2025/11/09 のログ
ご案内:「王都マグメール 平民地区」にセニアさんが現れました。
セニア > 【夜:王都マグメール 平民地区:宿屋併設の酒場】
「ふぁぁぁぁ……」

欠伸をし、髪をかき上げながら、無造作に肌着の中に手を突っ込み痒いぽりぽりと掻く。
ぎし、ぎしと安い立て付けの階段を下りて酒場へ。
あからさまに、今起きました、という風情で。
未だ眠いのか目を擦りながら降りた先、一番近いカウンター席へ陣取って。

「マスター……何か食べるもの……」

そこまで言った所で辺りを見回す。
昼間にしては随分と人入りがいい。
というか既にかき入れ時、といった状況で。

「……え?いや今これもしかして昼じゃない……?」

信じられない、という顔で目を細める。
そこでマスターに今がどれぐらいか、というのを教えられて。
がくり、と肩を落とした。

「ウソでしょぉー……」

仕事を終えたのが昨夜の真夜中と言えるほどの時間。
疲労困憊の中この宿にたどり着き、泥のように眠り。
昼ぐらいに適当に起きるだろう、と高を括っていたら、このありさまであった。
一日を惰眠で消費してしまい、後はもう今日ここから何かをする選択肢などほぼありはしなかった。
カウンターに頬杖を突き辺りをぼんやりと眺めながら、仏頂面でマスターにお出しされた簡単な食事をとりあえず摂ることにして。

セニア > 実に不機嫌そうな顔でむしゃ、とパンを噛み千切り咀嚼していく。
周りは酒精を浴び上機嫌な喧噪の中、そこだけ少しばかり気温が下がるようだ。
ソーセージをフォークで刺し目の前で少しばかり遊ばせた後、口に運んで。
それもまた咀嚼しながらうーんと考える。
指折りしたかった事などを列挙。

「装備の修理に……道具の買い足し……依頼の報告に……後は美味しいものも食べたかったなあ」

といった所でマスターにじろり、と「美味しくなくて悪かったな」というような視線で睨まれて。
マズい、と思いながらあわわわと。

「あ、いや別にマスターのごはんが美味しくないとかそういうんじゃなくてですね……」

慌てて言い訳を捲くし立てればマスターがまた一つ睨んだ後離れていく。
はあ、と己の失言を恨みながら。
また一口パンを齧って。

「それはそれとして今日これからどうしよう」

と呟いてみるが。
既に酒場や食堂以外の道具屋やらなにやらは看板だろう。
現状ではもうここで後は飲んだくれて再度の寝直しぐらいしか道が無いし思いつかない。

セニア > 「……そうするしかないか」

これ以上はもう何も今日は望めまい。
ならば気を取り直して痛飲するしかあるまいと。

「マスター、エール一杯ちょーだーい」

そう注文して、ごとりと置かれたエールをぐい、と一気に一杯目を飲み干して。
直ぐにお代わりを所望する。

そうやって彼女の無駄になった一日はやけ酒で締めくくられるのであった。

ご案内:「王都マグメール 平民地区」からセニアさんが去りました。
ご案内:「宿屋『綺羅星の籠』」にブールドさんが現れました。
ブールド > 「毎度~またのお越しを~」

やる気が無いのか眠いのか、間の抜けた声で宿泊客を見送った男。宿帳には名前と所属が知れる。
ただ、今回は宿に宿泊したのが男だったのでちょっと割に見合わない宿泊客だったという話だ。
『男が好きだ』というそういう映像を好む客もいるにはいるが……というところ。
魔導映像は手順に沿って食事や水の入れ替え。消耗品を入荷する運び手に渡して方々へと売り捌く。
その手はずを整える為に、一度重い腰を上げて店の外にある札。

表にしておけば回収物有
裏の無地にしておけば回収物無

その木の札を表向きにさせた状態でのんびりと一人の時間を満喫していた。
面白いトラブル也なんなりがあればよし、なければ出かけようか、位に開かない宿屋の扉を眺めている。

ブールド > 商品として新たなものを仕入れる必要はある。
仕入れる場合に新たな犠牲者がこの宿を訪れるか引き入れる必要もある。
そのための手段に乏しいのがこの宿の弱点ともいえた。
まだ財に余裕はあるが、だからといってだらだら食い潰していれば何かの行動を起こす事も難しくなる。

表向きは各種ギルドとの提携を結んでいる関係で大っぴらに、毎回毎回宿泊客を毒牙に掛ける事は難しい。
宿泊客もたまにしか来ない関係もあるが、あまり無暗に手を出し続けていてもいずれの先細りはある。

(貴族としての地位を買うにしても、財貨が足りね~。伝手はあるが黒い繋がりばかり。
となると白いつながりも欲しい所だけどなぁ。こんな場末の宿屋で結べる交友関係も限られる……。)

冒険者を通じて貴族に伝手を作るのも手だが、そのためには冒険者を完全に堕とした状態で宿で飼うか、貴族に売り払う。
黒い貴族ばかりでなくとも、見た目の良い冒険者で腕も経つ。忠実な子飼いとして欲しがるのは中庸よりの貴族にも多い。
そこから手を打つか――悩む事は多い。

ブールド > と、そんなこんなをしている間に集荷で訪れたギルドのスタッフに荷物を預け、宿屋は今日も平常営業が続く――。
ご案内:「宿屋『綺羅星の籠』」からブールドさんが去りました。