声を掛けられ。

「…そうだけど」

こんな店で突然に声を掛けられると驚きと警戒。
声のほうを向けば見知らぬ少年の姿を認め、何か用?というように見返して。

エリビオ > 警戒露わに視線を向けられると両手を持ち上げて軽く手を振り。

「意外な人が魔導書を探してるんだなって気になって話しかけたんだ。
 さっきからずっと本棚を見渡してるみたいだし探すのに苦労してそうだから。
 よかったら手伝おうかなと思ってさ。俺は特に買いたいものはないから。」

柔らかく笑みを浮かべて至極親身に語りかけながら、どう?と小首を傾げた。

エスト > 「意外って……魔導書が欲しいと思えば誰だって探しに来ない?
この辺りにあるって聞いたから探してるんだけど、似たようなのばかりだし見つからないのよ。
……買いたい物がないって、店の人に聞かれたら嫌な顔されるよ」

意外と言われると失礼な、というように眉間に皴が寄り。
似たような本ばかりで探せていないのは事実なのでそこは何も言えず。
ただ客というわけでもなく本屋に居て声をかけてくる。
新手のナンパなのかという目で見返して返事を考えてしまう。

エリビオ > 「確かに魔導書がほしいと思えば探しにくるけれど……。
 君はコクマー学院の生徒じゃないよね。それに魔法を使うより体を動かす方に思える。
 別に君をバカにしてる訳じゃない。」

何を思うかわからねど眉間を寄せられる顔に淡微笑を携えて答えていく。
それがナンパと思われれば仕方ない。

「どんな魔法使いたいんだい?
 もし俺にわかるものであれば手伝うよ。」

エスト > 「……学生以外でも魔導書が欲しい人はいるんだよ?
頼まれたからかもしれないし、体を動かす人でも魔法をって人もね?
初対面で意外とか言われるとね、バカにされてるって思うよ?」

逆に考えたらどう?少年の言葉に少し呆れたように返し。
これに近いタイトルだったなと一冊の魔導書を手にして流し読みをして。

「風関連の魔法のを探してるの。
使えるけどもう少し覚えようと思ってね」

そう言っては探しているものを告げて。

エリビオ > 「ごめん。気をつけるよ。」

相手が取り出された魔導書に視線を這わせ。

「風か……俺の得意なやつだね。
 色々あるよ。突風を巻き起こしたり、風を纏わせて素早く動いたり、風の音を聞いて予知をしたり。
 どんな魔法を覚えたいんだい?」

顎先に指を添えて黒瞳がひらめいた先の背表紙を次々に引き出してその腕の中に魔導書を山積みにしていく。

エスト > 気を付けると言っているが何処まで判っているか。
相手次第では殴られるかもしれないが、それは口にせずにまあいいけどと肩をすくめ。

そして手にした魔導書を読んでみれば風ではなく水関連。
これはこれで悪くはないと追加購入を決めて脇に挟み。

「得意なんだ。
それなりに使えるから、使えそうなのを覚えてみようで探してるから決めてないかな。
そんなに取るのはいいけど買わないよ?」

探している一冊があればいいので多くを手にする姿にあきれてくぎを刺して。

エリビオ > 「違うよ。これ全部買わせるつもりはない。
 本棚にあるから買うのに迷うから候補を絞ってるだけさ。
 これがこの本棚にある風魔法の全て。どれもわかりやすくて使いやすいし
 ギルドでの調達でも重宝している。」

傍にある本棚の踏み台の上に置いてゆき。

「この中で君に必要なものが見つかると良いね。
 それじゃ。」

ひらり、と掌を振ってその姿は本屋から消えていった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエリビオさんが去りました。
エスト > 迷うも何も探している魔導書があると言った筈。
もしかしたら言っていなかったかもしれないが、いきなりに意外と言われた事に少し冷静さを欠いてたかなと反省。
そして踏み台に置かれた魔導書の山を見れは戻していってよとため息をはいては一つずつ戻していき。

仕方がないから店員に探してもらおうと決めて一度受付に戻っていく。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からエストさんが去りました。